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探索
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アルフはエルリィスと分かれた後、寝静まった城内を探索していた。目的はただ一つ、呪いを解く手掛かりを探す為だった。
アルフはルドの話を思い出しながら、呪いの核がどんな物なのか想像した。宝石の様な物なのか、それとも装飾品の様な物なのか、宝剣の様な物なのか・・・・・・。大きさも、形もどんな物か分からないだけに、ただただ闇雲に探すしかなかった。
暗闇の中、ランプの灯を頼りに引き出しや金庫等を片っ端から開けていくも、それらしき物も、手掛かりになる様な物も何も出てきはしなかった。
「おい、そこのドブネズミ、もっと具体的な特徴とか手掛かりは無いのかよ」
アルフは足元を並走するネズミに、何も見つからない苛立ちを精一杯抑え、小声で話し掛けた。勿論、アルフは動物愛好家でもなく、ネズミに独り言を呟く趣味もなかった。その薄汚いネズミの首には魔法陣が描かれた札が掛けられていた。
「それが私に分かっていたら、とっくのとうにお伝えしてるに決まってるじゃないですか」
「ああ、そうだったよなぁ、不完全な事典様よぉ」
アルフは八つ当たりしたい衝動にかられネズミをグリグリと踏みつけた。
「ああっ、やめて下さい! 動物虐待反対!」
ネズミを操るルドには痛みなどは無かったが、呪符が取れたりすれば術は消えてしまう。
「もう、チュータ君が可哀想じゃないですか」
ネズミは乱れた毛並みを整える為に毛繕いし始めた。この術は完全に動物を操っているのでは無く、ルドが操っていない時間があると、動物達が本来持つ本能的動作が生じていた。
「お前、ネズミに名前まで付けてるのか・・・・・・」
「動物と仲良くならないとこの術は掛けられないんです。それより、あの娘は何と言ってたのですか? 我々がこうやって探していても本人にその意思が無ければ意味が無いですよね」
ふとアルフは足を止めた。
--時は数刻前
「お前はこの城から出たいと思わないのか?」
アルフはエルリィスにそう尋ねた。エルリィスにとってはあの少年から聞いたばかりの台詞だった。
「無理よ、知っているでしょう? この呪具の事を・・・・・・」
「ああ、色々調べさせて貰った。そいつを外せれば良いんだろ?」
「そんなの・・・・・・一体どうやって外すと言うの?」
「さあな、今の所何も策は無い」
その言葉に嘘は無かった。正確には『確実な策は』だった。実際アルフの脳裏では解決方法に繋がる策はいくつか考えていた。
「なら変に期待させないで・・・・・・。もうこれ以上絶望するのは嫌なの。オルディンは狡猾で屈強な男よ、簡単に出し抜けると思っているのならやめた方がいいわ。あなたの為にも・・・・・・」
「つまんねえな・・・・・・」
アルフは小さく呟いた。
「えっ?」
オルディンに勝てないと思われている事、ここから出るのを諦めている事、アルフにとって全てが面白くなかった。
「もっと見どころのある奴だと思ったんだが、とんだ奴隷精神だな。そんなにここが好きなら一生居るといい」
アルフは後ろを向いてそう言った。
「アルフ! 私は・・・・・・」
エルリィスが何かを言おうとしていたが、アルフは聞く耳を持たずそのまま牢獄を去った。
「あーーーくそっ!!」
アルフはエルリィスとのやり取りを思い出して壁を拳で強く叩いた。
「ちょ、ちょっと若様! そんな事したら・・・・・・」
ルドが慌てていると丁度城の者が駆け寄ってくる足音がした。
「誰だ? 誰か居るのか!?」
「ほらよ、出番だぞ」
アルフ小声でそう言いながらネズミを扉の方に蹴りやった。
「ああっ、酷い・・・・・・えーと、チューチュー」
ルドはネズミの声を真似た。ネズミがネズミの声を真似ると言う奇妙で滑稽な様子にアルフは声を出すのを我慢しながら笑った。
「なんだ、ネズミか、驚かせやがって」
そう言ってその者は引き返して行った。
「良し、上手くやり過ごしたか」
「良し、じゃないですよ。全く、私の声真似が似ていたから良かったものの、バレたらどうするんですか、もっと慎重に探さないと」
ルドの操るネズミはアルフの前で仁王立ちして言った。
「それにしてもこれは拉致があかねえな」
「まあ、砂漠に落ちている針を探す様なものですからねぇ」
「今の状況なら針の方がまだマシだ」
アルフとルドは城の入れるところはあらかた探し尽くしていた。城には鍵の掛かった部屋も多かったが、アルフの手に掛かれば朝飯前だった。それでも見つからないのはただ漠然と探しているからだという事もアルフは理解していた。
アルフはランプが照らす床を見つめながら言った。
「取り敢えず出直すぞ。こう暗くては見つかる物も見つからないかもしれないしな」
「やれやれ、昼間の方が人目につきやすいから危険では? まあ、昼間でも見つかる気は全くしませんがね」
アルフはネズミをグリグリと踏みつけながらもずっと考え事をしていた。核とはどんな物なのか。これだけ探しても見つからないのに、本当に実在するのか。奴ならどこに隠すのか。思考は纏まらないままアルフは城を離れた。
一方、アルフ達が城を探索を開始する少し前。城で一番高い塔の屋根の上にてトレインが寝袋を片手に佇んでいた。
「今日の寝床はこの辺で良いかなぁ。随分高さがあるし、見つからないとは思うけど、落っこちたら死ぬのかなぁ」
そんな事を一人で呟きながらいそいそと寝支度をして、寝袋にすっぽり入ると「お休みなさい」と言って寝てしまった。
アルフはルドの話を思い出しながら、呪いの核がどんな物なのか想像した。宝石の様な物なのか、それとも装飾品の様な物なのか、宝剣の様な物なのか・・・・・・。大きさも、形もどんな物か分からないだけに、ただただ闇雲に探すしかなかった。
暗闇の中、ランプの灯を頼りに引き出しや金庫等を片っ端から開けていくも、それらしき物も、手掛かりになる様な物も何も出てきはしなかった。
「おい、そこのドブネズミ、もっと具体的な特徴とか手掛かりは無いのかよ」
アルフは足元を並走するネズミに、何も見つからない苛立ちを精一杯抑え、小声で話し掛けた。勿論、アルフは動物愛好家でもなく、ネズミに独り言を呟く趣味もなかった。その薄汚いネズミの首には魔法陣が描かれた札が掛けられていた。
「それが私に分かっていたら、とっくのとうにお伝えしてるに決まってるじゃないですか」
「ああ、そうだったよなぁ、不完全な事典様よぉ」
アルフは八つ当たりしたい衝動にかられネズミをグリグリと踏みつけた。
「ああっ、やめて下さい! 動物虐待反対!」
ネズミを操るルドには痛みなどは無かったが、呪符が取れたりすれば術は消えてしまう。
「もう、チュータ君が可哀想じゃないですか」
ネズミは乱れた毛並みを整える為に毛繕いし始めた。この術は完全に動物を操っているのでは無く、ルドが操っていない時間があると、動物達が本来持つ本能的動作が生じていた。
「お前、ネズミに名前まで付けてるのか・・・・・・」
「動物と仲良くならないとこの術は掛けられないんです。それより、あの娘は何と言ってたのですか? 我々がこうやって探していても本人にその意思が無ければ意味が無いですよね」
ふとアルフは足を止めた。
--時は数刻前
「お前はこの城から出たいと思わないのか?」
アルフはエルリィスにそう尋ねた。エルリィスにとってはあの少年から聞いたばかりの台詞だった。
「無理よ、知っているでしょう? この呪具の事を・・・・・・」
「ああ、色々調べさせて貰った。そいつを外せれば良いんだろ?」
「そんなの・・・・・・一体どうやって外すと言うの?」
「さあな、今の所何も策は無い」
その言葉に嘘は無かった。正確には『確実な策は』だった。実際アルフの脳裏では解決方法に繋がる策はいくつか考えていた。
「なら変に期待させないで・・・・・・。もうこれ以上絶望するのは嫌なの。オルディンは狡猾で屈強な男よ、簡単に出し抜けると思っているのならやめた方がいいわ。あなたの為にも・・・・・・」
「つまんねえな・・・・・・」
アルフは小さく呟いた。
「えっ?」
オルディンに勝てないと思われている事、ここから出るのを諦めている事、アルフにとって全てが面白くなかった。
「もっと見どころのある奴だと思ったんだが、とんだ奴隷精神だな。そんなにここが好きなら一生居るといい」
アルフは後ろを向いてそう言った。
「アルフ! 私は・・・・・・」
エルリィスが何かを言おうとしていたが、アルフは聞く耳を持たずそのまま牢獄を去った。
「あーーーくそっ!!」
アルフはエルリィスとのやり取りを思い出して壁を拳で強く叩いた。
「ちょ、ちょっと若様! そんな事したら・・・・・・」
ルドが慌てていると丁度城の者が駆け寄ってくる足音がした。
「誰だ? 誰か居るのか!?」
「ほらよ、出番だぞ」
アルフ小声でそう言いながらネズミを扉の方に蹴りやった。
「ああっ、酷い・・・・・・えーと、チューチュー」
ルドはネズミの声を真似た。ネズミがネズミの声を真似ると言う奇妙で滑稽な様子にアルフは声を出すのを我慢しながら笑った。
「なんだ、ネズミか、驚かせやがって」
そう言ってその者は引き返して行った。
「良し、上手くやり過ごしたか」
「良し、じゃないですよ。全く、私の声真似が似ていたから良かったものの、バレたらどうするんですか、もっと慎重に探さないと」
ルドの操るネズミはアルフの前で仁王立ちして言った。
「それにしてもこれは拉致があかねえな」
「まあ、砂漠に落ちている針を探す様なものですからねぇ」
「今の状況なら針の方がまだマシだ」
アルフとルドは城の入れるところはあらかた探し尽くしていた。城には鍵の掛かった部屋も多かったが、アルフの手に掛かれば朝飯前だった。それでも見つからないのはただ漠然と探しているからだという事もアルフは理解していた。
アルフはランプが照らす床を見つめながら言った。
「取り敢えず出直すぞ。こう暗くては見つかる物も見つからないかもしれないしな」
「やれやれ、昼間の方が人目につきやすいから危険では? まあ、昼間でも見つかる気は全くしませんがね」
アルフはネズミをグリグリと踏みつけながらもずっと考え事をしていた。核とはどんな物なのか。これだけ探しても見つからないのに、本当に実在するのか。奴ならどこに隠すのか。思考は纏まらないままアルフは城を離れた。
一方、アルフ達が城を探索を開始する少し前。城で一番高い塔の屋根の上にてトレインが寝袋を片手に佇んでいた。
「今日の寝床はこの辺で良いかなぁ。随分高さがあるし、見つからないとは思うけど、落っこちたら死ぬのかなぁ」
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