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2ネイビー伯爵家での日々の始まり//幼少期
閑話 ビクトリア・イエロー侯爵令嬢の場合 その1
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「ビクトリア、合格おめでとう!」
お父様が わたくしの前に五本の鍵が乗ったトレイを置きましたわ
わが知識の家系、イエロー侯爵家では13歳、王立学園の入学決定と共に、機密書庫の鍵の使用を一本だけ許されるのです。
当主になれば 全ての書庫の鍵の使用を許されるのですが、わたくしは女性ですし 兄も二人もおりますから 今選ぶ書庫がイエロー家で出入りが出来る唯一の機密書庫となるのでしょう。
五本の鍵は どの鍵がどの書庫の鍵なのかは分かりませんから わたくしがどの書庫の使用が許されるのかは運しだいですの。
わたくしは 見分けのつかない鍵の中から真ん中の鍵を選びました。
「ビクトリアが選んだその鍵は『雑ぞう』だよ。お前がわが家に居る限りはこの書庫への出入りを許可しよう」
文芸にも 自然にも 政にも 武にも どこにも収まらないものが、雑に書庫へ入れられますから
何に出会うか分からないのがこの書庫と言えますのよ。
わたくしは運がいいわ! 顔が緩むのを押さえられませんわ。
「ありがとうございます。早速、今から書庫へ行ってもよろしいでしょうか?」
「もちろん 良いよ 最初は一緒に行こうか?どの書庫か場所が分からないだろう?」
私はお父様と一緒に 屋敷の中心にある図書館へ向かいます。
機密書庫は図書館の二階にありますの。
娘である私でさえ二階への階段を上がるのは初めてで、期待でドキドキ致します。
お父様が一番手前の部屋のドアのカギ穴に鍵を入れて回します。
ガチャリと宝箱の開く音がしますわ。
「お前は身体が弱いのだからあまり長時間居てはいけないよ。」
そう言いながらお父様がドアを開けて 鍵を私に手渡して下さいました。
「退出するときには必ず鍵をかけて、鍵は私に返すようにね」
お父様が階段を降りるのを見送って、雑の書庫に入ります。
窓が少ない部屋にこもった本の匂いに心が弾みます。
縁あって入る事が出来たこの書庫にはどんな出会いがあるのかしら?
「さあ、宝探しの始まりはじまり~」
左右の書架を代わるがわる眺めながら、窓の近くにある椅子に向かいます。
機密書庫の資料は書き写し不可なので デスクはありません。
「あら?なぜこんなところに?」
椅子の上に緑の本?手に取ると、それは本というよりも古いノート?雑記帳のようにも見えます。
パラパラとめくると 手書きの文字が目に入ります。 やはり、誰かが手書きで書いた物の様です。
「何かしら?これ?どこの文字なのかしら?」
お父様が わたくしの前に五本の鍵が乗ったトレイを置きましたわ
わが知識の家系、イエロー侯爵家では13歳、王立学園の入学決定と共に、機密書庫の鍵の使用を一本だけ許されるのです。
当主になれば 全ての書庫の鍵の使用を許されるのですが、わたくしは女性ですし 兄も二人もおりますから 今選ぶ書庫がイエロー家で出入りが出来る唯一の機密書庫となるのでしょう。
五本の鍵は どの鍵がどの書庫の鍵なのかは分かりませんから わたくしがどの書庫の使用が許されるのかは運しだいですの。
わたくしは 見分けのつかない鍵の中から真ん中の鍵を選びました。
「ビクトリアが選んだその鍵は『雑ぞう』だよ。お前がわが家に居る限りはこの書庫への出入りを許可しよう」
文芸にも 自然にも 政にも 武にも どこにも収まらないものが、雑に書庫へ入れられますから
何に出会うか分からないのがこの書庫と言えますのよ。
わたくしは運がいいわ! 顔が緩むのを押さえられませんわ。
「ありがとうございます。早速、今から書庫へ行ってもよろしいでしょうか?」
「もちろん 良いよ 最初は一緒に行こうか?どの書庫か場所が分からないだろう?」
私はお父様と一緒に 屋敷の中心にある図書館へ向かいます。
機密書庫は図書館の二階にありますの。
娘である私でさえ二階への階段を上がるのは初めてで、期待でドキドキ致します。
お父様が一番手前の部屋のドアのカギ穴に鍵を入れて回します。
ガチャリと宝箱の開く音がしますわ。
「お前は身体が弱いのだからあまり長時間居てはいけないよ。」
そう言いながらお父様がドアを開けて 鍵を私に手渡して下さいました。
「退出するときには必ず鍵をかけて、鍵は私に返すようにね」
お父様が階段を降りるのを見送って、雑の書庫に入ります。
窓が少ない部屋にこもった本の匂いに心が弾みます。
縁あって入る事が出来たこの書庫にはどんな出会いがあるのかしら?
「さあ、宝探しの始まりはじまり~」
左右の書架を代わるがわる眺めながら、窓の近くにある椅子に向かいます。
機密書庫の資料は書き写し不可なので デスクはありません。
「あら?なぜこんなところに?」
椅子の上に緑の本?手に取ると、それは本というよりも古いノート?雑記帳のようにも見えます。
パラパラとめくると 手書きの文字が目に入ります。 やはり、誰かが手書きで書いた物の様です。
「何かしら?これ?どこの文字なのかしら?」
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