ぷるぷる。俺は、悪いスライムだ!

そば太郎

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ぷるぷる。魔王様と勇者?

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俺は、今図書館にいる。やっと来ることが出来た念願の図書館。想像より大きくて俺は少しビックリだ。

ふ、ふん。ビビってなんていないからな!人間にしては、……スゴいと思っただけだ(小声)。

しかし、すごい蔵書だ。こんなにたくさんの書物、初めて見るぞ。高い天井。吹き抜け式でそれぞれの階層はずらりと本棚が並んでいる。

ここから目当てのものを見つけるのは大変そうだ……
どうしよう……赤ちゃんの俺では、探し出すだけでも大変そうだ。ぐぬぬ。

パタパタ
意外と利用するやからはいるのだな。ううむ。どうしたものか。本棚には何か文字が書いておるが、全然意味がわからん。

文字を覚えただけではダメなのだな。くっ……!なんなのだ、おねぇちゃん。もっと、役に立つ単語を教えてくれ!

ぷくぅ。

「もし、どうかされましたか?」
ん? もしかして、俺に声をかけているのか。

声の方を振り向くとそこには、弱そうな人間がいた。

この男は何者だ?
もしかして、モンスターは図書館を利用できぬというのか?!俺は、この街で生まれた立派な住民なのだぞ!ふんぬ!

「私は、この図書館の司書をしておりまして、何かお手伝いが必要ですか?」
ししょ? とは、なんだ?

知らない言葉。

傾げると丁寧に教えてくれた。ほぉほぉ、そんな職業がおるのか。ふん、魔王様直属の配下たるオーラが出ていたのか、よい心掛けだ。魔王様復活の際は、取り立ててやってもよいぞ。

司書に魔王様関連の書籍を探し出すように命令し、無事に見つけることができた。ちゃんと、バッグからノートとえんぴつを出して、ちゃんと書いて命令したんだぞ。ふん、文字を書けるようになったから、人を使うこともお手のものなのだ。

本は、司書から選別され、5冊。


なぬ?!本は、貸し出し出来ないのか!?

ここで読むことしか出来ないとは、不便なものだ。内心、父に読んでもらいたかったと思ったのは内緒にして欲しい。

ぐぬぅ。……確かに、本は貴重だからな。分からないでもないが、本当に不便なものだ。

しかし、ふん。なにが、勇者だ。何冊かある本の内容は、伝承ものが多く、考察された本も全て勇者サイドのものではないか!
魔王様を讃える本がひとつもないとは、けしからん!ぷんぷん。

試しに読んでみる。…………子供向けだからか、分かりやすい言葉で書かれており、読みやすくて、……気が付いたら熱中していた。

……面白い!

はっ?!
な、な、な、な~~~~~~~~!ち、違うぞ。勇者頑張れとか思ってないからな!

……ぐぐぐ。それにしても、この絵本は本当に魔王様と勇者の話なのか?

俺が知る魔王様と違うような?
しかも、呪文ではないのか?  魔法とは母が使うものだぞ。勇者は、呪文を使うのに……なんで?

しかも、聖剣。それは、確かに聞いたことがあるが、俺が知る勇者とは全然違うではないか。

おかしいとは思うものの、確かに魔王様と描かれておるし。しかも、勇者、聖女、魔法使い、盗賊、魔物使い……俺が知る職業もあるが、この聖女は知らないぞ。

なに、司祭のようなもの? ん? 僧侶ということか?!
ほぉほぉ。分からない場合は、司書に聞けば教えてくれるから便利な機能ものだ。

調べた結果、
魔王様が勇者たちのパーティに倒され、封印されたこと。
封印された場所は、分からないこと。
勇者と聖女は、神の神託が降りること。
を知った。

全て司書が分かりやすく説明してくれた。


家に帰った俺は、速攻父にお願いごとをしに行く。もちろん、お願いごとは、『レベルアップ』だ。魔王様が復活した時にはいち早く馳せ参じるのが、直属の配下たる俺の仕事だ。

一刻も早くレベルを上げなければ!

しかし、父の返事は、色よいものではなかった。しょ、ショックだ。俺に甘々な父なら快諾してくれると思っていたからだ。慌てて、抱っこされヨシヨシされたが、気分は浮上しない。そんな俺に伝えられたのは、

まだ生まれてまだ2ヶ月半の俺には、負担が大きいらしい。

そ、そんな理由?
そんなのへっちゃらだって言ってもダメで、モンスターを狩って地道にレベルをあげようって言われた。父っ、そんなの待てないんだ!

魔王様がいつ封印が解けるかもしれないんだぞ。それに、封印されているのなら……解き方を調べて一刻も早く解放しなければ。それが、魔王様直属の配下である俺の使命なんだ!

その為にも、俺のカンストが必要不可欠。

『パパぁ、お願い。お願い……!』

可愛くお願いしてもダメだって。……くっ、甘々パパだったのに、ここにきて厳しめパパになるとは。

と、思ったけど、この件以外は甘々で、なんでも言うことを聞いてくれるパパだった。


次の日、父と母を連れ立って冒険に来ている。メタルスライムの経験値ガッポリ計画は頓挫したが、母の倒したモンスターを使ってのレベルアップはダメと言われていない。森の深部に潜って、今はモンスターを倒してもらっている。

……くっ、屈辱。俺も頑張って、援護射撃しているけど全然、攻撃が入らないぞ!? こいつら、レベルなんなのだ!

しかも、なんだ!お前たちは!
ゴブリンとか、オーク、オーガとかではないだろう!? それなのになぜ、股間をモッコリさせているのだ!?

人型と獣型……それら全般が何故か股間をモッコリさせて襲ってくるのだ。十中八九、これは母のフェロモンにやられている!

くっ、ここまでとは。しかし、ヤツらは母に集中しているから呆気なく父の呪文で倒されていく。かなり強いモンスターだが、急所をつかれればもう一撃。カンストしているとはいえ、もう本当にゴブリンを倒している?って錯覚するぐらい。

俺の攻撃が通じないというのに……くっ、屈辱。

しかし、そのお陰でレベルがバンバン上がっていく。メタルスライムの経験値並ではないかと思うが、父曰く違うらしい。

……ぷくぅ。


俺は、今回の冒険でレベル8上がった!




【クロノス】
知りたい情報を知れて満足。だが、思うようなレベルアップが出来ず、歯がゆい。地団駄しても、メタルスライムの経験値は手に入らず、むむっとなっている。今は、父の言う通りにしているが、父と母の力の差に圧倒。

父、母、か、かっくぃ~~~~~~~~~!
英雄譚を見て、冒険心がくすぐられている。赤ちゃんなため、精神が引っ張られているのを本人は気がついていない。

【スラ】
可愛いお願いに答えられなくて内心心苦しい。負担が大きいと言ったけど、実際はゆっくり成長して欲しいと願っている。あと、魔王を探しに行く気満々なクロノスを阻止したい。そんな危険なことはさせません!とか、まだまだ自分たちの元にいて欲しい。クロノスのことは鑑定で時々チェック。

【クラウド】
モンスターたちが、欲情していることは気が付いているが、気にしていない。楽に倒せるからいいなとかしか。クラウドは人類最強だけど、カンストした勇者と比べてどうかは不明。確実にカンストしてなければ、圧倒的にクラウドが勝つだろう。

【司書】
図書館にモンスター単独でくるのは、クラウドさんとこのお家しかなく対応してくれた。かつてクロノスの兄が仕事をしていたときもあり、微笑ましく見ていた。
ちなみに、クロノスが命令したと言っていたが、実際は、微笑ましい文字で
『まおーさま、ゆーしゃ?』
だった。そして最後に、『ありあと!』ってお礼まで書いてくれて、ズキュン来た。小さい羽をパタパタさせて、ノートをパシパシ叩いている姿は大変愛らしい。

【英雄譚】
勇者一行は、魔王を倒すことは叶わず、封印。そして世界の平和は守られ、こんにちに至る。
ちなみに勇者を讃える銅像が広場に立てられているのだが、クロノスは気が付いていない。

ちなみに、絵本の魔王様は魔族の魔王種で角はあるもののでっぷり太っておらず。……なんで? ダイエット? とか無理やり自分を納得させるクロノスであった。彼が真実に気がつくのはいつだろうか……?




ステータス

名前  クロノス
種族  ベビィダークスライム
レベル  68 →  76 up
【称号】
魔王様直属の配下、悪魔の申し子、厨二病
 【技、呪文】
舐めまわし、ハートブレイク、どくこうげき、マヌ〇サ、くちをふさぐ、メダパ○𝗻𝗲𝘄
〈その他〉
ツッコミ、闇ブレイク大、1~2回行動、超みかわしUP、やみのはどう、ライト、自己治癒能力 小、つむじ風、粘液(消化液 弱 )、鍵開け、隠密𝗻𝗲𝘄
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