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溜め息一つで変わる結末
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備前には問題なく着いた。だが残念ながら備前では甚兵衛から声は掛からなかった。って到着の報告も無かった。ここも夕刻まで居ると言っていたから暇だ。
だからオレは静樹と2人で船の横に麻紐で括られていた小舟に勝手に乗り移る。
「静樹?操船できる?できるだけ静かに!」
「(クスッ)そんな事朝飯前というやつです!」
そしてオレは後悔した。視界の端の点滅……
同伴特性
《海若鬼神》
水上・船上において驚異的な操船能力を発揮する。
ブシャァァァーーーーー
この静樹の最上位に位置する特性の一つ《海若鬼神》これのせいで、オレの《韜晦》が打ち消されてしまった。
「はーい!尊様!最速で到着でーす!」
「(オェェェェ)どんな操船だよ!?こんな短時間で酔ったの初めてなんだけど!?」
「へへーん!」
まったくもって褒めてないんだが!?
「おい!お前等!どこの船の者だ!それと女!お前はどこの屋号の女だ!」
オレがキラキラを吐いている所に見るからにガラの悪そうな男が詰め寄ってきた。
「オレはそこの堺船の客だ。で、横は妻だ。何か問題でもあるか?あぁ~。桟橋を汚したしまったのは謝る」
「妻だぁ~!?お前!ここの決まり事を知らないのかぁ!?」
「決まり事?なんだそれは?」
「ここは備前 牛窓。ワシはこの牛窓を拠点とし、船蔵主の一人児島弥右エ門様支配内 助六様だ!」
「はぃはぃ。で、その助六様が何の用だ?そしてなんの決まり事だ?」
話の抑揚的に明らかにオレと静樹を威圧しているのが分かる。刀も挿しているし、多分用心棒的な何かだと推測できる。
「他所は知らねぇ~が、ここは堺の船だろうが、村上だろうが誰だろうが牛窓の決まりを守ってもらう事になっている。その決まり事の一つ。外の女は港に入れねぇ~。女は商売女だけと決めている。
どうしてもってなら、事前に許可を出す手筈となっている。貴様は許可なんてないだろう?ワシは聞いておらん!」
「なんだよそれ?まぁ決まり事は今知った。そこは謝ろう。で、この次はどうすりゃいい?」
「(ペッ)例外を作る訳にはいかねぇ~。決まり事のニだ。もしそれが破られれば、罰金10貫文と決まっている(ニヤ)」
ここで男は気持ち悪い顔をした。そしてオレの特性がまた点滅し始める。
《覇圧》
存在だけで場を制する。戦闘開始時、敵士気低下。交渉時、相手は強硬策を取りにくくなる。
オレのもっている最高位の特性の一つだ。出したくて出した訳ではないが、心の中で副作用の事を考えてしまう。
「(ハァー)」
副作用の事を考えた溜め息をオレは無意識にした訳だが、どうしてかこの男は勝手に言い方を変えてきた。勘違いしたようだ。
「あ、い、いや・・・悪い。桁を間違えたようだ。商人じゃない故にな?ワシは元は浦上家に仕えていてな?今は宇喜多様っていう大殿の、下の下の下の下っ端なんだ。いっ、1貫で構いません!なんなら後で・・・(お返ししますのでどうか形だけでも・・・)」
最後の言葉は耳打ちだった。まぁこんな注目された中で例外を作れば今後どうなるかだが、そんな事はオレは知らない。だが事を荒げる気もない。ただ、静樹を変な目で見てきた。これは許せなかった。
「助六と言ったか?」
「あ、は、はい!(スチャ)」
オレは迅雷刀を抜き、浜に打ち上げられている小舟に向かい軽く一刀の薙ぎ払いをした。
ズバァァァーーーーーン
雷を纏う、その一刀はどんな物も者も焼き斬る。
「ぬぅぁ・・・・・・」
「よいしょっと・・・。あぁ。今のは船で長旅でな?稽古のような事だ。許せ。ここに間違いなく、1000文ある。1000文で1貫だよな?それともう500文ある。これであの小舟代に足りるか?」
「(コクッ コクッ)」
助六は無言で目を見開き、何度も頷く。
「そうか。ならオレ達は船で待っておこう。もう一度聞くがこれで良いのだな?夕刻まであそこの堺船に居るから文句があればいつでも言って来てくれ。分かったな?」
「(コクッ コクッ)」
最後は涙目になっていた。そして静かに点滅が消える。そして訪れる息切れ。だが、それをバレないように海側を向き、乗って来た小舟に向かう。
「(プッハー ハァー ハァー)マジであれなんなの!?」
「尊様!かっこよかったですよ!」
「いや、ルールが何かは知らないが、静樹の事を言われたようで我慢できなかった」
「まぁ!?私の事なんて……」
「ストップ!その言い方はやめような?オレは本当に静樹を大切に思ってるから!まぁ今日は船で1日潰そう!甚兵衛も多分このルールがあったからオレ達を誘わなかったんだろう」
夕刻になり、またどこかの握りを持って来てもらい、甚兵衛はこの牛窓のルールを言った。昔、どこかからの船に外国(日本国内)の女が乗ってたそうで、その女が病気持ちだったらしく、皆に蔓延し、この牛窓に船が寄り付かなくなった事があったらしい。
それでここは牛窓の春町の女しか港に入らないように厳格に決まり事を決めたのだとか。で、オレが妻と言っていたのも信用できないそうな。普通、オレみたいに他所の国に女連れで行く事は有り得ないそうで、且つ手を繋いで歩くとかも考えられない恥ずかしい行為なんどとか。
オレからすれば、ビバ人生初の青春がここにあるんだから関係ない!陽キャのような人生を歩んでみたいという野望がここにあるんだからな。ミスミス手放さない。けど、本音は違う女性とも・・・毎日お米でも偶には違うものも食べたくなるよね?けど、日本人はお米に戻るし皆、お米が好きだよね!?みたいな・・・まぁ最低な男だ。
そしてこの夕刻の出港前・・・あの助六という男がオレの元へとやってきた。
「す、すまん!話をさせてくれ!」
「おい!誰だ誰だ?ここは堺納屋衆 今井屋 甚兵衛の船ぞ?」
「すまない!この船に顔立ちの整った客が居るだろ!?凄い刀技を持つ夫婦の人達だ!」
「あぁん?尊の事か?おーい!尊!客だぞ?」
「甚兵衛?オレに客なんていない・・・ぞ・・・おい!お前か!文句があるようだな!甚兵衛!少し待ってくれ!瞬殺してーー」
「ち、違う!そうじゃない!こ、これを!お返し致す!どうかワシを家来にしてくだせぇ~!」
「はぁ!?」
だからオレは静樹と2人で船の横に麻紐で括られていた小舟に勝手に乗り移る。
「静樹?操船できる?できるだけ静かに!」
「(クスッ)そんな事朝飯前というやつです!」
そしてオレは後悔した。視界の端の点滅……
同伴特性
《海若鬼神》
水上・船上において驚異的な操船能力を発揮する。
ブシャァァァーーーーー
この静樹の最上位に位置する特性の一つ《海若鬼神》これのせいで、オレの《韜晦》が打ち消されてしまった。
「はーい!尊様!最速で到着でーす!」
「(オェェェェ)どんな操船だよ!?こんな短時間で酔ったの初めてなんだけど!?」
「へへーん!」
まったくもって褒めてないんだが!?
「おい!お前等!どこの船の者だ!それと女!お前はどこの屋号の女だ!」
オレがキラキラを吐いている所に見るからにガラの悪そうな男が詰め寄ってきた。
「オレはそこの堺船の客だ。で、横は妻だ。何か問題でもあるか?あぁ~。桟橋を汚したしまったのは謝る」
「妻だぁ~!?お前!ここの決まり事を知らないのかぁ!?」
「決まり事?なんだそれは?」
「ここは備前 牛窓。ワシはこの牛窓を拠点とし、船蔵主の一人児島弥右エ門様支配内 助六様だ!」
「はぃはぃ。で、その助六様が何の用だ?そしてなんの決まり事だ?」
話の抑揚的に明らかにオレと静樹を威圧しているのが分かる。刀も挿しているし、多分用心棒的な何かだと推測できる。
「他所は知らねぇ~が、ここは堺の船だろうが、村上だろうが誰だろうが牛窓の決まりを守ってもらう事になっている。その決まり事の一つ。外の女は港に入れねぇ~。女は商売女だけと決めている。
どうしてもってなら、事前に許可を出す手筈となっている。貴様は許可なんてないだろう?ワシは聞いておらん!」
「なんだよそれ?まぁ決まり事は今知った。そこは謝ろう。で、この次はどうすりゃいい?」
「(ペッ)例外を作る訳にはいかねぇ~。決まり事のニだ。もしそれが破られれば、罰金10貫文と決まっている(ニヤ)」
ここで男は気持ち悪い顔をした。そしてオレの特性がまた点滅し始める。
《覇圧》
存在だけで場を制する。戦闘開始時、敵士気低下。交渉時、相手は強硬策を取りにくくなる。
オレのもっている最高位の特性の一つだ。出したくて出した訳ではないが、心の中で副作用の事を考えてしまう。
「(ハァー)」
副作用の事を考えた溜め息をオレは無意識にした訳だが、どうしてかこの男は勝手に言い方を変えてきた。勘違いしたようだ。
「あ、い、いや・・・悪い。桁を間違えたようだ。商人じゃない故にな?ワシは元は浦上家に仕えていてな?今は宇喜多様っていう大殿の、下の下の下の下っ端なんだ。いっ、1貫で構いません!なんなら後で・・・(お返ししますのでどうか形だけでも・・・)」
最後の言葉は耳打ちだった。まぁこんな注目された中で例外を作れば今後どうなるかだが、そんな事はオレは知らない。だが事を荒げる気もない。ただ、静樹を変な目で見てきた。これは許せなかった。
「助六と言ったか?」
「あ、は、はい!(スチャ)」
オレは迅雷刀を抜き、浜に打ち上げられている小舟に向かい軽く一刀の薙ぎ払いをした。
ズバァァァーーーーーン
雷を纏う、その一刀はどんな物も者も焼き斬る。
「ぬぅぁ・・・・・・」
「よいしょっと・・・。あぁ。今のは船で長旅でな?稽古のような事だ。許せ。ここに間違いなく、1000文ある。1000文で1貫だよな?それともう500文ある。これであの小舟代に足りるか?」
「(コクッ コクッ)」
助六は無言で目を見開き、何度も頷く。
「そうか。ならオレ達は船で待っておこう。もう一度聞くがこれで良いのだな?夕刻まであそこの堺船に居るから文句があればいつでも言って来てくれ。分かったな?」
「(コクッ コクッ)」
最後は涙目になっていた。そして静かに点滅が消える。そして訪れる息切れ。だが、それをバレないように海側を向き、乗って来た小舟に向かう。
「(プッハー ハァー ハァー)マジであれなんなの!?」
「尊様!かっこよかったですよ!」
「いや、ルールが何かは知らないが、静樹の事を言われたようで我慢できなかった」
「まぁ!?私の事なんて……」
「ストップ!その言い方はやめような?オレは本当に静樹を大切に思ってるから!まぁ今日は船で1日潰そう!甚兵衛も多分このルールがあったからオレ達を誘わなかったんだろう」
夕刻になり、またどこかの握りを持って来てもらい、甚兵衛はこの牛窓のルールを言った。昔、どこかからの船に外国(日本国内)の女が乗ってたそうで、その女が病気持ちだったらしく、皆に蔓延し、この牛窓に船が寄り付かなくなった事があったらしい。
それでここは牛窓の春町の女しか港に入らないように厳格に決まり事を決めたのだとか。で、オレが妻と言っていたのも信用できないそうな。普通、オレみたいに他所の国に女連れで行く事は有り得ないそうで、且つ手を繋いで歩くとかも考えられない恥ずかしい行為なんどとか。
オレからすれば、ビバ人生初の青春がここにあるんだから関係ない!陽キャのような人生を歩んでみたいという野望がここにあるんだからな。ミスミス手放さない。けど、本音は違う女性とも・・・毎日お米でも偶には違うものも食べたくなるよね?けど、日本人はお米に戻るし皆、お米が好きだよね!?みたいな・・・まぁ最低な男だ。
そしてこの夕刻の出港前・・・あの助六という男がオレの元へとやってきた。
「す、すまん!話をさせてくれ!」
「おい!誰だ誰だ?ここは堺納屋衆 今井屋 甚兵衛の船ぞ?」
「すまない!この船に顔立ちの整った客が居るだろ!?凄い刀技を持つ夫婦の人達だ!」
「あぁん?尊の事か?おーい!尊!客だぞ?」
「甚兵衛?オレに客なんていない・・・ぞ・・・おい!お前か!文句があるようだな!甚兵衛!少し待ってくれ!瞬殺してーー」
「ち、違う!そうじゃない!こ、これを!お返し致す!どうかワシを家来にしてくだせぇ~!」
「はぁ!?」
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