私と離婚してください。

koyumi

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条件

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しばらく二人並んで歩くと、見慣れた景色になった。
「ここからならわかるから。じゃあ帰るね。」
「俺はわからない。わかるまでついて行く。」
「あぁ、そう……」
てっきり、自分の帰る道のりがわかるまでだと思っていたのに、諭は私の部屋があるマンションまでついてきた。

「おまえ……ここに住んでるのか?すげえ金持ちって感じなんだけど。」
ギクリとした。確かに見た目、私の手に負えない場所だけどカラクリがあるから住めている。それに、諭が月10万生活費をくれているからってのが大きい。まあ、今の所それは使ってはいないけど。
「ちょっと、中入っていい?」
一応そこは遠慮がちに言うんだ。
でも、もちろん断る。
部屋番号だって教えてやるもんか。
「無理。もう帰ってよ。ほんとは道わかるでしょ?」
「……あいつは知ってんの?まぁ知ってるよな。そんな雰囲気だったし。」
あいつか、高原さんのことよね。
あ、マズイな。
高原さん、あれからどうしたんだろう?
「多分今頃柴坂さんの所にいってるんじゃないか?北見さんも。」
「え?何で?」
「あいつのこと考えただろ、今、どうしようってさ。」
「う、うん……でも、柴坂さんって?それに諭は柴坂じゃないでしょ?」
「あ、あぁ、柴坂ってマスターのことだよ。知らなかったのか?それに、マスターに北見さんへの頼まれごとがあったから。まさか、こんな地獄絵を見るとは思わなかったけどな……。」
そっか、柴坂さんっていうんだ、マスター。でも、高原さんも知ってるんだね。マスターのこと。
やっぱり凄い人なのかな。
でも、そんなことより高原さん、誤解してるよね。

マンションの前でそんなやり取りをしていたら、エントランスから高原さんが現れた。
「依子ちゃん!!よかった、戻って来てくれて。」
満面の笑みで近づいてくるが、諭に対する冷気は感じてしまう。
それに、そんな言い方、やめてほしい。
諭がいるのに……。
今日はつくづく高原さんの行動や言動にイラついてしまう。なんかこう、強引すぎてついていけない。
諭はまたその言動に煽られて、
「戻ってくるってどういう意味だ?まさか、同棲してるのか?依子は俺の妻だと言っただろ?誰かにやるために離れて暮らしているわけじゃない。
そんな条件だったら受け入れない。」
なんて言ってる。そしてついに諭は言ってくれたのだ。

「わかった……。もういい。依子、離婚しよう。」
って。
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