エルフになった私とドラゴンになった君

まうる

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第1話

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そもそも、どうしてこんなことになったのか。

私は元々、別の世界の住人で、決して都会ではないけれども田舎とも言い切れない、

そんな街でごくごく普通の女子高生をやっていたのだ。

特に将来の夢とかもなく、このまま行けば、どこか地方の会社にでも就職して、良い感じの人見つけて、

結婚とかして子供産んじゃったりなんかして、いたって普通の家庭を築いて暮らして行くんだろうなあ……。

なーんて呑気に考えていたわけだ。

まあ、結果的にそうはならなかったみたいだけど……。

というか、そもそもこちらの世界に転生( といっても良いのだろうか )してきた理由というものがわからない。

大体、こういった現象っていうのは、何かしらこちら側に来るための原因があるはずなのだ。

こう、交通事故で死んでしまう、とか、この世界の救世主や勇者などとして異世界からしょうかんされるとか。

でも、私にはそういった記憶が全く持ってない。

もう気が付いたら赤ん坊になっていて、今のお母さんの腕の中だった、というわけだ。

最後の記憶といえば、前世の私の幼馴染である、『 小山内おさない優介ゆうすけ 』と一緒に下校をしていたときである。

そこからの記憶がプッツリとない。

普通の人からしてみれば、急にこんなことになってしまえば、それはもう頭の中はパニック状態、というだけでは
すまないだろう。

転生ものの作品が大好きで、漫画やら小説やらを読みあさっていた私だって、自分がこんなことになればきっとひとたまりもないよなあ。

なんて考えてはいたが、意外なことに、私は結構順応力が高いらしい。

割と落ち着いていられているし、こうなってしまったものは仕方ないか、ですませてられている。

そもそも、向こうの家族や友人達と会えないのはとても寂しくはあるが、こっちの私は容姿が整いすぎていて、

正直前世の私に戻りたくないというか……。

だって、自分で言うのもなんだけど、母親譲りの薄いプラチナブロンドの髪に、初夏に生い茂る瑞々しい若葉を連想させるエメラルドの瞳、

そして何と言っても天使のように整ったこの顔!!!

私には分かる、この私の姿を見て、第一印象で私のことを悪く思う人はまずいないってことが!!

正直今ならナルシストの気持ちがよーく分かる……。

これは見惚れても仕方ありませんわ……。

と、まあ茶番はこれくらいにして、とにかく私は戻れないなら別にこのままでも良いかなと思ってる。

今の両親だって、本当に私を大切にしてくれているんだなって分かるし、

今住んでいるこの森奥の家だって、空気が澄んでて美味しいし、綺麗な花や美味しい木の実だって沢山あるし……。

_______意外と異世界、悪くないかも?
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