私と離婚してください。

koyumi

文字の大きさ
57 / 89

情熱

しおりを挟む
 お互いの唇を食むように重ね、徐々に息遣いに声を混じえていく。

「ぁ、はぁ、ん……ぁ……はぁ……。」

「依子ちゃん……依子……。」

 高原の片手は依子の後頭部から背中を往復し、もう一方の手は腰回りをさすり、脇腹へと移動した。
 そのままゆっくりと上にあがり、躊躇しながらも膨らみをとらえ、優しく揉みしだいていく。

「ん、ん……ぁん……ぁ、ぁん……。」

 久しぶりの感覚に、依子は乱れ方を忘れたように体をくねらせてしまう。

「依子、ちゃん……ごめん、俺、汚いわ。」

 汗ばむ体での密着は、背徳感は増すが、嫌悪感もあるだろうと、高原は一度思い直す。

「いい、いいの……ぁ、でも、体、辛いの?」

 体中が熱を帯びてきている依子は、途中でやめられてしまうことは避けたかったが、よく考えれば、お互い体調が万全ではないのだ。
 特に、高原は発熱したばかりで、汗をかいたとしても、また上昇する可能性が十分にある。
 だが彼は、

「辛くはないよ。ただ、依子ちゃんが嫌じゃないなら、続けたい。」

と、ハッキリと言った。
 言葉より先に、指先は依子の服の中に入り、素肌に触れていた。
 
「は、はぁん」

 急だったその動きに、自分でもびっくりするくらいの声が出てしまった依子は、一気に顔が赤くなった。

「フッ、可愛い。依子ちゃん、好きだよ。」

 言うなり、呼応することを許さないようにまた激しい接吻をする高原に、依子はただ必死に体で応えた。

 一心不乱に体を揺さぶりあいながら、高原を受け入れ、依子はもう快楽の境地をさまよっていた。
 
 高原は何度も何度も依子の中を突き上げ、埋め込んだ。

「はぁん、ん、ぁ、ぁんあん、ぁんっ」

 この部屋に避妊具はない。
 直に伝わる高原の熱を、依子は失いたくなかったし、高原としても愛する人の全てを知った感動でこのまま果ててしまいたかった。

「っもう、出すよっ、依子ちゃん、依子ちゃ、んっ。」

 高原は寸前で依子から離れ、依子のお腹のあたりに放出した。

 依子としては、あのまま最後まで成し遂げてもいいと思った。
 そのくらい、高原の全てを感じたかった。
 心より身体の方が、彼を欲していたんじゃないかという思いがした。

 後処理を終え、彼は風呂場に入って行った。かと思えばすぐに出てきて、
「お風呂、今沸かしてる。一緒に入ろう。」
と、ニヤッと笑いながら言った。

 惚れた弱みだろうか。

 素直に頷きそうになった私は、顔の前で大袈裟に手を振り、「まさか」をアピールした。 

 だが、お風呂が沸いた頃になると、彼はそっと依子の腕をひき、目的を達した。

 あったかいお湯の中を、いつ鍛えているのか細い割に筋肉のある色白の体が依子を包み込む。

「ひゃんっ。」

 指先は常に膨らみの先端に触れているから、高原が少し力を入れるだけで、依子は思わぬ声を何度も発することになった。だから、腰のあたりをつついていただけの高まりは、ぐんと硬さを増し、不意に依子の腰を両手でつかむと、体を動かし、ピンポイントで依子の中に沈ませた。

 のぼせたらまた熱が上がるから、風呂場では絶対にしない、という約束は、その名の通り、ただの口約束に過ぎなかった。

 結局その日は、またベッドになだれこみ、意識が遠のくまで繋がり求めあった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

今さらやり直しは出来ません

mock
恋愛
3年付き合った斉藤翔平からプロポーズを受けれるかもと心弾ませた小泉彩だったが、当日仕事でどうしても行けないと断りのメールが入り意気消沈してしまう。 落胆しつつ帰る道中、送り主である彼が見知らぬ女性と歩く姿を目撃し、いてもたってもいられず後を追うと二人はさっきまで自身が待っていたホテルへと入っていく。 そんなある日、夢に出てきた高木健人との再会を果たした彩の運命は少しずつ変わっていき……

フッてくれてありがとう

nanahi
恋愛
「子どもができたんだ」 ある冬の25日、突然、彼が私に告げた。 「誰の」 私の短い問いにあなたは、しばらく無言だった。 でも私は知っている。 大学生時代の元カノだ。 「じゃあ。元気で」 彼からは謝罪の一言さえなかった。 下を向き、私はひたすら涙を流した。 それから二年後、私は偶然、元彼と再会する。 過去とは全く変わった私と出会って、元彼はふたたび──

秘事

詩織
恋愛
妻が何か隠し事をしている感じがし、調べるようになった。 そしてその結果は...

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

元カノと復縁する方法

なとみ
恋愛
「別れよっか」 同棲して1年ちょっとの榛名旭(はるな あさひ)に、ある日別れを告げられた無自覚男の瀬戸口颯(せとぐち そう)。 会社の同僚でもある二人の付き合いは、突然終わりを迎える。 自分の気持ちを振り返りながら、復縁に向けて頑張るお話。 表紙はまるぶち銀河様からの頂き物です。素敵です!

届かぬ温もり

HARUKA
恋愛
夫には忘れられない人がいた。それを知りながら、私は彼のそばにいたかった。愛することで自分を捨て、夫の隣にいることを選んだ私。だけど、その恋に答えはなかった。すべてを失いかけた私が選んだのは、彼から離れ、自分自身の人生を取り戻す道だった····· ◆◇◆◇◆◇◆ 読んでくださり感謝いたします。 すべてフィクションです。不快に思われた方は読むのを止めて下さい。 ゆっくり更新していきます。 誤字脱字も見つけ次第直していきます。 よろしくお願いします。

幼馴染の許嫁

山見月あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。 彼は、私の許嫁だ。 ___あの日までは その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった 連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった 連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった 女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース 誰が見ても、愛らしいと思う子だった。 それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡 どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服 どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう 「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」 可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる 「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」 例のってことは、前から私のことを話していたのか。 それだけでも、ショックだった。 その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした 「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」 頭を殴られた感覚だった。 いや、それ以上だったかもしれない。 「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」 受け入れたくない。 けど、これが連の本心なんだ。 受け入れるしかない 一つだけ、わかったことがある 私は、連に 「許嫁、やめますっ」 選ばれなかったんだ… 八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。

偽装夫婦

詩織
恋愛
付き合って5年になる彼は後輩に横取りされた。 会社も一緒だし行く気がない。 けど、横取りされたからって会社辞めるってアホすぎません?

処理中です...