ぷるぷる。俺は、悪いスライムだ!

そば太郎

文字の大きさ
43 / 55

ぷるぷる。魔王様のウワサ

しおりを挟む


授与式のあと、なぜか父が、レベルアップを許可してくれた。これまでダメの一点張りだったのに……

なんでだ?
『いいの?』
不思議がる俺に父からは、赤ちゃんの俺との時間を楽しみたかったって言われると、胸に何かが込み上げてくる。

熱い何かは、俺の全身を満たし、自然と涙が溢れてきて、無性に父に甘えたくなった。

『ぴぃぴぃっ~~~~~~~~~!』
その衝動のまま、父に抱きつく。メタルスライムの体に。

『ど、どうしたの?!く、クロちゃん!ああ、そんなに泣いて。よしよし。』
抱きとめてくれて、頭をよしよしされる。この感情が何か分からないが、胸がポカポカ。

「おっ、どうしたんだ? クロノス、にっこにこだな。ほら、次はママだぞ。」
くすぐったい気持ちになり父に甘えていたら鍛錬を終えた母がやってきた。シャワーを浴びてきたようで、石鹸の匂いがする。

俺の母。いつも、俺を優しく抱きしめてくれる。『いたずら』をすると、怒られるけど、その後に優しくゴメンなさい出来て、えらいなって褒めてくれるんだ。

えへへ、な、なんか嬉しくて、もっと褒めて欲しくて、お手伝いをすると、また褒めてくれる。

『ママぁ、ありあと!』
まだ上手く甘えられないけど、ぴょんっと大きく跳ねて、母に抱きつく。ぽふんと抱きとめて、胸にギュッと包み込まれる。

父と母。俺の大切な両親。俺だけの家族……

ふへへ。なんか、ポカポカが止まらない。もしかして、……これが、シアワセっていうやつなのか?


その日は、父と母に思う存分、甘えた!


クロノスは、『甘えた』さんを獲得!



数日後、自体は一転した。ソレは、ある一報がギルドに届いたところから始まった。その内容とは、モンスターたちの凶暴化。

最初は、遠く離れた村がモンスターに襲われたという。それを討伐するために派遣された冒険者が失敗した。かなりの被害が出たらしく、幸いにも死者は出なかったらしい。

それから、少しづつ似たような事例が増えていく。重くみた領主は、すぐさま国に報告し、調査団が派遣される。その結果、この国だけでなく、隣国も同様の被害が出ており、隣国の報告によると他国もまた同様の被害を受けていた。

様々な分野の専門家が集まり、議論が始まる。その間にも被害は大きくなり、広がっていく。今のところ、死者は出ていないもののいつなんどき、スタンピードが起こり、多数の死傷者、被害が起こるか分からない状況になった。

被害が広がるほど、その情報が広がり、国民たちの生活にも影響が出てきた。物流の停滞、物価高、手に入らない香辛料。失業する人たち。

そのうち、治安の悪化により、犯罪者も急増するだろう、この国は幸いにも福祉が充実していたために今すぐ犯罪に走るものなどはいない。炊き出しとかあって、失業したからといって最低限の食べ物はありつけるのだ。

またその一端を担っているのは、スラやクラウド、そして高ランク冒険者たちの活躍だった。彼らはモンスターを借り、肉を安価で提供。森に入れば、上質な肉がたっぷりあるのだ。

さすがに、ゴブリンとかは食えないが、オーガは格好の肉に早変わりとなる。しかも、ヤツらはクラウドを見るとヒャッハーとなるので借り放題。

深層のモンスターも凶暴化しているものの、クラウドを見ると同じようにヒャッハーに早変わりして、無防備になる。それをクロノスがすかさずマヌー○をかけ、その後、メダパ○(混乱)をかけて攻撃。

以前は攻撃が通じなかったが、メタルスライムの経験値ガッポガッポを使って、大幅なレベルアップを遂げ、条件付きではあるが、倒すまでになった。しかも、本当は単体にしか効かないメダ○ニが、なぜか全体攻撃に……

うむ。ご都合主義発動!

そうして、またクロノスはレベルアップ!


そんな日々が続くある日のこと、魔王復活が囁かれ始めた。


『━━━━━━ッ?!』
ギルドに討伐達成報告をするために訪れたその時、ある冒険者たちが話していて、俺は全身に衝撃が走り、動きを止める。今、父と母は馴染みのお兄ちゃんに処理をしてもらっていて、傍にはいない。

俺はパタパタ羽を動かし、彼らの傍に行く。

「お、なんだ、なんだ。クロノス、食べたいのか?」
からあげを1つ差し出され、カパッと口を開ける。もぐもぐ。父の料理には勝てぬが、これも美味しいぞ。

はっ、いけない。尻尾でペシペシテーブルを叩き、話を催促するも頭を撫でられてしまった。

お前たち、魔王様直属の配下たる俺に馴れ馴れしいではないか!次期四天王になる男をもっと敬え!と言ったところで、言葉は通じない。仕方ない……

ノートを出して、カキカキ。

『まおー?』

突きつけると、やっと分かったようで話してくれる。今回の騒動は魔王復活の兆候じゃないかってウワサがあるらしい。

な、なんと?!魔王様が、つ、遂に……?!

「でも、この街は大丈夫だ。なんたって、この街にはスラさんやクラウドさんがいるし、何よりもこの街の冒険者は高ランクが多いからな!」
ガハハハハと笑う冒険者の言葉をどこか遠いところで聞き、父と母の元へと戻る。

「だ~か~らっ、クラウドの体に触るなって言っているだろ! しつこい!」
父が大男に声を荒らげている。ギルドに入るとおなじみになった光景。それは、母に懸想する特級冒険者の酒飲み親父。俺には、酒飲みのオッサンにしか見えないが、なかなか強いらしい。

何気に面倒見がいいそうで、慕われているようだ。

この男は昔から母のことが好きで、特にむっちりデカケツが好きらしく隙あらば母のむっちり尻に触ろうとしてくる。それを毎回、父によって阻まれているのだが、懲りない男だ。

パタパタ

男は、俺が近づくと、
「おお~、ちびっ子、ほれお前の親父をどうかしてくれ。少しぐらいあのケツを触らせてくれてもいいだろうに。」
絡んできた。この男は鋭い。父の姿が、メタルスライムだと気がついているし、俺が父も母の子供だということも察している。

「クロノスに近づくな!」
一部の人間には知られているが、基本的にシークレット情報だ。なにせ、モンスターが人間を孕ませただなんて、騒ぎにならないはずがない。しかも、モンスターが人間になっていて、高ランク冒険者をしているのも、驚愕な事実だ。

だけど、こんな話誰も信じない。それだけ、ありえない話だからだ。

男もそれが分かっていて、父をからかう材料にしている節がある。冒険者として、また好きな相手に相手をされないことの腹いせだろう。

ふん、俺は博識なのだ!
(実は、おねぇちゃんからの情報。)





それから数日後、神託がおり、……勇者が誕生した。




【クロノス】
生後4ヶ月。スマホ1個半になろうとしているが、まだ父よりは小さい。あと1ヶ月で成体予定。
国民的RPGのゲーム3の世界からの転生者。そのことに主人公は気がついていない。魔王様直属の配下として、活動する予定。だけど、父も母のそばが心地よくて、はなれがたくいつまでも一緒にいたい。

魔王様復活の報せ(ウワサ)を聞き、動揺。

【スラ】
クロノスを溺愛。目に入れてもいいぐらいに可愛がっている。息子のお願いにほぼ受け入れており、レベルアップの件を許してからは、ほぼ100%。ダメな父である。

あ、あ、ああああ……ちょっと、クロちゃん? 前立腺は、ガジガジしちゃ、だ、ダメだよぉ、ね、ねぇ、聞いてる?

ご、ごめん。クラウド……今日も止められなかったぁああ!!

【クラウド】
ほぼデレ成分になったクロノスに更にメロメロ。これまで子沢山で、一気に巣立ったために久しぶりの我が子が可愛い。それなのに、なかなか懐いてくれなくてしょんぼり。それが、今ではだきついてきてくれて……!

怒る時は怒るけど、その分甘やかすことも。

レベルアップさせるために、胎内に迎え入れるが毎回の如く前立腺を舐め回され、嬲られ、最終的に牙を立てられ、気絶するルーティンが出来上がっている。もちろん甘噛みだけど成長と共に牙も大きくなり、衝撃は強い。

「や、やめ゙え゙、あ゙、あびぃ゙、あ゙あ゙あ゙あ゙~~~~~~!」
白目気絶。これを繰り返され、HP上昇。

【中年の酒飲み特級冒険者】
顎髭があるイケおじタイプの男。クラウドの肉厚な尻に目を奪われ、クラウドに惚れる。肉感的な体にゾッコン。最初はいいな程度だったけど、もう恋焦がれるほど。軽薄そうな見た目に反して、意外と純情。だけどクラウドに出会ったあとは性欲を抑えきれなくなり、娼館に通っている。男娼や娼婦によると性欲も強く、付き合うのも大変らしい。

【若手の特級冒険者】
まだ20代の若手冒険者。幼なじみとパーティを組んでいたが、最近解消。何故なら、男がこの街から離れたがらないため。だけど、この男単体でかなりの強さなために問題ない。叶わない恋だとしても、離れられない。今回は 話に出ていないけど、シャイボーイのために影でこそっと見つめていた。中年冒険者が羨ましい……
憧れから恋に落ちたタイプ。ちなみに童貞。操を立てている。

【国王様】
33歳。妻30歳、息子13歳、娘8歳、息子2歳。超特級冒険者のふたりには王都を守って欲しいと思っているが、断られた。ショック。だけど、他国に行かれても嫌だから、我慢している。意外と常識人で、そこそこ賢い。息子が優秀なタイプ。

スラとクラウドにより、安価でモンスターの肉を回してくれているので国内情勢はなんとかなっている。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました

よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、 前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。 獣人が支配する貴族社会。 魔力こそが価値とされ、 「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、 レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。 そんな彼を拾ったのは、 辺境を治める獣人公爵アルト。 寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。 溺愛され、守られ、育てられる日々。 だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。 学院での出会い。 貴族社会に潜む差別と陰謀。 そして「番」という、深く重い絆。 レオンは学び、考え、 自分にしかできない魔法理論を武器に、 少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。 獣人と人族。 価値観も、立場も、すべてが違う二人が、 それでも選び合い、家族になるまでの物語。 溺愛×成長×異世界BL。 読後に残るのは、 「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。

【完結】重ねた手

ivy
BL
とても短いお話です。

番に見つからない街で、子供を育てている

はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。 異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。 現世の記憶は失われているが、 この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。 街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、 ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。 だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。 再会は望まない。 今はただ、この子との生活を守りたい。 これは、番から逃げたオメガが、 選び直すまでの物語。 *不定期連載です。

僕の、しあわせ辺境暮らし

  *  ゆるゆ
BL
雪のなか僕を、ひろってくれたのは、やさしい男の子でした。 ふたりの、しあわせな辺境暮らし、はじまります! ふたりの動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵もあがります YouTube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら!

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

英雄の溺愛と執着

AzureHaru
BL
転生した世界は前世でどハマりしたBLゲーム。最推しは攻略対象!ではなく、攻略対象達の剣術の師匠である、英雄の将軍閣下。メチャクチャイケオジでドストライクだった主人公はこのイケオジみたさにゲームをやっていた。その為に、ゲームの内容など微塵も覚えていなかった。 転生したからには将軍閣下を生でみないとというファン根性で付きまとう。 付き纏われていることに気づいていた将軍だか、自分に向けられる視線が他とは違う純粋な好意しかなかったため、戸惑いながらも心地よく感じていた。 あの時までは‥。 主人公は気づいていなかったが、自分達にかけらも興味を持たないことに攻略対象者達は興味をそそられ、次第に執着していく。そのことにいち早く気づいたのは剣術指南役の将軍のみ。将軍はその光景をみて、自分の中に徐々に独占欲が芽生えていくのを感じた。 そして戸惑う、自分と主人公は親子ほどに歳が離れているのにこの感情はなんなのだと。 そして、将軍が自分の気持ちを認めた時、壮絶な溺愛、執着がはじまる。

牛獣人の僕のお乳で育った子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!!

ほじにほじほじ
BL
牛獣人のモノアの一族は代々牛乳売りの仕事を生業としてきた。 牛乳には2種類ある、家畜の牛から出る牛乳と牛獣人から出る牛乳だ。 牛獣人の女性は一定の年齢になると自らの意思てお乳を出すことが出来る。 そして、僕たち家族普段は家畜の牛の牛乳を売っているが母と姉達の牛乳は濃厚で喉越しや舌触りが良いお貴族様に高値で売っていた。 ある日僕たち一家を呼んだお貴族様のご子息様がお乳を呑まないと相談を受けたのが全ての始まりー 母や姉達の牛乳を詰めた哺乳瓶を与えてみても、母や姉達のお乳を直接与えてみても飲んでくれない赤子。 そんな時ふと赤子と目が合うと僕を見て何かを訴えてくるー 「え?僕のお乳が飲みたいの?」 「僕はまだ子供でしかも男だからでないよ。」 「え?何言ってるの姉さん達!僕のお乳に牛乳を垂らして飲ませてみろだなんて!そんなの上手くいくわけ…え、飲んでるよ?え?」 そんなこんなで、お乳を呑まない赤子が飲んだ噂は広がり他のお貴族様達にもうちの子がお乳を飲んでくれないの!と言う相談を受けて、他のほとんどの子は母や姉達のお乳で飲んでくれる子だったけど何故か数人には僕のお乳がお気に召したようでー 昔お乳をあたえた子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!! 「僕はお乳を貸しただけで牛乳は母さんと姉さん達のなのに!どうしてこうなった!?」 * 総受けで、固定カプを決めるかはまだまだ不明です。 いいね♡やお気に入り登録☆をしてくださいますと励みになります(><) 誤字脱字、言葉使いが変な所がありましたら脳内変換して頂けますと幸いです。

オメガなパパとぼくの話

キサラギムツキ
BL
タイトルのままオメガなパパと息子の日常話。

処理中です...