僕と生きてください

koyumi

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ep.25

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 桂木嘉人との交際は、すぐさま職場に知れることとなった。
 男の方が言い回ったからだ。しかも、2人は既に同棲しているとまで言い切った。職場で堂々と交際宣言するなど、貴和子にしてみたらあり得ないレベルこの上ない。
 真っ赤な顔をしてその日は一日中過ごした。たまに、桂木の「貴和子ちゃんは抱き心地がいい。」やら、「貴和子ちゃんのシャンプーは◯◯だから」といった突飛な発言に真っ青になりながら。

 仕事を終え、今までなら桂木に見つかる前にと一目散に帰宅する準備をしていた貴和子はもういない。
 なぜなら、どうせ急いで帰ったって、桂木が同じ部屋に戻ってくるからだ。
 それもまた驚愕だった。
 
 ある日のこと、お泊まりをした桂木は朝からコトを終え、貴和子と一緒に出勤するはずだったのに、
「ちょっと調子が悪いから遅れていくよ。貴和子ちゃんは先に行ってて。鍵、職場で返すから。」
といい、貴和子のベッドから出なかった。
 貴和子は朝の貴重な時間を失って、慌てて通勤準備をしていたので、
「大丈夫ですか?!わかりました!じゃ、私は行きますからっ!」
と、特に怪しさを感じずに桂木に鍵を託して先に部屋を出た。
 その様子に、ニヤリと意地の悪い顔を見せたことに、貴和子は気づかなかった。

 そして昼前にようやく出勤してきた桂木は、上機嫌で貴和子に右手で鍵を返した。左手にはもう1つ同じものがあった。
「どういう意味ですか?桂木さん!」
 それに気づいた貴和子は、目を見開いて抗議した。勝手に合鍵を作るなんて酷すぎる。正直に言えばよかったと言いたいが、婚姻前から同棲するなど貴和子の考えには無いことだった。
「同棲するなんて承諾してませんよ。」
 鼻息荒く話す貴和子の肩を抱き、桂木は囁いた。
「僕、掃除とか大好きだし、貴和子ちゃんのいない間に好きなもの作っておいてあげるよ。」
 貴和子にとって、他の誰かが掃除と料理をして部屋で待つなどあり得ないことなのを桂木は知っているのに敢えてそう言う。
「なっ、いいです!断固お断りします!」
「可愛いなぁ。怒った顔の貴和子ちゃんをもっと見たかったんだぁ。最近は恍惚とした表情ばかりで、それはそれでいいんだけど、強気な貴和子ちゃんの顔も好きだし。」
「はぁ?!」
 桂木の言い分に貴和子は開いた口が塞がらない。だが、職場だというのに肩を抱き、耳元で囁く桂木は、顔をずらして貴和子のうなじに口付けをしていく。
 そんな行為に、朝から情事に励んだ貴和子の体が反応するのは周知のこと。桂木は肩を抱いていた手も移動させ、貴和子の豊満な胸をゾクゾクさせるような手つきで弄んだ。
「や、やめて、桂木さぁ…ん」
「一緒に暮らすこと、承諾してくれたらやめる。」
「ちょ、悪い人……ん」
「いいよね?貴和子ちゃん。」
 人差し指と親指で、貴和子の尖った部分を摘む桂木に、貴和子は「ひゃうっ」と、思わず声を上げてしまった。

「……も、しないで、くださいよっ。職場なんですから……」
「わかったよ。じゃあ、続きは帰ってから。」

 こうして、桂木と貴和子の同棲は幕を開けたのである。
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