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「やぁ、ニーナ嬢。三時間振りかな」
会合は、王宮内の小会議室で行われた。
出席者は、ガルダ側からはヒース、ディーン、ニーナ、ガンズネル、ヒースとディーンの側近が合わせて四名。アイル側からはバートランド、ジェシカ、使節団の副代表であるアイルの公爵とその部下達が合わせて四名。
決して広い部屋ではないのに、先に部屋に来ていたバートランドは、さっと立ち上がってニーナをエスコートしようとした。
何も知らなければ紳士的な行動に見えただろうけれど、既成事実を目論んでいる事を知っているニーナが、その手を取る筈もない。
「バートランド殿下、お気遣いなく」
にっこりと微笑んで拒否すると、バートランドは肩を竦める。
「おや、いいのかい?君の秘密が暴露されても」
「問題ありません。秘密なんてないですから」
別れた時には怯えて震えていたニーナの強気な様子に、バートランドの顔に思案気な表情が浮かぶ。
「…一体、何を考えてる?」
「難しい事は、何も」
「ニーナ、こちらに」
後から入室したディーンに呼ばれ、ニーナはバートランドに頭を下げると、さっとガルダ側に着席した。
「では、ラヴィル計画の今後について、話し合いましょう」
司会を担当するウルヴスの言葉で、場の空気が緊張したものになる。
「アイル側からは、計画の確実な実行の為の保証として、我が妹ジェシカと、ニーナ嬢を花嫁として交換する事を要望します。ヒースクリフ陛下、お考え頂けましたか」
バートランドの言葉に、ヒースは重々しく頷いた。
「熟慮に熟慮を重ね、我々としては、ラヴィル計画をアイル王国と合同で実施する事は不可能であると判断しました」
「な…っ」
アイル使節団だけでなく、ガンズネルもまた、動揺したように声を上げる。
「陛下、何を仰っているのか、判っておられますか!事は二国間における事業、容易に撤回できるものではございません!」
「これは異な事を。此度の話し合いは、ラヴィル計画が実行可能かどうかについて、アイル王国の使節団と検討する場であった筈。互いの条件が折り合わずに実行不可能と言う結論が出たならば、計画を撤回する他、あるまい」
本来ならば、ラヴィル計画の内容について話し合う場として設定された今回の使節団訪問。
計画の内容云々以前に、そもそも、両国が手を取り合える環境ではないのならば仕方がない、とヒースは言い切る。
「条件の折り合いがつかないのならば、折り合いがつくように話し合うべきです!」
「何を話し合う事がある?花嫁の交換を望むのはアイル側で、我々は応じられない、と回答した。一体、どこに話し合いの余地があると言うのだ?」
冷静なヒースの言葉に、ガンズネルは焦ったように口を噤み、ちら、とバートランドの顔を見る。
この事から、花嫁の交換を提案したのが、ガンズネルからであった事が推測された。
「ですが、」
「くどいぞ。ジェシカ王女殿下との婚姻のみに焦点を当てるのであれば、我々の誠の証として受け入れるのは吝かではない。だが、ガルダに求める花嫁がニーナであるならば、それは受け入れられない」
ジェシカとの婚姻を、諸手を挙げて歓迎する事はないと言ったも同然のヒースの発言に、バートランドが目を眇める。
「…ジェシカ、お前からヒースクリフ陛下に申し上げる事はないのか」
「え、いいえ、わたくしは…」
この場にただ同席して、ヒースに婚姻外交の圧力を掛ければいい、とだけ言われていたジェシカは、戸惑って目を瞬いた。
「わたくしは…その…」
ジェシカに婚姻を請わせようと考えていたバートランドは、意が通じずに言葉に詰まるジェシカを見て小さく舌打ちすると、ヒースに向き直る。
「…ニーナ嬢が私を望めば、結婚を認めてくださると言うお話ではありませんでしたか?」
バートランドの言葉に、ヒースは不思議そうに首を傾げる。
「何故、そうもニーナに拘るのですか?先日もお話したように、ガルダに婚姻可能な女性王族はおりません。しかし、我が国で要職に就いている者の縁者であれば、同様の効果が得られる事でしょう。幸いにも、我が国の宰相には適齢期で婚約者のいないご令嬢がおります。是が非でも花嫁の交換を望んでおられるのならば、彼女をアイルに嫁がせましょう」
娘を勝手に差し出されたガンズネルが、蒼白になって口角泡を飛ばす勢いで、ヒースに食って掛かった。
「陛下!私はそのような話は伺っておりません!」
「そうだろうな、今、初めて話したのだから」
「何故、何故、そのような事を…っ」
「何故、と尋ねたいのは私の方だ、ガンズネル宰相。何故、公はアイルの計画を知りながら、公の主君である私に報告しなかった?何故、後見人であるディーンに一言の相談もせず、ニーナを売り飛ばすような真似をした?…何故、聖女の召喚を企てたのだ?」
ヒースに冷たい目で見られたガンズネルは、ハッとしてニーナを振り返った。
「ま、まさか、この娘が本物の聖女…」
疑った事がないわけではない。
けれど、ニーナが王宮の空から悲鳴を上げながら落ちて来た事は、多くの者に目撃されていた。
何よりも、ガンズネルは彼女に、『魅了』の異能を感じる事はなかった。
だから、頭の片隅に浮かんだ疑いを除外していたのだ。
トアーズは、聖女は界を渡ったと言っていたけれど、恐らくは失敗だったのだ、と。
「ほぅ?まだ知らぬとは、バートランド殿下と一枚岩と言うわけでもないのか」
「陛下!聖女召喚を支援したのは私です!聖女召喚に成功していたのならば、聖女を後見する権利は、私にある筈…!」
「ガンズネル宰相」
怒りを抑えたディーンの声に、興奮していたガンズネルが、ぴたりと口を噤み、冷や汗を垂らす。
迂闊にも、絶対に口に出してはならない事を口にしたと、気づいたからだ。
「聖女…やはり、聖女ですか」
一方、バートランドは顎に手を当てると、穏やかに微笑む。
「ニーナ嬢が聖女ならば、ますます、アイルに来て頂かなくては。五百年前の聖女が、アイルにどんな悲劇をもたらしたか、ご存知でしょう?決して両国の関係が順風とは言えない今、聖女がガルダにいる。その事実が何を引き起こすか、賢明なヒースクリフ陛下がお判りにならないとは思えません。先手を打とうとアイルから仕掛ける事がないとは、王太子である私でも言い切れませんよ。アイル国民の不信を招かぬよう、ニーナ嬢は私に嫁ぐべきなのです」
開戦を仄めかすバートランドの言葉を、
「嫌です」
「…ニーナ嬢?」
顔色も変えずにすっぱりと切り捨てたニーナに、バートランドは唖然とした顔をした。
「…何を言っているのか、判ってるのか?ガルダにいれば、君は戦争の旗印にされる。君の異能を、兵士達の戦意高揚に使われるんだぞ…!ガルダの聖女がアイルに嫁いだとなれば、ガルダに戦争の意思はないと見做されて、両国の関係は改善されるんだ!これ以上ない、和平の象徴じゃないか!」
「勘違いしないで欲しいんですけど、私は一言も自分が『聖女』だとは言ってません」
「だが、君は、」
「私には、『魅了』なんて異能はありません。そんなの、ここにいる皆さんなら判ってるでしょう?」
ニーナの言葉に、否定も肯定もできない人々は、ちら、と互いの顔を見合った。
ニーナは確信を持って『魅了』の異能なんて持ってない、と言い切っているし、彼等もニーナに感じる好意が『魅了』のせいだとは思っていない。
けれど、そもそも、『魅了』自体、定義が不明確なものだ。
何しろ、この世界の人々に異能はない。
五百年前の聖女に感じた力を、ただ判りやすく名付けただけの事なのだから。
「確かに、私は天月節の年にこの国に落ちて来ました。アイル語も理解できると判明しました。それが他の落ち人と違うと言うならば、私は単なる落ち人ではないのかもしれません。…でも、私は聖女を召喚する魔法陣なんて、見てません。私を召喚したと言う人にも会ってません。気づいたら、ジェラルディン殿下の所に落ちていただけ。私が聖女であると決定づけるものは、何もないんです。精々、推定聖女、と言った所でしょう」
嘘は何一つ言っていないけれど、ニーナは肝心な部分をぼやかして話す。
天月節の晩に落ちて来た事も、ディーンの傍は傍でもそこはディーンの部屋だった事も、本当は最初からガルダ語を話せた事も。
だから、真実を明かした人々以外には相変わらず、ニーナは空から王宮の庭に落下して来た娘のまま。
ニーナは、ガンズネルの顔をじっと見つめる。
「それとも…ガンズネル宰相閣下は、聖女を召喚してまで成し遂げたい何かが、あったんですか?」
何もかもを見透かすようなニーナの深い色の瞳にひたと見据えられて、ガンズネルは、口籠った。
ガンズネルとて、長年、政治に携わって来た男だ。
腹芸は得意だと自負しているし、事実、これまでは、病に臥せた先王やまだ若い王の裏を掻いて、自領を肥やすべく暗躍して来た。
肥沃なラヴィル川に面した広大な自領を更に発展させる為、ガルダ王国の一部の臣にとって積年の願いであるアイル王国併合を叶える。
その目的の為ならば、手段は問わない。
ついでに、ディーンを慕う可愛い娘の願いも叶え、父親としての面目躍如と思っていたのに。
若き王も、世間知らずの王弟も、上手く言い包められる自信があったと言うのに、今のガンズネルは振り回されるばかりで、自分のペースを保てていない。
それどころか、バートランドと裏で繋がっていた事まで王に把握されていては、ガンズネルの政治生命は風前の灯火だ。いや、確実に断たれる。
それもこれも、すべて…。
「くそ…っ」
目の前でガンズネルの顔を見つめるのは、成人女性とは到底思えない小柄なニーナ。
破れかぶれになって、ニーナを人質に交渉しようと、彼女に掴みかかったガンズネルは。
「ぐわぁぁぁっ!」
両手に痛烈な痛みを感じて、へたり込んだ。
指先が焦げたように真っ黒になり、神経がむき出しになったかのような痛みにぶるぶると体の震えが止まらない。
「…あぁ、言うの忘れてましたけど、私に害意を持って触れる事はできませんよ」
「何…?」
思わず漏らしたバートランドの呟きに、ニーナがにっこりと笑う。
「ディーン…ジェラルディン殿下が、結界を張ってくれたんです。私には魔力がないので、自分で自分の身を守る事ができませんから、私に害を成そうとする人物が近づけないようにって」
「バカな!そんな局地的な結界など、聞いた事がないぞ!ただでさえ、結界魔法は高難度魔法。宮廷魔術師が数人掛かりで掛ける大技を、場所ではなく、人に掛けるだと?!」
本来、結界は固定された場所に対して掛けるものだ。
大量の魔法石を用いて、選りすぐりの宮廷魔術師達が、数日掛かって完成させる魔法。
だからこそ、対象となる場所は王宮などの重要建造物に限られる。
それを、自分の足で移動する人間を対象に掛けるなど、聞いた事もない。
だが、普通に考えたらあり得ない話でも、痛みに苦しむガンズネルの様子を見る限り、全くの出鱈目とも思えない。
驚きに目を見開くバートランドをよそに、ディーンはニーナの隣に寄り添うと、彼女に被害がなかったか、確認していく。
「あぁ、良かった。問題ないね?ニーナ」
「うん。ディーンのお陰だよ」
「ニーナに何かあったら、僕は何をするか判らないから…まずは、君が無事でいてくれないといけないよ」
「判ってる」
二人の遣り取りは、どう見ても親密な関係のもので。
ディーンの一方的な恋慕だと聞いていたバートランドが、唖然とした顔で見ているのを振り返り、ディーンが何でもない事のように説明する。
「場所に掛ける結界魔法と、理論は同じです。座標を固定する必要があるのは、魔力が溜まる受け皿を設定しておかないと、結界の構築に必要な魔力量が溜まる前にどんどん漏れ出てしまうから。魔法石を使用するのも、魔力食いである結界に必要な魔力量を充填する為です。つまり、魔力が逃げる前に結界を構築する事ができれば、対象が動こうが魔法石がなかろうが問題ないんですよ。…とは言え、掛ける側と掛けられる側の魔力の相性もありそうなので、まだまだ実験しないといけないですけど」
魔力の相性と言う点では、魔力を全く持たないニーナは、問題なくディーンの魔力を受け入れられる。
しかし、簡単そうにディーンは言うけれど、座標を固定されていない魔力が漏れ出る前に必要量を一気に充填する、と言う事がまず、常人にはできない。
「ニーナを守る為なら、僕はどんな新しい魔法だって、構築してみせますよ」
バートランドは、改めてディーンに関する噂を思い出して、背筋をぞっと凍らせた。
歴代のガルダ王族の中でも、類を見ない魔力量。
その膨大な魔力を自分の体に馴染ませる為に、表舞台から姿を消していた王子。
魔術書をはじめ、ありとあらゆる文献から知識を蓄え、豊富な知識量を武器に国政に携わるだけでなく、それらを元に新たな魔法を作り出す魔術の天才。
だが、こんなにも規格外だとは思っていなかった。
こんな相手と真っ向からぶつかって――勝てるわけがない。
「改めて提案します、バートランド殿下」
バートランドの心情を知ってか知らずか、ディーンを背後に従えて、ニーナがにっこりと笑う。
その姿は到底、聖なる乙女には見えず、人外を使役する魔の使いのようで。
「提案…?」
「今回、アイルに提案した『ダム』は、ラヴィルの上流に設置する関係で共同で取り組みませんか、と持ちかけました。でも、ガルダ一国でも、ダムの代わりに治水する方法はあるんですよ。その方法を取る場合、川の真ん中にある国境を侵す事はないので、いつ工事を始めるのか、どんな工事をするのか、アイル側に伝達する必要もありません。…それでも、アイルに共同事業として提案したのは、ダムの方が確実な効果を見込めるからだけでなく、この方法でガルダが工事を進めた場合、ラヴィル川が氾濫した際に、アイルに甚大な被害が予想されるからです。その事実が民に知れた時…ガルダの提案を受け入れず、ラヴィル計画に乗らなかったアイル王家の信用は、失墜するでしょうね」
ニーナから、ダム以外の治水工事の方法について事前に聞いていたガルダの人々が、厳かに頷く。
堤防、人工的な支流、水門、調整池、いずれもガルダの国土への洪水被害を軽減させる事ができるだろう。
だが、ガルダに溢れなかった水は、アイルへと向かう事になる。
二つの国を均等に脅かしていた洪水が、一国に集中したら…?
「…君は、私を脅すのか」
「いいえ?事実を言ってるだけです。以前も言いましたけど、私はお世話になっている人に恩返ししたい気持ちはあっても、ガルダの民の為に働こうと言う気持ちはありません。でも、アイルの民に苦しんで欲しいとも思ってないんです。どんなに好きな物でも、飢えに苦しんでる人がいると思ったら、美味しく食べられないでしょう?だから、どうせなら、どっちの国の民にも平和に暮らして欲しいじゃないですか」
ニーナの言葉を聞いて、ガルダの人々は「ニーナらしい」と苦笑する。
他人と距離を取った発言をする癖に、ニーナは本質的に優しい。
本当は誰よりも、名も顔も知らぬ誰かが傷つく姿を厭っている癖に、素直じゃないのだ。
「だが、ラヴィル計画に膨大な予算と人員が必要なのは事実。何を持って計画の遂行を約束する?空手形に終わらない保証など、何処にもない。…君が、アイルに来るのならば話は早いが…私の妃になってはくれないのだろう?」
ディーンの様子から、ガルダは決してニーナを手離す事はないだろう、と思いつつも、駄目押しで聞いてみる。
「そうですね」
ニーナはあっさり肯定した。
「だから、言ってるじゃないですか、提案って。別に、アイルがラヴィル計画に乗ろうが降りようが、ガルダはこの計画を進めます。完成する形は変わりますけど、少なくとも、今よりはよくなりますから」
決して、交渉しているわけではなく、あくまでも提案。
一緒にどう?と誘っているだけ。
国と国の重大な事案である事を全く感じさせないニーナには、外交の初歩すら備わっていない。
それなのに…どうして、信じたい、と思ってしまったのか。
どうして、信じられる、と思ってしまったのか……。
バートランドは、お手上げ、とばかりに両手を上げた。
「負けたよ。父に聞かれたら、何の保証もなしに国を挙げた事業を決めた事を怒られそうだが、私はガルダではなく、君を信じる事にしよう。だが、一つだけ頼みたい事がある。…今回の聖女は、人々を戦争に駆り立てない、と約束してくれるか?」
「推定聖女との約束でもよければ幾らでも。私、戦争なんて、大っ嫌いなんで」
顔を顰めて嫌悪を示すニーナの姿は、とてもではないけれど、淑女の鑑とは言えない。
王宮で暮らすのにこれ程不向きな女性はいないだろう、と思うのに、何故だかとても輝いて見える。
裏表がないように見せ掛けて実は本心を隠す術に長けている所も、不意打ちのように素直な心情を見せる所も、必要とあれば澄ました顔でこちらを欺く所も、冷たく切り捨てる事を示唆しながらも最後の最後まで手を差し伸べようとする所も。
バートランドの知るどんな淑女とも違うのに、いや、だからこそ、なのか、いつの間にか、目で追ってしまっている。
「君がそう考えている以上、ガルダの人々がアイルに侵攻してくる事はないな」
本来ならば、王族として、次代の王として、こんなに不明瞭な約束などしない。
けれど…ニーナの考えが百八十度変わらない限り、彼女の周囲の人々が、侵略行為に走る事はないだろう。
――どうやら、聖女の『魅了』は、本物のようだから。
「…もっと早く、君に出会いたかったな」
そう呟いたバートランドの言葉は、ニーナの耳には届かなかった。
会合は、王宮内の小会議室で行われた。
出席者は、ガルダ側からはヒース、ディーン、ニーナ、ガンズネル、ヒースとディーンの側近が合わせて四名。アイル側からはバートランド、ジェシカ、使節団の副代表であるアイルの公爵とその部下達が合わせて四名。
決して広い部屋ではないのに、先に部屋に来ていたバートランドは、さっと立ち上がってニーナをエスコートしようとした。
何も知らなければ紳士的な行動に見えただろうけれど、既成事実を目論んでいる事を知っているニーナが、その手を取る筈もない。
「バートランド殿下、お気遣いなく」
にっこりと微笑んで拒否すると、バートランドは肩を竦める。
「おや、いいのかい?君の秘密が暴露されても」
「問題ありません。秘密なんてないですから」
別れた時には怯えて震えていたニーナの強気な様子に、バートランドの顔に思案気な表情が浮かぶ。
「…一体、何を考えてる?」
「難しい事は、何も」
「ニーナ、こちらに」
後から入室したディーンに呼ばれ、ニーナはバートランドに頭を下げると、さっとガルダ側に着席した。
「では、ラヴィル計画の今後について、話し合いましょう」
司会を担当するウルヴスの言葉で、場の空気が緊張したものになる。
「アイル側からは、計画の確実な実行の為の保証として、我が妹ジェシカと、ニーナ嬢を花嫁として交換する事を要望します。ヒースクリフ陛下、お考え頂けましたか」
バートランドの言葉に、ヒースは重々しく頷いた。
「熟慮に熟慮を重ね、我々としては、ラヴィル計画をアイル王国と合同で実施する事は不可能であると判断しました」
「な…っ」
アイル使節団だけでなく、ガンズネルもまた、動揺したように声を上げる。
「陛下、何を仰っているのか、判っておられますか!事は二国間における事業、容易に撤回できるものではございません!」
「これは異な事を。此度の話し合いは、ラヴィル計画が実行可能かどうかについて、アイル王国の使節団と検討する場であった筈。互いの条件が折り合わずに実行不可能と言う結論が出たならば、計画を撤回する他、あるまい」
本来ならば、ラヴィル計画の内容について話し合う場として設定された今回の使節団訪問。
計画の内容云々以前に、そもそも、両国が手を取り合える環境ではないのならば仕方がない、とヒースは言い切る。
「条件の折り合いがつかないのならば、折り合いがつくように話し合うべきです!」
「何を話し合う事がある?花嫁の交換を望むのはアイル側で、我々は応じられない、と回答した。一体、どこに話し合いの余地があると言うのだ?」
冷静なヒースの言葉に、ガンズネルは焦ったように口を噤み、ちら、とバートランドの顔を見る。
この事から、花嫁の交換を提案したのが、ガンズネルからであった事が推測された。
「ですが、」
「くどいぞ。ジェシカ王女殿下との婚姻のみに焦点を当てるのであれば、我々の誠の証として受け入れるのは吝かではない。だが、ガルダに求める花嫁がニーナであるならば、それは受け入れられない」
ジェシカとの婚姻を、諸手を挙げて歓迎する事はないと言ったも同然のヒースの発言に、バートランドが目を眇める。
「…ジェシカ、お前からヒースクリフ陛下に申し上げる事はないのか」
「え、いいえ、わたくしは…」
この場にただ同席して、ヒースに婚姻外交の圧力を掛ければいい、とだけ言われていたジェシカは、戸惑って目を瞬いた。
「わたくしは…その…」
ジェシカに婚姻を請わせようと考えていたバートランドは、意が通じずに言葉に詰まるジェシカを見て小さく舌打ちすると、ヒースに向き直る。
「…ニーナ嬢が私を望めば、結婚を認めてくださると言うお話ではありませんでしたか?」
バートランドの言葉に、ヒースは不思議そうに首を傾げる。
「何故、そうもニーナに拘るのですか?先日もお話したように、ガルダに婚姻可能な女性王族はおりません。しかし、我が国で要職に就いている者の縁者であれば、同様の効果が得られる事でしょう。幸いにも、我が国の宰相には適齢期で婚約者のいないご令嬢がおります。是が非でも花嫁の交換を望んでおられるのならば、彼女をアイルに嫁がせましょう」
娘を勝手に差し出されたガンズネルが、蒼白になって口角泡を飛ばす勢いで、ヒースに食って掛かった。
「陛下!私はそのような話は伺っておりません!」
「そうだろうな、今、初めて話したのだから」
「何故、何故、そのような事を…っ」
「何故、と尋ねたいのは私の方だ、ガンズネル宰相。何故、公はアイルの計画を知りながら、公の主君である私に報告しなかった?何故、後見人であるディーンに一言の相談もせず、ニーナを売り飛ばすような真似をした?…何故、聖女の召喚を企てたのだ?」
ヒースに冷たい目で見られたガンズネルは、ハッとしてニーナを振り返った。
「ま、まさか、この娘が本物の聖女…」
疑った事がないわけではない。
けれど、ニーナが王宮の空から悲鳴を上げながら落ちて来た事は、多くの者に目撃されていた。
何よりも、ガンズネルは彼女に、『魅了』の異能を感じる事はなかった。
だから、頭の片隅に浮かんだ疑いを除外していたのだ。
トアーズは、聖女は界を渡ったと言っていたけれど、恐らくは失敗だったのだ、と。
「ほぅ?まだ知らぬとは、バートランド殿下と一枚岩と言うわけでもないのか」
「陛下!聖女召喚を支援したのは私です!聖女召喚に成功していたのならば、聖女を後見する権利は、私にある筈…!」
「ガンズネル宰相」
怒りを抑えたディーンの声に、興奮していたガンズネルが、ぴたりと口を噤み、冷や汗を垂らす。
迂闊にも、絶対に口に出してはならない事を口にしたと、気づいたからだ。
「聖女…やはり、聖女ですか」
一方、バートランドは顎に手を当てると、穏やかに微笑む。
「ニーナ嬢が聖女ならば、ますます、アイルに来て頂かなくては。五百年前の聖女が、アイルにどんな悲劇をもたらしたか、ご存知でしょう?決して両国の関係が順風とは言えない今、聖女がガルダにいる。その事実が何を引き起こすか、賢明なヒースクリフ陛下がお判りにならないとは思えません。先手を打とうとアイルから仕掛ける事がないとは、王太子である私でも言い切れませんよ。アイル国民の不信を招かぬよう、ニーナ嬢は私に嫁ぐべきなのです」
開戦を仄めかすバートランドの言葉を、
「嫌です」
「…ニーナ嬢?」
顔色も変えずにすっぱりと切り捨てたニーナに、バートランドは唖然とした顔をした。
「…何を言っているのか、判ってるのか?ガルダにいれば、君は戦争の旗印にされる。君の異能を、兵士達の戦意高揚に使われるんだぞ…!ガルダの聖女がアイルに嫁いだとなれば、ガルダに戦争の意思はないと見做されて、両国の関係は改善されるんだ!これ以上ない、和平の象徴じゃないか!」
「勘違いしないで欲しいんですけど、私は一言も自分が『聖女』だとは言ってません」
「だが、君は、」
「私には、『魅了』なんて異能はありません。そんなの、ここにいる皆さんなら判ってるでしょう?」
ニーナの言葉に、否定も肯定もできない人々は、ちら、と互いの顔を見合った。
ニーナは確信を持って『魅了』の異能なんて持ってない、と言い切っているし、彼等もニーナに感じる好意が『魅了』のせいだとは思っていない。
けれど、そもそも、『魅了』自体、定義が不明確なものだ。
何しろ、この世界の人々に異能はない。
五百年前の聖女に感じた力を、ただ判りやすく名付けただけの事なのだから。
「確かに、私は天月節の年にこの国に落ちて来ました。アイル語も理解できると判明しました。それが他の落ち人と違うと言うならば、私は単なる落ち人ではないのかもしれません。…でも、私は聖女を召喚する魔法陣なんて、見てません。私を召喚したと言う人にも会ってません。気づいたら、ジェラルディン殿下の所に落ちていただけ。私が聖女であると決定づけるものは、何もないんです。精々、推定聖女、と言った所でしょう」
嘘は何一つ言っていないけれど、ニーナは肝心な部分をぼやかして話す。
天月節の晩に落ちて来た事も、ディーンの傍は傍でもそこはディーンの部屋だった事も、本当は最初からガルダ語を話せた事も。
だから、真実を明かした人々以外には相変わらず、ニーナは空から王宮の庭に落下して来た娘のまま。
ニーナは、ガンズネルの顔をじっと見つめる。
「それとも…ガンズネル宰相閣下は、聖女を召喚してまで成し遂げたい何かが、あったんですか?」
何もかもを見透かすようなニーナの深い色の瞳にひたと見据えられて、ガンズネルは、口籠った。
ガンズネルとて、長年、政治に携わって来た男だ。
腹芸は得意だと自負しているし、事実、これまでは、病に臥せた先王やまだ若い王の裏を掻いて、自領を肥やすべく暗躍して来た。
肥沃なラヴィル川に面した広大な自領を更に発展させる為、ガルダ王国の一部の臣にとって積年の願いであるアイル王国併合を叶える。
その目的の為ならば、手段は問わない。
ついでに、ディーンを慕う可愛い娘の願いも叶え、父親としての面目躍如と思っていたのに。
若き王も、世間知らずの王弟も、上手く言い包められる自信があったと言うのに、今のガンズネルは振り回されるばかりで、自分のペースを保てていない。
それどころか、バートランドと裏で繋がっていた事まで王に把握されていては、ガンズネルの政治生命は風前の灯火だ。いや、確実に断たれる。
それもこれも、すべて…。
「くそ…っ」
目の前でガンズネルの顔を見つめるのは、成人女性とは到底思えない小柄なニーナ。
破れかぶれになって、ニーナを人質に交渉しようと、彼女に掴みかかったガンズネルは。
「ぐわぁぁぁっ!」
両手に痛烈な痛みを感じて、へたり込んだ。
指先が焦げたように真っ黒になり、神経がむき出しになったかのような痛みにぶるぶると体の震えが止まらない。
「…あぁ、言うの忘れてましたけど、私に害意を持って触れる事はできませんよ」
「何…?」
思わず漏らしたバートランドの呟きに、ニーナがにっこりと笑う。
「ディーン…ジェラルディン殿下が、結界を張ってくれたんです。私には魔力がないので、自分で自分の身を守る事ができませんから、私に害を成そうとする人物が近づけないようにって」
「バカな!そんな局地的な結界など、聞いた事がないぞ!ただでさえ、結界魔法は高難度魔法。宮廷魔術師が数人掛かりで掛ける大技を、場所ではなく、人に掛けるだと?!」
本来、結界は固定された場所に対して掛けるものだ。
大量の魔法石を用いて、選りすぐりの宮廷魔術師達が、数日掛かって完成させる魔法。
だからこそ、対象となる場所は王宮などの重要建造物に限られる。
それを、自分の足で移動する人間を対象に掛けるなど、聞いた事もない。
だが、普通に考えたらあり得ない話でも、痛みに苦しむガンズネルの様子を見る限り、全くの出鱈目とも思えない。
驚きに目を見開くバートランドをよそに、ディーンはニーナの隣に寄り添うと、彼女に被害がなかったか、確認していく。
「あぁ、良かった。問題ないね?ニーナ」
「うん。ディーンのお陰だよ」
「ニーナに何かあったら、僕は何をするか判らないから…まずは、君が無事でいてくれないといけないよ」
「判ってる」
二人の遣り取りは、どう見ても親密な関係のもので。
ディーンの一方的な恋慕だと聞いていたバートランドが、唖然とした顔で見ているのを振り返り、ディーンが何でもない事のように説明する。
「場所に掛ける結界魔法と、理論は同じです。座標を固定する必要があるのは、魔力が溜まる受け皿を設定しておかないと、結界の構築に必要な魔力量が溜まる前にどんどん漏れ出てしまうから。魔法石を使用するのも、魔力食いである結界に必要な魔力量を充填する為です。つまり、魔力が逃げる前に結界を構築する事ができれば、対象が動こうが魔法石がなかろうが問題ないんですよ。…とは言え、掛ける側と掛けられる側の魔力の相性もありそうなので、まだまだ実験しないといけないですけど」
魔力の相性と言う点では、魔力を全く持たないニーナは、問題なくディーンの魔力を受け入れられる。
しかし、簡単そうにディーンは言うけれど、座標を固定されていない魔力が漏れ出る前に必要量を一気に充填する、と言う事がまず、常人にはできない。
「ニーナを守る為なら、僕はどんな新しい魔法だって、構築してみせますよ」
バートランドは、改めてディーンに関する噂を思い出して、背筋をぞっと凍らせた。
歴代のガルダ王族の中でも、類を見ない魔力量。
その膨大な魔力を自分の体に馴染ませる為に、表舞台から姿を消していた王子。
魔術書をはじめ、ありとあらゆる文献から知識を蓄え、豊富な知識量を武器に国政に携わるだけでなく、それらを元に新たな魔法を作り出す魔術の天才。
だが、こんなにも規格外だとは思っていなかった。
こんな相手と真っ向からぶつかって――勝てるわけがない。
「改めて提案します、バートランド殿下」
バートランドの心情を知ってか知らずか、ディーンを背後に従えて、ニーナがにっこりと笑う。
その姿は到底、聖なる乙女には見えず、人外を使役する魔の使いのようで。
「提案…?」
「今回、アイルに提案した『ダム』は、ラヴィルの上流に設置する関係で共同で取り組みませんか、と持ちかけました。でも、ガルダ一国でも、ダムの代わりに治水する方法はあるんですよ。その方法を取る場合、川の真ん中にある国境を侵す事はないので、いつ工事を始めるのか、どんな工事をするのか、アイル側に伝達する必要もありません。…それでも、アイルに共同事業として提案したのは、ダムの方が確実な効果を見込めるからだけでなく、この方法でガルダが工事を進めた場合、ラヴィル川が氾濫した際に、アイルに甚大な被害が予想されるからです。その事実が民に知れた時…ガルダの提案を受け入れず、ラヴィル計画に乗らなかったアイル王家の信用は、失墜するでしょうね」
ニーナから、ダム以外の治水工事の方法について事前に聞いていたガルダの人々が、厳かに頷く。
堤防、人工的な支流、水門、調整池、いずれもガルダの国土への洪水被害を軽減させる事ができるだろう。
だが、ガルダに溢れなかった水は、アイルへと向かう事になる。
二つの国を均等に脅かしていた洪水が、一国に集中したら…?
「…君は、私を脅すのか」
「いいえ?事実を言ってるだけです。以前も言いましたけど、私はお世話になっている人に恩返ししたい気持ちはあっても、ガルダの民の為に働こうと言う気持ちはありません。でも、アイルの民に苦しんで欲しいとも思ってないんです。どんなに好きな物でも、飢えに苦しんでる人がいると思ったら、美味しく食べられないでしょう?だから、どうせなら、どっちの国の民にも平和に暮らして欲しいじゃないですか」
ニーナの言葉を聞いて、ガルダの人々は「ニーナらしい」と苦笑する。
他人と距離を取った発言をする癖に、ニーナは本質的に優しい。
本当は誰よりも、名も顔も知らぬ誰かが傷つく姿を厭っている癖に、素直じゃないのだ。
「だが、ラヴィル計画に膨大な予算と人員が必要なのは事実。何を持って計画の遂行を約束する?空手形に終わらない保証など、何処にもない。…君が、アイルに来るのならば話は早いが…私の妃になってはくれないのだろう?」
ディーンの様子から、ガルダは決してニーナを手離す事はないだろう、と思いつつも、駄目押しで聞いてみる。
「そうですね」
ニーナはあっさり肯定した。
「だから、言ってるじゃないですか、提案って。別に、アイルがラヴィル計画に乗ろうが降りようが、ガルダはこの計画を進めます。完成する形は変わりますけど、少なくとも、今よりはよくなりますから」
決して、交渉しているわけではなく、あくまでも提案。
一緒にどう?と誘っているだけ。
国と国の重大な事案である事を全く感じさせないニーナには、外交の初歩すら備わっていない。
それなのに…どうして、信じたい、と思ってしまったのか。
どうして、信じられる、と思ってしまったのか……。
バートランドは、お手上げ、とばかりに両手を上げた。
「負けたよ。父に聞かれたら、何の保証もなしに国を挙げた事業を決めた事を怒られそうだが、私はガルダではなく、君を信じる事にしよう。だが、一つだけ頼みたい事がある。…今回の聖女は、人々を戦争に駆り立てない、と約束してくれるか?」
「推定聖女との約束でもよければ幾らでも。私、戦争なんて、大っ嫌いなんで」
顔を顰めて嫌悪を示すニーナの姿は、とてもではないけれど、淑女の鑑とは言えない。
王宮で暮らすのにこれ程不向きな女性はいないだろう、と思うのに、何故だかとても輝いて見える。
裏表がないように見せ掛けて実は本心を隠す術に長けている所も、不意打ちのように素直な心情を見せる所も、必要とあれば澄ました顔でこちらを欺く所も、冷たく切り捨てる事を示唆しながらも最後の最後まで手を差し伸べようとする所も。
バートランドの知るどんな淑女とも違うのに、いや、だからこそ、なのか、いつの間にか、目で追ってしまっている。
「君がそう考えている以上、ガルダの人々がアイルに侵攻してくる事はないな」
本来ならば、王族として、次代の王として、こんなに不明瞭な約束などしない。
けれど…ニーナの考えが百八十度変わらない限り、彼女の周囲の人々が、侵略行為に走る事はないだろう。
――どうやら、聖女の『魅了』は、本物のようだから。
「…もっと早く、君に出会いたかったな」
そう呟いたバートランドの言葉は、ニーナの耳には届かなかった。
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