ぷるぷる。俺は、悪いスライムだ!

そば太郎

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ぷるぷる。朝ごはんの時間

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ペチペチと母の頬を叩くが起きてくれない。

どうしたものか。
考え込むが、いい手が浮かばない。

ツンツン

ん?

ツンツン

俺の尻尾がにょっきりと前に出たかと思えば、母の頬をツンツンつついていた。自分の意思でも動かすことが出来るが、時々こうやって勝手に動くことがある。

俺の感情に敏感で、こうやってユラユラと動いてしまうのだ。だが、揺れたり、絡みついたりすることはあっても、こうやってツンツン突くのは珍しい。

「……うぅん」
あっ
眉間に皺を寄せ、唸り声をあげる母におきるかなとワクワクし、自ら尻尾を使ってツンツンする。

でも、起きない……

むぅ。早く起きて欲しいのに起きない。焦れったくなって今度は強めに尻尾の先端を押し付ける。俺の尻尾の先端は矢印のようになっているが、少し丸い。なので、強めに押し付けても、母に痛い思いをさせることはないはず。

ツンツンつついていると、パクッ。

━━━━━━ッ?!
ヌルヌルとした口内に包み込まれた。

もごもご
噛まれたりはしないが、俺の尻尾の先端が完全に母に食べられてしまった。柔らかな口内。唾液がたっふりまぶされ、舌て舐めしゃぶられる。

『…………な、な、な、何を?』
最初こそビックリして硬直してしまったが、我に返り、戸惑う。尻尾を取り出そうとするが、ギュッと口を締め付けられ、しまいには尻尾を手に握られてしまった。

痛くはないが、何か変な感覚が……

ちゅぱちゅぱ、ペロペロ

いつも俺が母を舐めていたというのに、今度は俺が母に舐められている。舌先が尻尾の先端をなぞり、たまに返しの部分まで舐められてしまう。

そうかと思えば、舌全体で先端から上に向かって舐められ、ビクンと身体が震える。俺がいつもチクビを舐める時と同じようななめかた。

だが、俺とは違って大きな舌が全体を包み込むように舐めしゃぶられ、何故か体が熱くなっていく。それと同時に舌で尻尾を転がされ、ゾクリとした何かが走る。

『あ……!』
俺の口からでた声は、掠れており、どこか弱々しいものだった。

舐められている場所から全身に波及するような波がやってきて、引き剥がそうとした力が抜けていく。

母の熱い口内。ジクジクとした熱が俺の理性を溶かしていき、開いたらいけない扉が今開こうとしている気がした。

『……ま、ママぁ……あ、あん……そ、そんなにしちゃぁ……やらぁ』
やめて欲しいのに、やめて欲しくない。そんな相反する気持ちと体に突然終止符が打たれた。

ガチャ
「クロノス、お待たせ。ご飯出来たよ~!」
父が寝室に入ってきた瞬間、俺はビックリして強く尻尾を引いた。今度は特に抵抗されることもなく、ジュポンッと尻尾が解放される。

「クロノス? どうしたの?」
父が心配して覗き込んできて、俺は慌てて、
『顔、洗ってくる!』
そう叫び、一目散に部屋から飛び出した。

洗面所で自分の顔を見ると、大きな目が潤み、黒いから分からないけど顔がとっても熱く感じる。尻尾を手に取ると、母の唾液で濡れており、時々ピクンピクンと震えていた。

母も、テクニシャンだったようだ。

水を出して、俺は火照った顔と尻尾を洗った。




朝ごはんを食べるべくキッチンに向かう。既に食卓には美味しそうなご飯が並んでいた。この時には、先程のことは頭の片隅へといき、目の前の朝ごはんに目を奪われる。

父が作るご飯は美味しい!もちろん、母のご飯は美味しいが、なんというか父の方がメニューが豊富で見たことがないものばかりなのだ。

特にこのこんがり焼けたトーストの上にカリカリに焼けたベーコンと目玉焼きがとても美味しい!半熟なのが、俺好みだ。

そしてこんもりあるフレッシュ野菜。庭園で作っている新鮮な野菜。青臭くて苦手なのだが、俺はえらいからな。これを食べることが出来る!

ドヤ顔。

ふふん。このボトルに入った液体をドバドバかけてっと。……これで良し。青野菜が全て真っ白になった。これは、父特製ドレッシング。中身は、母のミルクに粉チーズを入れたフレンチドレッシングというものらしい。

よし、準備は出来た。

今、父は母の体をキレイキレイにしに行っている。1回父がやってきて、先に食べててねと言われた。食卓にふたりがいないのは寂しいが、目の前の朝ごはんに待てが出来るはずもなく、トーストを手に取り、パクリ。

黄身がとろりと溢れてくる。

卵の濃厚な味が口に広がり、そしてベーコンの脂の甘み、サクッと音をたてるトースト。

母のミルクより美味しいものはないが、これもこれで美味だ。魔王様直属の配下として働いていた時には味わえなかった味に胸がぽかぽかする。あの時は、塩コショウを振っただけの肉の塊だったからな。それか、硬いパン。牙がないモンスターが苦戦していたぞ。

商人や街を襲撃した時は、人間たちの美味しい食材が手に入るが、毎回成功するわけじゃなかったからな。まっ、知能が高い俺様がいれば、マヌー〇で幻惑をかけ、勝利していたが!

ふふん。俺は、何も考えずに突っ込んでいく脳筋とは違うのだ!俺は、かしこさを兼ね備えた魔王様直属の配下。スライム種初めての四天王になる男なのだ!

2度目のドヤ顔。

あっという間にトーストがなくなった。用意されているフォークを手に持つ。俺は、手が作り出せるため、ちゃんとフォークを持つことが出来るのだ。すごいだろ!

3度目のドヤ顔。

グサッ
ボトッ

…………使い方は上手くない。

グサッ
ボトッ

……何とか、頑張って食べることが出来た。

そうこうしていると、やっと父と母がやってきた。にこにこ顔の父とげっそりしている母。

なんで?

「待たせたね。ちょっとママをお風呂に入れてたから、時間かかっちゃった♡♡」
そういう父は、めちゃくちゃ笑顔だ。

「……クロノス、おはよう。」
反対に母は、挨拶をすると椅子の背もたれに背を預け、ぐったり。

なんで?
父は、自分たちの食事を用意するべく、エプロンを付けてキッチンに立っている。ふんふん鼻歌まで聞こえてきた。かなりご機嫌だ。

食卓にコーヒーが置かれ、母は気怠そうにしながらも、それを飲む。俺も1回、飲んだことがある黒い液体は、ゲロマズでそれ以降俺は飲んでいない。

一口のみ、ホッと息をつく母。
母いわく、この苦味がいいそうだ。

俺は、ハチミたっぷりのカフェオレにしてくれたら飲めるぞ。

父が俺の前にハチミツたっぷりカフェオレを出してくれた。新鮮なミルク入りだって。俺は、誇り高き魔王様直属の配下だからな、そのミルクが何かだって知っている。

母のミルクは色んな料理に使われており、俺が食べやすいように工夫してくれているのだ。

食卓に俺が食べたメニューが並び、父が席につく。『いただきます』をする前に、俺の前に丸いピンク色の果物が置かれた。初めて見る果物に、これなに?と尋ねると、母が嬉しそうにしていた。

「やっと実ったか。クロノス、それはモモといってな、食べてみろ。美味しいぞ。」
目を細め、嬉しそうにそういう母に、俺は自分と同じぐらい大きい果物にカプリとかぶりつく。

口いっぱいに広がるジューシーな甘さ。果肉は肉厚で食べ応えあるし、しかも果物の汁がたっぷり入っており、それがとても甘い!

な、なんなのだ、これは!初めて食べる味に、夢中になってパクパクと食べ進める。

気がついたら手のひらに、種だけが残っていた。

なくなっちゃった……

「ぷくくっ」
「ふはっあははははっ!」
何故か父と母が笑っていて、特に母は大笑いをしている。俺は何故笑われているか分からず、頭の中に、ハテナ マークを浮かべた。

「クロちゃん、桃の汁だらけだよ。」
父が教えてくれ、体を見ると全身汁まみれだった。甘い匂いがぷんぷんして、少しベタベタする。もったいなくて、汁がついた手をペロペロ舐めとった。

「お前の父もな、初めて桃を食べた時、クロノスと同じように全身汁まみれになっていたぞ。あの時のスラにそっくりだ。」

メタルスライムの父に、俺はダークスライム。だけど、父そっくりと言われて、すんごく嬉しい!



【クロノス】
真っ黒ボディだが、瞳の色は母と同じ碧眼。早く大人になりたいと思っているが、甘やかしてくれるこの時間も大好き。初めて快感を感じた。だけど、まだ赤ちゃんだし、生殖器は作り出せない。当たり前である。
ちなみに、初めて感じたゾクリとした快感は、快感とは分かっていない。

【スラ】
息子に甘い。ゲロ甘。嫉妬深いが、息子を成長させるために自分の技術を教えたりしている。気絶したクラウドをお風呂へ連れ込み、しっかりと襲ったケモノ。シャワーを浴びながら、壁に押し付け、肉厚なお尻を突き出させ、アンアン言わせた。人間のペニスはクラウドにあつらえたようにピッタリで、相性がいい。結腸口まで易々と突破するだけの長さと太さを兼ね備えている。

【クラウド】
ツンの期間があったために最近のデレを見せてくれる息子に弱い。いたずらされても、しょんぼり顔を見るとそれ以上怒れない。今回、スラにお風呂でいいようにされたために、朝の出来事が上書きされ、すっかり怒るのを忘れている。桃の汁まみれになったクロノスをみて、一気に気分が上昇した。

【桃】
自宅に飢えている桃。大きく柔らかな果肉とジューシーさがたまらない。その他にも色々な果実がなっている。

【ご飯】
スラが作るのは、繊細な料理が多く、クラウドが作るのはまさに男料理。つまり豪快。断然工夫されたスラのご飯が美味しい。

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