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第8話 収穫祭パレードと、王太子妃の立ち位置
しおりを挟む「殿下の隣に並ぶときの“正しい一歩”を、あなたから教えてあげてちょうだいね」
そう言われた瞬間、私は、自分で自分の居場所から遠ざかる手順書を書いているような気持ちになった。
◇◇◇
秋の空は、夏の名残を少しだけ引きずりながら、高く澄んでいた。
王都では収穫祭の準備が本格化し、王宮にも例年どおり「王太子殿下の行幸」の予定が組まれている。
レオンは今年、初めて本格的に、城下のメインストリートを馬車で巡り、人々に挨拶をすることになっていた。
「それに加えて、今年は王太子妃候補の令嬢お二人にも、ご一緒いただこうと思っているの」
王妃陛下がそう告げた場には、王とレオンと、そしてなぜか私も同席していた。
「行幸の際の立ち居振る舞いと、“距離感”は先日ミサに見てもらったでしょう?
当日はカトリーヌ嬢ともう一人、侯爵家の令嬢がご一緒する予定よ」
王妃陛下の視線が、私に向けられる。
「そこでお願いがあるの、ミサ」
「……はい、陛下」
「殿下だけでなく、令嬢方にも“王太子の隣に立つときのふるまい”を教えてあげて。
表情の作り方や、手を取られたときの歩き方――あなたがいつも、レオンに教えているように」
(ああ、そうだ。私は“恋愛感情”だけじゃなくて、“隣の歩き方”まで教える担当なんだった)
前世で一度も歩かなかった花道を、私は今世、誰かのために設計している。
そこに自分は立たないと知りながら。
「畏まりました。
私にできる限りのことを、お伝えいたします」
口から出た声は、思ったよりも落ち着いていた。
胃のあたりが、きゅうっと縮まっていたことを除けば、上出来だ。
◇◇◇
その日の午後。
私は庭園劇場を少し模様替えし、「王都の大通り」を再現していた。
舞台中央に、石畳を模した布を敷き、両端には色とりどりの布で飾り付けた “屋台”を立てる。
簡易的な旗や花輪も用意して、雰囲気だけでも収穫祭らしく。
「まあ、素敵ですわね」
最初に姿を現したのは、カトリーヌだった。
今日も柔らかなラベンダー色のドレスに身を包み、侍女たちを従えている。
後から、栗色の髪をまとめた侯爵令嬢アデールもやって来た。
カトリーヌより幾分素朴な雰囲気だが、真面目そうな瞳が印象的な少女だ。
そして少し遅れて、レオンが現れる。
執務用の簡素な服ではなく、行幸用のライトブルーの礼装。
まだ完全な正装ではないが、少年から「未来の王」への途中にいる姿が、そこにはあった。
「本日は、お二人の“並び方”についてレッスンさせていただきます」
私はできるだけ丁寧に頭を下げた。
「今日は劇も用意しました。
タイトルは『収穫祭の仮初めパレード』――
平民出の若い領主が、城下町の娘たちと並んで歩くお話です」
レオンが、わずかに目を細める。
「また“仮初め”ですか」
「ええ。仮初めの役目は、練習にちょうど良いですから」
自分で言っておきながら、胸のどこかがひりりとした。
私はいつも、本物の誰かの前に立つ前の“練習役”ばかりだ。
「ではまず、カトリーヌ様からお願いしてもよろしいでしょうか」
私はカトリーヌに、舞台中央に立っていただいた。
その隣に、レオン。
「行幸では、殿下が中央、お二人は少し後ろに並ばれる形になりますが――
本日のレッスンでは、“婚約者として隣に立つ”想定で進めましょう」
カトリーヌの瞳が、一瞬だけきらりと光る。
「殿下の婚約者の立ち位置……とても光栄ですわ」
甘く、でもどこか決意のにじんだ声だった。
彼女もまた、自分の未来を賭けてこの場に立っているのだと分かる。
私は台本を開き、劇の一場面を指し示した。
『――城下の人々が見守る中、若き領主エリアンと、その隣を歩く娘リーナは、
石畳の上を一歩ずつ進んでいく。
リーナは、腕を取られるたびに、緊張で心臓が飛び出しそうになっていた。』
「カトリーヌ様、殿下の腕に、こちらのようにそっと手を添えてみてください」
私は、自分の肘を差し出してみせる。
距離は近いが、絡め取るようではなく、あくまで“預ける”形。
カトリーヌは私の動きを真似て、レオンの腕に手を添えた。
動きに迷いはない。
“この場所は私のものになる”と、どこかで信じている人の手つきだった。
「殿下。
あまり強く引き寄せすぎず、でも支えられる距離で歩いてみましょう」
二人は石畳の上を、ゆっくりと歩き始めた。
私は歩幅、視線、表情を細かく見守る。
「カトリーヌ様。
少しだけ顎を上げてみてください。
“皆さまの前で誇りを持って殿下の隣に立っている”という気持ちを、姿勢で見せるイメージです」
「こう、でしょうか」
カトリーヌは言われたとおりに顎を上げた。
自信に満ちた横顔が、秋の光を受けて輝いている。
(……綺麗だな)
素直にそう思った。
悔しいとか、羨ましいとか、そういう感情とは別の場所で。
「殿下」
今度はレオンに声をかける。
「視線を、群衆とカトリーヌ様の間で行き来させてみてください。
“王太子として皆を見ている顔”と、“隣にいる方を気遣う顔”を、少しだけ変えるイメージで」
レオンは小さくうなずき、言われた通りに視線を動かした。
群衆を見るときは、穏やかで遠い微笑み。
カトリーヌに向けるときは、ほんの少し柔らかくなる。
その差はほんの僅かだが、近くで見ている私には、はっきり分かった。
(ああ、こうして“王太子と婚約者”の絵が出来上がっていくんだ)
胸の奥で、何かが静かに沈んでいく。
◇◇◇
カトリーヌのレッスンがひと段落したあと、今度はアデールが同じように並ぶ番になった。
彼女はカトリーヌほど自信満々ではないが、
レオンの腕に手を添えるときのわずかな震えや、
視線が泳ぎがちなところが、逆に初々しく見えた。
「アデール様は、“緊張しているけれど一生懸命ついていこうとしている”感じが、とても良いですね」
私がそう伝えると、彼女は頬を赤らめてうつむいた。
「わ、わたくし、あまり優雅ではありませんから……」
「優雅さだけが、殿下の隣にふさわしいとは限りませんよ」
自然と口から出た言葉だった。
隣で聞いていたレオンが、そっとこちらを見た気配がした。
「では、最後に“仮初めの婚約者”の場面を、三人で演じてみましょう」
私は台本の終盤のページを開き、三人に向けて見せた。
『仮初めの契約は、収穫祭が終わるまで。
それが、若き領主エリアンと娘リサの取り決めだった。
やがてパレードが終わりに近づいたとき、
エリアンは立ち止まり、小さく息を吐いた。』
「ここで、エリアンが“本当の気持ち”を少しだけ漏らす場面です」
私はレオンに視線を向ける。
「殿下。
この台詞を、カトリーヌ様とアデール様、それぞれに向けて言ってみてください」
『君が隣にいてくれて、助かった。
たとえ仮初めでも、この手を取ってくれたことに感謝している』
レオンは、一度深呼吸をしてから、台詞を口にした。
カトリーヌに向けるときは、少し硬いが礼儀正しい声音。
アデールに向けるときは、もっと柔らかく、安心させるような響き。
どちらも、嘘ではないのだろう。
それでも、どこかで私の名前を呼ばれないことに、
胸の奥がきゅっと縮んだ。
(いい加減にしなさい、私)
これはレッスンだ。
この子たちの未来のために、
“王太子の隣に立つ”という役目の重さを伝える場だ。
私情を持ち込む余地なんて、本当はどこにもない。
◇◇◇
レッスンが終わり、令嬢たちが退室したあと。
庭園劇場には、レオンと私だけが残った。
「お疲れ様でした、殿下」
「ミサも。
……今日は、見ていて少し苦しかったです」
「苦しかった?」
「ええ。
僕の隣を歩く人が、僕を選んでいるようでいて、
実は“王太子の隣”という立場を選んでいるのかもしれないと、
ふと思ってしまって」
その言葉に、ドキリとした。
「もちろん、彼女たちを責めているわけではありません。
そういうものだと分かっています。
でも……」
レオンは、回廊の石畳をじっと見下ろした。
「僕は、僕自身を見てくれる人の隣を選びたい、と改めて思いました」
その視線が、そっと私の方へ向けられる。
「たとえ、その人が“婚約者”という立場を与えられなかったとしても」
危うい。
それ以上言われたら、きっと私は、教育係の顔を保てなくなる。
「殿下」
私は、少しだけ強めの声で遮った。
「本日のレッスンの目的は、“距離感”と“立ち位置”を学ぶことでしたね」
「……はい」
「殿下がいつか本当に誰かの手を取るとき、
その“立ち位置”を決めるのは、殿下ご自身です。
ただ、今日のように、
“人の視線にどう映るか”も一緒に考えられる王であってほしいと、私は思います」
それは、祈りにも近い願いだった。
レオンはしばらく黙っていたが、やがて小さく笑った。
「……ミサは、本当にずるい人ですね」
「ずるい?」
「僕の心に火をつけておいて、“教育係としての正しさ”で水をかける」
「それは、職務ですので」
冗談めかして返すと、彼も少しだけ肩の力を抜いたようだった。
◇◇◇
収穫祭当日。
王都の大通りは、色とりどりの旗と花輪で飾られ、
人々のざわめきが石畳の上で波のように揺れていた。
王宮のバルコニーから見下ろした街並みは、
前世でニュース映像で見たパレードよりも、ずっと近くて、ずっと生々しかった。
レオンは、行幸用の正装に身を包み、
カトリーヌとアデールを従えて馬車に乗り込む。
私は教育係として、少し離れた馬車に同乗し、
必要があれば合図を送れる位置から、彼らの様子を見守ることになっていた。
馬車がゆっくりと大通りに出ると、
人々の歓声が一気に押し寄せる。
「殿下だ!」「お若いなあ」「お妃様はどの方だろう」
その声のひとつひとつが、
レオンだけでなく、隣を歩く令嬢たちにも突き刺さっていく。
私は、自分の胸に手を当てた。
(大丈夫。
今日までレッスンしてきたことは、必ず殿下の支えになる)
レオンは、堂々としていた。
群衆に向かって微笑み、手を振り、
ときおり隣の令嬢たちに視線を向けて言葉を交わす。
カトリーヌは、完璧な令嬢の笑顔で人々に手を振り、
アデールは緊張しながらも懸命にそれを真似ていた。
――そのとき。
群衆の前列で、小さな子どもがよろめいて転んだ。
周りの大人たちが慌てて引き起こそうとするが、
子どもは驚いて泣き出してしまう。
馬車のすぐ近くだ。
護衛たちがざわめき、進行を一瞬迷う。
レオンは、ほんの一瞬だけ迷ったように見えた。
そのあとで、決めたように馬車から身を乗り出した。
「少々止まってください」
彼は護衛に合図を送り、
ゆっくりと馬車を降りると、子どもの前に膝をついた。
「大丈夫かい」
優しい声が、ざわめきの中でもはっきりと聞こえた。
王太子自らがひざまずいたことに、周囲からどよめきが起こる。
私は、息を呑んでその光景を見守った。
レオンは子どもの目線まで顔を下ろし、
ポケットから小さな布を取り出して、膝についた砂埃を払ってやる。
「怖かったね。でも、よくここまで出てきてくれた」
子どもは、しゃくり上げながらも頷いた。
レオンは立ち上がり、周囲の群衆に向き直る。
「驚かせてしまってすみません。
今日、皆に会いに来られて、とても嬉しく思っています」
その言葉に、歓声が新しい波となって広がった。
私は、胸の奥がじんわりと熱くなるのを感じた。
(“王太子らしくあれ”と言われ続けてきた子が、
今、自分の意思で“レオン”として膝をついたんだ)
カトリーヌとアデールは、少し動揺しながらも、
笑顔を崩さずにその場に立っていた。
彼女たちもまた、自分の役割を必死に守ろうとしている。
馬車が再び動き出したとき、
レオンは一瞬だけ、後方の馬車にいる私の方を振り返った。
目が合った気がした。
ほんの一瞬。
それでも、その短い視線に、
「これでよかったでしょうか」と問うような色が見えた。
私は、誰にも気づかれない程度に、小さくうなずいた。
(大丈夫。
今の一歩は、“レオンらしい一歩”だったよ)
◇◇◇
行幸が終わり、夜。
王宮の廊下は、昼間の喧噪が嘘のように静まり返っていた。
私は記録用のノートを抱えて、自室に戻る途中だった。
角を曲がったところで、レオンと鉢合わせる。
「ミサ」
彼は礼装の上着だけを脱ぎ、シャツ姿になっていた。
少しだけ疲れた顔だが、その瞳には達成感の光も宿っている。
「本日は、お疲れ様でした。
とても立派なご行幸でしたよ」
「ミサのおかげです」
即答されて、思わず目を瞬いた。
「僕が膝をついたとき、
群衆の中の何人かは驚いていました。
“王太子らしくない”と感じた人もいたかもしれません」
「……そうかもしれませんね」
「それでも、“自分の心から目をそらさない”と約束したのは僕です。
あの子を見たとき、
“僕ならこうしたい”と思った自分を、信じてみたくなりました」
それは、あの約束のレッスンの日の延長線上にある一歩だった。
「とても素敵な一歩でしたよ、殿下」
そう告げると、彼は少しだけ照れくさそうに笑った。
「……ミサ。
今日の僕の“隣の立ち位置”、どう見えましたか」
「隣の、立ち位置?」
「カトリーヌ嬢とアデール嬢のことです。
僕は、ちゃんと“彼女たちを守る人”に見えていましたか」
その問いに、私は少し考えてから答えた。
「ええ。
“王太子として”も、“レオンとして”も、
お二人の隣に立とうとしているように見えました」
「……それを聞けて、少し安心しました」
レオンは、ふっと息を吐いた。
「でも、本当に一番支えられていたのは、
後ろの馬車からじっと見ていた“教育係”かもしれませんね」
「それは光栄ですね」
笑いながらも、胸の奥がじんわりと温かくなる。
前世で、私はどの行事でも裏方だった。
社内イベントで壇上に立つのはいつも別の誰かで、
私は資料の配布や椅子の整列ばかりしていた。
「ミサ」
レオンが、少しだけ声を落とした。
「今日、僕は人々の前で“王太子殿下”として歩きました。
でも、誰にも見えないところで膝をつきたくなったときは――
また、ミサの前で“レオン”になってもいいですか」
胸の奥で、何かがきゅっと掴まれる。
それは、婚約者ではなくても、
王妃候補でなくても、
ただの教育係に与えられた、小さな特権のような言葉だった。
「……そのレッスンは、いつでも受け付けていますよ」
私は、そっと微笑んだ。
「ただし、泣きすぎて目が腫れたまま公務に出ないようにだけは、気をつけてくださいね」
「努力します」
小さな笑いが二人の間に生まれる。
廊下の窓から見える王都の夜は、
昼間の喧噪を終えて、静かに灯りを瞬かせていた。
――前世では、一度も歩けなかったパレードの道。
今世の私は、その脇道で、
誰かの一歩を見守る場所を与えられている。
選ばれなかった女の二度目の人生でも、
「隣に立つ人の歩き方」を教えることで、
自分の小さな居場所を刻むことはできるのかもしれない。
そんなふうに思えた夜、
私は胸の奥で、そっとひとつだけ約束を増やした。
――今度は自分の足で、自分の立ち位置を選ぶ。
誰かの隣であっても、ひとりのミサとして。
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