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第7話
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俺が慌てて逢沢との仲を否定すると、
「そうなんですね!幼馴染なんですね、お二人は。なんだか奇遇ですねー、幼馴染同士がバッタリ会うなんて。あ、もう帰宅します?よかったら一緒にどうですか?」
と、パァっと花が咲いたような顔で川嶋さんが誘ってきた。
ニヤニヤが止まらない逢沢が目に入り、この誘いに乗りたいけれど、嫌な予感しかしない。
「あ、いいねえそれ。どう?逢沢さん。まだイケるでしょ?」
中川講師もなかなかのやり手らしい。逢沢に声をかけ、断れなくなってしまった。
いいんだ、川嶋さんがいるのは。
願っても無いチャンスだと思えばいい。だが、中川講師と逢沢が同席といえば不安しかないだろう。
きっと俺は、弄られ役だ。
「さあさあ、席はーー、お、あの半個室、空いてるな。ちょうどいい、すみません、あそこいいですか?4人で。」
さすが講師。話が早い。
スマートな身のこなしに、いかにも会話が男前な口調。ほらよ、逢沢の椅子をわざわざ引いてやってるし……いいんだよ、あいつは、ドッカリ座ったり動いたり落ち着かない奴なんだから。
ん?
ということはーー
川嶋さんの隣は……俺か!
ハッとして見ると、既に川嶋さんは席についており、俺だけが突っ立っていた。
「どうぞ、町島さん。」
ニッコリと笑顔で俺だけを見てくれている川嶋さん。
そう、今は、ただ1人、俺だけに目を向けて……。
……はぁー、もうヤバイ。
今から隣で彼女がお酒を飲むだなんて、考えただけで体がおかしくなりそうだ。
「町島っ!はよ座れ!喉乾いた。」
憧れの中川講師を前に、よくそんなドスの効いた声を出せるな、逢沢め!
「はははは。ほんと、仲良いんだね、君達。逢沢さんは頼もしいな。」
「こら、町島!あんたのせいで、まるで男のような言われざまじゃないの。ほんっと、シャキッとしないんだから。」
「なんでそこでまた俺が怒鳴られるんだよっ。」
いつもの掛け合いが続いてしまう。
逢沢って女は、男に媚びを売らない。だから、好きになった相手にも、自分を隠さず素の姿を見せる。まあそれが許されるのは、やはりナイスボディなラインがわかるからかもしれないが。そんなこと、死んでも言えない。
「あ、のぅ……」
1つため息を吐いてようやく落ち着いて座った頃、川嶋さんの消え入るような声が俺の耳をかすった。
「は、はい……な、なんだろう?」
あまりにも弱々しい声で、返事をする俺も頼りなげになってしまった。
「……町島さんって、彼女とかいるんですか?」
「え?俺に?ええ?か、彼女?まさか、まさかです。」
ああ、情けない……!
わけのわからないクエッションマークを並べた返しに天を仰ぎたくなる。
だって仕方ない。
何気に梅酒のロックを飲んでる川嶋さんの頬か、さっきよりもほんのり色づいていて、可愛さ半端ない。
「そうなんですね!そっか、そっか、じゃ、好きな人は?」
「おい、園子、えらく積極的だなぁ。俺達お邪魔か?」
ーーん?なんだなんだ?この展開は……。
「ま、待って待って、それって、まるで川嶋さんが町島を好きみたいじゃ」
「あ……」
逢沢がボロッと言った言葉がまさかのまさかのような反応を示した川嶋さん。
いやいやーーーそんなうまい話があるわけが……
「逢沢ちゃん、ダメだよ先に言っちゃ。園子はずっとどうやって告白しようか悩んでいたんだから。」
…………マジ?
…………マジ?
ここで、いきなりこんな展開有りなのか?
「あ、のぅ…………、もう、お酒の力がなきゃ、言えそうにないんで、一気に言いますね。」
川嶋さんから……
「好きです!ずっとずっと町島さんのことが、好きです!」
告白されてしまった……
「そうなんですね!幼馴染なんですね、お二人は。なんだか奇遇ですねー、幼馴染同士がバッタリ会うなんて。あ、もう帰宅します?よかったら一緒にどうですか?」
と、パァっと花が咲いたような顔で川嶋さんが誘ってきた。
ニヤニヤが止まらない逢沢が目に入り、この誘いに乗りたいけれど、嫌な予感しかしない。
「あ、いいねえそれ。どう?逢沢さん。まだイケるでしょ?」
中川講師もなかなかのやり手らしい。逢沢に声をかけ、断れなくなってしまった。
いいんだ、川嶋さんがいるのは。
願っても無いチャンスだと思えばいい。だが、中川講師と逢沢が同席といえば不安しかないだろう。
きっと俺は、弄られ役だ。
「さあさあ、席はーー、お、あの半個室、空いてるな。ちょうどいい、すみません、あそこいいですか?4人で。」
さすが講師。話が早い。
スマートな身のこなしに、いかにも会話が男前な口調。ほらよ、逢沢の椅子をわざわざ引いてやってるし……いいんだよ、あいつは、ドッカリ座ったり動いたり落ち着かない奴なんだから。
ん?
ということはーー
川嶋さんの隣は……俺か!
ハッとして見ると、既に川嶋さんは席についており、俺だけが突っ立っていた。
「どうぞ、町島さん。」
ニッコリと笑顔で俺だけを見てくれている川嶋さん。
そう、今は、ただ1人、俺だけに目を向けて……。
……はぁー、もうヤバイ。
今から隣で彼女がお酒を飲むだなんて、考えただけで体がおかしくなりそうだ。
「町島っ!はよ座れ!喉乾いた。」
憧れの中川講師を前に、よくそんなドスの効いた声を出せるな、逢沢め!
「はははは。ほんと、仲良いんだね、君達。逢沢さんは頼もしいな。」
「こら、町島!あんたのせいで、まるで男のような言われざまじゃないの。ほんっと、シャキッとしないんだから。」
「なんでそこでまた俺が怒鳴られるんだよっ。」
いつもの掛け合いが続いてしまう。
逢沢って女は、男に媚びを売らない。だから、好きになった相手にも、自分を隠さず素の姿を見せる。まあそれが許されるのは、やはりナイスボディなラインがわかるからかもしれないが。そんなこと、死んでも言えない。
「あ、のぅ……」
1つため息を吐いてようやく落ち着いて座った頃、川嶋さんの消え入るような声が俺の耳をかすった。
「は、はい……な、なんだろう?」
あまりにも弱々しい声で、返事をする俺も頼りなげになってしまった。
「……町島さんって、彼女とかいるんですか?」
「え?俺に?ええ?か、彼女?まさか、まさかです。」
ああ、情けない……!
わけのわからないクエッションマークを並べた返しに天を仰ぎたくなる。
だって仕方ない。
何気に梅酒のロックを飲んでる川嶋さんの頬か、さっきよりもほんのり色づいていて、可愛さ半端ない。
「そうなんですね!そっか、そっか、じゃ、好きな人は?」
「おい、園子、えらく積極的だなぁ。俺達お邪魔か?」
ーーん?なんだなんだ?この展開は……。
「ま、待って待って、それって、まるで川嶋さんが町島を好きみたいじゃ」
「あ……」
逢沢がボロッと言った言葉がまさかのまさかのような反応を示した川嶋さん。
いやいやーーーそんなうまい話があるわけが……
「逢沢ちゃん、ダメだよ先に言っちゃ。園子はずっとどうやって告白しようか悩んでいたんだから。」
…………マジ?
…………マジ?
ここで、いきなりこんな展開有りなのか?
「あ、のぅ…………、もう、お酒の力がなきゃ、言えそうにないんで、一気に言いますね。」
川嶋さんから……
「好きです!ずっとずっと町島さんのことが、好きです!」
告白されてしまった……
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