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35.初夜、しとく?(7)
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「あ、あの、じゃあ……もし、不快だったら教えてほしい」
険しい顔をしたままそう言うと、晶はベッドに寝そべった私の上にそっと覆いかぶさった。
そして再び柔らかいキスを落としたあと、裸の胸をやんわりと揉みしだく。あまりスムーズとはいえないが、変に力が入っていないだけマシだろう。痛みはなく、動物にじゃれつかれているようなくすぐったさしか感じない。
いったい晶はどんな情報源を見て勉強してきたんだろう、とどうでもいいことを考えていると、頬や首筋にキスを落としていた彼がすっと顔を上げる。そして私の顔をじっと見つめたかと思うと、今度は胸元に唇を寄せ、淡く色づいた胸の先端をぺろりと舐め上げた。
「んんっ……!」
突然訪れた甘い刺激に、思わず声が漏れる。とっさに口を押さえたけれど、その声はしっかりと晶の耳にも届いていたらしい。彼は一旦動きを止め、不安そうな顔をしながら私を見つめた。
「悪い、痛かったか?」
「い……いや、痛くはない、けど……」
「なんだ。痛いときだけ教えてくれって言っただろ」
私の返答に、晶はなんだかむっとした顔をしてそう言い放った。
――急にそんなところを舐められたら、誰だって声が出るでしょうが……!
思わず言い返したくなったが、「じゃあ気持ちよかったのか」なんて勘違いをされたらそれはそれで腹立たしい。気持ちよかったわけではなくただの反射でしかないのだと言ったところで、ほぼ童貞の晶には理解しがたいだろう。
そう考えて結局何も言い返せずにいると、彼はもう一度私の胸に顔を近付けて、先ほどより少し硬くなった胸の尖りを舌先でつつく。その刺激にびくっと体が跳ねたけれど、今度はなんとか声を我慢することができた。
「手であれこれしようとすると、どうしても力が入りすぎて女性側に痛みが伴うと書いてあったんだ。だから、できるだけ舌で愛撫したほうがいいと」
「え……」
「美雨はどうだ? 手で触るのと舌で舐めるのとでは、どっちのほうがいい」
この男はなんて答えにくい質問をするのだろう。当の本人は大まじめに聞いているのだろうが、ある意味羞恥プレイに近い。
でも、晶の前で戸惑ったり恥ずかしがったりする姿を見せたくはない。セックスについては私の方が確実に"先輩"なのだ。苦々しく思いながらも、私は平静を装って答えた。
「ま、まあ……どちらかといえば、舐めるほうがいいかな」
「そうか。わかった」
短く答えると、晶は躊躇なく私の胸の先端に舌を這わせた。生温かい舌の感触に思わず身が震えたが、ここで声を出してしまったら晶に負けたような気がして、私は必死に唇を噛みしめる。しかし、そんな私に気付くことなく、彼はまるで飴を舐めるかのような動きでぺろぺろと乳首を刺激した。
「んっ、ふ……っ、う、んんっ……!」
前に私が教えたことをちゃんと覚えているのか、晶は優しい手つきで乳房を持ち上げながらその先端にしゃぶりつく。反対側の乳房も同時にやわやわと揉みしだかれ、全身が甘く痺れてくるような心地がした。
必死に声を我慢しようにも、甘えたような吐息がどうしても漏れ出てしまう。とっさに両手で口を押さえたけれど、そのかすかな声を晶は聞き逃してくれなかった。
「あ……あの、美雨、あんまりそういう声を出されると……」
「なっ……! し、しょうがないでしょ!? これは、自然と出るものなの! 別にっ、晶に舐められるのが特別気持ちいいってわけじゃないから!」
むきになって叫ぶと、晶は眉根を寄せながら「わかってるよ」とつぶやいた。この男は本当にわかってるのか、と訝しみながらも、再び胸の飾りに舌を押し付けられると思わず体が跳ねる。すっかり敏感になってしまった乳首は自分でもわかるほど硬くその存在を主張して、まるで晶に愛撫されるのを喜んでいるかのようだ。
「んぅ、あっ……! う、うぅっ、んっ……!」
「み、美雨、その……声が出そうなら、我慢しなくても」
「がっ、我慢なんてしてないっ……!」
「でも……唇、そんなに噛み締めたら血が出るだろ」
心配そうに言いながら、晶がその無駄に整った顔を徐々に近づけてくる。何をする気だと問う前に、彼の唇はそっと私のそれに触れた。
慈しむような優しい口づけに驚いて、無意識のうちに唇を噛み締める力が緩んだ。その瞬間を狙いすましていたかのように、ついさっきまで私の乳首を舐めまわしていた晶の舌がぬるりと口内に入り込んでくる。
「んっ……! ん、あっ……」
「はぁっ……、美雨……」
ぴちゃ、と淫らな水音が鳴る。口づけはどんどん深いものになり、その間も晶の手は胸への愛撫をやめようとしなかった。
乳房を撫でる手はそのままに、時折遠慮がちに指先が乳首に触れる。そして私が痛がらないことを確認すると、指の腹ですりすりと労わるような動きでそこを擦った。彼の指がぴんと尖った先端に当たるだけで快感をもたらし、だんだんと全身の力が抜けていく。
「んっ……美雨っ……!」
「あ、んんぅっ……あ、晶、それ、もうっ……!」
互いに舌を絡ませ合い、鼻にかかった甘い声で名を呼び合う。これではまるで愛し合っている男女の睦事のようではないか。
晶のトラウマを克服するため、なんて大義名分を掲げておきながら、少し優しく胸に触れられただけで感じてしまっている。これでは、ただ欲求不満を解消するために晶を利用しているみたいだ。
そう思ったら自分がとてもいけないことをしているような気がして、私は体の上に覆いかぶさっている晶の肩を思い切り押し返した。
「もっ……もう、いい! わ、私のことを気持ちよくしようとか、そういうのは考えなくていいから!」
「え……どうしたんだ、急に」
「と、とにかくいいの! それより晶は、女性の体に慣れることだけ考えて! はい、前戯おわりっ!」
突然叫びだした私を、晶が怪訝な顔で見つめてくる。ついさっきまで「セックスしたかったらしてもいいよ」なんて上から目線でものを言っていた女が、急に「前戯はもういい」と拒否するのだから、彼が困惑するのも当然だ。
でも、これ以上晶とこんなふうに触れ合っていたら体が勘違いしてしまいそうになる。彼は確かに私の夫ではあるけれど、それは書類上だけだ。どんなに体を密着させて優しくこの身に触れられたとしても、いつか必ずこの関係は終わる。それなら、宝物のように大切にされながら抱かれる経験なんて今はしたくない。
険しい顔をしたままそう言うと、晶はベッドに寝そべった私の上にそっと覆いかぶさった。
そして再び柔らかいキスを落としたあと、裸の胸をやんわりと揉みしだく。あまりスムーズとはいえないが、変に力が入っていないだけマシだろう。痛みはなく、動物にじゃれつかれているようなくすぐったさしか感じない。
いったい晶はどんな情報源を見て勉強してきたんだろう、とどうでもいいことを考えていると、頬や首筋にキスを落としていた彼がすっと顔を上げる。そして私の顔をじっと見つめたかと思うと、今度は胸元に唇を寄せ、淡く色づいた胸の先端をぺろりと舐め上げた。
「んんっ……!」
突然訪れた甘い刺激に、思わず声が漏れる。とっさに口を押さえたけれど、その声はしっかりと晶の耳にも届いていたらしい。彼は一旦動きを止め、不安そうな顔をしながら私を見つめた。
「悪い、痛かったか?」
「い……いや、痛くはない、けど……」
「なんだ。痛いときだけ教えてくれって言っただろ」
私の返答に、晶はなんだかむっとした顔をしてそう言い放った。
――急にそんなところを舐められたら、誰だって声が出るでしょうが……!
思わず言い返したくなったが、「じゃあ気持ちよかったのか」なんて勘違いをされたらそれはそれで腹立たしい。気持ちよかったわけではなくただの反射でしかないのだと言ったところで、ほぼ童貞の晶には理解しがたいだろう。
そう考えて結局何も言い返せずにいると、彼はもう一度私の胸に顔を近付けて、先ほどより少し硬くなった胸の尖りを舌先でつつく。その刺激にびくっと体が跳ねたけれど、今度はなんとか声を我慢することができた。
「手であれこれしようとすると、どうしても力が入りすぎて女性側に痛みが伴うと書いてあったんだ。だから、できるだけ舌で愛撫したほうがいいと」
「え……」
「美雨はどうだ? 手で触るのと舌で舐めるのとでは、どっちのほうがいい」
この男はなんて答えにくい質問をするのだろう。当の本人は大まじめに聞いているのだろうが、ある意味羞恥プレイに近い。
でも、晶の前で戸惑ったり恥ずかしがったりする姿を見せたくはない。セックスについては私の方が確実に"先輩"なのだ。苦々しく思いながらも、私は平静を装って答えた。
「ま、まあ……どちらかといえば、舐めるほうがいいかな」
「そうか。わかった」
短く答えると、晶は躊躇なく私の胸の先端に舌を這わせた。生温かい舌の感触に思わず身が震えたが、ここで声を出してしまったら晶に負けたような気がして、私は必死に唇を噛みしめる。しかし、そんな私に気付くことなく、彼はまるで飴を舐めるかのような動きでぺろぺろと乳首を刺激した。
「んっ、ふ……っ、う、んんっ……!」
前に私が教えたことをちゃんと覚えているのか、晶は優しい手つきで乳房を持ち上げながらその先端にしゃぶりつく。反対側の乳房も同時にやわやわと揉みしだかれ、全身が甘く痺れてくるような心地がした。
必死に声を我慢しようにも、甘えたような吐息がどうしても漏れ出てしまう。とっさに両手で口を押さえたけれど、そのかすかな声を晶は聞き逃してくれなかった。
「あ……あの、美雨、あんまりそういう声を出されると……」
「なっ……! し、しょうがないでしょ!? これは、自然と出るものなの! 別にっ、晶に舐められるのが特別気持ちいいってわけじゃないから!」
むきになって叫ぶと、晶は眉根を寄せながら「わかってるよ」とつぶやいた。この男は本当にわかってるのか、と訝しみながらも、再び胸の飾りに舌を押し付けられると思わず体が跳ねる。すっかり敏感になってしまった乳首は自分でもわかるほど硬くその存在を主張して、まるで晶に愛撫されるのを喜んでいるかのようだ。
「んぅ、あっ……! う、うぅっ、んっ……!」
「み、美雨、その……声が出そうなら、我慢しなくても」
「がっ、我慢なんてしてないっ……!」
「でも……唇、そんなに噛み締めたら血が出るだろ」
心配そうに言いながら、晶がその無駄に整った顔を徐々に近づけてくる。何をする気だと問う前に、彼の唇はそっと私のそれに触れた。
慈しむような優しい口づけに驚いて、無意識のうちに唇を噛み締める力が緩んだ。その瞬間を狙いすましていたかのように、ついさっきまで私の乳首を舐めまわしていた晶の舌がぬるりと口内に入り込んでくる。
「んっ……! ん、あっ……」
「はぁっ……、美雨……」
ぴちゃ、と淫らな水音が鳴る。口づけはどんどん深いものになり、その間も晶の手は胸への愛撫をやめようとしなかった。
乳房を撫でる手はそのままに、時折遠慮がちに指先が乳首に触れる。そして私が痛がらないことを確認すると、指の腹ですりすりと労わるような動きでそこを擦った。彼の指がぴんと尖った先端に当たるだけで快感をもたらし、だんだんと全身の力が抜けていく。
「んっ……美雨っ……!」
「あ、んんぅっ……あ、晶、それ、もうっ……!」
互いに舌を絡ませ合い、鼻にかかった甘い声で名を呼び合う。これではまるで愛し合っている男女の睦事のようではないか。
晶のトラウマを克服するため、なんて大義名分を掲げておきながら、少し優しく胸に触れられただけで感じてしまっている。これでは、ただ欲求不満を解消するために晶を利用しているみたいだ。
そう思ったら自分がとてもいけないことをしているような気がして、私は体の上に覆いかぶさっている晶の肩を思い切り押し返した。
「もっ……もう、いい! わ、私のことを気持ちよくしようとか、そういうのは考えなくていいから!」
「え……どうしたんだ、急に」
「と、とにかくいいの! それより晶は、女性の体に慣れることだけ考えて! はい、前戯おわりっ!」
突然叫びだした私を、晶が怪訝な顔で見つめてくる。ついさっきまで「セックスしたかったらしてもいいよ」なんて上から目線でものを言っていた女が、急に「前戯はもういい」と拒否するのだから、彼が困惑するのも当然だ。
でも、これ以上晶とこんなふうに触れ合っていたら体が勘違いしてしまいそうになる。彼は確かに私の夫ではあるけれど、それは書類上だけだ。どんなに体を密着させて優しくこの身に触れられたとしても、いつか必ずこの関係は終わる。それなら、宝物のように大切にされながら抱かれる経験なんて今はしたくない。
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