愛しい人は誰のもの?

koyumi

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第4話

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「ふう~、今日も足パンパン。」

 なぜか帰宅時間が一緒になった逢沢と、一杯飲んでる俺。
 足のむくみが半端ない。A商事の担当はかなり忙しない人で、スタンディングミーティングを好む。だから、今日1日で着席できたのは研修2時間と昼時の15分だけだ。

「男は女と違ってアフターケアしないからねー。疲れが溜まるのよ。アレしたことある?樹液で足裏の汚れとるパック。」
「なんだそれ?いいのか?すげえ気持ち良さそ。」
「うーん、前の彼氏はよく寝る前にしてたよ。ごっそり茶色くなってたの剥がしてたわ。」
「へぇー。あ、そういえば、前の彼氏ってC社の人間だよな?今日川嶋さんが所用で出向いたらしいよ。」
「そうなの?何で知ってんの?」

 俺は、今日の川嶋さんとのやりとりを逢沢に説明し、バカさ加減を訴えた。だが、逢沢は意外な返答をした。

「それさぁ、町島を誘ってるんじゃない?」

ーーっえ?どうしてそうなる?
 キョトンとする俺に、逢沢は女目線で分析する。

「デコルテを見せるのって、明らかにセックスアピールよ。ただの同僚だったらすれ違いざまにそんなことしないわ。会釈くらいよ。それなのに微笑んだ上にデコルテパタパタなんて……。意外と脈あるんじゃない?町島。」

「そ、そうなのか?でも、川嶋さん、誰にでも愛想いいみたいだし……。」

 そうだ。彼女は誰にでも愛想がいいのだ。例えば経理の岡松は、2次元しか認めないオタクで、社内の女子は総スカンなのに、彼女は普通に話しかけていたし、俺が“特別“だとは思えない。

「はぁーーー、それにしても、可愛かったなぁ……。」
「町島、その顔はやばいよ。イケメン台無し。」
「イケメン言うな。」


 側から見ると、俺と逢沢は恋人同士に見えるだろう。そのくらい会話が弾む。だが、今まで一度も逢沢に恋愛感情を抱いたことはない。妹や姉でもないし、世間では賛否両論の異性の友達のままだ。
 そりゃたまにドサクサに紛れて触れる膨らみに、女を意識することはあるが。

「そういや逢沢も頑張るんだろ?中川講師のこと。なんか進展あったのか?」

「まさか、全然隙がないし、結構内容ハードだからアプローチどころじゃないもの……それに、中川さん、彼女いるって噂もあるのよ。」

「そうだったのか?まあ、逢沢には関係ないだろ?結婚してるわけじゃないし。」

「まあね……。」

 逢沢の恋愛は大体略奪から始まる。かれこれ学生の頃から5人くらいの彼氏を知っているが、全て彼女持ちだった奴らだ。
 逢沢の恋愛能力は凄まじい。好意を抱いた男を悉く振り向かせている。年頃の男子が逢沢のカラダに魅力を感じるのは致し方ないが、逢沢の場合は性格がいい。その証拠に、簡単に足を開かない彼女はフられたことはない。
 最低でも1ヶ月は行為はしないという。
 こんなことを知ってる俺の存在もどうかと思うが。


「……町島、ちょっと私が一肌脱いでやろうか?」

 酔いが回ってきたのか、逢沢の思考がやばい方に流れている。
 具体策は知らないが、俺にとってよくない結果になることは目に見えてわかる。

「いや、いいよ。自分でなんとかするからさ。ほんっとに困ったらその時は頼むよ。」
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