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眠れない夜
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眠れない夜は、近所のコンビニの明かりが、いちばんまぶしく見える。
そこに行けば、「お疲れさまです」と言ってくれる人が、一人だけいるからだ。
***
ベッドの上で、スマホの画面を見つめたまま、ため息が漏れた。
転職サイトの通知は、今日も静かだ。
メールボックスの一番上に並んでいるのは、数日前に届いた「選考結果のご連絡」という件名のメール。開かなくても、中身はだいたいわかる。
——慎重に選考を進めてまいりました結果、誠に残念ながら……
枕元の時計は、23時を少し回っている。
明日も仕事なのに、まぶたは一向に重くならない。
「……コンビニ、行こ」
自分に言い訳するみたいに、声に出してみる。
ちょっと喉が渇いたし、明日の朝ごはんも買っておきたいし。そういう、どうでもいい理由を並べて、私は部屋を出た。
ワンルームの玄関を開けると、湿った夜風がふわりと頬をなでる。
春と夏の境目の、少しだけ生温い空気。遠くで電車の音がして、近くの道路をタクシーが一台、静かに通り過ぎていく。
マンションから歩いて三分。角を曲がると、小さいけれどやたらと明るいコンビニが見えた。
白い光が、夜の色を押し返しているみたいだ。
自動ドアが開くと、冷房のひんやりした空気と、揚げ物の油の匂いが混ざり合って押し寄せる。
「いらっしゃいませー」
奥のレジから、聞き慣れた声がした。
黒縁メガネに、コンビニの制服。
ネームプレートには「三浦」と書いてある。年齢は、たぶん私より四つか五つは下だろう。
最初にここに来たとき、深夜なのにやたら元気な「いらっしゃいませ」に、ちょっとびくっとした。
でもそのあと、缶コーヒーを手にレジに向かった私に、彼はごく自然に言ったのだ。
「遅くまで、お疲れさまです」
それだけの一言で、なぜか涙が出そうになった。
その日から、眠れない夜にここへ来るのが、私の小さな習慣になった。
***
飲み物コーナーの前で、私はいつものように立ち止まる。
缶コーヒーがずらりと並んでいる棚の前で、どれにしようか、悩むふりをする。
本当は、もうお気に入りは決まっている。けれど、すぐに手を伸ばしてしまったら、なんとなく会話のきっかけがなくなってしまいそうで。
「今日も、迷われてますね」
横からかけられた声に、肩がびくっと跳ねた。
振り向くと、いつの間にか隣に三浦さん——いや、店員さんが立っている。
手には、品出し用の小さなカゴ。
「す、すみません。毎回同じところで立ち止まってて」
「いえいえ。ここ、みんな迷うんで。種類多いですから」
メガネの奥の目が、ふっと笑う。
「この前おすすめしたやつ、どうでした? ちょっと苦めの」
「あ、あれ。美味しかったです。眠気吹き飛びました」
「ですよね。今日も、けっこう売れてますよ」
そう言って、彼は棚からその缶コーヒーを一本抜き、私の手元にすっと差し出す。
「……じゃあ、今日も、これで」
受け取りながら、指先が少し触れた気がして、心臓が小さく跳ねた。
たぶん向こうは、なんとも思っていない。
私だって、なんとも思っていない……はずなのに。
レジに向かう間の数歩が、やけに長く感じられる。
「温めますか?」
「そのままで大丈夫です」
「かしこまりました。お仕事、遅くまでですか?」
「……はい。まあ、普通の会社員です」
「お疲れさまです」
その言葉が、レジのピッ、ピッという音と一緒に、胸の奥に積もっていく。
会社では、今日も上司に軽く嫌味を言われた。
「若いんだからもっと頑張れるよね」とか、「最近、元気ないんじゃない?」とか。
心配してくれているのか、ただの圧なのか、もうよくわからない。
「ありがとうございました。またお越しくださいませ」
レシートと缶コーヒーを受け取って店を出ると、さっきよりも夜風がやわらかく感じた。
眠れない夜に、ここに来る理由。
それはきっと、缶コーヒーでも、明日の朝ごはんでもなくて。
レジ越しに「お疲れさまです」と言ってくれる、たった一人の人の存在だ。
***
数日後の夜も、私は同じコンビニの前に立っていた。
今日は、いつもより少し遅い。時計は、0時を過ぎている。
「いらっしゃいませー」
自動ドアの向こうから、変わらない声が聞こえて、ほっとする。
今日は、履歴書のコピーを会社のコピー機で取った。
カバンの中に、まだそれが入っている。
——転職活動中なんですか?
もし聞かれたら、なんて答えよう。
そんなことを考えながら、私はまた飲み物コーナーの前で立ち止まる。
「今日は、甘いのどうですか」
ふいに、背後から声がして振り向くと、彼がプリンの新商品のポップを手に立っていた。
「新作出たんで。疲れたときは、糖分大事ですよ」
「……じゃあ、それもください」
思わず笑ってしまう。
彼は「やった」と小さくガッツポーズをして、プリンをカゴに入れた。
レジに向かう途中、カバンの口が少し開いて、中の紙がはみ出した。
「あ、これ」
彼が立ち止まり、床に落ちた紙を拾い上げる。
「あ、すみません!」
慌てて受け取ろうとして、手元を見る。
そこには、さっきコピーしたばかりの履歴書の表紙が、はっきりと印刷されていた。
「……就活中、なんですか?」
彼が、少しだけ慎重な声で尋ねる。
「えっと……」
ごまかそうか、迷う。
「友達の」とか「間違えて持ってきちゃって」とか。
用意しようと思えば、いくらでも言い訳はある。
でも、彼の目は、思っていたより真剣で。
軽い冗談にしてしまうのが、もったいないような気がした。
「……転職、したくて」
自分でも驚くくらい小さな声で、私は言った。
「今の会社、ちょっと……うまくいってなくて。だから、まあ、ぼちぼち探してるところです」
「そうなんですね」
彼は、それ以上何も言わず、レジに履歴書をそっと置いてくれた。
「すみません、見ちゃって」
「いえ……全然」
「でも、すごいです」
「え?」
バーコードを読み取りながら、彼はレジの画面ではなく、私の方をちらりと見る。
「ちゃんと、動いてるから。自分で『ここじゃないかも』って思って、別のところ探してるってことですよね」
「……まあ、そう、ですね」
「自分なんて、まだ勇気出なくて。昼間は別のバイトしてて、夜はここで。やりたいことあるのに、なんとなく毎日が過ぎてってる感じで」
「やりたいこと……?」
思わず聞き返すと、彼は照れたように笑った。
「写真とか、デザインとか。ちゃんと勉強したくて、夜間の専門学校とか見てるんですけど。学費とか、生活とか考えると、なかなか申し込めなくて」
「……そうなんですね」
私より四つも若いのに、ちゃんと「やりたいこと」があるんだ。
それを聞いた瞬間、少しだけ胸がざわついた。
私には、そんなはっきりしたものはない。
ただ、「ここじゃない気がする」というぼんやりした違和感だけ。
「でも、ちゃんと考えてるじゃないですか」
気づいたら、そう口にしていた。
「専門学校のこととか、学費のこととか。怖いけど、どうしようって考えてる時点で、なんか、かっこいいと思います」
「……かっこいい、ですかね」
「はい。少なくとも、何も考えずに流されてるよりは」
自分にも言い聞かせるみたいに、言葉を重ねる。
「佐伯さんは?」
「え?」
「レシート見て、名字覚えちゃいました。変ですよね、すみません」
「い、いえ……」
「佐伯さんも、ちゃんと動いてるから、かっこいいと思いますよ」
レシートと一緒に缶コーヒーとプリンを渡しながら、彼はまっすぐにそう言った。
胸の奥が、じんわりと温かくなる。
「……ありがとうございます」
小さく頭を下げると、彼は少しだけいたずらっぽく笑った。
「また明日も来てくださいね。プリンの感想、聞きたいんで」
「……検討します」
そう返しながら、店を出る。
さっきよりも、夜風が少しだけやわらかい。
「また明日」
その言葉が、レジ越しのただの挨拶以上のものに聞こえて、胸の中で何度も反芻された。
***
それから数週間、私は不規則にコンビニに通い続けた。
仕事で嫌なことがあった日。
転職サイトで、またお祈りメールが届いた日。
面接の日程が決まって、急に現実味が増して怖くなった日。
「面接って、やっぱり緊張しますよね」
「スーツ、久しぶりに着たら、なんか就活生に戻った気分でした」
「それ、絶対似合いますよ。就活生っていうより、できる社会人って感じです」
そんな他愛ない会話が、少しずつ、私の中の本音を引き出していく。
ある日、上司との小さな衝突があった。
ミスをした後輩をかばったら、「いい顔ばっかりしなくていいから」と、冷たく笑われた。
その言葉が、妙に刺さった。
帰り道、気づけば私はコンビニの自動ドアをくぐっていた。
「いらっしゃいませ——あ、佐伯さん」
私の顔を見るなり、彼の表情がふっと和らぐ。
「今日、遅かったですね」
「……ちょっと、いろいろありまして」
飲み物コーナーにも寄らず、レジ前に立つ。
彼は、何も聞かずに「どうぞ」とだけ言って、レジ台に肘をついた。
「会社、辞めるって言っちゃいました」
自分でも驚くくらい、あっさりと口から出た。
「え?」
「今日、退職願、出しました。まだ受理されたわけじゃないけど……多分、もう戻れないと思います」
笑おうとしたけれど、うまく口角が上がらない。
「すごい」
彼は、ぽつりと言った。
「ちゃんと、自分で決めたんですね」
「……怖いですけどね。辞めてからどうするか、全部自分で考えなきゃいけないし。次の会社が今よりひどかったらどうしようとか、考え出したらキリがなくて」
「怖いですよね」
彼はうなずく。
「自分も、願書、印刷してあるんですよ。専門学校の。机の上に置いてあるけど、まだ一枚も書けてなくて」
「……出したいけど、出せないんですね」
「はい。出したら、多分、もう戻れないから」
私たちは、レジ越しに向かい合ったまま、少しだけ黙った。
「でも」
沈黙を破ったのは、彼の方だった。
「怖いってことは、ちゃんと考えてるってことだから。なんも考えずに適当に決める人より、絶対かっこいいですよ」
「さっきから、かっこいいって言いすぎじゃないですか」
思わず笑ってしまう。
「でも、そう思うんで」
彼も笑った。
「こわいけど、ちゃんと考えてる人って、かっこいいですよね」
その言葉が、レジの上をふわりと飛び越えて、私の胸の中に落ちてくる。
「……じゃあ、私も、かっこいい人ってことで」
「もちろんです」
少しだけ、肩の力が抜けた気がした。
「今度、面接があるんです」
ふと思い出して、私は言った。
「今度こそ、ちゃんと自分に合いそうな会社で。うまくいくかどうかはわからないけど」
「いつですか?」
「来週の、水曜日」
「水曜日……」
彼はレジ横のメモ用紙に「水」とだけ書いて、ニヤリと笑った。
「その日、心の中でめっちゃ応援してます」
「ありがとうございます」
「終わったら、感想聞かせてくださいね」
「……ここで、報告します」
そう約束して、私は店を出た。
夜風が、いつもより少しだけ背中を押してくれる気がした。
***
面接当日。
午前中からずっと、胃のあたりが重かった。
それでも、スーツに袖を通し、鏡の前でネクタイもないのに何度も姿勢を直す。
面接は、正直、手応えがあったのかどうかよくわからない。
ただ、少なくとも、今までよりは自分の言葉で話せた気がする。
「御社でスキルアップしたいからです」とか、そういうきれいな言い回しではなくて。
「こういう働き方ができたら、自分が少し好きになれそうで」と、少しだけ本音を混ぜて。
帰りの電車で、窓に映る自分の顔は、ぐったりと疲れていた。
——今日、報告しなきゃ。
頭のどこかでそう思いながら、ベッドに倒れ込む。
缶コーヒーの匂いも、コンビニの白い光も、頭に浮かべながら目を閉じた。
気づいたら、朝だった。
スマホのアラームがけたたましく鳴っている。
昨夜、コンビニに行かなかったことに気づいたのは、その音を止めたあとだった。
「……あ」
約束を、破ってしまった。
胸の奥が、ひやりと冷える。
***
翌日の夜、私は少し早足でコンビニに向かった。
自動ドアが開く。
冷房の風。揚げ物の匂い。
「いらっしゃいませー」
レジに立っていたのは、見慣れない女性の店員さんだった。
「あの……」
思わず、レジに近づく。
「いつもここにいる、メガネの男の子っていうか、三浦さんって……」
「ああ、三浦くんですか?」
彼女は、慣れた様子で答える。
「最近シフト変わったんですよ。夕方とか、早い時間に入ってます」
「そう、なんですね」
「伝えときましょうか? よく来てくれてるお客さんが探してたって」
「いえ、大丈夫です」
慌てて首を振る。
連絡先も知らない。
名前だって、レシートで知っただけだ。
「また明日」は、あくまでレジ越しの挨拶で。
その先に何かを期待するのは、きっと図々しい。
そう思おうとしても、胸の奥のひんやりしたものは、なかなか溶けてくれなかった。
それでも私は、何日か同じ時間帯にコンビニに通い続けた。
けれど、彼に会うことはなかった。
そんなある日、スマホに一本の電話がかかってきた。
「佐伯様でしょうか。先日面接にお越しいただいた——」
受話器の向こうの声が、「内定」という言葉を口にした瞬間、世界が少しだけ明るくなった気がした。
「ありがとうございます。よろしくお願いいたします」
電話を切って、ベッドに腰を下ろす。
嬉しい。
ちゃんと、嬉しい。
でもその次に浮かんできたのは、「この嬉しさを、誰に一番に言いたいんだろう」という考えだった。
家族? 友達? 同期?
胸の中に、黒縁メガネの笑顔が浮かぶ。
——終わったら、感想聞かせてくださいね。
約束は、勝手にすっぽかしてしまったけれど。
「……ずるいな」
小さく呟いて、私は立ち上がった。
***
その日は、雨が降っていた。
コンビニに向かう道は、いつもより暗くて静かだ。
傘に当たる雨音だけが、一定のリズムで耳に届く。
時間を、少しだけずらした。
いつもより、早い時間。
自動ドアの前まで来たとき、店の外で傘をたたんでいる人影が目に入った。
黒縁メガネ。コンビニの制服。
見慣れた横顔。
「……三浦さん?」
思わず、声が出た。
彼が顔を上げる。
一瞬、誰かわからないような表情をしたあと、ぱっと目を見開いた。
「佐伯さん」
「久しぶり、ですね」
「はい。あの、すみません。シフト変わっちゃってて」
「聞きました。夕方とか、早い時間になったって」
「そうなんです。店長に『若いんだから、ちゃんと昼夜逆転直しなさい』って言われて」
苦笑いしながら、彼は傘を畳み終える。
「この前、水曜日……来られなかったですよね」
「……はい。面接の日、帰ってきたらそのまま寝ちゃって。気づいたら朝で」
「ああ、よかった」
「え?」
「いや、なんか。面接うまくいかなくて落ち込んでるのかな、とか。体調崩したのかな、とか。いろいろ考えてたんで」
「心配、してくれてたんですか?」
「そりゃあ、しますよ。レジ越しでも」
照れくさそうに笑うその顔に、胸がきゅっとなった。
「内定、出ました」
雨音に紛れないように、少しだけ大きな声で言う。
「え?」
「この前の面接。内定、もらえました」
彼の顔が、ぱっと明るくなる。
「本当ですか。おめでとうございます!」
「ありがとうございます。……怖いですけどね。新しいところでやっていけるのかとか」
「でも、ちゃんと自分で決めたんですよね」
「はい。こわいけど、考えて決めました」
「やっぱり、かっこいいです」
また、その言葉だ。
「三浦さんは?」
「自分も、願書出しました」
「え?」
「専門学校の。まだ合否は出てないですけど、とりあえず出すとこまでやりました」
「……すごい」
「いや、佐伯さんが退職願出したって言ってたから。なんか、自分も何か出さなきゃなって」
「そんな連鎖、あります?」
「ありますよ。ちゃんと考えて動いてる人見ると、自分も動かなきゃって思うんで」
雨粒が、コンビニの明かりに照らされてきらきら光っている。
「今まで、話聞いてもらえて、すごく助かってました」
気づいたら、口が勝手に動いていた。
「仕事の愚痴とか、転職の不安とか。ここでちょっとしゃべるだけで、なんか、救われてました」
「自分もですよ」
彼は、真面目な顔で言う。
「夜のコンビニって、けっこう孤独なんで。話しかけてもらえると、ちょっと安心します」
「そんなもんですか?」
「そんなもんです」
少し笑い合ったあと、私は深呼吸をした。
心臓が、うるさいくらい鳴っている。
「よかったら、今度ちゃんとお礼させてください」
「お礼?」
「はい。コンビニじゃない場所で」
言ってしまってから、顔が熱くなる。
変じゃないかな。
図々しくないかな。
でも、もう言ってしまった。
彼は一瞬きょとんとして、それからゆっくりと笑った。
「じゃあ、シフト終わりに、近くのカフェとかどうですか」
「カフェ」
「コンビニのイートインじゃなくて、ちゃんとしたやつで」
「……いいですね」
「また明日、じゃなくて」
彼は少しだけ間を置いて、言葉を選ぶみたいに続けた。
「また今度、ですね」
「はい。また今度」
雨音が、少しだけやさしく聞こえた。
***
数日後の夕方、私はカフェの前に立っていた。
約束の時間より、十五分も早い。
落ち着かなくて、スマホの画面を何度も確認する。
新しい会社の入社日も決まった。
きっと、また眠れない夜が来るだろう。
それでも、あのコンビニの白い光と、レジ越しではない距離で会う彼の笑顔を想像すると、胸の奥が少しだけ温かくなる。
「佐伯さん、お待たせしました!」
息を切らせて駆け寄ってくる三浦さんに、私は笑って言う。
「お疲れさまです」
レジ台も、レジ袋もない距離。
その言葉が、少しだけ違って聞こえた。
扉を押して、二人でカフェの中に入る。
これから何度、「また今度」を重ねていけるのかは、まだわからない。
でも、眠れない夜に一人でコンビニに逃げ込んでいた私とは、もう少しだけ違う私でいられる気がした。
——「また明日」じゃなくて、「また今度」。
その約束を信じてみてもいいかもしれない、と初めて思えた夜だった。
そこに行けば、「お疲れさまです」と言ってくれる人が、一人だけいるからだ。
***
ベッドの上で、スマホの画面を見つめたまま、ため息が漏れた。
転職サイトの通知は、今日も静かだ。
メールボックスの一番上に並んでいるのは、数日前に届いた「選考結果のご連絡」という件名のメール。開かなくても、中身はだいたいわかる。
——慎重に選考を進めてまいりました結果、誠に残念ながら……
枕元の時計は、23時を少し回っている。
明日も仕事なのに、まぶたは一向に重くならない。
「……コンビニ、行こ」
自分に言い訳するみたいに、声に出してみる。
ちょっと喉が渇いたし、明日の朝ごはんも買っておきたいし。そういう、どうでもいい理由を並べて、私は部屋を出た。
ワンルームの玄関を開けると、湿った夜風がふわりと頬をなでる。
春と夏の境目の、少しだけ生温い空気。遠くで電車の音がして、近くの道路をタクシーが一台、静かに通り過ぎていく。
マンションから歩いて三分。角を曲がると、小さいけれどやたらと明るいコンビニが見えた。
白い光が、夜の色を押し返しているみたいだ。
自動ドアが開くと、冷房のひんやりした空気と、揚げ物の油の匂いが混ざり合って押し寄せる。
「いらっしゃいませー」
奥のレジから、聞き慣れた声がした。
黒縁メガネに、コンビニの制服。
ネームプレートには「三浦」と書いてある。年齢は、たぶん私より四つか五つは下だろう。
最初にここに来たとき、深夜なのにやたら元気な「いらっしゃいませ」に、ちょっとびくっとした。
でもそのあと、缶コーヒーを手にレジに向かった私に、彼はごく自然に言ったのだ。
「遅くまで、お疲れさまです」
それだけの一言で、なぜか涙が出そうになった。
その日から、眠れない夜にここへ来るのが、私の小さな習慣になった。
***
飲み物コーナーの前で、私はいつものように立ち止まる。
缶コーヒーがずらりと並んでいる棚の前で、どれにしようか、悩むふりをする。
本当は、もうお気に入りは決まっている。けれど、すぐに手を伸ばしてしまったら、なんとなく会話のきっかけがなくなってしまいそうで。
「今日も、迷われてますね」
横からかけられた声に、肩がびくっと跳ねた。
振り向くと、いつの間にか隣に三浦さん——いや、店員さんが立っている。
手には、品出し用の小さなカゴ。
「す、すみません。毎回同じところで立ち止まってて」
「いえいえ。ここ、みんな迷うんで。種類多いですから」
メガネの奥の目が、ふっと笑う。
「この前おすすめしたやつ、どうでした? ちょっと苦めの」
「あ、あれ。美味しかったです。眠気吹き飛びました」
「ですよね。今日も、けっこう売れてますよ」
そう言って、彼は棚からその缶コーヒーを一本抜き、私の手元にすっと差し出す。
「……じゃあ、今日も、これで」
受け取りながら、指先が少し触れた気がして、心臓が小さく跳ねた。
たぶん向こうは、なんとも思っていない。
私だって、なんとも思っていない……はずなのに。
レジに向かう間の数歩が、やけに長く感じられる。
「温めますか?」
「そのままで大丈夫です」
「かしこまりました。お仕事、遅くまでですか?」
「……はい。まあ、普通の会社員です」
「お疲れさまです」
その言葉が、レジのピッ、ピッという音と一緒に、胸の奥に積もっていく。
会社では、今日も上司に軽く嫌味を言われた。
「若いんだからもっと頑張れるよね」とか、「最近、元気ないんじゃない?」とか。
心配してくれているのか、ただの圧なのか、もうよくわからない。
「ありがとうございました。またお越しくださいませ」
レシートと缶コーヒーを受け取って店を出ると、さっきよりも夜風がやわらかく感じた。
眠れない夜に、ここに来る理由。
それはきっと、缶コーヒーでも、明日の朝ごはんでもなくて。
レジ越しに「お疲れさまです」と言ってくれる、たった一人の人の存在だ。
***
数日後の夜も、私は同じコンビニの前に立っていた。
今日は、いつもより少し遅い。時計は、0時を過ぎている。
「いらっしゃいませー」
自動ドアの向こうから、変わらない声が聞こえて、ほっとする。
今日は、履歴書のコピーを会社のコピー機で取った。
カバンの中に、まだそれが入っている。
——転職活動中なんですか?
もし聞かれたら、なんて答えよう。
そんなことを考えながら、私はまた飲み物コーナーの前で立ち止まる。
「今日は、甘いのどうですか」
ふいに、背後から声がして振り向くと、彼がプリンの新商品のポップを手に立っていた。
「新作出たんで。疲れたときは、糖分大事ですよ」
「……じゃあ、それもください」
思わず笑ってしまう。
彼は「やった」と小さくガッツポーズをして、プリンをカゴに入れた。
レジに向かう途中、カバンの口が少し開いて、中の紙がはみ出した。
「あ、これ」
彼が立ち止まり、床に落ちた紙を拾い上げる。
「あ、すみません!」
慌てて受け取ろうとして、手元を見る。
そこには、さっきコピーしたばかりの履歴書の表紙が、はっきりと印刷されていた。
「……就活中、なんですか?」
彼が、少しだけ慎重な声で尋ねる。
「えっと……」
ごまかそうか、迷う。
「友達の」とか「間違えて持ってきちゃって」とか。
用意しようと思えば、いくらでも言い訳はある。
でも、彼の目は、思っていたより真剣で。
軽い冗談にしてしまうのが、もったいないような気がした。
「……転職、したくて」
自分でも驚くくらい小さな声で、私は言った。
「今の会社、ちょっと……うまくいってなくて。だから、まあ、ぼちぼち探してるところです」
「そうなんですね」
彼は、それ以上何も言わず、レジに履歴書をそっと置いてくれた。
「すみません、見ちゃって」
「いえ……全然」
「でも、すごいです」
「え?」
バーコードを読み取りながら、彼はレジの画面ではなく、私の方をちらりと見る。
「ちゃんと、動いてるから。自分で『ここじゃないかも』って思って、別のところ探してるってことですよね」
「……まあ、そう、ですね」
「自分なんて、まだ勇気出なくて。昼間は別のバイトしてて、夜はここで。やりたいことあるのに、なんとなく毎日が過ぎてってる感じで」
「やりたいこと……?」
思わず聞き返すと、彼は照れたように笑った。
「写真とか、デザインとか。ちゃんと勉強したくて、夜間の専門学校とか見てるんですけど。学費とか、生活とか考えると、なかなか申し込めなくて」
「……そうなんですね」
私より四つも若いのに、ちゃんと「やりたいこと」があるんだ。
それを聞いた瞬間、少しだけ胸がざわついた。
私には、そんなはっきりしたものはない。
ただ、「ここじゃない気がする」というぼんやりした違和感だけ。
「でも、ちゃんと考えてるじゃないですか」
気づいたら、そう口にしていた。
「専門学校のこととか、学費のこととか。怖いけど、どうしようって考えてる時点で、なんか、かっこいいと思います」
「……かっこいい、ですかね」
「はい。少なくとも、何も考えずに流されてるよりは」
自分にも言い聞かせるみたいに、言葉を重ねる。
「佐伯さんは?」
「え?」
「レシート見て、名字覚えちゃいました。変ですよね、すみません」
「い、いえ……」
「佐伯さんも、ちゃんと動いてるから、かっこいいと思いますよ」
レシートと一緒に缶コーヒーとプリンを渡しながら、彼はまっすぐにそう言った。
胸の奥が、じんわりと温かくなる。
「……ありがとうございます」
小さく頭を下げると、彼は少しだけいたずらっぽく笑った。
「また明日も来てくださいね。プリンの感想、聞きたいんで」
「……検討します」
そう返しながら、店を出る。
さっきよりも、夜風が少しだけやわらかい。
「また明日」
その言葉が、レジ越しのただの挨拶以上のものに聞こえて、胸の中で何度も反芻された。
***
それから数週間、私は不規則にコンビニに通い続けた。
仕事で嫌なことがあった日。
転職サイトで、またお祈りメールが届いた日。
面接の日程が決まって、急に現実味が増して怖くなった日。
「面接って、やっぱり緊張しますよね」
「スーツ、久しぶりに着たら、なんか就活生に戻った気分でした」
「それ、絶対似合いますよ。就活生っていうより、できる社会人って感じです」
そんな他愛ない会話が、少しずつ、私の中の本音を引き出していく。
ある日、上司との小さな衝突があった。
ミスをした後輩をかばったら、「いい顔ばっかりしなくていいから」と、冷たく笑われた。
その言葉が、妙に刺さった。
帰り道、気づけば私はコンビニの自動ドアをくぐっていた。
「いらっしゃいませ——あ、佐伯さん」
私の顔を見るなり、彼の表情がふっと和らぐ。
「今日、遅かったですね」
「……ちょっと、いろいろありまして」
飲み物コーナーにも寄らず、レジ前に立つ。
彼は、何も聞かずに「どうぞ」とだけ言って、レジ台に肘をついた。
「会社、辞めるって言っちゃいました」
自分でも驚くくらい、あっさりと口から出た。
「え?」
「今日、退職願、出しました。まだ受理されたわけじゃないけど……多分、もう戻れないと思います」
笑おうとしたけれど、うまく口角が上がらない。
「すごい」
彼は、ぽつりと言った。
「ちゃんと、自分で決めたんですね」
「……怖いですけどね。辞めてからどうするか、全部自分で考えなきゃいけないし。次の会社が今よりひどかったらどうしようとか、考え出したらキリがなくて」
「怖いですよね」
彼はうなずく。
「自分も、願書、印刷してあるんですよ。専門学校の。机の上に置いてあるけど、まだ一枚も書けてなくて」
「……出したいけど、出せないんですね」
「はい。出したら、多分、もう戻れないから」
私たちは、レジ越しに向かい合ったまま、少しだけ黙った。
「でも」
沈黙を破ったのは、彼の方だった。
「怖いってことは、ちゃんと考えてるってことだから。なんも考えずに適当に決める人より、絶対かっこいいですよ」
「さっきから、かっこいいって言いすぎじゃないですか」
思わず笑ってしまう。
「でも、そう思うんで」
彼も笑った。
「こわいけど、ちゃんと考えてる人って、かっこいいですよね」
その言葉が、レジの上をふわりと飛び越えて、私の胸の中に落ちてくる。
「……じゃあ、私も、かっこいい人ってことで」
「もちろんです」
少しだけ、肩の力が抜けた気がした。
「今度、面接があるんです」
ふと思い出して、私は言った。
「今度こそ、ちゃんと自分に合いそうな会社で。うまくいくかどうかはわからないけど」
「いつですか?」
「来週の、水曜日」
「水曜日……」
彼はレジ横のメモ用紙に「水」とだけ書いて、ニヤリと笑った。
「その日、心の中でめっちゃ応援してます」
「ありがとうございます」
「終わったら、感想聞かせてくださいね」
「……ここで、報告します」
そう約束して、私は店を出た。
夜風が、いつもより少しだけ背中を押してくれる気がした。
***
面接当日。
午前中からずっと、胃のあたりが重かった。
それでも、スーツに袖を通し、鏡の前でネクタイもないのに何度も姿勢を直す。
面接は、正直、手応えがあったのかどうかよくわからない。
ただ、少なくとも、今までよりは自分の言葉で話せた気がする。
「御社でスキルアップしたいからです」とか、そういうきれいな言い回しではなくて。
「こういう働き方ができたら、自分が少し好きになれそうで」と、少しだけ本音を混ぜて。
帰りの電車で、窓に映る自分の顔は、ぐったりと疲れていた。
——今日、報告しなきゃ。
頭のどこかでそう思いながら、ベッドに倒れ込む。
缶コーヒーの匂いも、コンビニの白い光も、頭に浮かべながら目を閉じた。
気づいたら、朝だった。
スマホのアラームがけたたましく鳴っている。
昨夜、コンビニに行かなかったことに気づいたのは、その音を止めたあとだった。
「……あ」
約束を、破ってしまった。
胸の奥が、ひやりと冷える。
***
翌日の夜、私は少し早足でコンビニに向かった。
自動ドアが開く。
冷房の風。揚げ物の匂い。
「いらっしゃいませー」
レジに立っていたのは、見慣れない女性の店員さんだった。
「あの……」
思わず、レジに近づく。
「いつもここにいる、メガネの男の子っていうか、三浦さんって……」
「ああ、三浦くんですか?」
彼女は、慣れた様子で答える。
「最近シフト変わったんですよ。夕方とか、早い時間に入ってます」
「そう、なんですね」
「伝えときましょうか? よく来てくれてるお客さんが探してたって」
「いえ、大丈夫です」
慌てて首を振る。
連絡先も知らない。
名前だって、レシートで知っただけだ。
「また明日」は、あくまでレジ越しの挨拶で。
その先に何かを期待するのは、きっと図々しい。
そう思おうとしても、胸の奥のひんやりしたものは、なかなか溶けてくれなかった。
それでも私は、何日か同じ時間帯にコンビニに通い続けた。
けれど、彼に会うことはなかった。
そんなある日、スマホに一本の電話がかかってきた。
「佐伯様でしょうか。先日面接にお越しいただいた——」
受話器の向こうの声が、「内定」という言葉を口にした瞬間、世界が少しだけ明るくなった気がした。
「ありがとうございます。よろしくお願いいたします」
電話を切って、ベッドに腰を下ろす。
嬉しい。
ちゃんと、嬉しい。
でもその次に浮かんできたのは、「この嬉しさを、誰に一番に言いたいんだろう」という考えだった。
家族? 友達? 同期?
胸の中に、黒縁メガネの笑顔が浮かぶ。
——終わったら、感想聞かせてくださいね。
約束は、勝手にすっぽかしてしまったけれど。
「……ずるいな」
小さく呟いて、私は立ち上がった。
***
その日は、雨が降っていた。
コンビニに向かう道は、いつもより暗くて静かだ。
傘に当たる雨音だけが、一定のリズムで耳に届く。
時間を、少しだけずらした。
いつもより、早い時間。
自動ドアの前まで来たとき、店の外で傘をたたんでいる人影が目に入った。
黒縁メガネ。コンビニの制服。
見慣れた横顔。
「……三浦さん?」
思わず、声が出た。
彼が顔を上げる。
一瞬、誰かわからないような表情をしたあと、ぱっと目を見開いた。
「佐伯さん」
「久しぶり、ですね」
「はい。あの、すみません。シフト変わっちゃってて」
「聞きました。夕方とか、早い時間になったって」
「そうなんです。店長に『若いんだから、ちゃんと昼夜逆転直しなさい』って言われて」
苦笑いしながら、彼は傘を畳み終える。
「この前、水曜日……来られなかったですよね」
「……はい。面接の日、帰ってきたらそのまま寝ちゃって。気づいたら朝で」
「ああ、よかった」
「え?」
「いや、なんか。面接うまくいかなくて落ち込んでるのかな、とか。体調崩したのかな、とか。いろいろ考えてたんで」
「心配、してくれてたんですか?」
「そりゃあ、しますよ。レジ越しでも」
照れくさそうに笑うその顔に、胸がきゅっとなった。
「内定、出ました」
雨音に紛れないように、少しだけ大きな声で言う。
「え?」
「この前の面接。内定、もらえました」
彼の顔が、ぱっと明るくなる。
「本当ですか。おめでとうございます!」
「ありがとうございます。……怖いですけどね。新しいところでやっていけるのかとか」
「でも、ちゃんと自分で決めたんですよね」
「はい。こわいけど、考えて決めました」
「やっぱり、かっこいいです」
また、その言葉だ。
「三浦さんは?」
「自分も、願書出しました」
「え?」
「専門学校の。まだ合否は出てないですけど、とりあえず出すとこまでやりました」
「……すごい」
「いや、佐伯さんが退職願出したって言ってたから。なんか、自分も何か出さなきゃなって」
「そんな連鎖、あります?」
「ありますよ。ちゃんと考えて動いてる人見ると、自分も動かなきゃって思うんで」
雨粒が、コンビニの明かりに照らされてきらきら光っている。
「今まで、話聞いてもらえて、すごく助かってました」
気づいたら、口が勝手に動いていた。
「仕事の愚痴とか、転職の不安とか。ここでちょっとしゃべるだけで、なんか、救われてました」
「自分もですよ」
彼は、真面目な顔で言う。
「夜のコンビニって、けっこう孤独なんで。話しかけてもらえると、ちょっと安心します」
「そんなもんですか?」
「そんなもんです」
少し笑い合ったあと、私は深呼吸をした。
心臓が、うるさいくらい鳴っている。
「よかったら、今度ちゃんとお礼させてください」
「お礼?」
「はい。コンビニじゃない場所で」
言ってしまってから、顔が熱くなる。
変じゃないかな。
図々しくないかな。
でも、もう言ってしまった。
彼は一瞬きょとんとして、それからゆっくりと笑った。
「じゃあ、シフト終わりに、近くのカフェとかどうですか」
「カフェ」
「コンビニのイートインじゃなくて、ちゃんとしたやつで」
「……いいですね」
「また明日、じゃなくて」
彼は少しだけ間を置いて、言葉を選ぶみたいに続けた。
「また今度、ですね」
「はい。また今度」
雨音が、少しだけやさしく聞こえた。
***
数日後の夕方、私はカフェの前に立っていた。
約束の時間より、十五分も早い。
落ち着かなくて、スマホの画面を何度も確認する。
新しい会社の入社日も決まった。
きっと、また眠れない夜が来るだろう。
それでも、あのコンビニの白い光と、レジ越しではない距離で会う彼の笑顔を想像すると、胸の奥が少しだけ温かくなる。
「佐伯さん、お待たせしました!」
息を切らせて駆け寄ってくる三浦さんに、私は笑って言う。
「お疲れさまです」
レジ台も、レジ袋もない距離。
その言葉が、少しだけ違って聞こえた。
扉を押して、二人でカフェの中に入る。
これから何度、「また今度」を重ねていけるのかは、まだわからない。
でも、眠れない夜に一人でコンビニに逃げ込んでいた私とは、もう少しだけ違う私でいられる気がした。
——「また明日」じゃなくて、「また今度」。
その約束を信じてみてもいいかもしれない、と初めて思えた夜だった。
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