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二周年のお礼話 前編
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「妃殿下、おはようございます。
本日、私を含め妃殿下の護衛を担当する騎士五名、ご挨拶に参りました。」
「おはよう、皆。」
『おはようございます!』
「今日も宜しくね!」
『はっ!お任せ下さい!!』
朝から妃殿下のご尊顔を拝謁出来る幸せ。
今日も妃殿下は全身を輝かせ優しい笑顔で俺たちを迎えてくれる。
俺は娼婦だった妃殿下が男に襲われるという事件があった時、護衛としてクライス侯爵邸までお供をした事がある。
妃殿下が娼婦だった過去を知っている数少ない人間の一人だ。
人間、立場が変わると態度も変わる事はよくある事だが、この方は娼婦だった頃と変わらない。
いや、人の上に立つ立場、国母となられた事で変わった部分もあるがそれはいい意味での変化だ。
変わっていないのはいつも感謝と思いやりの心をお持ちになっている所。
コロコロと変わる表情は妃殿下の素直なお心を表すように雄弁で、見ているだけで和む。
今日の妃殿下は殊更嬉しそうな、そんなご様子だった。
「何か良い事でも御座いましたか?」
「ふふ、分かりますか?」
「はっ。とてもお喜びになっているご様子に感じましたので、そうではないかと。」
「ええ!実はお義父様から休暇を一緒にどうかってお誘いの手紙が届いたの。
一ヶ月間別荘で過ごすらしくて、一ヶ月は流石に無理だけれど、十日…くらいなら調整出来そうだから嬉くって!」
「左様で御座いましたか!」
ああ、この美しくも愛くるしい笑顔!
にこにこと喜ぶ妃殿下にほっこりと心が和んだ所でタイミングよく陛下がやって来られた。
サイカと陛下が呼ばれると妃殿下は一層笑みを深める。
「マティアス!丁度良かった!今から会いに行こうと思ってて…!」
「はは!ディーノからの手紙の件だろう?」
「マティアスにも届いてたの?」
「当然だ。そなたを城の外に出すのであれば俺に断って貰わねば困る。
ディーノはそういう所はしっかりとしてくれる男だからな。
サイカ、調整はどの程度出来そうなんだ?」
「今の所は十日くらいかな。」
「では俺もそのつもりで仕事の調整をするか。」
「マティアスも一緒?二人同時に何日もお城を離れて大丈夫?」
「ああ。最近はだいぶ落ち着いてきたから問題ないだろう。
俺が一緒では嫌か?」
「ううん、その反対!すっごく嬉しい…!」
楽しみ!と全身で喜びを表現させ、陛下に抱き付く妃殿下の何とお可愛らしいことか。
陛下は言わずもがな、妃殿下も陛下を心から愛している事が容易に分かる。
クライス侯爵領で暮らすご家族にも久しぶりに会えるとなって、妃殿下はいつも以上に政務に励んでいらっしゃった。
翌日には妃殿下がクライス侯爵領で十日程休暇を取る予定である事が既にエターリャ騎士団内に伝わっており、伝えた本人、カイル団長は超不機嫌だった。
何故なら、妃殿下と共に休暇を取られる陛下がダミアン団長を自身の護衛に直接指定されたからだ。
騎士団トップに立つ二人が同時に城を開ける訳にはいかず、ダミアン団長が陛下の護衛に就くのであればおのずとカイル団長が城に残らなくてはならない。
有事の際、帝国騎士団全体を動かせる人間として。
ただ、陛下も思う所があったのだろう。
不機嫌なカイル団長の気持ちを汲んでか、団長が休みの日に一日妃殿下と二人きりで過ごして良いという褒美をお与えになった途端、カイル団長の機嫌は戻ったを通り越してご機嫌だった。
この数日後、妃殿下の休暇のご予定が確定し、エターリャ騎士団詰め所では俺たち妃殿下専属の騎士たち(本日護衛担当の五名除く四十人)によるこれ以上ないって程平和な戦いが幕を開けようとしていた。
「よーし!今日妃殿下の護衛になってる奴以外全員集まっってるな!
カイル団長と相談した結果、今回妃殿下の護衛として同行出来る人数は二十人!
クライス侯爵様の所と陛下の護衛、俺たち、それから妃殿下のお世話をする侍女三名が同行するとなるとかなりの大人数になってしまうが仮に野宿になっても文句ないよなぁ!?野宿が嫌な奴は今すぐ退場するように!!」
「野宿が無理な奴とかいんの?」
「任務で野宿する時普通にあるよな。
妃殿下専属護衛になってからはないけど。」
「いや、野宿無理とかどうなのそれ。
俺何年か前デカい盗賊団の討伐任務の時に張り込み含め二ヶ月くらい野宿生活しましたけど?」
「あったあった。近くに水辺があって良かったよな。水源が近くにあるかどうかで結構変わるからな~。割りといい環境だったの覚えてる。」
「っていうか妃殿下に同行出来るならこの先ずっと野宿生活でもいい。」
「野宿生活如きでご褒美にありつけるならいくらでもやる。」
騎士や兵士の職に就いていれば任務で野宿をする事も多々ある。
野宿くらいでは誰も退場しないのは当たり前だった。
「で、どうやって同行する二十人を決めるんだ?」
「ああ…それについては色々考えた。
ガチンコバトルで、と思ったが下手をすると重傷者が出かねん!怪我なんざしたら職務に差し支えがあるからな!
という訳で安全かつ公平に同行する二十人を決める為妃殿下考案の“じゃんけん”勝負とする!!」
『おおおおお!!!』
「では五人一組になり九つのグループを作る!
まずは五人でじゃんけんをし、勝者三名を決めるんだ。
あ、今日妃殿下の護衛に付いている五人含めて九つのグループだから今は八つのグループだな。」
言われ、五人一組のグループが八つ出来上がる。
「勝者三名が決まったらその三名で再びじゃんけんをし、内二名を同行確定者とする。負けた一名は敗者復活戦だ。
九つのグループの勝者二名、合わせて十八名が決定した所で、残り二名を決める敗者復活戦を行う。
カイル団長の都合もあって早急にフォーメーション決めが必要になる為、妃殿下の護衛中の五名は勝者二名のみが同行確定になる旨は既に伝えている。
…いいか、ここからは勝っても負けても恨みっこなしの真剣勝負だぞ…!」
同じグループになった五人の仲間たちを見ると、既に戦地に向かう顔になっていた。
男たちの熱き戦いの火蓋は今、切られたのだ…!!
『じゃんけんぽんっっ!!!』
『おっしゃあああああ!!まず一勝っっ!!絶対に同行するんだあああああ!!』
『あいこでしょっ!!』
『見たかゴラァ!これが妃殿下への愛の力じゃああああ!!』
『あいこでしょっ!!』
『いええええい!!俺同行決定っすね!!
妃殿下とバカンス~♪超楽しみっ!!』
『しょっ!』
『…俺が……負けた…?嘘だろ…?』
『もう終わった…死のう…。』
『憂鬱過ぎる…。』
『おまっ!今のは後だしだろ!!』
『おい!何だそれ!!そんなのじゃんけんにないだろ!』
『何を言う。これは妃殿下から伝授された手だ。ピストルと言ってじゃんけん界において無敵の悪手だと仰っていた。
但し全員が出したら意味がなくなる為に使い所は考えないといけないらしいが。俺は今が使い所と判断した。』
『妃殿下から伝授されただとぉ…!?』
『いや、悪手って言ってるじゃん!
悪手って事は本来使っちゃ駄目なやつだよねぇ!?』
『おい、こっちでもピストルを使った奴いるぞ…!』
『あーー…、悪手を使うなとルールを事前に決めてなかったからな…まあ、これまでは仕方ないとしてここからはピストル禁止にする!』
『ずりぃだろっ!!?』
『この卑怯者がぁ!そんな汚い手を使って勝って嬉しいかっ!?』
『はちゃめちゃに嬉しい。』
『感無量』
『くっそおおおおおお…!!』
騎士らしくはないが実に平和な戦いだったと言っておく。
俺は妃殿下の護衛として休暇の同行が決定しただけでなく、カイル団長から二十人を纏める隊の隊長に任命された。
当初は陛下と妃殿下、お二人一緒にクライス侯爵領へ向かう予定だったが陛下に急な仕事が舞い込んでしまった為、先に妃殿下が出発される事となった。
妃殿下は今回の休暇の為に朝早くから遅くまで毎日政務に励んでおられた事で余裕を持った調整が取れたようで、侯爵領へ向かうまでに通るいくつかの町や村を視察したいと望まれた。
義父であらせられるクライス侯爵のように、その土地その土地で暮らす民を沢山見ておきたいのだと仰った。
本当に熱心な方だと感心せずにいられない。
我が国はとても素晴らしい方を国母に頂いた。
そしてクライス侯爵領へ向かう当日を迎えたのだが…一番最初に訪れた町で問題が露見した。
妃殿下の乗っている馬車やフルプレートを着て護衛をする俺たちの姿を見た町の者が自然体を見せてくれる訳がなかったのだ。
俺たちに気付いた町の者たちは皆同じように頭を下げ妃殿下を見送る。
馬車を降りた妃殿下が話し掛けようものなら怯えた様子で俺たちを見る始末。妃殿下に、と言うよりは護衛として目を光らせている俺たちに怯えているようだった。
妃殿下に無礼をしないか見張られているように感じて、少しでも無礼を働けば不敬罪に問われると思ったのかも知れない。
まあ、見張っているというのは強ち間違いではないんだが。
その日の夜だ。妃殿下から提案があったのは。
「うーん、なるべく自然体で生活している所が見たいと思っていたんだけど…なかなか難しいね…。」
「ええ。町の者たちは騎士の目を気にしている様子でしたね。」
「ヒルダと同じく、わたくしもそう感じましたわ。」
「うぅ~ん、フルプレートを着た騎士が二十人いればぁ、警戒されるのも仕方ないかと思いますぅ。」
「そっか…そうだよね…。
うーん、どうしようかな…。完全にありのままの状態を…とは思ってなかったけど、ここまで警戒されると普段の様子が分からないし…」
「我々護衛騎士が妃殿下の足を引っ張ってしまい申し訳ありません…。」
「皆は全然悪くないから謝らないで。
こうなるって考えたら分かる事だったのに考えてなかった私が悪いんだから。
…うーん…、でも、折角の機会だし…どうしよう…何かいい案はないかな…。」
暫く考え込んでいたご様子の妃殿下は、はっとした様子で俺たちを見て、変装しない!?と笑顔で仰った。
フルプレートで町の中を歩けば当然強く警戒される。
少しでも町の者たちの警戒心が解ければ…とフルプレートではなく町の者たちが着ている服を着てみてはどうか、そんな提案だった。
任務で平民に混じる、何て事も普通にある俺たちは妃殿下の提案を了承し、二十人分の衣類を調達する。
小さくはない町だったので衣類の調達は簡単だった。
翌日、フルプレートではなく一般的な衣類に着替えた俺たちを待っていたのは…美しいドレス姿ではなく、至って質素な衣装を身に纏った妃殿下。
「どうかな?少しは落ち着いた感じになってます?」
『…………。』
正直に言おう。
妃殿下は平民姿に変装しても美しいままだったと。
妃殿下を知らない者は恐らく、この方が妃殿下だと誰かに教えられるまで気付かないだろう。
赤毛のウィッグで黒髪を隠し、誰よりも華奢な体型も少しふっくらとして見える……が、それでも誰もが“美女”と振り向いてしまうくらいに美しい。
「町を見回る間の私はただのサイカです!
ヒルダもラスティもカルラも、護衛の皆もそのつもりでお願いね。」
おかしい。着ている服は平民が着るような素朴な服であるにも関わらず全身輝いて見える。
おかしい。平民が着ているような服を着ているにも関わらず随分品が良く見える。
状況が把握出来ず混乱したが自信満々で変装している妃殿下がめちゃくちゃ可愛いのは理解した。
「…私たちも手は尽くしました。
尽くしましたが…妃殿下の神々しいまでの美しさでは…これが精一杯でした。
ですが、美しい女性程度には抑える事が出来たかと思います。」
「帽子を被るという手も考えましたわ。けれど、貴族令嬢ではなく平民の女性で帽子を被っている方は珍しいので逆に目立ってしまわないかと思い…カツラで手を打ちましたの。
華奢なお体をカモフラージュする為にあの手この手と試行錯誤を重ね…結果、こうなりましたわ。」
「どんなお洋服を着てもぉ、妃殿下の美しさはぁ簡単に隠せないものだって分かったわぁ。
でもぉ、頑張ったでしょぉ?私たちぃ…!」
一仕事やりきったという感じの専属侍女三名の心中は如何に。
だが三人の侍女のお陰で町の者たちの妃殿下を妃殿下と気付く可能性が低くなったのは確かだ。
女神の如き絶世の美女がそこら辺にはいないとびきりの美女になったので。
「妃殿下。私たち護衛が近すぎる事も問題かと思いましたので、本日から町や村を見回る間は付かず離れずといった距離でお守りします。安心して見回り下さい。」
「はい!宜しくお願いします。」
あ、こりゃ駄目だ。と思った。
スムーズには絶対いかないと予言出来る。
今から男がわんさか寄って来ると確信を持って言える。
「お前たち、分かっているな?」
「プランその三になる案件だろ。」
「そうだ。妃殿下に邪な下心を持って近付く野郎共を千切っては投げるプランその三遂行だ。」
「よし。気合い入れていくぞ!」
「大切な妃殿下に手を出す奴には殺意を高く持て!が基本だが今回は灸を据えるくらいに留めておけ。」
『合点承知』
そこからは予想通りの展開だった。
付かず離れず、周りから警戒されない程度の距離で妃殿下を見守る俺たち。
変装しているとは言え美しさが隠れていない妃殿下に近付こうとする男たちの多いこと多いこと。
通りすぎる妃殿下を追うように振り向き逆上せ上がったようにじっと見つめている。
魅入られるようにふらふらと妃殿下をつけるのはまだいい。アウトなのは明らかに下心丸出しな連中だ。
今日の俺たちの仕事はそういう下心丸出しで妃殿下に近付く奴をシメ……厳重注意する事。
「お姉さん凄い美人だね!どう?俺とデートしない?こう見えて俺、結構お金持ってるから損させな「おおっとー!探しましたよ坊っちゃん!!」え?アンタ誰だよ「またまたぁ!冗談言っちゃって~!さ、帰りますよ~?……さっさと付いて来やがれ糞坊主。」
「お嬢さん、私は貴女に一目惚れをしました。これはきっと神様の思し召し…貴女は私の運命の女に違いない!!どうか私の妻になってくだ「ちょっと待てーー!俺も妃殿…彼女に運命を感じた!!ここは彼女に運命を感じた者同士、どちらが先にアプローチするかいっちょ話し合いで決めようぜ…!」は?いや、そんな暇は「いいからいいから。……妻になって下さいとか、どの口が言ってんだ。おん?」
「おお!?こりゃとんでもねぇ美女がいたもんだ!アンタ、俺らと遊ばねぇか?そこの宿でいい思いさせて「おう兄ちゃん、昼間から下品な事言ってんじゃねぇぞ。」ああ!?何だお前らやんのか「ああん?いい度胸じゃねぇか。……そこの宿の裏でひいひい言わせてやんよ。」
変装をしている妃殿下は貴婦人が着るようなドレスを着ていないからか、“いけるかも”と希望を抱く何人もの男たちが下心を持って近付き声を掛けている状態で、それはこの町だけではなく次の町や村でも同じだった。
「どこも同じじゃねーか。」
「どいつもこいつも変な目で妃殿下を見るんじゃねぇよ!美人で可愛いのは激しく同意するけどな!だがそれとこれとは話が別!!」
「平民の変装している妃殿下は一層危ないな。近付きやすくなっているというか。」
「絶世の美女の妃殿下は近付くのも畏れ多いけど、とびきりの美女な妃殿下は変な希望を抱きやすい…と。また一つ知ったわ。だって可愛いもん。知ってたけど。高貴な身分って知らなかったらそりゃほいほい行くって。俺もチャンスあるかもって絶対声掛けるもん。」
「もんって言うな。妃殿下が言うのはただ可愛いだけだけどお前が言うと気色悪い。
お前の“もん”より妃殿下の“もん”が聞きたいんだよ俺は。」
「チャンスとか一生ないっすから。
俺たちは一信者としてひっそり妃殿下を愛でるのが一番なんすよ。分かってます?」
「…ひっそりはしてなくない?
ああでも、俺妃殿下に一目惚れだったんだよな~。
あ、今は一信者だけどね!だって相手が陛下だよ?」
「俺も妃殿下に一目惚れだったけど如何せん壁がデカすぎた。
マティアス陛下が恋敵になるとか恐ろしすぎる。
護衛騎士としてお側にいられるだけ他より幸せだわ。」
「本当にね。これ以上を望んだら罰が当たるし陛下に殺される気がする。」
「確かに。陛下の妃殿下への愛は海より深く山より高いレベル。」
「でも俺たちの妃殿下への愛も負けてないと自負している。」
複数の村の視察を終え後はクライス侯爵領へ現地入りするだけとなったのだが…侯爵邸からすぐ近くにある最後の町で、俺たちの失態とも呼べる事件が起こってしまう。
本日、私を含め妃殿下の護衛を担当する騎士五名、ご挨拶に参りました。」
「おはよう、皆。」
『おはようございます!』
「今日も宜しくね!」
『はっ!お任せ下さい!!』
朝から妃殿下のご尊顔を拝謁出来る幸せ。
今日も妃殿下は全身を輝かせ優しい笑顔で俺たちを迎えてくれる。
俺は娼婦だった妃殿下が男に襲われるという事件があった時、護衛としてクライス侯爵邸までお供をした事がある。
妃殿下が娼婦だった過去を知っている数少ない人間の一人だ。
人間、立場が変わると態度も変わる事はよくある事だが、この方は娼婦だった頃と変わらない。
いや、人の上に立つ立場、国母となられた事で変わった部分もあるがそれはいい意味での変化だ。
変わっていないのはいつも感謝と思いやりの心をお持ちになっている所。
コロコロと変わる表情は妃殿下の素直なお心を表すように雄弁で、見ているだけで和む。
今日の妃殿下は殊更嬉しそうな、そんなご様子だった。
「何か良い事でも御座いましたか?」
「ふふ、分かりますか?」
「はっ。とてもお喜びになっているご様子に感じましたので、そうではないかと。」
「ええ!実はお義父様から休暇を一緒にどうかってお誘いの手紙が届いたの。
一ヶ月間別荘で過ごすらしくて、一ヶ月は流石に無理だけれど、十日…くらいなら調整出来そうだから嬉くって!」
「左様で御座いましたか!」
ああ、この美しくも愛くるしい笑顔!
にこにこと喜ぶ妃殿下にほっこりと心が和んだ所でタイミングよく陛下がやって来られた。
サイカと陛下が呼ばれると妃殿下は一層笑みを深める。
「マティアス!丁度良かった!今から会いに行こうと思ってて…!」
「はは!ディーノからの手紙の件だろう?」
「マティアスにも届いてたの?」
「当然だ。そなたを城の外に出すのであれば俺に断って貰わねば困る。
ディーノはそういう所はしっかりとしてくれる男だからな。
サイカ、調整はどの程度出来そうなんだ?」
「今の所は十日くらいかな。」
「では俺もそのつもりで仕事の調整をするか。」
「マティアスも一緒?二人同時に何日もお城を離れて大丈夫?」
「ああ。最近はだいぶ落ち着いてきたから問題ないだろう。
俺が一緒では嫌か?」
「ううん、その反対!すっごく嬉しい…!」
楽しみ!と全身で喜びを表現させ、陛下に抱き付く妃殿下の何とお可愛らしいことか。
陛下は言わずもがな、妃殿下も陛下を心から愛している事が容易に分かる。
クライス侯爵領で暮らすご家族にも久しぶりに会えるとなって、妃殿下はいつも以上に政務に励んでいらっしゃった。
翌日には妃殿下がクライス侯爵領で十日程休暇を取る予定である事が既にエターリャ騎士団内に伝わっており、伝えた本人、カイル団長は超不機嫌だった。
何故なら、妃殿下と共に休暇を取られる陛下がダミアン団長を自身の護衛に直接指定されたからだ。
騎士団トップに立つ二人が同時に城を開ける訳にはいかず、ダミアン団長が陛下の護衛に就くのであればおのずとカイル団長が城に残らなくてはならない。
有事の際、帝国騎士団全体を動かせる人間として。
ただ、陛下も思う所があったのだろう。
不機嫌なカイル団長の気持ちを汲んでか、団長が休みの日に一日妃殿下と二人きりで過ごして良いという褒美をお与えになった途端、カイル団長の機嫌は戻ったを通り越してご機嫌だった。
この数日後、妃殿下の休暇のご予定が確定し、エターリャ騎士団詰め所では俺たち妃殿下専属の騎士たち(本日護衛担当の五名除く四十人)によるこれ以上ないって程平和な戦いが幕を開けようとしていた。
「よーし!今日妃殿下の護衛になってる奴以外全員集まっってるな!
カイル団長と相談した結果、今回妃殿下の護衛として同行出来る人数は二十人!
クライス侯爵様の所と陛下の護衛、俺たち、それから妃殿下のお世話をする侍女三名が同行するとなるとかなりの大人数になってしまうが仮に野宿になっても文句ないよなぁ!?野宿が嫌な奴は今すぐ退場するように!!」
「野宿が無理な奴とかいんの?」
「任務で野宿する時普通にあるよな。
妃殿下専属護衛になってからはないけど。」
「いや、野宿無理とかどうなのそれ。
俺何年か前デカい盗賊団の討伐任務の時に張り込み含め二ヶ月くらい野宿生活しましたけど?」
「あったあった。近くに水辺があって良かったよな。水源が近くにあるかどうかで結構変わるからな~。割りといい環境だったの覚えてる。」
「っていうか妃殿下に同行出来るならこの先ずっと野宿生活でもいい。」
「野宿生活如きでご褒美にありつけるならいくらでもやる。」
騎士や兵士の職に就いていれば任務で野宿をする事も多々ある。
野宿くらいでは誰も退場しないのは当たり前だった。
「で、どうやって同行する二十人を決めるんだ?」
「ああ…それについては色々考えた。
ガチンコバトルで、と思ったが下手をすると重傷者が出かねん!怪我なんざしたら職務に差し支えがあるからな!
という訳で安全かつ公平に同行する二十人を決める為妃殿下考案の“じゃんけん”勝負とする!!」
『おおおおお!!!』
「では五人一組になり九つのグループを作る!
まずは五人でじゃんけんをし、勝者三名を決めるんだ。
あ、今日妃殿下の護衛に付いている五人含めて九つのグループだから今は八つのグループだな。」
言われ、五人一組のグループが八つ出来上がる。
「勝者三名が決まったらその三名で再びじゃんけんをし、内二名を同行確定者とする。負けた一名は敗者復活戦だ。
九つのグループの勝者二名、合わせて十八名が決定した所で、残り二名を決める敗者復活戦を行う。
カイル団長の都合もあって早急にフォーメーション決めが必要になる為、妃殿下の護衛中の五名は勝者二名のみが同行確定になる旨は既に伝えている。
…いいか、ここからは勝っても負けても恨みっこなしの真剣勝負だぞ…!」
同じグループになった五人の仲間たちを見ると、既に戦地に向かう顔になっていた。
男たちの熱き戦いの火蓋は今、切られたのだ…!!
『じゃんけんぽんっっ!!!』
『おっしゃあああああ!!まず一勝っっ!!絶対に同行するんだあああああ!!』
『あいこでしょっ!!』
『見たかゴラァ!これが妃殿下への愛の力じゃああああ!!』
『あいこでしょっ!!』
『いええええい!!俺同行決定っすね!!
妃殿下とバカンス~♪超楽しみっ!!』
『しょっ!』
『…俺が……負けた…?嘘だろ…?』
『もう終わった…死のう…。』
『憂鬱過ぎる…。』
『おまっ!今のは後だしだろ!!』
『おい!何だそれ!!そんなのじゃんけんにないだろ!』
『何を言う。これは妃殿下から伝授された手だ。ピストルと言ってじゃんけん界において無敵の悪手だと仰っていた。
但し全員が出したら意味がなくなる為に使い所は考えないといけないらしいが。俺は今が使い所と判断した。』
『妃殿下から伝授されただとぉ…!?』
『いや、悪手って言ってるじゃん!
悪手って事は本来使っちゃ駄目なやつだよねぇ!?』
『おい、こっちでもピストルを使った奴いるぞ…!』
『あーー…、悪手を使うなとルールを事前に決めてなかったからな…まあ、これまでは仕方ないとしてここからはピストル禁止にする!』
『ずりぃだろっ!!?』
『この卑怯者がぁ!そんな汚い手を使って勝って嬉しいかっ!?』
『はちゃめちゃに嬉しい。』
『感無量』
『くっそおおおおおお…!!』
騎士らしくはないが実に平和な戦いだったと言っておく。
俺は妃殿下の護衛として休暇の同行が決定しただけでなく、カイル団長から二十人を纏める隊の隊長に任命された。
当初は陛下と妃殿下、お二人一緒にクライス侯爵領へ向かう予定だったが陛下に急な仕事が舞い込んでしまった為、先に妃殿下が出発される事となった。
妃殿下は今回の休暇の為に朝早くから遅くまで毎日政務に励んでおられた事で余裕を持った調整が取れたようで、侯爵領へ向かうまでに通るいくつかの町や村を視察したいと望まれた。
義父であらせられるクライス侯爵のように、その土地その土地で暮らす民を沢山見ておきたいのだと仰った。
本当に熱心な方だと感心せずにいられない。
我が国はとても素晴らしい方を国母に頂いた。
そしてクライス侯爵領へ向かう当日を迎えたのだが…一番最初に訪れた町で問題が露見した。
妃殿下の乗っている馬車やフルプレートを着て護衛をする俺たちの姿を見た町の者が自然体を見せてくれる訳がなかったのだ。
俺たちに気付いた町の者たちは皆同じように頭を下げ妃殿下を見送る。
馬車を降りた妃殿下が話し掛けようものなら怯えた様子で俺たちを見る始末。妃殿下に、と言うよりは護衛として目を光らせている俺たちに怯えているようだった。
妃殿下に無礼をしないか見張られているように感じて、少しでも無礼を働けば不敬罪に問われると思ったのかも知れない。
まあ、見張っているというのは強ち間違いではないんだが。
その日の夜だ。妃殿下から提案があったのは。
「うーん、なるべく自然体で生活している所が見たいと思っていたんだけど…なかなか難しいね…。」
「ええ。町の者たちは騎士の目を気にしている様子でしたね。」
「ヒルダと同じく、わたくしもそう感じましたわ。」
「うぅ~ん、フルプレートを着た騎士が二十人いればぁ、警戒されるのも仕方ないかと思いますぅ。」
「そっか…そうだよね…。
うーん、どうしようかな…。完全にありのままの状態を…とは思ってなかったけど、ここまで警戒されると普段の様子が分からないし…」
「我々護衛騎士が妃殿下の足を引っ張ってしまい申し訳ありません…。」
「皆は全然悪くないから謝らないで。
こうなるって考えたら分かる事だったのに考えてなかった私が悪いんだから。
…うーん…、でも、折角の機会だし…どうしよう…何かいい案はないかな…。」
暫く考え込んでいたご様子の妃殿下は、はっとした様子で俺たちを見て、変装しない!?と笑顔で仰った。
フルプレートで町の中を歩けば当然強く警戒される。
少しでも町の者たちの警戒心が解ければ…とフルプレートではなく町の者たちが着ている服を着てみてはどうか、そんな提案だった。
任務で平民に混じる、何て事も普通にある俺たちは妃殿下の提案を了承し、二十人分の衣類を調達する。
小さくはない町だったので衣類の調達は簡単だった。
翌日、フルプレートではなく一般的な衣類に着替えた俺たちを待っていたのは…美しいドレス姿ではなく、至って質素な衣装を身に纏った妃殿下。
「どうかな?少しは落ち着いた感じになってます?」
『…………。』
正直に言おう。
妃殿下は平民姿に変装しても美しいままだったと。
妃殿下を知らない者は恐らく、この方が妃殿下だと誰かに教えられるまで気付かないだろう。
赤毛のウィッグで黒髪を隠し、誰よりも華奢な体型も少しふっくらとして見える……が、それでも誰もが“美女”と振り向いてしまうくらいに美しい。
「町を見回る間の私はただのサイカです!
ヒルダもラスティもカルラも、護衛の皆もそのつもりでお願いね。」
おかしい。着ている服は平民が着るような素朴な服であるにも関わらず全身輝いて見える。
おかしい。平民が着ているような服を着ているにも関わらず随分品が良く見える。
状況が把握出来ず混乱したが自信満々で変装している妃殿下がめちゃくちゃ可愛いのは理解した。
「…私たちも手は尽くしました。
尽くしましたが…妃殿下の神々しいまでの美しさでは…これが精一杯でした。
ですが、美しい女性程度には抑える事が出来たかと思います。」
「帽子を被るという手も考えましたわ。けれど、貴族令嬢ではなく平民の女性で帽子を被っている方は珍しいので逆に目立ってしまわないかと思い…カツラで手を打ちましたの。
華奢なお体をカモフラージュする為にあの手この手と試行錯誤を重ね…結果、こうなりましたわ。」
「どんなお洋服を着てもぉ、妃殿下の美しさはぁ簡単に隠せないものだって分かったわぁ。
でもぉ、頑張ったでしょぉ?私たちぃ…!」
一仕事やりきったという感じの専属侍女三名の心中は如何に。
だが三人の侍女のお陰で町の者たちの妃殿下を妃殿下と気付く可能性が低くなったのは確かだ。
女神の如き絶世の美女がそこら辺にはいないとびきりの美女になったので。
「妃殿下。私たち護衛が近すぎる事も問題かと思いましたので、本日から町や村を見回る間は付かず離れずといった距離でお守りします。安心して見回り下さい。」
「はい!宜しくお願いします。」
あ、こりゃ駄目だ。と思った。
スムーズには絶対いかないと予言出来る。
今から男がわんさか寄って来ると確信を持って言える。
「お前たち、分かっているな?」
「プランその三になる案件だろ。」
「そうだ。妃殿下に邪な下心を持って近付く野郎共を千切っては投げるプランその三遂行だ。」
「よし。気合い入れていくぞ!」
「大切な妃殿下に手を出す奴には殺意を高く持て!が基本だが今回は灸を据えるくらいに留めておけ。」
『合点承知』
そこからは予想通りの展開だった。
付かず離れず、周りから警戒されない程度の距離で妃殿下を見守る俺たち。
変装しているとは言え美しさが隠れていない妃殿下に近付こうとする男たちの多いこと多いこと。
通りすぎる妃殿下を追うように振り向き逆上せ上がったようにじっと見つめている。
魅入られるようにふらふらと妃殿下をつけるのはまだいい。アウトなのは明らかに下心丸出しな連中だ。
今日の俺たちの仕事はそういう下心丸出しで妃殿下に近付く奴をシメ……厳重注意する事。
「お姉さん凄い美人だね!どう?俺とデートしない?こう見えて俺、結構お金持ってるから損させな「おおっとー!探しましたよ坊っちゃん!!」え?アンタ誰だよ「またまたぁ!冗談言っちゃって~!さ、帰りますよ~?……さっさと付いて来やがれ糞坊主。」
「お嬢さん、私は貴女に一目惚れをしました。これはきっと神様の思し召し…貴女は私の運命の女に違いない!!どうか私の妻になってくだ「ちょっと待てーー!俺も妃殿…彼女に運命を感じた!!ここは彼女に運命を感じた者同士、どちらが先にアプローチするかいっちょ話し合いで決めようぜ…!」は?いや、そんな暇は「いいからいいから。……妻になって下さいとか、どの口が言ってんだ。おん?」
「おお!?こりゃとんでもねぇ美女がいたもんだ!アンタ、俺らと遊ばねぇか?そこの宿でいい思いさせて「おう兄ちゃん、昼間から下品な事言ってんじゃねぇぞ。」ああ!?何だお前らやんのか「ああん?いい度胸じゃねぇか。……そこの宿の裏でひいひい言わせてやんよ。」
変装をしている妃殿下は貴婦人が着るようなドレスを着ていないからか、“いけるかも”と希望を抱く何人もの男たちが下心を持って近付き声を掛けている状態で、それはこの町だけではなく次の町や村でも同じだった。
「どこも同じじゃねーか。」
「どいつもこいつも変な目で妃殿下を見るんじゃねぇよ!美人で可愛いのは激しく同意するけどな!だがそれとこれとは話が別!!」
「平民の変装している妃殿下は一層危ないな。近付きやすくなっているというか。」
「絶世の美女の妃殿下は近付くのも畏れ多いけど、とびきりの美女な妃殿下は変な希望を抱きやすい…と。また一つ知ったわ。だって可愛いもん。知ってたけど。高貴な身分って知らなかったらそりゃほいほい行くって。俺もチャンスあるかもって絶対声掛けるもん。」
「もんって言うな。妃殿下が言うのはただ可愛いだけだけどお前が言うと気色悪い。
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「チャンスとか一生ないっすから。
俺たちは一信者としてひっそり妃殿下を愛でるのが一番なんすよ。分かってます?」
「…ひっそりはしてなくない?
ああでも、俺妃殿下に一目惚れだったんだよな~。
あ、今は一信者だけどね!だって相手が陛下だよ?」
「俺も妃殿下に一目惚れだったけど如何せん壁がデカすぎた。
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護衛騎士としてお側にいられるだけ他より幸せだわ。」
「本当にね。これ以上を望んだら罰が当たるし陛下に殺される気がする。」
「確かに。陛下の妃殿下への愛は海より深く山より高いレベル。」
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