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ep.16
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予告プロポーズってあるだろうか?
実行されるまで、どんな顔していればいいのだろう?
女子はサプラシイズなトキメキが大好きなことを、この男は知っているのだろうか?
プロポーズと言われれば、どうしてか貴和子は桂木をふりきれなかった。
結局、押し切られたかたちで桂木の車に乗ってしまっている。
ムスっとした顔で窓からの景色を眺め、絶対に桂木と声を交わしてやるもんかと心に決める。
「……貴和子ちゃん、今日は貴和子ちゃんの好きなものいっぱい食べようね。」
そう言いつつ、プロポーズするんだから行き先くらいは決めているんだろう。
桂木のことだ。
豪華なホテルに顔が灼けつくようなクサイ演出で私をおとすつもりだろう。
もしくは、歌でも歌うのか?
こんなことを考えていると、プッと笑ってしまった。
やばい、一口も声を出さないと今今決めたのに。
「貴和子ちゃん、また僕のこと想像して笑ったんでしょ?ひどいな……。」
なんでわかるの?
「人が真剣に告白してる時には、嫌なくらい笑うくせに、僕が笑って欲しいときはちっとも笑ってくれない。それって……」
それって?
「僕を好きだと認めたくないから意地はってるんだよね?全く、可愛いな。」
「んなわけないでしょう!」
あ、また……。喋ったらいけないのに。
「フフ。一言も喋る気無かったんでしょ?変な決まり作るのやめて、いい加減僕に慣れてよ。でないとーー」
車がキュッと音を立てて、路肩に停まった。
「無理矢理って可能性もあるからね。」
「な、酷い!私だって1人の人間なんですよっ!選ぶ権利くらいあります。」
間近に迫る桂木の顔は、ほんとに見目麗しく、事情を知らなければキスしたっていいと思う。
でも、プロポーズ宣言されたばかりだし、私は次こそは本当に好きな人と繋がりたい。
「貴和子ちゃんにはないよ。そんな権利なんて。」
それなのに、目の前の男は私の人権を一切無視する。
「う、訴えますよ!そんなことばかりいってたらっ!」
「……貴和子ちゃん、僕のこと嫌いなの?」
「え?嫌いかって言われたら……。」
嫌いって言えない。
悲しい。
悲しすぎる現実。
「じゃあ嫌いじゃない人を裁判にかけたら君の心ズタズタになるかもよ。」
なんて非道なことを考える人なんだろう。
私には、追いつけない。
「それより、もう一回してみない?僕は貴和子ちゃんを愛したいんだ。こんなにアプローチしても受け入れてくれないなら、もう最後はそれしかないと思う。
だって僕らは初めてを捧げた同士なんだから。」
ゴクリと喉を鳴らした。
そんなありえない言い分を、私が頷くわけないのに、納得するわけないのに、相当自信があるんだろうか?
「や、やめてください。それはお断りします。私は、次こそは、本当に愛する人と繋がりたいんです。」
顔を真っ赤にしながらうったえた。
あらかさまな性交を連想させる言葉を、男性の前で言うなんて、ハレンチ極まりない。
「じゃあ僕しかいない。」
桂木は貴和子の言葉を受け、意を決めて、また車を動かした。
実行されるまで、どんな顔していればいいのだろう?
女子はサプラシイズなトキメキが大好きなことを、この男は知っているのだろうか?
プロポーズと言われれば、どうしてか貴和子は桂木をふりきれなかった。
結局、押し切られたかたちで桂木の車に乗ってしまっている。
ムスっとした顔で窓からの景色を眺め、絶対に桂木と声を交わしてやるもんかと心に決める。
「……貴和子ちゃん、今日は貴和子ちゃんの好きなものいっぱい食べようね。」
そう言いつつ、プロポーズするんだから行き先くらいは決めているんだろう。
桂木のことだ。
豪華なホテルに顔が灼けつくようなクサイ演出で私をおとすつもりだろう。
もしくは、歌でも歌うのか?
こんなことを考えていると、プッと笑ってしまった。
やばい、一口も声を出さないと今今決めたのに。
「貴和子ちゃん、また僕のこと想像して笑ったんでしょ?ひどいな……。」
なんでわかるの?
「人が真剣に告白してる時には、嫌なくらい笑うくせに、僕が笑って欲しいときはちっとも笑ってくれない。それって……」
それって?
「僕を好きだと認めたくないから意地はってるんだよね?全く、可愛いな。」
「んなわけないでしょう!」
あ、また……。喋ったらいけないのに。
「フフ。一言も喋る気無かったんでしょ?変な決まり作るのやめて、いい加減僕に慣れてよ。でないとーー」
車がキュッと音を立てて、路肩に停まった。
「無理矢理って可能性もあるからね。」
「な、酷い!私だって1人の人間なんですよっ!選ぶ権利くらいあります。」
間近に迫る桂木の顔は、ほんとに見目麗しく、事情を知らなければキスしたっていいと思う。
でも、プロポーズ宣言されたばかりだし、私は次こそは本当に好きな人と繋がりたい。
「貴和子ちゃんにはないよ。そんな権利なんて。」
それなのに、目の前の男は私の人権を一切無視する。
「う、訴えますよ!そんなことばかりいってたらっ!」
「……貴和子ちゃん、僕のこと嫌いなの?」
「え?嫌いかって言われたら……。」
嫌いって言えない。
悲しい。
悲しすぎる現実。
「じゃあ嫌いじゃない人を裁判にかけたら君の心ズタズタになるかもよ。」
なんて非道なことを考える人なんだろう。
私には、追いつけない。
「それより、もう一回してみない?僕は貴和子ちゃんを愛したいんだ。こんなにアプローチしても受け入れてくれないなら、もう最後はそれしかないと思う。
だって僕らは初めてを捧げた同士なんだから。」
ゴクリと喉を鳴らした。
そんなありえない言い分を、私が頷くわけないのに、納得するわけないのに、相当自信があるんだろうか?
「や、やめてください。それはお断りします。私は、次こそは、本当に愛する人と繋がりたいんです。」
顔を真っ赤にしながらうったえた。
あらかさまな性交を連想させる言葉を、男性の前で言うなんて、ハレンチ極まりない。
「じゃあ僕しかいない。」
桂木は貴和子の言葉を受け、意を決めて、また車を動かした。
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