【完結】腐女子が転生したら、親がスライムと触手だった件。

そば太郎

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愛するものたちの時間

遂にその時がきた

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ドクンッ

「っ?!」
最初の異変は、ヴァランからだった。
お腹に手を当て、

「う、産まれる?」
その言葉にわたしたちは驚き、騒然となる。

ドクンッ
ヴァランのお腹から大きな鼓動が聞こえた。

わたしは神様から貰っていた薬の存在を思い出し、慌てて取り出す。
ヴァランを分娩台のように触手で持ち上げ、綻んだアナルへと薬を塗り込んでいく。

その間にも、ドクンドクンと鼓動が強く、そして感覚も短くなっていった。

「んああああ~~~~~!」
苦しそうにヴァランが叫ぶ。その手をしっかりと握ると、潰されそうなぐらい力強く握られる。
先輩に、ヴァランの汗をタオルで拭いてもらいながら、呼吸を繰り返すように指示した。

触手②くんを使い奥まで薬を塗り込めると、それまでキツく締め付けていた腸壁が柔らかくなっていく。

ヴァラン、意識をしっかり、お腹、力いっぱい力んで!

わたしの言葉に、腹圧をかけて、すこしずつ腸壁を通って出てくる種子。何回か深呼吸と力むを繰り返し、そしてジュブンッそんな音とともに世界樹の種子がふちを拡げて出てきた。

わたしに埋め込まれたダチョウの卵より大きく、小玉スイカ並。想像していたより大きかったが、それには、小さく双葉が生えていた。

可愛い若葉がふたつ。

震える手でシーツの上に転がっている種子を拾い上げる。
ズシリとした重みを感じるとともに、胸いっぱいになんとも言えない感情が占めて、無性に泣きたくなった。

いや、実際もう涙が溢れてきて止まらない。

ぴぃぴぃぴぴぃぴ~~~~~~~~~!

見た目めっちゃ種子なのに、わたしの可愛い赤ちゃんという感覚が湧き上がり、歓喜に震える。


出産を終えたヴァランは、汗だくになり、髪の毛が頬に張り付いている。荒い呼吸を繰り返し、ひどい有様だと思うけど、これまでみたヴァランの姿で一番、キレイだった。

「ぴぃぴぴぃ」
(ヴァラン)

ヴァランに向かって種子を差し出すと、ヴァランも震える手で受け取り、胸の前で抱きしめている。ポロポロと大粒の涙を静かに流しながら、微笑むその姿は、わたしの心に強く刻まれた。

心なしか世界樹の芽が嬉しそうに見えて、口元が綻ぶ。

ドクンッ
感動する間もなく、今度は先輩が産気づいた。

隼人っ!
叫ぶわたしに、
「そんな顔しないで・・・。ちゃんと七緒の子無事に産むから。」
痛みを堪えながら微笑む姿に心が締め付けられる。

この世界で生まれたヴァランにとって、男が出産するのも受け入れているけど、でも先輩は、隼人は・・・っ。

胎内に薬を塗り込みながら、隼人のことを思うと叫びたい衝動にかられる。

「ふふっ七緒・・・そんなこと僕は思っていないよ。ンンッ、ぼ、僕、この世界にこれて幸せだ。だって、もう会えないと思っていた七緒に会えたんだから。
ングッ、・・・そして七緒の子を産めるのは、とても嬉しい。だから、ね、笑って。ちゃんと笑ってこの子を迎えてあげよう?」

隼人・・・
うん。わかった。ぐすっ、隼人、ありがとう。
ちゃんと、笑って赤ちゃんを迎えるね。


ヴァランと同じように触手で吊り上げ、ギュッと手を握る。わたしは、この子の父親だから、そしてわたしは、隼人の旦那様なのだからっ。

絶対、わたしが守るっ!

「んぐぅっ、ンンンッ、あああああ~~~~っ!、あ、ンンンンッ!!」
歯を食いしばって耐えているけど、体の緊張が強くて、なかなか種子がおりてこない。

先輩っ、深呼吸してっ!
そう声をかけるけど、痛みで全然聞こえてないみたい。

「ハヤト、大丈夫だ。ちゃんと、無事に生まれるから、ほら、頑張って少し力を抜こう。」
ヴァランが、優しく先輩を抱きしめて、背中を撫でる。大丈夫だ、ほら深呼吸して、偉いな、じゃあ今度は力もう。

そうやって優しく声をかけ続けて、無事に種子が産まれた。

可愛い双葉がちょんこんと生えた可愛い種子。こっちのほうが、若干若葉が小さいかも。

シーツに転がった種子を抱っこして、胸に抱く。そして涙で顔をグチャグチャにした隼人に向かって差し出す。

「ぴゅぃぴゅっ」
(先輩っ)

ありがとう。わたしたちの赤ちゃん。産んでくれてありがとうっ!
そう心に込めて伝える。

「うん、七緒の赤ちゃん・・・産んだよ、僕。ああ・・・可愛いね。」
世界樹の種子。見た目こそ種子だけど、わたしにとっては何よりも変えがたく、大切な赤ちゃんだ。

涙が止まらない。嬉しくて、嬉しくて、これまでのことを考えると、決して平坦な道ではなかったけれど今こうして幸せになるためのことだと思えた。

あああぁ、世界に、この世の全てに感謝したいくらい。

ありがとう、神様っ!

「どういたしまして。」
ビクゥウウウ・・・ッ!

突然、神様の声が聞こえて、ポヨンと1mぐらい跳ね上がった。

ポヨン
コロコロ

「か、神様?!」
ヴァランや隼人も驚いて声を上げている。

「よく、頑張ってくれたわね、ヴァラン、隼人。特にヴァランは、その子を決して諦めなかった。そのおかげで、今、こうして会えることが出来たのを、嬉しく思うわ。

ヴァラン、本当にありがとう。隼人も、受け入れてくれて本当に感謝しかないわ。」
神様が、頭を下げている?!

は、初めて見た。こんな、神様。それほどまでに、世界樹のことを心配していたんだ。世界樹を枯らした原因である人間を憎んでいた。世界樹は神様にとって大切な存在なんだとよく伝わってくる。

「神様、あなたが助けてくれなかったら、この子をこうして産むことは出来なかったと思います。こちらこそ、お礼を言わせてください。あの時は、助けてくれてありがとうございます。」
ヴァランが、お辞儀をする。
そして、わたしも、

『神様っ、わたしからもお礼を言わせてください。ヴァランを、この子を助けてくれてありがとうございます。神様がいなかったら、わたし、一生後悔するところでした。
あの時のわたし、この子を諦めていました。自分のことだけで精一杯で、ヴァランのことも、腹の子のことも、考えずに責任を投げ出していただけ。
それを、繋いでくれたのは、神様で、そして先輩。ふたりが、動いてくれなかったら、わたしは今こうして幸せにはなっていなかった。

ヴァラン、諦めないでいてくれてありがとう。先輩、わたしの背中を押してくれてありがとう。神様、わたしたちを助けてくれてありがとうございました。』

今更ながらゾクッとする。今の幸せがなかった可能性があったことに、心が震えてしまう。
けれど、こうしてみんなの助けがあって、ヴァランが諦めないでいてくれたから、わたしは笑っていられる。

ありがとう、愛してる。

生まれてきてくれて、ありがとう。

全てぴぃぴぃだけど、みんなちゃんと伝わっているから大丈夫だよね。ちょっと締まりがないけど、許してちょうだい。

・・・・・・あ、あれ?
ヴァランと隼人をみて今更気がつく。

は、裸じゃね?

「ぴっぴ~~~~~~~~~?!!」

わたしの嫁の裸が、神様に見られてしまったぁああ?!

神様っ、見ちゃダメっ!わたしのヴァランなの!わたしの隼人なのっ!

ぴぃぴぃ。
必死に飛び跳ねて、神様の視界を塞ごうとするけど上手くいかない。だって、飛んだら落ちるのだから。

ヴァランも隼人もやっと今の格好を思い出して、ワタワタしているけど、種子を抱っこしているから隠せていない。

「まったく、別に見てもなんとも思わないわよ。」
呆れながらも、パチンと指を鳴らすと、ヴァランと隼人は柔らかな羽衣のような薄い服を纏っていた。

ゆるく締め付けない服はゆったりしていて、それでいてふたりの雰囲気に合ってその魅力が発揮されるような格好で、思わず見蕩れてしまう。

裸ではなくなったことで、ホッと息を吐くと、ヴァランが、隼人と一緒に、
「抱っこしますか?」
と種子を神様に差し出した。

キョトンとする神様。
これまで、世界樹の種子の発芽を誰よりも心待ちにしたのは、神様だ。

神様は、ベッドの上に座ると、その腕にヴァランと隼人からそれぞれの種子が乗せられる。

ふるりと震える双葉が、嬉しそうに動く。

神様は、ポロポロ涙を流し、
「ごめんなさい、貴女を守れなくて・・・。ひとりで逝かせてしまって、ごめんなさい。」
最初こそ謝っていたけど、
最後には、
「可愛いわね。おばあちゃんのように大きく育つのよ。あなたたちの両親、そして私がついているわ。」
そう伝え、それぞれの種子に口付ける。種子の周りにぽわっと柔らかな光が降り注いでいた。多分祝福を授けたのだろう。

今度こそ守るとか前に言ってたから、強力な加護なんだろうけど、並々ならぬ執念というか決意が見えた。

こうして、世界樹の種子は、無事に発芽して産まれましたとさ。

出産で気が抜けない時が続いて、お腹空いちゃったぁ。お腹をさすっていたら、

「じゃ、早速植えに行きましょう。」
神様にそう言われ、
みんなして、あ、となった。そうか、植える場所決めてたね。


一大イベントが終わりかと思ったけど、まだまだだったぁ。

こころなしか、双葉がパタパタ揺らめき、文句を言っているようだった。

ゴメンね、赤ちゃんたち!パパを許してぇ~~~~~~!

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