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16 違う方向へ揺れ動く心
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「サラ!?」
シルフィアの背後に控えていたサラが飛び出す。
そのままバランスを崩して固まっているアンドレイの前で両手を広げて立った。
「クッ!?」
予想外のサラの行動にルーカスが反応したが剣の勢いは止まらない。
剣を手放したアンドレイが無理やり体を捻り、太い腕でサラを抱き込む。
「ガッ!?」
軌道が変わった剣先がアンドレイの左肩を突いた。
「騎士団長様!?」
腕の中で叫んだサラに苦痛を隠した声が落ちる。
「怪我はないか?」
「は、はい。私は、平気です」
震えながらもしっかりと答えたサラに琥珀の瞳が緩む。
「それなら、よかった」
「あ、ありがとうございます」
その言葉にアンドレイがフッと笑った。
「いや、礼を言うのはオレのほうだ」
「え?」
見つめ合う二人に焦った声が入った。
「サラ、大丈夫ですか!?」
騎士団長の腕の中にいるサラを心配してシルフィアが手を伸ばす。その後ろには怪訝な顔で状況を見守るルーカスが立つ。
「は、はい。騎士団長様のおかげで大丈夫です」
言葉とともに全身を確認して無事を確認したシルフィアがホッと息を吐きながらサラを抱きしめた。亜麻色の髪がキュッと縮こまり毛先がプルプルと震えている。
「どうして、このような危険なことを……あなたは騎士でも魔導師でもない、普通の女の子なのに」
「だからです」
「え?」
シルフィアが抱きしめていた手を緩めた。
そばかすの上にある大きな目が真っ直ぐシルフィアを見上げる。
「この戦いは本の中のお話ではありません。現実なのです。物語なら、私が割って入るようなことは起きないでしょう。ですが、これは現実で何が起きるか分かりません。人の気持ちも同じです。すべてが本に書かれている通りとは限りません」
サラが言っている意味がわからない、という風に翡翠の瞳が瞬く。
「どういうことですの?」
「お嬢様、現実を見るべき時は、現実を見てください」
「……現実?」
分かっていないシルフィアを諭すようにサラが言葉を続ける。
「物語が悪いわけではありません。ただ、現実と混同しすぎてはいけませ、ん……」
ここでサラの目が閉じて全身から力が抜けた。
「サラ!? サラ、どうしました!?」
ぐったりと脱力した侍女の体をアンドレイが右腕で支える。
「外傷はないがルーカスの殺気をもろに浴びたからな。本来ならオレの前に立った時点で、ルーカスの殺気に呑まれて失神していてもおかしくなかったんだが……気力だけで意識を保っていたんだろう」
前世では強大な魔力のため戦場に駆り出されていたシルフィアにとってルーカスの殺気はそよ風が吹いた程度のもの。しかし、普通の淑女には強すぎる。
そのことを失念していたシルフィアは理解できないとばかりに頭を横に振った。
「どうして、そこまでして……」
「そこまでしてでも、今の言葉を伝えたかったんだろ」
「今の、言葉を……? ですが、物語とはいえ本に書かれている以上、根本にあるのは事実ですよね?」
そう元弟子に確認するように亜麻色の髪を揺らして振り返る。
その視線の先には、少しだけ眉間にシワを寄せて深紅の瞳で見つめるルーカス。その表情に同意の色はなく……
「……違いますの?」
ポツリと戸惑いを含んだ声が訓練場に落ちた。
~~
救国の聖女と呼ばれたシルフィアの前世は、すべての行動を管理されていた。
戦争と枯れた土地を潤す毎日の中で許された行動は魔法書と戦術書を読むことのみ。そのため、本がすべてで、そこに書かれたことが事実で、それが世界だった。
毒殺されて呆気なく生涯を閉じたが、気が付けば伯爵令嬢に転生。
前世と同じ轍を踏まないように考え、現世の判定の儀ではド根性で魔力を隠して無事に無能判定を得た。
そして、実家ではメイド扱いとなったが自由な時間を得たシルフィアは、誰が置いたのか隠すように本棚の奥にあった本を手にした。それは魔法書とは違う、初めて目にする物語が書かれていた。
ドキドキとハラハラに感動が詰まった、宝石のように煌めく眩しい世界。
そんな本の世界にシルフィアがどっぷりと浸かるまでに時間はかからなかった。
「このような世界があったのですね」
最初に触れた本が通常の恋愛モノや冒険モノなどであれば、また未来は違ったかもしれない。
しかし、幸か不幸かシルフィアが読んだのは貴族令息同士の恋愛本であった。
ライバル関係の家柄の二人はお互いに負けてはならないと重圧の中で育てられていた。あいつさえいなければ、という憎しみさえあり、常に競い合う。
だが、とある仮面舞踏会で二人はお互いの素性を知らずに出会い、意気投合して酒を飲み交わした。似たような境遇と環境。会話と酒は進み、好意的な印象を持ってその場は終わった。
こうして仮面舞踏会が開かれる度に言葉を交わす二人。その感情は徐々に変化していく。
友情から愛情へ。
幾度の逢瀬を重ね、ついには想いを打ち明けて結ばれる二人。喜びとともに仮面を外したところで、目の前にはライバル家の子息。この事実に二人は……
物語を読み終えた時、シルフィアは本を抱きしめて呟いた。
「なんて尊く、美しいのでしょう」
前世で魔法書や戦術書など戦に関わる本しか読んだことがなかったため、世間知らずな自覚はあった。
そのため、自分が知らないだけで、このような世界が実際にあるのだと解釈したシルフィアは腐の本を集めて読み漁り、ずぶずぶと腐の沼へ沈んでいった。
しかも、実在の人を題材に使用している話が多いため、根底にある事実を元に物語が書かれていると信じたままに。
どんどんと腐の沼へ沈んでいく状況に伯爵令嬢として、いかがなものかと親しい使用人たちは頭を抱えていた。だが、成長すればするほとシルフィアは義母と義妹から酷い扱いをされるようになり、この趣味が少しでも心の慰めになるなら、と見守っていた。
そして、サラも最初は他の使用人と同じように見守りながらも、腐の物語を愛する同士として行動するようになっていた。
だが、大魔導師がシルフィアへ婚約を申し込み、そこから状況は一変。
シルフィアは実家を出て、ようやく貴族の令嬢らしい暮らしへ。
女主人としての教育も始まり、使用人たちはこれでシルフィアが少しは男女の恋愛へ意識が向くだろうと考えていた。
しかし、実際のところは腐へ突き進む姿勢は変わらず。それどころか、ルーカスからの激重愛情も気づかず、むしろ近くで騎士団長との愛の行く末を見守るという決意を固める始末。
このままではいけないとサラは気を揉んでいたが、己の力では軌道修正できるとは思えず。
その中で起きた今回の決闘劇。
なぜ大魔導師であるルーカスが騎士団長になると言い出したのかは分からないが、シルフィアが関係しているのだろう。そう察したサラは自分にできることがないか必死に考えた。
少しでも現実を見て、ルーカスからの愛に気づいてほしい。そして、腐は腐として楽しんでほしい。
その結果からの行動だったのだが……
「目が覚めました!?」
そばかすの上の大きな目が心配そうなシルフィアを映す。
「お嬢様?」
おずおずとサラが視線だけで周囲を確認すると、そこは先程案内してもらった騎士団の治療室だった。白いシーツが張られた少し固いベッドに寝ている。
自分の状況を把握したサラをシルフィアが覗き込む。
「治療魔法をかけても目を覚まさないので心配いたしました。どこか痛むところは? 調子が悪いところがあります?」
「いえ、大丈夫です。ご心配をおかけして、申し訳ございませ……そういえば、騎士団長様は!?」
自分を庇って左肩に模擬剣を受けていた。
あれだけの打撃だ。打撲か骨折をしていてもおかしくない。
徐々に鮮明になっていく記憶に押されるように慌てて体を起こすサラ。
そこに騎士団長の声がした。
「俺は大丈夫だ」
ベッドの足元へ視線をむければ、自然な姿勢のまま赤髪を揺らして立つアンドレイ。表情は普通で、どこにも怪我はないように見える。
そして、その隣にはいつも通りの不機嫌顔のまま胸の前で腕を組んでいるルーカス。
そんな二人の姿を見たサラは急いでベッドから降りて頭をさげた。
「決闘に水を差すようなことをいたしまして、申し訳ございませんでした」
深々とさがった赤茶色の髪にアンドレイが慌てる。
「いや、それは気にしないでくれ。そのおかげで俺は顔を潰されずに済んだしな」
「ですが、大切な肩にお怪我を……」
その言葉を封じるようにシルフィアがサラに説明をした。
「私が治療魔法で治しましたから。顔をあげてベッドに座ってください。急に動いたら体にさわりますわ」
しかし、サラは動くことなく目を丸くしてシルフィアへ視線を動かした。
シルフィアの背後に控えていたサラが飛び出す。
そのままバランスを崩して固まっているアンドレイの前で両手を広げて立った。
「クッ!?」
予想外のサラの行動にルーカスが反応したが剣の勢いは止まらない。
剣を手放したアンドレイが無理やり体を捻り、太い腕でサラを抱き込む。
「ガッ!?」
軌道が変わった剣先がアンドレイの左肩を突いた。
「騎士団長様!?」
腕の中で叫んだサラに苦痛を隠した声が落ちる。
「怪我はないか?」
「は、はい。私は、平気です」
震えながらもしっかりと答えたサラに琥珀の瞳が緩む。
「それなら、よかった」
「あ、ありがとうございます」
その言葉にアンドレイがフッと笑った。
「いや、礼を言うのはオレのほうだ」
「え?」
見つめ合う二人に焦った声が入った。
「サラ、大丈夫ですか!?」
騎士団長の腕の中にいるサラを心配してシルフィアが手を伸ばす。その後ろには怪訝な顔で状況を見守るルーカスが立つ。
「は、はい。騎士団長様のおかげで大丈夫です」
言葉とともに全身を確認して無事を確認したシルフィアがホッと息を吐きながらサラを抱きしめた。亜麻色の髪がキュッと縮こまり毛先がプルプルと震えている。
「どうして、このような危険なことを……あなたは騎士でも魔導師でもない、普通の女の子なのに」
「だからです」
「え?」
シルフィアが抱きしめていた手を緩めた。
そばかすの上にある大きな目が真っ直ぐシルフィアを見上げる。
「この戦いは本の中のお話ではありません。現実なのです。物語なら、私が割って入るようなことは起きないでしょう。ですが、これは現実で何が起きるか分かりません。人の気持ちも同じです。すべてが本に書かれている通りとは限りません」
サラが言っている意味がわからない、という風に翡翠の瞳が瞬く。
「どういうことですの?」
「お嬢様、現実を見るべき時は、現実を見てください」
「……現実?」
分かっていないシルフィアを諭すようにサラが言葉を続ける。
「物語が悪いわけではありません。ただ、現実と混同しすぎてはいけませ、ん……」
ここでサラの目が閉じて全身から力が抜けた。
「サラ!? サラ、どうしました!?」
ぐったりと脱力した侍女の体をアンドレイが右腕で支える。
「外傷はないがルーカスの殺気をもろに浴びたからな。本来ならオレの前に立った時点で、ルーカスの殺気に呑まれて失神していてもおかしくなかったんだが……気力だけで意識を保っていたんだろう」
前世では強大な魔力のため戦場に駆り出されていたシルフィアにとってルーカスの殺気はそよ風が吹いた程度のもの。しかし、普通の淑女には強すぎる。
そのことを失念していたシルフィアは理解できないとばかりに頭を横に振った。
「どうして、そこまでして……」
「そこまでしてでも、今の言葉を伝えたかったんだろ」
「今の、言葉を……? ですが、物語とはいえ本に書かれている以上、根本にあるのは事実ですよね?」
そう元弟子に確認するように亜麻色の髪を揺らして振り返る。
その視線の先には、少しだけ眉間にシワを寄せて深紅の瞳で見つめるルーカス。その表情に同意の色はなく……
「……違いますの?」
ポツリと戸惑いを含んだ声が訓練場に落ちた。
~~
救国の聖女と呼ばれたシルフィアの前世は、すべての行動を管理されていた。
戦争と枯れた土地を潤す毎日の中で許された行動は魔法書と戦術書を読むことのみ。そのため、本がすべてで、そこに書かれたことが事実で、それが世界だった。
毒殺されて呆気なく生涯を閉じたが、気が付けば伯爵令嬢に転生。
前世と同じ轍を踏まないように考え、現世の判定の儀ではド根性で魔力を隠して無事に無能判定を得た。
そして、実家ではメイド扱いとなったが自由な時間を得たシルフィアは、誰が置いたのか隠すように本棚の奥にあった本を手にした。それは魔法書とは違う、初めて目にする物語が書かれていた。
ドキドキとハラハラに感動が詰まった、宝石のように煌めく眩しい世界。
そんな本の世界にシルフィアがどっぷりと浸かるまでに時間はかからなかった。
「このような世界があったのですね」
最初に触れた本が通常の恋愛モノや冒険モノなどであれば、また未来は違ったかもしれない。
しかし、幸か不幸かシルフィアが読んだのは貴族令息同士の恋愛本であった。
ライバル関係の家柄の二人はお互いに負けてはならないと重圧の中で育てられていた。あいつさえいなければ、という憎しみさえあり、常に競い合う。
だが、とある仮面舞踏会で二人はお互いの素性を知らずに出会い、意気投合して酒を飲み交わした。似たような境遇と環境。会話と酒は進み、好意的な印象を持ってその場は終わった。
こうして仮面舞踏会が開かれる度に言葉を交わす二人。その感情は徐々に変化していく。
友情から愛情へ。
幾度の逢瀬を重ね、ついには想いを打ち明けて結ばれる二人。喜びとともに仮面を外したところで、目の前にはライバル家の子息。この事実に二人は……
物語を読み終えた時、シルフィアは本を抱きしめて呟いた。
「なんて尊く、美しいのでしょう」
前世で魔法書や戦術書など戦に関わる本しか読んだことがなかったため、世間知らずな自覚はあった。
そのため、自分が知らないだけで、このような世界が実際にあるのだと解釈したシルフィアは腐の本を集めて読み漁り、ずぶずぶと腐の沼へ沈んでいった。
しかも、実在の人を題材に使用している話が多いため、根底にある事実を元に物語が書かれていると信じたままに。
どんどんと腐の沼へ沈んでいく状況に伯爵令嬢として、いかがなものかと親しい使用人たちは頭を抱えていた。だが、成長すればするほとシルフィアは義母と義妹から酷い扱いをされるようになり、この趣味が少しでも心の慰めになるなら、と見守っていた。
そして、サラも最初は他の使用人と同じように見守りながらも、腐の物語を愛する同士として行動するようになっていた。
だが、大魔導師がシルフィアへ婚約を申し込み、そこから状況は一変。
シルフィアは実家を出て、ようやく貴族の令嬢らしい暮らしへ。
女主人としての教育も始まり、使用人たちはこれでシルフィアが少しは男女の恋愛へ意識が向くだろうと考えていた。
しかし、実際のところは腐へ突き進む姿勢は変わらず。それどころか、ルーカスからの激重愛情も気づかず、むしろ近くで騎士団長との愛の行く末を見守るという決意を固める始末。
このままではいけないとサラは気を揉んでいたが、己の力では軌道修正できるとは思えず。
その中で起きた今回の決闘劇。
なぜ大魔導師であるルーカスが騎士団長になると言い出したのかは分からないが、シルフィアが関係しているのだろう。そう察したサラは自分にできることがないか必死に考えた。
少しでも現実を見て、ルーカスからの愛に気づいてほしい。そして、腐は腐として楽しんでほしい。
その結果からの行動だったのだが……
「目が覚めました!?」
そばかすの上の大きな目が心配そうなシルフィアを映す。
「お嬢様?」
おずおずとサラが視線だけで周囲を確認すると、そこは先程案内してもらった騎士団の治療室だった。白いシーツが張られた少し固いベッドに寝ている。
自分の状況を把握したサラをシルフィアが覗き込む。
「治療魔法をかけても目を覚まさないので心配いたしました。どこか痛むところは? 調子が悪いところがあります?」
「いえ、大丈夫です。ご心配をおかけして、申し訳ございませ……そういえば、騎士団長様は!?」
自分を庇って左肩に模擬剣を受けていた。
あれだけの打撃だ。打撲か骨折をしていてもおかしくない。
徐々に鮮明になっていく記憶に押されるように慌てて体を起こすサラ。
そこに騎士団長の声がした。
「俺は大丈夫だ」
ベッドの足元へ視線をむければ、自然な姿勢のまま赤髪を揺らして立つアンドレイ。表情は普通で、どこにも怪我はないように見える。
そして、その隣にはいつも通りの不機嫌顔のまま胸の前で腕を組んでいるルーカス。
そんな二人の姿を見たサラは急いでベッドから降りて頭をさげた。
「決闘に水を差すようなことをいたしまして、申し訳ございませんでした」
深々とさがった赤茶色の髪にアンドレイが慌てる。
「いや、それは気にしないでくれ。そのおかげで俺は顔を潰されずに済んだしな」
「ですが、大切な肩にお怪我を……」
その言葉を封じるようにシルフィアがサラに説明をした。
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しかし、サラは動くことなく目を丸くしてシルフィアへ視線を動かした。
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