フレンド0人が戦国転移した結果

デンデンムシ

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70人から始まる

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 「皆の者ッ!オレは川之江城 山岡尊である!これより賦役を行う!」

 オレは城下に降りて口上を述べる。だが、領民は片目に見るくらいでそそくさと歩き去る。そりゃ賦役と言えば嫌だよな。けど、まだ日銭を出すとは言わない。

 「集まってくれたのはお前達だけか」

 「へぃ」

 数えると集まってくれた人数はたったの70人程度。城下の人間が何人居るかは把握していないし、なんなら妻鳥も、他の城番の人も総人数は把握していないらしい。オレからすれば自分の領地の人間くらい把握しておけよ!とは思う。

 「集まってくれてありがとう。素直に礼を述べる。まずは金生山に向かってくれ。そこに身体の大きいオレの配下が居る。そいつに聞いてくれ。その後はオレの妻に何をするか聞いて仕事をしてほしい。
 あぁ、それと一人ずつ並んでくれ。麻袋の中に60文入れてある」

 「は!?え!?ぜ、銭を頂けるのですか!?」

 「当たり前だ。人が動けば金は動く。オレは対価は払う。それにお前達は賦役と言っても自発的に来てくれた者達だ。お前達には今後も銭を払う。そしてお前達を見て更に人夫は増えるだろうが、後から来た者とは差をつける。良かったな」

 「「「「「ウォーーー!!!」」」」」

 待遇に差を付けるのはどうかと思うがそれくらいしないとこの70人に申し訳ないからな。明日から来た者達には一律50文だ。それでも破格だろう。

 それからオレは初船組でやってきた鍛冶師の楓を迎えに行く。オレの敢えてのボロ家で待っていてもらったんだ。

 「(ガラガラガラ)待たせた。悪い」

 「ねぇ~?あんた本当に城の人なの?なんなの?この家は?ボロじゃない!」

 「あぁ。ボロだな」

 「アタイはこんなボロ家で寝るのなんて嫌だからね!」

 「任せろ。楓の家は即座に用意できる。そういう物があるんだ」

 オレは宝物箱を開ける。誰にも漁られていなかったようだ。まぁこんなボロ家に何かあるなんて思わないよな。

 その中にある課金アイテム。ジオラマ家だ。一見ではただの模型だが、これを地面に置くとこの模型が大きくなり家ができるのだ。
 本当は一つはオレ、一つは助六にしようかと思ったが、この楓と簗田さんの家にしようと思う。

 楓はゆくゆくは、炉も作る筈だから海の近くからは少し離そう。

 「着いてきてくれ」

 「もう何よ!アタイは疲れたんだけど!」

 「いいから。驚くぞ」

 そして歩く事、20分。

 「この辺でいいか。港から10分程だ。堺から鉄やなんかも届けやすいだろう。それに・・・火薬も作るからな」

 「は!?あんな何言ってるの!?」

 「そのまんまの意味だ。まぁまずはこれを見てくれ」

 そう言い、オレは地面にジオラマ家を置く。

 バァァァーーーーーン

 「きゃぁ~~!!」

 そうそう。こうだよ!こう。こういう反応を待ってたんだ。

 オレが持ってるジオラマ家はこの時代の長屋のまんまだが、裏の壁が手で取り外せる。要は拡張前提の作りの発展型ジオラマ家だ。後はやたら収納ができる。

 「ここが今日から楓の家だ。これなら文句ないだろう?中には布団もある。三河でそろそろ作られているんじゃないか?堺でも売られているだろう?それよりフカフカだぞ?」

 「こ、これはどうやったの!?何でいきなり家が現れるの!?」

 「そういう物と思ってもらわないと説明できない。後、織田軍も来るの知ってるだろう?近所に兵舎として拡張するから警備も良くなるから許せ。念の為に作業が落ち着けば、オレの配下の助六を隣に住まわせる」

 「ちょ、ちょっと!?本当にこの家いいの!?好きにしていいの!?」

 「あぁ。今井様から聞いている。最初はこれくらいしかしてやれないが、ここ川之江で楓の流派を打ち立ててくれ。鍛冶に関しては好きにしていい」

 「やったぁぁ!!ありがとう!」

 見れば歳の頃は20代前半か。男のような服装だが可愛らしい子だ。取り急ぎまだこの楓が働く事はない。先に皆の住居だからな。

 ◆

 静樹は山に入ると、まず立ち止まった。

 「この辺りですね。まずは三十本。印を付けます」

 そう言って、彼女は迷いなく木に印を付けていく。
 太さ、高さ、傾き。どれも一定だった。

 「あれ……姐御様?もう切る木、決めたのですか?」

 だが印は止まらない。

 十分も経たぬうちに、伐る木は全て決まっていた。

 「さて……助六様は印のある木を伐採してください」

 そこに静樹にも見える《連策百段》が点滅する。

 助六が持つミスリルの戦斧はなんら抵抗を感じる事なく木を薙ぎ倒す。

 「うぉりゃっ!!」

 「「「おぉ~!!!」」」

 「皆の衆!この木を姐御殿に聞き作業をしてくれ!」

 「す、助六様!バンザーイ!」

 「「「バンザーイ!!」」」

 「や、辞めろ!恥ずかしいじゃねーか!うぉりゃっ!!」

 (クスッ。助六様も人に褒められて嬉しいようです。作業効率が更に上がりそうですね!)

 切り出された丸太は、その場で長さを測られる。使う所、使わない所。静樹が頷くだけで分けられていった。

 削る音が重なり、木の匂いが濃くなる。いつの間にか、積まれた材が形を成していた。

 ◆

 山で切り出された材は、印を付け、仕口を刻み、不要な枝を落とす。切る、削る、運ぶ。その場で“部品”にされていた。静樹の作業は止まらない。

 「次はこれよ」
 
 「受け取ってくれる?」

 声は短く、動きは迷いがなかった。

 そして、里に下ろされた頃には、材はすでに“部品”になっている。柱用、梁用、床用。置き場も決まっており、誰が何をするかと迷う者はいない。

 地面には杭が打たれ、縄で矩が出ていた。柱穴の位置は一目で分かる。

 「ここ」

 静樹が指を差し実演する。

 「「「おぉ~」」」

 「これを貴方達が明日からするの。印をしてるから分かりやすいでしょう?」

 柱が立つ。縄で仮に縛る。すぐ隣で、別の柱が立つ。

 梁は同時に三方から運ばれ、叩き込まれた。まだ固定はされていない。だが形はもう、家だった。

 「明日からは更に作業を分けるわよ」

 屋根を組む者、床を敷く者。それぞれが別の場所で、同じ作業をしている。一棟ずつではない。気付けば、同じ骨組みが並んでいた。

 「って……おい……もう家ができてねぇか!?」

 「当たり前よ?私が作業指示してるんだからね?貴方は・・・」

 「宇摩郡、下分村の百姓、弥平でございます!」

 「下分村の弥平さんね?覚えておくわよ?」

 「は、はっ!ありがとうございます!姐御様!」

 「あなたまで……姐御様、ですか(クスッ)」

 静樹の時折見せる笑顔に賦役役の男達は士気が上がる。誰も驚かない。もう、この速さに慣れ始めていた。

 「姐御様・・・これは・・・」

 「助六様もお疲れ様です!」

 「あ、ありがとうございまする。本日だけで5軒も・・・」

 「一つの家で4人、今は20人。これが300人分は必要なのですよ。明日にその一団の最初が到着します。まだまだ働かないと・・・三好に・・・」

 「その三好は本当に攻めてこられるのですか?」

 「えぇ。必ず。来年には来ると予想しております。助六様のその腕にかかっているのですよ?がんばれますか?」

 「(綺麗だ。尊様が羨ましぃ・・・)はっ!粉骨砕身頑張ります!」

 「みんな!集まって!今日の作業は終わりよ!握りしかなく申し訳ないけど一人7個ずつ持って帰ってちょうだい!必ず井戸の水で手を洗って食べるのよ?明日も朝に城下で声掛けするから、また明日も手伝ってくれたら助かるんだけど?」

 「「「「オォーーーーッッ!!!」」」」

 オレは銭を渡すだけのつもりだったが、堺で購入した米もあり、少し余裕があるので静樹が握りも渡すようにしたのだが、これが功を奏してか、次の日から人数が格段に増えた。
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