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第四章
─── ナニゴトデスカ?
しおりを挟む青果市場と併設の個人商店で生花などの廃棄物を買い取りに行った。
年末が近付くと、店を閉めるために在庫を一掃する個人商店から買い取りや引き取りの依頼が増える。
収納庫に入れていても、店頭に出していたらそのぶん傷みは進む。
そして新鮮な商品を新年にまとめて仕入れるため、在庫があっては置き場所に困る。
そのため、年末はほぼ毎日市場のどこかにいる。
一定の期間を過ぎたものは引き取り、一定の期間内だったら定価の半額で買い取り。
その中で再利用という形で自家製品を作っている。
たとえば生花。
綺麗なものはポプリや匂い袋、ドライフラワーにしてハーバリウムに生まれ変わるものもある。
それらは買い取りしたものだ。
変色が始まったものは精油にする。
それで香水や入浴剤に生まれ変わる。
人気の花石鹸は香油を混ぜて、固形化させる際に変色部分を取り除いた花びらをいれて作る。
面倒でも、少しずつ型に流し入れて花びらをいれて固めて……と繰り返しているため最後まで花びらを楽しめる。
入浴剤には蜜蝋で固めた容器に花びらを閉じ込めているため、どんな花が出るか楽しいそうで女性や子供に人気だ。
蜜蝋は肌に潤いを与えるため、冬季は特に人気になる。
実は入浴剤の中には花以外も入っている。
屑石と呼ばれる、宝石になれなかった細かい砂たちだ。
キラキラ輝いて浴槽を彩る。
その砂の入った浴槽で身体を撫でると肌がさらに磨かれて綺麗になると女性たちの間でも人気だ。
父さんの話では、粒子が皮膚の角質を取り除いてスベスベにするスクラブ効果なのだそうだ。
いつも磨いていると肌が傷むため、百個作ると三個混じっているという確率になっている。
型は全部一緒のため、完成させたらどれに入っているか私たちでもわからない。
鑑定の魔導具も、中に入っているものはわからないのだ。
その屑石も、鍛治師の廃棄物の中からたまに見つかる宝石のカケラを細かく砕いて乳鉢ですり潰すのだ。
入浴後に捨てるのは勿体無いといって、屑石を集めて小さなガラス瓶に入れている女性たちがいる。
やすりで削ったカケラのため、吹いたら飛びそうなくらい細かいけど……。
そんな小さなカケラでも、ひとときの癒やしになっているのは嬉しい。
回収にいった帰りに、解体屋の職人さんに声をかけられた。
「おう、リーシャ。悪いんだがちょっといいか?」
解体屋からではなく私の家の方からきたため、家まで行ったけど留守で引き返してきたのだろう。
職人さんに連れられた私が解体屋へいくと突然全員で土下座をしてきた。
「頼む! こんなことを言うのはルール違反なのを重々承知だ!」
その必死さに二歩・三歩と下がってしまった。
土下座ってそれだけでも脅迫や威圧になるんだって初めてわかった。
「あの、何かあったんですか?」
「リーシャ! どうしても、どうしても頼む‼︎」
「「「今から魔物を解体させてくれぇぇぇ!!!」」」
「───────── ナニゴトデスカ?」
何が起きているのか、理解ができなかった。
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