フレンド0人が戦国転移した結果

デンデンムシ

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舐めたらあかんで?堺や

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 その問答を間近で見ていた助六はというと・・・

 「わ、ワシは今改めて尊様にお仕えできた事に感動しております!堺の豪商の今井様に一歩も退かず、商売では鐚一文もマケることのない今井殿を言い負かしたその御姿・・・戦場なら間違いなく大将首を取ったのと同じ・・・」

 勝手に感動しているし、勘違いな?特性のおかげな?

 そのオレ達だが、なんと今井宗久…自分の家の納屋に鉄砲があるらしく、

 「で、鉄砲も仰山欲しいねんやろ?いくら欲しいねん?」

 「300丁~500丁くらいあれば助かる」

 「あん?アンちゃんは舐めてるんか?たったそれだけでええんか?それにあれやろ?三好対策やろ?」

 「は!?え!?何で知って・・・」

 「何を言うてるんや?そがいな事、情報が集まる堺に居て客が伊予国の武家と言われりゃ分かるやろ!分からん商人なら辞めた方がええで!三好と殺り合うんやろ?」

 「いや、まぁ・・・」

 「なんや!?その気迫は!?さっきのワテの時とえらい違いやな?そんな事なら勝てる戦も勝てんのとちゃうかぃ!?三好がなんぞ!?殺ったらんかぃ!」

 「いや、三好も堺のお客さんだろう?そんな事してもいいのか?」

 「舐めたらあかんで?堺は誰の指図も受けん!そうしてきた!けど、麒麟のような男が現れた。織田はんや。あの男は三好とはちゃう。本物や。織田はんの下で商いする方が儲かる。
 なんせ、三好も未だワテ等に銭や鉄砲を要求してくるが、支払いが遅れてきてるんや。それに比べて織田はんは言う事は滅茶苦茶やけど、嘘は吐かん、銭は先払いしてくれる。そりゃ織田はんの方がええやろ?
 それに独立してるが堺や。誰に何を売ろうがワテ等で決めるんや」

 「ほぉ~。素晴らしいな」
 
 「やろ?で、それを踏まえてもう一度聞くで?如何程必要なんだ?」

 「やはり、500丁で良い」

 「カァ~、アンちゃんは分かっておらんわ」

 「待て。そもそも一丁いくらだ?」

 「堺の鉄砲を舐めたらアカンで?そこらへんの野良鍛冶のやつなら一丁1貫。ワテの家に置いている上物は一丁2貫。装飾をしてほしいのなら、日は掛かるが一丁3貫は見ていてほしい。けど、装飾してしもうたら実戦向きやあらへん。悪い事は言わん。ワテから買いや。全部保証するで!ほら!見てみぃ!(ガラガラ)」

 こう言い、倉を開けると綺麗に火縄銃が立て掛けられていた。1000丁くらいはありそうだ。これを個人で持っている。今井の凄さが分かる。

 「アンちゃん?弾も火薬もないと撃てんのやぞ?」

 「分かっている。簡単に、一丁に付き、弾10発と火薬込みでいくらだ?」

 「そうやな・・・1発試し撃ち分もつけたろ。2貫と50文でどうや?破格やで?ワテがここまで譲歩した事なんてないんやで?」

 多分マジで頑張ってるのは分かる。確か火縄って幾分普及してきたとはいえ、未だ高い。なんといっても火薬が高い。だから、信長は火薬の作りを大々的にし始めたんだろう。

 「ちなみに、あの金塊で幾らの銭をくれるんだ?」

 「3000貫文だ!多少は手数料を取らせてもろたけどええやろ?どや?1000丁は余裕で買えるやろ?三好に勝ちゃ、だいぶ落ち目だが、周りの大名からも一目置かれると思うで?アンちゃんも伊予なんて田舎辞めて堺に出てきぃや?」

 流石今井宗久。暗算で速攻計算してきている。オレよりも早いかもしれない。

 「確かに破格だろうな。だが悪いな。全部鉄砲は無理だ」

 「旦那様ぁ~!お持ちしました!」

 「なんやてッ!?そんなケチ臭い事言いなや!?な!?その河野ってお殿様もアンちゃんにこの買い物任せてくれてるんやろ!?ならこの銭で買えるだけ買うたらええやないかぃ!」

 「待て。何を勘違いしているか知らないが、これは私銭だ。河野の殿様から軍費なんて一文も貰っていない」

 「は!?なんやて!?なら、アンちゃんの私銭で・・・この混ざり物が一切無い金で城の軍備整えてるっちゅー話か!?あかんで!それはあかん!そんな殿様なんて放っぽり出して引っ越ししぃや~!」

 「ふん。案外優しい所があるんだな。けど、オレは退かんよ。それにオレは河野家ではあるけど、川之江城の城主 妻鳥友春ってお殿様の被官だ。この人が退く、引っ越しするってなら考えるけどな」

 「アンちゃんそりゃ・・・阿保のする事やで?命あってこそやろ?けどまぁそれが武家なんやろ?しゃーないわ。ならおまけしたろ。一丁に付き弾11発と相応の火薬で2貫でどうや?正直赤字や!けど、アンちゃんの心意気聞かせてもろたさかいに…これはワテの心意気や!誠心誠意応えたるで!」

 「助かる。見事に三好を撃退すればまた買い物しに来よう。ついでだ。他にも買い物できるか?」

 「おぅ!何でも言うてこんかぃ!」

 「分かった。この銭で・・・そうだな。100結はオレが持っていく。残りで、米、上質な布、塩、火薬、火縄のバネ、火皿、火蓋、銃身、尾栓、竜頭、を用意できるか?」

 「アンちゃん。アンちゃんは鉄砲の仕組みを理解してるんか?今言うたのは壊れやすい部品ばかりやないか?」

 「少し・・・な。国で作れる物は作る。鉛の鋳型やなんかは国でどうとでもする」
 
 「ふ~ん。なら変わり者やが、人も一人貸してやろうか?」

 「これ以上金はないぞ?」

 「かまへん!かまへん!それはワテが出しといたる!これも縁や!堺では芝辻家や橘家、住吉筋、他にも種子島流の分家、庶家が仰山居るさかいに、中々自分の流派を打ち立てられん鍛冶が多いんや。ワテは商人故に鍛冶師の心は分からん。けど本人がなりたいっちゅーもんでな?楓!入って来い!」

 「はーい」

 「コイツや!女やけどかまへんやろ?火縄の分解から掃除、組み立て、製作も一人でしてしまう凄腕やで!?けど、女やから堺では流派が立てられんらしいねん。ワテは可哀想や思うて、私銭で工房を買うてやって造らせてやってんねや」

 いや、マジかよ!?女というのもビックリだけど、今井宗久・・・やる事のスケール大きすぎな?

 「こちらとしてはありがたいが、構わないのか?」

 「旦那様!?まさか私の流派打ち立ての件を!?」

 「あぁ。少し待っとおき。今話付けたるからな。で、どや?ええ話やろ?その代わり、アンちゃん。今井屋の倉を川之江浦に建てさせてくれるよう進言してくれへんか?いやな?
 村上っちゅー海賊の勢いが凄まじくてな?最近は通行税も高く言うてくるさかいにな。川之江に堺の倉があれば航行する海域が広がるんやけどどうや?」

 「それで村上水軍や塩飽水軍を刺激するかどうかは分からないが進言はしておく。断られてもオレのせいにするなよ?それと、もしそれで、毛利が出張って言ってくればどうする?」

 「そうなりゃこっちが手を退く」

 「一応、立場は毛利と河野で同盟を結んでいるが、対等ではない。命令されれば主家は従わざるを得ないだろう」

 「アンちゃんのその顔は主家を守る顔とちゃうんやないのか?妻鳥なんとかっちゅー者の時とはまた違うように見えるぞ?」

 「どうだろうな。最前線の城を守る城主に軍備も何も出さない大名がどこに居るか。勝てる勝てない以前の話だ。まぁオレからはここまでだ。楓という女はこちらで面倒を見る。戦の前には堺に戻す」

 「ねぇ~!あんた!優しい事言うのはいいけどね?私は自分で造った火縄がどんな実力かみたいの!戦になろうと帰らないよ!」

 「の?確かに偏屈だろう?カッカッカッ!これも誼じゃ!帰りの船賃はワテが払うてやろう!」
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