僕と生きてください

koyumi

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ep.18

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 オシャレなスポットライトがいくつか並び、色とりどりのメニューが揃うダイニングテーブルを照らしている。
 ここは私の舞台とばかりに、桂木母は、アイランドキッチンから3人を眺めていた。

「あ、あの、私、手伝いますよ。」

 貴和子は遅ればせながらも、手すきの自分に気づき、キッチンに入ろうとする。
 だが、
「いいのいいの貴和子ちゃん。今日は突然で困ったでしょう?こっちのことは気にしないで、座っててちょうだい。ね、冷めるともったいないから、ほらっ、嘉人も泰樹さんもこっち座って。」
と、快く遠慮されてしまった。

 桂木さんは、お母さん似だな。

「貴和子ちゃんはお酒飲めるわよね?ワインが好きだったわね、確か。」

 どうして知っている!?

「私もワイン好きなのよねー。スーパーで売ってるようなのしか知らないんだけど、金箔入りとかもあるのよー。面白いわよねー。」

「そ、そうなんですね~。」

(金箔入りとか……スーパーにあるんだ……。)

 この後、押し切られる形で赤ワインをいただき、桂木母の手料理をいただいた。
 母子の強引なペースと、父子のフレンドリーさに圧倒され、ついついグラスに手が伸びるのは許してもらいたい。

 みんなが私に笑顔を向けている様子からして、きっと粗相はしていないはず。
 別にこの家族に気に入られようが邪険にされようが、構わないのだが、しらけた場にいなければならないことは避けたい。
「まあまあ、それじゃ嘉人は…」「そうね、いつがいいかしら?」「まずはあちらの…」

 なんか、よくわからないけどいろんな話が進んでいってるような気がする。
 でも、ストップ!と手を出せないくらい、実のところ、酔いが回っている。

 まあいいや、どうせみんなも同じくらい飲んでるよね。
 私だけじゃない。

 きっとみんな、明日になったら忘れてる。

 きっと……。




 

 どうして?

 どうして?

 どうして?

 私は桂木さんに抱かれてるの?

 しかも……、何このパジャマ……。
 薄い桃色ベースの花柄とか、絶対私のじゃないし、まさか、桂木さんの?
 いやいや……ってことは……

 桂木母!!!!

 や、やだ、桂木母にパジャマ借りたわけ?私ってばなんてことを!
 しかも、この状況、桂木父母ご存知ってことだよね?

 なんてこった!!


「……ん?起き、た?貴和子……。」

 斜め上で動き出した顔。
 少しの動きでもわかるくらいの密着度。

「……あの、これは一体……?」

 聞いてみよう。いや、聞くしかない。
 
「もしかして、記憶喪失……?」

「は、はい……。何が何だかサッパリで……、すみません。」
 
「謝らないでいいよ。僕は、有り難かったけど?」

「え?」

 ってことは、やっぱり私ってばまたやっちゃったの!?

「してないから。」

「…ん?」

「酔いつぶれた君を襲うことはもうしないよ。次は、きちんと2人が記憶に残るようにしたいし……。それに、焦らなくてもいいって昨日決まったでしょ?」

 口を噤んでしまった。
 その代わり、目から声を出すのかというくらいに見開いた。

「貴和子の両親にも、挨拶しないとね。」

 桂木さんはそう言いながら、私の唇を塞いだ。

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