2 / 2
美味しいデザートで幸せです
しおりを挟む
「おや、まぁ。おじいさんを助けてくれて、ありがとうね。私はマリーだよ」
家に招かれた私はコボルトさんの妻のマリーさんに迎えられた。
「助けていただいたのは私の方です。あのままだったら、今晩寝る場所もありませんでしたから」
「まぁ、まぁ。たいしたものはないけど、屋根とベッドはあるからね。埃をかぶっているから掃除をしないといけないけど」
その言葉の通り、離れの家はだいぶん埃を被っていた。
でも、テーブルや椅子、棚など必要な家具は揃っている。私は掃除道具を借りて部屋を掃除した。
数時間後。
離れを訪れたマリーさんが驚いた顔になる。
「おや、まぁ。この短時間でえらい綺麗になったね」
「そ、そうですか?」
久しぶりに褒められた私は嬉しくも恥ずかしくなって目を伏せた。
義母から毎日、家の掃除をさせられていた。しかも、少しでも埃が残っていたら叱咤叱責の嵐。ここの離れは隅々まで綺麗になったとは言えない。それなのに褒められてしまった。
くすぐったい気持ちに戸惑っていると、肩にのっているモフが私の頬に顔をこすりつけてきた。
「もう、モフったら」
じゃれるモフをマリーさんが覗き込む。
「おや、珍しい。幸運のモフじゃないか」
「幸運のモフ?」
「そうだよ。額についた宝石がその証さ。懐いた人に幸運をもたらす動物って言われているんだ」
「へぇ。知らずにモフって名前を付けたけど、合ってたんだ」
喜ぶ私をモフが睨む。私はワザと気づいていないフリをしていると、マリーさんが言った。
「でも、あまり他の人には見られないようにした方がいいよ。モフを奪おうとする悪いヤツもいるからね」
「え?」
思わずモフを抱きしめる。キュェと苦しそうな声があがった。
「あ、ごめん! ごめん!」
腕を緩めるとペシペシと叩かれた。痛くないけど。
私たちの様子をマリーさんが苦笑いとともに見つめる。
「モフは懐いた人には幸運をもたらすけど、無理やり手に入れようとした人には不幸をもたらすって言われているから、手を出す人はそうそういないとは思うけどね。気を付けることに越したこたことはないよ。特にここは港町だから、いろんな人が出入りするし」
「……気を付けます」
ちゃんと気を付けているつもりだったのに――――
コボルトさんから離れを借り、港町で仕入れられる薬草を使って簡単な薬を作って売るようになった。よく効く薬と噂になり徐々に客が増え、私はそこそこ忙しい生活をしていた。
そんな、ある日。
「砂糖と牛乳と卵は買ったし……あと星屑の実を買うだけね。これがないと、あのデザートは作れないから」
「きゅ!」
私の胸でモフが手をあげて返事をする。
ここは港町だけあって、様々な文化が行き交う。その中には私が知らなかった美味しい料理も。特に最近、ハマったのはマリーさんに作り方を教えてもらったデザートで。
「モフも好きだもんね。帰ったらマリーさんの家にある保冷庫を借りて作ろうね」
「きゅぅ!」
話しをしながら裏通りに入り、顔なじみになった店に入ろうとした瞬間。
「んぅ!?」
背後から布で口を覆われ、甘い香りとともに意識を失った。
※
「ちょっと、起きなさいよ」
癇癪混りの高い、久しく聞いていなかった義妹の声だ。
促されて目を開けると後ろ手に縛られて固い床に転がされていた。レンガ造りの倉庫のような場所。港の近くに多くある。
木箱をバックに義妹が仁王立ちのまま私を見下ろし、屈強な男たちが私たちを囲んでいた。
「……なにか用?」
義妹が忌々しそうに私を睨む。
「薬の調合レシピ。どこにあるのか言いなさい」
「調合室の本棚に全部あるわ」
「嘘おっしゃい!」
義妹が手を振る。男の一人が私を乱暴に持ち上げた。
「レシピ通りに作っても薬の効き目が薄いのよ。レシピの一部を盗んだんでしょ!?」
薬はレシピ通りに作ればできる。ただ、口頭で伝わっているレシピもあり、それと合わせなければ本来の効力は発揮されない。私は父から教わり、義妹も同じように教わっていた。
ただ義妹は真面目に聞いているようで聞いていなかったため覚えていないのだろう。
「……」
無言でいる私に義妹が近づく。
「言わないなら、言いたくなるようにするまでよ」
パシッ!
頬に鈍い痛みが走った。義妹が手の中で鞭をポンポンと軽く遊ばせる。
ここで声を出せば五月蠅いとますます叩かれる。
私は黙ったまま視線を床にむけた。
「強情なのは変わらずのようね。でも、これならどうかしら?」
少しだけ視線をあげると、男が気絶したモフの首根っこを持ってぶら下げていた。
「やめて!」
義妹が楽しそうに口の端を緩め、鞭をモフに近づける。
「わかった! 全部、教えるから! 父から教わったレシピを全部、教えるからモフには手を出さないで!」
私の叫びに義妹が満足そうに目を細める。
「最初っからそう言えばいいのよ。余計な手間をかけさせないでちょうだい」
ここで義妹の動きが止まる。
「あら。この獣、高そうな宝石なんて付けてるじゃない。生意気ね」
ゆっくりと手がモフの額に伸びる。宝石はモフに引っ付いていて簡単に取れるものではない。無理に取ろうとすればモフが傷つく。
「ダメ! 取らないで!」
「なに言っているの。こんな獣にあるより私が身に着けたほうが宝石も輝くわよ」
長い爪がモフの額の宝石に触れた瞬間――――
「なに!?」
白い閃光が世界を消す。強すぎる光に視界を奪われ、何も見えなくなった。次に聞こえたのは小さなうめき声。でも、何が起きているか分からない。
そこに縛っていた縄が解かれた。
「え……?」
自由になった手を前にもってくる。やっと視界に色が戻ってきた。
囲んでいた男たちと義妹が苦悶の表情とともに足元に転がっている。
「なにが起きたの?」
驚く私を柔らかな毛が包み込んだ。この触り心地は……
「モフ!?」
振り返ると見たことがないほど端正な顔立ちの青年がいた。
ふわふわとした白銀の長髪。真っ青な瞳の涼やかな目。高すぎない鼻に薄い唇。美麗ながらも、しっかりとした肩幅に厚い胸板。逞しい腕が私を包み込むように抱きしめる。
「クロエ……よかった」
爽やかなジャスミンの香り。
「……モフ、なの?」
私の問いに端正な顔がとろけるように笑う。
「そうだよ」
「え? えぇ!? でも、なんっ!? 人!?」
慌てる私の耳にモフが囁く。
「まだ、魔力が足りなくて人の姿を維持するのが難しいんだ。でも、もう少しすれば……だから、それまで待ってて」
「待つ? 何を待つの?」
顔をあげた私にモフがふわりと微笑む。
ポンッ!
軽い音とともにモフがいつものモフになった。
「……モフ?」
「きゅ!」
モフが元気よく片手をあげて応えた。
※
あれから義妹はどうなったか分からない。ただ、風の噂で私の実家は不運が続き、薬師としての営業ができなくなったとか。
「そう言えば、マリーさんが幸運のモフを無理やり手に入れようとしたら不運になるって言ってたけど…………何かしたの?」
「きゅぅ~?」
ワザとらしく小首を傾げるモフ。待ってて、という言葉の意味も気になるけど、今は自分の生活が一番!
私は最近の楽しみであるデザートタイムを堪能するために保冷庫を開けた。
「保冷庫を買うために頑張って仕事したもんね。これでいつでも作って食べられるよ」
「きゅ!」
皿の上にのった黄色のプルプルふるえる楕円形のデザート。上には茶色のカラメルソース。
「いっただっきま~す!」
「きゅきゅ~」
テーブルに座った私たちは揃って冷たく柔らかいデザートを口に入れた。
「ん~! 幸せ!」
家に招かれた私はコボルトさんの妻のマリーさんに迎えられた。
「助けていただいたのは私の方です。あのままだったら、今晩寝る場所もありませんでしたから」
「まぁ、まぁ。たいしたものはないけど、屋根とベッドはあるからね。埃をかぶっているから掃除をしないといけないけど」
その言葉の通り、離れの家はだいぶん埃を被っていた。
でも、テーブルや椅子、棚など必要な家具は揃っている。私は掃除道具を借りて部屋を掃除した。
数時間後。
離れを訪れたマリーさんが驚いた顔になる。
「おや、まぁ。この短時間でえらい綺麗になったね」
「そ、そうですか?」
久しぶりに褒められた私は嬉しくも恥ずかしくなって目を伏せた。
義母から毎日、家の掃除をさせられていた。しかも、少しでも埃が残っていたら叱咤叱責の嵐。ここの離れは隅々まで綺麗になったとは言えない。それなのに褒められてしまった。
くすぐったい気持ちに戸惑っていると、肩にのっているモフが私の頬に顔をこすりつけてきた。
「もう、モフったら」
じゃれるモフをマリーさんが覗き込む。
「おや、珍しい。幸運のモフじゃないか」
「幸運のモフ?」
「そうだよ。額についた宝石がその証さ。懐いた人に幸運をもたらす動物って言われているんだ」
「へぇ。知らずにモフって名前を付けたけど、合ってたんだ」
喜ぶ私をモフが睨む。私はワザと気づいていないフリをしていると、マリーさんが言った。
「でも、あまり他の人には見られないようにした方がいいよ。モフを奪おうとする悪いヤツもいるからね」
「え?」
思わずモフを抱きしめる。キュェと苦しそうな声があがった。
「あ、ごめん! ごめん!」
腕を緩めるとペシペシと叩かれた。痛くないけど。
私たちの様子をマリーさんが苦笑いとともに見つめる。
「モフは懐いた人には幸運をもたらすけど、無理やり手に入れようとした人には不幸をもたらすって言われているから、手を出す人はそうそういないとは思うけどね。気を付けることに越したこたことはないよ。特にここは港町だから、いろんな人が出入りするし」
「……気を付けます」
ちゃんと気を付けているつもりだったのに――――
コボルトさんから離れを借り、港町で仕入れられる薬草を使って簡単な薬を作って売るようになった。よく効く薬と噂になり徐々に客が増え、私はそこそこ忙しい生活をしていた。
そんな、ある日。
「砂糖と牛乳と卵は買ったし……あと星屑の実を買うだけね。これがないと、あのデザートは作れないから」
「きゅ!」
私の胸でモフが手をあげて返事をする。
ここは港町だけあって、様々な文化が行き交う。その中には私が知らなかった美味しい料理も。特に最近、ハマったのはマリーさんに作り方を教えてもらったデザートで。
「モフも好きだもんね。帰ったらマリーさんの家にある保冷庫を借りて作ろうね」
「きゅぅ!」
話しをしながら裏通りに入り、顔なじみになった店に入ろうとした瞬間。
「んぅ!?」
背後から布で口を覆われ、甘い香りとともに意識を失った。
※
「ちょっと、起きなさいよ」
癇癪混りの高い、久しく聞いていなかった義妹の声だ。
促されて目を開けると後ろ手に縛られて固い床に転がされていた。レンガ造りの倉庫のような場所。港の近くに多くある。
木箱をバックに義妹が仁王立ちのまま私を見下ろし、屈強な男たちが私たちを囲んでいた。
「……なにか用?」
義妹が忌々しそうに私を睨む。
「薬の調合レシピ。どこにあるのか言いなさい」
「調合室の本棚に全部あるわ」
「嘘おっしゃい!」
義妹が手を振る。男の一人が私を乱暴に持ち上げた。
「レシピ通りに作っても薬の効き目が薄いのよ。レシピの一部を盗んだんでしょ!?」
薬はレシピ通りに作ればできる。ただ、口頭で伝わっているレシピもあり、それと合わせなければ本来の効力は発揮されない。私は父から教わり、義妹も同じように教わっていた。
ただ義妹は真面目に聞いているようで聞いていなかったため覚えていないのだろう。
「……」
無言でいる私に義妹が近づく。
「言わないなら、言いたくなるようにするまでよ」
パシッ!
頬に鈍い痛みが走った。義妹が手の中で鞭をポンポンと軽く遊ばせる。
ここで声を出せば五月蠅いとますます叩かれる。
私は黙ったまま視線を床にむけた。
「強情なのは変わらずのようね。でも、これならどうかしら?」
少しだけ視線をあげると、男が気絶したモフの首根っこを持ってぶら下げていた。
「やめて!」
義妹が楽しそうに口の端を緩め、鞭をモフに近づける。
「わかった! 全部、教えるから! 父から教わったレシピを全部、教えるからモフには手を出さないで!」
私の叫びに義妹が満足そうに目を細める。
「最初っからそう言えばいいのよ。余計な手間をかけさせないでちょうだい」
ここで義妹の動きが止まる。
「あら。この獣、高そうな宝石なんて付けてるじゃない。生意気ね」
ゆっくりと手がモフの額に伸びる。宝石はモフに引っ付いていて簡単に取れるものではない。無理に取ろうとすればモフが傷つく。
「ダメ! 取らないで!」
「なに言っているの。こんな獣にあるより私が身に着けたほうが宝石も輝くわよ」
長い爪がモフの額の宝石に触れた瞬間――――
「なに!?」
白い閃光が世界を消す。強すぎる光に視界を奪われ、何も見えなくなった。次に聞こえたのは小さなうめき声。でも、何が起きているか分からない。
そこに縛っていた縄が解かれた。
「え……?」
自由になった手を前にもってくる。やっと視界に色が戻ってきた。
囲んでいた男たちと義妹が苦悶の表情とともに足元に転がっている。
「なにが起きたの?」
驚く私を柔らかな毛が包み込んだ。この触り心地は……
「モフ!?」
振り返ると見たことがないほど端正な顔立ちの青年がいた。
ふわふわとした白銀の長髪。真っ青な瞳の涼やかな目。高すぎない鼻に薄い唇。美麗ながらも、しっかりとした肩幅に厚い胸板。逞しい腕が私を包み込むように抱きしめる。
「クロエ……よかった」
爽やかなジャスミンの香り。
「……モフ、なの?」
私の問いに端正な顔がとろけるように笑う。
「そうだよ」
「え? えぇ!? でも、なんっ!? 人!?」
慌てる私の耳にモフが囁く。
「まだ、魔力が足りなくて人の姿を維持するのが難しいんだ。でも、もう少しすれば……だから、それまで待ってて」
「待つ? 何を待つの?」
顔をあげた私にモフがふわりと微笑む。
ポンッ!
軽い音とともにモフがいつものモフになった。
「……モフ?」
「きゅ!」
モフが元気よく片手をあげて応えた。
※
あれから義妹はどうなったか分からない。ただ、風の噂で私の実家は不運が続き、薬師としての営業ができなくなったとか。
「そう言えば、マリーさんが幸運のモフを無理やり手に入れようとしたら不運になるって言ってたけど…………何かしたの?」
「きゅぅ~?」
ワザとらしく小首を傾げるモフ。待ってて、という言葉の意味も気になるけど、今は自分の生活が一番!
私は最近の楽しみであるデザートタイムを堪能するために保冷庫を開けた。
「保冷庫を買うために頑張って仕事したもんね。これでいつでも作って食べられるよ」
「きゅ!」
皿の上にのった黄色のプルプルふるえる楕円形のデザート。上には茶色のカラメルソース。
「いっただっきま~す!」
「きゅきゅ~」
テーブルに座った私たちは揃って冷たく柔らかいデザートを口に入れた。
「ん~! 幸せ!」
58
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
守護神の加護がもらえなかったので追放されたけど、実は寵愛持ちでした。神様が付いて来たけど、私にはどうにも出来ません。どうか皆様お幸せに!
蒼衣翼
恋愛
千璃(センリ)は、古い巫女の家系の娘で、国の守護神と共に生きる運命を言い聞かされて育った。
しかし、本来なら加護を授かるはずの十四の誕生日に、千璃には加護の兆候が現れず、一族から追放されてしまう。
だがそれは、千璃が幼い頃、そうとは知らぬまま、神の寵愛を約束されていたからだった。
国から追放された千璃に、守護神フォスフォラスは求愛し、へスペラスと改名した後に、人化して共に旅立つことに。
一方、守護神の消えた故国は、全ての加護を失い。衰退の一途を辿ることになるのだった。
※カクヨムさまにも投稿しています
愛しい義兄が罠に嵌められ追放されたので、聖女は祈りを止めてついていくことにしました。
克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
グレイスは元々孤児だった。孤児院前に捨てられたことで、何とか命を繋ぎ止めることができたが、孤児院の責任者は、領主の補助金を着服していた。人数によって助成金が支払われるため、餓死はさせないが、ギリギリの食糧で、最低限の生活をしていた。だがそこに、正義感に溢れる領主の若様が視察にやってきた。孤児達は救われた。その時からグレイスは若様に恋焦がれていた。だが、幸か不幸か、グレイスには並外れた魔力があった。しかも魔窟を封印する事のできる聖なる魔力だった。グレイスは領主シーモア公爵家に養女に迎えられた。義妹として若様と一緒に暮らせるようになったが、絶対に結ばれることのない義兄妹の関係になってしまった。グレイスは密かに恋する義兄のために厳しい訓練に耐え、封印を護る聖女となった。義兄にためになると言われ、王太子との婚約も泣く泣く受けた。だが、その結果は、公明正大ゆえに疎まれた義兄の追放だった。ブチ切れた聖女グレイスは封印を放り出して義兄についていくことにした。
お母様が国王陛下に見染められて再婚することになったら、美麗だけど残念な義兄の王太子殿下に婚姻を迫られました!
奏音 美都
恋愛
まだ夜の冷気が残る早朝、焼かれたパンを店に並べていると、いつもは慌ただしく動き回っている母さんが、私の後ろに立っていた。
「エリー、実は……国王陛下に見染められて、婚姻を交わすことになったんだけど、貴女も王宮に入ってくれるかしら?」
国王陛下に見染められて……って。国王陛下が母さんを好きになって、求婚したってこと!? え、で……私も王宮にって、王室の一員になれってこと!?
国王陛下に挨拶に伺うと、そこには美しい顔立ちの王太子殿下がいた。
「エリー、どうか僕と結婚してくれ! 君こそ、僕の妻に相応しい!」
え……私、貴方の妹になるんですけど?
どこから突っ込んでいいのか分かんない。
【完結】“自称この家の後継者“がうちに来たので、遊んでやりました。
BBやっこ
恋愛
突然乗り込んできた、男。いえ、子供ね。
キンキラキンの服は、舞台に初めて上がったようだ。「初めまして、貴女の弟です。」と言い出した。
まるで舞台の上で、喜劇が始まるかのような笑顔で。
私の家で何をするつもりなのかしら?まあ遊んであげましょうか。私は執事に視線で伝えた。
芋くさ聖女は捨てられた先で冷徹公爵に拾われました ~後になって私の力に気付いたってもう遅い! 私は新しい居場所を見つけました~
日之影ソラ
ファンタジー
アルカンティア王国の聖女として務めを果たしてたヘスティアは、突然国王から追放勧告を受けてしまう。ヘスティアの言葉は国王には届かず、王女が新しい聖女となってしまったことで用済みとされてしまった。
田舎生まれで地位や権力に関わらず平等に力を振るう彼女を快く思っておらず、民衆からの支持がこれ以上増える前に追い出してしまいたかったようだ。
成すすべなく追い出されることになったヘスティアは、荷物をまとめて大聖堂を出ようとする。そこへ現れたのは、冷徹で有名な公爵様だった。
「行くところがないならうちにこないか? 君の力が必要なんだ」
彼の一声に頷き、冷徹公爵の領地へ赴くことに。どんなことをされるのかと内心緊張していたが、実際に話してみると優しい人で……
一方王都では、真の聖女であるヘスティアがいなくなったことで、少しずつ歯車がズレ始めていた。
国王や王女は気づいていない。
自分たちが失った者の大きさと、手に入れてしまった力の正体に。
小説家になろうでも短編として投稿してます。
奈落を封印する聖女ですが、可愛い妹が追放されたので、国を見捨てる事にしました。
克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
ファンケン公爵家の長女クラリスは本来家を継ぐ立場だった。だが奈落の底に住む魔族を封印する奈落の聖女に選ばれてしまった。聖なる役目を果たすため、クラリスは聖女となり、次女のエレノアが後継者となった。それから五年、両親が相次いで亡くなり、エレノアは女性ながら公爵となり莫大な資産を引き継いだ。その財産に目をつけたのが、日頃から素行の悪い王太子アキーレヌだった。愛人のキアナと結託し、罠を仕掛けた。まず国王を動かし、エレノアを王太子の婚約者とした。その上で強引に婚前交渉を迫り、エレノアが王太子を叩くように仕向け、不敬罪でお家断絶・私財没収・国外追放刑とした。それを奈落を封じる神殿で聞いたクラリスは激怒して、国を見捨てエレノアと一緒に隣国に行くことにしたのだった。
腹違いの妹にすべてを奪われた薄幸の令嬢が、義理の母に殴られた瞬間、前世のインテリヤクザなおっさんがぶちギレた場合。
灯乃
ファンタジー
十二歳のときに母が病で亡くなった途端、父は後妻と一歳年下の妹を新たな『家族』として迎え入れた。
彼らの築く『家族』の輪から弾き出されたアニエスは、ある日義母の私室に呼び出され――。
タイトル通りのおっさんコメディーです。
断罪された私ですが、気づけば辺境の村で「パン屋の奥さん」扱いされていて、旦那様(公爵)が店番してます
さら
恋愛
王都の社交界で冤罪を着せられ、断罪とともに婚約破棄・追放を言い渡された元公爵令嬢リディア。行き場を失い、辺境の村で倒れた彼女を救ったのは、素性を隠してパン屋を営む寡黙な男・カイだった。
パン作りを手伝ううちに、村人たちは自然とリディアを「パン屋の奥さん」と呼び始める。戸惑いながらも、村人の笑顔や子どもたちの無邪気な声に触れ、リディアの心は少しずつほどけていく。だが、かつての知り合いが王都から現れ、彼女を嘲ることで再び過去の影が迫る。
そのときカイは、ためらうことなく「彼女は俺の妻だ」と庇い立てる。さらに村を襲う盗賊を二人で退けたことで、リディアは初めて「ここにいる意味」を実感する。断罪された悪女ではなく、パンを焼き、笑顔を届ける“私”として。
そして、カイの真実の想いが告げられる。辺境を守り続けた公爵である彼が選んだのは、過去を失った令嬢ではなく、今を生きるリディアその人。村人に祝福され、二人は本当の「パン屋の夫婦」となり、温かな香りに包まれた新しい日々を歩み始めるのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる