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ep.17
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「え?ここ?」
「うん。じゃ、行こうか。」
ここって、あの、もしかして……。
立派な一戸建て。
表札には、『桂木』って書いてある。
ってことはやはり……。
「大丈夫、うちの両親は優しいから。」
「いや、そういうことじゃなくてっ!」
絶対にあり得ないと、逃げようとした時、『ガチャ』と音がして、玄関ドアが開いた。
「やっぱりっ!嘉人!もう着いてたのね?あ、あらあら、そちらがあなたの貴和子ちゃんね?どうも、嘉人の母の成美です。よろしくね。さぁさ、入って入ってっ。」
パッと顔を出した女性は、息子同様の強引さで、私を家の中に引き入れた。
この母にしてこの子あり。
顔はあまり似てないけど、性格はよく似てそうだ。
(もう帰れない……。なんてことっ!)
大きく溜息をつきたいのを我慢して、言われるがまま踏み入れたリビングに、ドッシリ構えたソファがあり、そこには桂木さんそっくりの男性が座っていた。
「やあやあ、はじめまして。貴和子ちゃんと呼んでいいかな?いや、まずいか?嘉人、私はどう呼べばいい?」
「うーん、じゃあ、僕がこれから“貴和子”と呼ぶことにするよ。だから、家族は“貴和子”ちゃんと呼んでいいことにしよう。」
「なるほど、それもそうだな。じゃあ、貴和子ちゃん、今日はよく来たね。楽しみにしていたよ。私は嘉人の父の泰樹という。これから末長くよろしく頼むよ。」
「あ、は、はい……。」
圧倒されてます。
瞬き増えてます。
目をこすりたいけど、マスカラ滲むの嫌だから我慢してます。
変?特殊?まさか、これが一般家庭だったりするの?
なんだなんだ、この会話。
普通はさ、いい歳した息子って、親をめんどくさがったりするんじゃないの?もしくは、社会に出て、父親の尊厳を重んじてあげれるようになるんじゃないの?
なんにせよ、この桂木家の父子には、一線がない。
「嘉人?どうした?嘉人?おいっ!」
「え?あ、あれ?桂木さん?」
桂木父が息子の異変に気付き、私もそちらを見ると、息子は目が見開いたまま、呆然として固まっていた。
「……や、やった、ヤッタァ~!!!」
と、急に雄叫びともいえるボリュームの声をあげ、ガッツポーズをとった。
何が何だかわからず、私も桂木父も首を傾げる。
すると、桂木さんは私に目線を合わせ、こちらに歩み寄り、ガッシリ私の両手を掴んだ。そして、
「貴和子ちゃん、いや、貴和子、ありがとう!ありがとう!!この先一生をかけて、君を愛するよ。だから、だから……僕と生きてください。僕の人生に、君がいつもいてください。」
と、実家にて公開プロポーズを実行した。
「か、桂木、さん……」
いつの間にかソファに座っていた桂木母と父に見守られ、プロポーズとすればまるで拷問のようなシチュエーションに、私は頷く以外許されなかった。
かなり無理矢理なプロポーズだが、ほんのちょっと、いや、意外に結構、胸にドクンとくる言葉だった。
でも、話の展開を考えれば、私としては踏ん切りつかないことで。
まるで既に、プロポーズは上手くいくと確信を得てたようなガッツポーズが気になる。
「あ、あの、なんで先にガッツポーズを…?」
家族3人が宙に浮いた喜びの笑顔満開の中、私の冷静さが際立つ。
「ん?だって貴和子ちゃん、“はい”って言ったでしょ?父さんが“末長くよろしく頼むよ”って言ったあと。」
「え?そうなの?私、そんなつもりは……」
真っ先に私と桂木さんの温度差が激しいことに気づいた桂木母。
私の思うようにはさせまいと、急に拍手をしてその場を盛り上げさせた。
「うん。じゃ、行こうか。」
ここって、あの、もしかして……。
立派な一戸建て。
表札には、『桂木』って書いてある。
ってことはやはり……。
「大丈夫、うちの両親は優しいから。」
「いや、そういうことじゃなくてっ!」
絶対にあり得ないと、逃げようとした時、『ガチャ』と音がして、玄関ドアが開いた。
「やっぱりっ!嘉人!もう着いてたのね?あ、あらあら、そちらがあなたの貴和子ちゃんね?どうも、嘉人の母の成美です。よろしくね。さぁさ、入って入ってっ。」
パッと顔を出した女性は、息子同様の強引さで、私を家の中に引き入れた。
この母にしてこの子あり。
顔はあまり似てないけど、性格はよく似てそうだ。
(もう帰れない……。なんてことっ!)
大きく溜息をつきたいのを我慢して、言われるがまま踏み入れたリビングに、ドッシリ構えたソファがあり、そこには桂木さんそっくりの男性が座っていた。
「やあやあ、はじめまして。貴和子ちゃんと呼んでいいかな?いや、まずいか?嘉人、私はどう呼べばいい?」
「うーん、じゃあ、僕がこれから“貴和子”と呼ぶことにするよ。だから、家族は“貴和子”ちゃんと呼んでいいことにしよう。」
「なるほど、それもそうだな。じゃあ、貴和子ちゃん、今日はよく来たね。楽しみにしていたよ。私は嘉人の父の泰樹という。これから末長くよろしく頼むよ。」
「あ、は、はい……。」
圧倒されてます。
瞬き増えてます。
目をこすりたいけど、マスカラ滲むの嫌だから我慢してます。
変?特殊?まさか、これが一般家庭だったりするの?
なんだなんだ、この会話。
普通はさ、いい歳した息子って、親をめんどくさがったりするんじゃないの?もしくは、社会に出て、父親の尊厳を重んじてあげれるようになるんじゃないの?
なんにせよ、この桂木家の父子には、一線がない。
「嘉人?どうした?嘉人?おいっ!」
「え?あ、あれ?桂木さん?」
桂木父が息子の異変に気付き、私もそちらを見ると、息子は目が見開いたまま、呆然として固まっていた。
「……や、やった、ヤッタァ~!!!」
と、急に雄叫びともいえるボリュームの声をあげ、ガッツポーズをとった。
何が何だかわからず、私も桂木父も首を傾げる。
すると、桂木さんは私に目線を合わせ、こちらに歩み寄り、ガッシリ私の両手を掴んだ。そして、
「貴和子ちゃん、いや、貴和子、ありがとう!ありがとう!!この先一生をかけて、君を愛するよ。だから、だから……僕と生きてください。僕の人生に、君がいつもいてください。」
と、実家にて公開プロポーズを実行した。
「か、桂木、さん……」
いつの間にかソファに座っていた桂木母と父に見守られ、プロポーズとすればまるで拷問のようなシチュエーションに、私は頷く以外許されなかった。
かなり無理矢理なプロポーズだが、ほんのちょっと、いや、意外に結構、胸にドクンとくる言葉だった。
でも、話の展開を考えれば、私としては踏ん切りつかないことで。
まるで既に、プロポーズは上手くいくと確信を得てたようなガッツポーズが気になる。
「あ、あの、なんで先にガッツポーズを…?」
家族3人が宙に浮いた喜びの笑顔満開の中、私の冷静さが際立つ。
「ん?だって貴和子ちゃん、“はい”って言ったでしょ?父さんが“末長くよろしく頼むよ”って言ったあと。」
「え?そうなの?私、そんなつもりは……」
真っ先に私と桂木さんの温度差が激しいことに気づいた桂木母。
私の思うようにはさせまいと、急に拍手をしてその場を盛り上げさせた。
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