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20 神殿の内部と小さな変化
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シルフィアはピッタリと体を寄せるルーカスとともに白い石段をのぼり、神殿の中へ入った。
王城のホールよりも高い天井の広間。
その左右の壁の高い位置にある窓から太陽の光がカーテンのように降り注ぎ、鏡のように磨き上げられた床を照らす。真っ白な柱が等間隔に並び、どこからともなく水が流れる音と浄化の香の匂いが鼻をかすめる。
そのまま足を進めると、奥に祭壇があった。
「……王都の神殿は大きいのですね」
前世で聖女として前線で戦っている時に訪れた神殿はもっとこじんまりとしており、壁もすぐ近くにあった。しかし、この神殿は広すぎて壁が遠い。さすがにここまで離れていると壁にかけられた防御魔法などの分析ができない。
少しでも壁の近くへ行こうとするが、黒い手がしっかりと腰を掴んで前に進む以外は動けず。
シルフィアのもどかしい気持ちを表すように亜麻色の髪の毛先がウネウネぐねぐねと絡まるように動く。
そこに先を歩く神官長が祭壇の上に飾られた深紅の旗を手で指し示した。そこには聖女の象徴であるユリと水晶の紋章が刺繍で描かれている。
「この神殿は救国の聖女が育ち、天へと旅立たれた神聖な場所です。そして、この旗は救国の聖女が戦場で傷ついた騎士たちを鼓舞する象徴として使われて参りました。戦場がどのような窮地で絶望に包まれていようとも、この旗が現れた瞬間、味方の騎士たちの歓声が響き、敵は悲鳴とともに逃げ出しました。そして、戦により枯れ果てた畑を魔法で実り豊かな土地へと戻し、民を飢えから救いました」
「……随分と救国の聖女を崇拝しているんだな。神殿は本来、神のみを奉るはずだが?」
ルーカスの警戒を含んだ問いに神官長が優美な笑みを浮かべたまま説明をする。
「別に神殿は神以外の崇拝を禁止してはおりません。地方では、その土地に貢献した者を聖人として神とともに崇拝しているところもあります。救国の聖女は先程、語ったこと以外にも様々な奇跡を起こしており、この神殿では神と同等に奉っております」
その説明に黒い眉がピクリと動いた。
「どういうことだ?」
ルーカスの問いに神官長が意外とばかりに大きく灰色の瞳を丸くした。
「まさか、誰よりも救国の聖女の側にいた大魔導師が聖女の功績を知らないのですか?」
その言葉に黒い手がシルフィアの体から離れ、怒りとともに足を踏み出した。
「その話ではない! いつから、この神殿で聖女を奉るようになった!?」
「私が神官長に就任してからです」
平然と答える神官長に対して、黒い髪がブワリと逆立つ。
「聖女の自由を奪い、戦争に利用して、国のためと使役させ、最期は毒殺したくせに、死んだあとまで利用するのか!? 何故、静かに眠らせない!?」
ピリピリと空気が振動して参拝に来ていた人々が小さな悲鳴とともに足早に去っていく。
人気がなくなった広間で、ルーカスの怒鳴り声にも威圧にも平然としている神官長が微笑みを浮かべたまま悠然と両手を広げた。
「もちろん聖女は静かに眠っておりますよ。聖女の墓はこの奥にあり、誰も立ち入ることができませんから」
「貴様以外、立ち入れないだろ!」
「私は墓の管理のために必要な時だけ足を踏み入れているだけで、聖女の眠りは邪魔しておりません」
「ならば、それだけで十分だろ! 何故、奉る必要がある!?」
怒鳴り声とともに風が巻き上がる。
その風が疾風となり奉られている聖女の旗に向かって駆けた。そのことに神官長が素早く手を動かす。
『光の壁、闇の盾、緑の守り、我が声に応え禍を遠ざけよ』
詠唱とともに疾風が弾かれ、聖女の旗は微かに揺れただけで終わった。
その光景に深紅の瞳がますます鋭くなる。
ルーカスが黒い手袋で隠している手の甲に描いた魔法陣に魔力を流そうとしたところで、白い手が触れた。
「神殿で争いはご法度ですよ」
穏やかだが強めの声音と、珍しく厳しい眼差し。
いつもと違うシルフィアの様子にルーカスが怒りを収めつつ反論しようとする。
「ですが……」
「ルカ」
言葉を重ねて忠告する。
その鋭い翡翠の瞳に聖女の姿が重なり、ルーカスは目を伏せた。
「……はい、すみませんでした」
黒い髪がシュンと沈む。
怒られた大型犬のような様相にシルフィアがヨシヨシと頭を撫でる。
「ちゃんと謝れて、偉いですよ」
その手の温もりにルーカスは聖女に拾われた頃を思い出した。
黒髪と赤い目のため、不吉な子として誰からも触れられることがなかった。どうやって生きていたのかも記憶にない。人々が戦で争う中で食べ物を奪い、隠れていた。
そんな中で現れた一筋の光。
差し出され、初めて触れた手は不思議なぬくもりだった。
警戒しながらも、このぬくもりが欲しくて。いつか捨てられるかもしれない、消えるかもしれない、という恐怖を抱えながら、それでも近くにいたい、離れたくないと、しがみついて。
隣にいるために猛勉強をして、魔法を教わって、とにかく必死だった。
それなのに、知らない奴らが聖女を奪い、殺した。
「……ルカ?」
その声に意識が戻る。
不思議そうに覗き込む翡翠の瞳。その姿にルーカスは手を伸ばしていた。
「え?」
ギュッと力強く小さな体を抱きしめる。
「今度は奪わせない」
その小さすぎる呟きはシルフィアの耳に届かず。
「どうしました? やはり、調子が悪いのですか?」
その言葉にフッと息を吐いて力を抜いた。
すべての感情に蓋をして愛おしい人へ視線を落とす。
「いえ、大丈夫です」
眉尻をさげ、どこか苦しそうなのに口角をあげて微笑みを作る。
深紅の瞳は感情が見えず、光がない。
初めて見るルーカスの表情にシルフィアの思考が止まった。
近くにいて、誰よりも見ているはずなのに、まるで知らない人のような……
「……ルカ?」
口からこぼれた名を拾うようにルーカスがシルフィアの手を握る。
「はい」
その手も声も普段と同じ……はずなのに、胸がなんとなく重いようなキュッと絞まるような感覚がして。
「……帰りましょうか?」
気が付けば言葉が出ていた。
まだ神殿の壁を調べていないし、神官の生活も見ていない。目標は何も達成されていないのに、なぜ帰ろうと言ってしまったのか。
自分の発言に表情に出さないまま唖然としているシルフィアに対して、ルーカスが嬉しそうに頷く。
「はい。次へ行きましょう」
そのいつもと変わらない様子に心の中でホッと息を吐く。
すると、黒い手袋をした大きな手が肩を引き寄せた。
「あっ……」
勢いがあまって厚い胸板にポスンと埋もれる。耳から聞こえる鼓動と、頬に触れる筋肉の感触とぬくもり。記憶の中にある痩せて小さかった体とも、成長途中の細い体とも違う。立派な成人した男の体。
そのことを認識した瞬間、一気にシルフィアの顔が熱くなった。どうにか体を離そうとするが逞しい腕が抱きしめていて動けない。
亜麻色の髪があたふたとしている一方で、そのことに気づいていないルーカスは平然と神官長に言った。
「この件については検討事案として王へ報告する」
「どうぞ、ご自由に」
睨みに怯むことなく悠然と微笑んでいる神官長に対し、ルーカスは眉間のシワを深くする。そして、不機嫌顔のままシルフィアへ声をかけながら踵を返した。
「さっさと行きましょう、師匠」
最後の単語に白銀の眉がピクリと動く。
だが、背を向けて歩き出していたルーカスはそのことに気づくことはなかった。
王城のホールよりも高い天井の広間。
その左右の壁の高い位置にある窓から太陽の光がカーテンのように降り注ぎ、鏡のように磨き上げられた床を照らす。真っ白な柱が等間隔に並び、どこからともなく水が流れる音と浄化の香の匂いが鼻をかすめる。
そのまま足を進めると、奥に祭壇があった。
「……王都の神殿は大きいのですね」
前世で聖女として前線で戦っている時に訪れた神殿はもっとこじんまりとしており、壁もすぐ近くにあった。しかし、この神殿は広すぎて壁が遠い。さすがにここまで離れていると壁にかけられた防御魔法などの分析ができない。
少しでも壁の近くへ行こうとするが、黒い手がしっかりと腰を掴んで前に進む以外は動けず。
シルフィアのもどかしい気持ちを表すように亜麻色の髪の毛先がウネウネぐねぐねと絡まるように動く。
そこに先を歩く神官長が祭壇の上に飾られた深紅の旗を手で指し示した。そこには聖女の象徴であるユリと水晶の紋章が刺繍で描かれている。
「この神殿は救国の聖女が育ち、天へと旅立たれた神聖な場所です。そして、この旗は救国の聖女が戦場で傷ついた騎士たちを鼓舞する象徴として使われて参りました。戦場がどのような窮地で絶望に包まれていようとも、この旗が現れた瞬間、味方の騎士たちの歓声が響き、敵は悲鳴とともに逃げ出しました。そして、戦により枯れ果てた畑を魔法で実り豊かな土地へと戻し、民を飢えから救いました」
「……随分と救国の聖女を崇拝しているんだな。神殿は本来、神のみを奉るはずだが?」
ルーカスの警戒を含んだ問いに神官長が優美な笑みを浮かべたまま説明をする。
「別に神殿は神以外の崇拝を禁止してはおりません。地方では、その土地に貢献した者を聖人として神とともに崇拝しているところもあります。救国の聖女は先程、語ったこと以外にも様々な奇跡を起こしており、この神殿では神と同等に奉っております」
その説明に黒い眉がピクリと動いた。
「どういうことだ?」
ルーカスの問いに神官長が意外とばかりに大きく灰色の瞳を丸くした。
「まさか、誰よりも救国の聖女の側にいた大魔導師が聖女の功績を知らないのですか?」
その言葉に黒い手がシルフィアの体から離れ、怒りとともに足を踏み出した。
「その話ではない! いつから、この神殿で聖女を奉るようになった!?」
「私が神官長に就任してからです」
平然と答える神官長に対して、黒い髪がブワリと逆立つ。
「聖女の自由を奪い、戦争に利用して、国のためと使役させ、最期は毒殺したくせに、死んだあとまで利用するのか!? 何故、静かに眠らせない!?」
ピリピリと空気が振動して参拝に来ていた人々が小さな悲鳴とともに足早に去っていく。
人気がなくなった広間で、ルーカスの怒鳴り声にも威圧にも平然としている神官長が微笑みを浮かべたまま悠然と両手を広げた。
「もちろん聖女は静かに眠っておりますよ。聖女の墓はこの奥にあり、誰も立ち入ることができませんから」
「貴様以外、立ち入れないだろ!」
「私は墓の管理のために必要な時だけ足を踏み入れているだけで、聖女の眠りは邪魔しておりません」
「ならば、それだけで十分だろ! 何故、奉る必要がある!?」
怒鳴り声とともに風が巻き上がる。
その風が疾風となり奉られている聖女の旗に向かって駆けた。そのことに神官長が素早く手を動かす。
『光の壁、闇の盾、緑の守り、我が声に応え禍を遠ざけよ』
詠唱とともに疾風が弾かれ、聖女の旗は微かに揺れただけで終わった。
その光景に深紅の瞳がますます鋭くなる。
ルーカスが黒い手袋で隠している手の甲に描いた魔法陣に魔力を流そうとしたところで、白い手が触れた。
「神殿で争いはご法度ですよ」
穏やかだが強めの声音と、珍しく厳しい眼差し。
いつもと違うシルフィアの様子にルーカスが怒りを収めつつ反論しようとする。
「ですが……」
「ルカ」
言葉を重ねて忠告する。
その鋭い翡翠の瞳に聖女の姿が重なり、ルーカスは目を伏せた。
「……はい、すみませんでした」
黒い髪がシュンと沈む。
怒られた大型犬のような様相にシルフィアがヨシヨシと頭を撫でる。
「ちゃんと謝れて、偉いですよ」
その手の温もりにルーカスは聖女に拾われた頃を思い出した。
黒髪と赤い目のため、不吉な子として誰からも触れられることがなかった。どうやって生きていたのかも記憶にない。人々が戦で争う中で食べ物を奪い、隠れていた。
そんな中で現れた一筋の光。
差し出され、初めて触れた手は不思議なぬくもりだった。
警戒しながらも、このぬくもりが欲しくて。いつか捨てられるかもしれない、消えるかもしれない、という恐怖を抱えながら、それでも近くにいたい、離れたくないと、しがみついて。
隣にいるために猛勉強をして、魔法を教わって、とにかく必死だった。
それなのに、知らない奴らが聖女を奪い、殺した。
「……ルカ?」
その声に意識が戻る。
不思議そうに覗き込む翡翠の瞳。その姿にルーカスは手を伸ばしていた。
「え?」
ギュッと力強く小さな体を抱きしめる。
「今度は奪わせない」
その小さすぎる呟きはシルフィアの耳に届かず。
「どうしました? やはり、調子が悪いのですか?」
その言葉にフッと息を吐いて力を抜いた。
すべての感情に蓋をして愛おしい人へ視線を落とす。
「いえ、大丈夫です」
眉尻をさげ、どこか苦しそうなのに口角をあげて微笑みを作る。
深紅の瞳は感情が見えず、光がない。
初めて見るルーカスの表情にシルフィアの思考が止まった。
近くにいて、誰よりも見ているはずなのに、まるで知らない人のような……
「……ルカ?」
口からこぼれた名を拾うようにルーカスがシルフィアの手を握る。
「はい」
その手も声も普段と同じ……はずなのに、胸がなんとなく重いようなキュッと絞まるような感覚がして。
「……帰りましょうか?」
気が付けば言葉が出ていた。
まだ神殿の壁を調べていないし、神官の生活も見ていない。目標は何も達成されていないのに、なぜ帰ろうと言ってしまったのか。
自分の発言に表情に出さないまま唖然としているシルフィアに対して、ルーカスが嬉しそうに頷く。
「はい。次へ行きましょう」
そのいつもと変わらない様子に心の中でホッと息を吐く。
すると、黒い手袋をした大きな手が肩を引き寄せた。
「あっ……」
勢いがあまって厚い胸板にポスンと埋もれる。耳から聞こえる鼓動と、頬に触れる筋肉の感触とぬくもり。記憶の中にある痩せて小さかった体とも、成長途中の細い体とも違う。立派な成人した男の体。
そのことを認識した瞬間、一気にシルフィアの顔が熱くなった。どうにか体を離そうとするが逞しい腕が抱きしめていて動けない。
亜麻色の髪があたふたとしている一方で、そのことに気づいていないルーカスは平然と神官長に言った。
「この件については検討事案として王へ報告する」
「どうぞ、ご自由に」
睨みに怯むことなく悠然と微笑んでいる神官長に対し、ルーカスは眉間のシワを深くする。そして、不機嫌顔のままシルフィアへ声をかけながら踵を返した。
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