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四話
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西井「…はぁ」
私はどんなジャンルでも主役にはなれないんだなと
落ち込みながら、自分のロッカーを漁る。
ロッカーを漁っているのは、
自分の無力さに泣きそうになっている顔を
見られたくないからである。
台東「ねぇ、ヒーロー」
後ろでそんな声が聞こえ、
まさかなと後ろをチラ見すると台東君が居る。
台東「ヒーローって、
呼んで欲しいんだよね?お姉さん」
西井「…なっ何故それを」
台東「お姉さんのせいで、
僕の記憶はごちゃごちゃなんだよ。
責任取ってよ」
西井「ど…どういう事」
台東「僕の事覚えてないの?
助けてくれるって言ったのに、
消えちゃうんだもん」
台東君は、ムッとほっぺを膨らませていて、
イケメンぶりっ子エグいなと腰を抜かす。
台東「お姉さん、パンツ見えてるよ」
西井「あっ…あの少年が台東君なの⁉︎」
将来イケメンになるだろうってのは、
当たっていた。
台東「うん、誘拐されてたのは
小学3年生の僕だよ。
ねぇ、パンツ見えてるってば」
西井「…えっと…んん?」
あの部屋の少年は小3の台東君。
つまり、4回目の
あの部屋は7.8年前の過去って事か…
台東「ねぇ、1人で考え込まないでよ。
僕はお姉さんのせいで高校生までの記憶なくて…
ねぇ、早く足閉じてよ。
パンツ見せたがりの変態なの?」
私は足を閉じる。
西井「つまり、誘拐から助かってるって事か」
台東「確かに今こうしてお姉さんの前に
高校生としているのは助かってるって事だけど、
それもよりも、僕の話聞いてた?」
台東君…いや、台東少年は
しゃがんで私と目線を合わせた。
台東「あのね、僕は誘拐されて
あの部屋に閉じ込められて
お姉さんが突然出て来て、
消えると今みたいな高校生になってるんだ」
西井「意味分かんないな、
もう一回言って」
台東「僕も意味分からないよ」
台東少年は、ため息を吐いた。
台東「仮説いや…多分そうだとは思ってるんだけど、
お姉さんがタイムリープしてるって事は、
あの部屋でお姉さん自身が言ってたのと、
同い年のはずなのに、あの部屋に居たお姉さんは
今の高校生の姿だから分かったんだと思う」
滅茶苦茶SFの話だなと、
私は正座をして台東少年の話を聞き入る。
台東「僕の記憶は、正直混濁してるんだ。
だけど、タイムリープで繰り返されてたとしても、
覚えてるのはあの部屋でお姉さんが
ヒーローって呼んでもらいたがってた事と、
そこからお姉さんが消えて、気がつくと
高校生になってるって事…」
西井「…んん…おぉ???」
台東「…はぁ、とにかく
僕はあの部屋から、今の高校生までの
記憶が一切無いんだよ。
それは、多分お姉さんのせいだよ」
私のタイムリープのせいで困らせてるって事は
分かったけど、私は意図的に困らせてやろうとは
思っていなかった為、まだ頭が追いついていない。
南澤「紅音、こんなとこに居たのね」
廊下を走って来たのか南澤さんは、
肩で息をして、台東少年の肩を掴んだ。
台東「探してたの?」
南澤「そうだけど…紅音は…
西井さんと話してたの?」
南澤さんは、私に目を細めている。
台東「話があったんだ」
南澤「何の?」
台東「秘密」
南澤「秘密?なんで?
幼馴染なんだから、他人となんて
秘密作らないでよ」
南澤さん激おこじゃんと、
幼馴染奪られると思ってんのか
滅茶苦茶睨んでくる。
南澤「西井さん、
紅音は私の幼馴染なんだからね。
話し掛けられたからって、
変な勘違いしないでね」
南澤さんは勝手にラブコメの主役だと思っていたが
蓋を開けたら束縛凄いヤバめな女子なんだなと
この様子から伝わって来る。
南澤「早く行くよ」
そう言って、南澤さんは
台東少年を引っ張って行った。
西井「あーまだ話あんのに…」
私のタイムリープで、台東少年の身に
何かが起きている。
それを解決する鍵は、私のタイムリープ。
西井「SFの主役じゃね、私」
私はどんなジャンルでも主役にはなれないんだなと
落ち込みながら、自分のロッカーを漁る。
ロッカーを漁っているのは、
自分の無力さに泣きそうになっている顔を
見られたくないからである。
台東「ねぇ、ヒーロー」
後ろでそんな声が聞こえ、
まさかなと後ろをチラ見すると台東君が居る。
台東「ヒーローって、
呼んで欲しいんだよね?お姉さん」
西井「…なっ何故それを」
台東「お姉さんのせいで、
僕の記憶はごちゃごちゃなんだよ。
責任取ってよ」
西井「ど…どういう事」
台東「僕の事覚えてないの?
助けてくれるって言ったのに、
消えちゃうんだもん」
台東君は、ムッとほっぺを膨らませていて、
イケメンぶりっ子エグいなと腰を抜かす。
台東「お姉さん、パンツ見えてるよ」
西井「あっ…あの少年が台東君なの⁉︎」
将来イケメンになるだろうってのは、
当たっていた。
台東「うん、誘拐されてたのは
小学3年生の僕だよ。
ねぇ、パンツ見えてるってば」
西井「…えっと…んん?」
あの部屋の少年は小3の台東君。
つまり、4回目の
あの部屋は7.8年前の過去って事か…
台東「ねぇ、1人で考え込まないでよ。
僕はお姉さんのせいで高校生までの記憶なくて…
ねぇ、早く足閉じてよ。
パンツ見せたがりの変態なの?」
私は足を閉じる。
西井「つまり、誘拐から助かってるって事か」
台東「確かに今こうしてお姉さんの前に
高校生としているのは助かってるって事だけど、
それもよりも、僕の話聞いてた?」
台東君…いや、台東少年は
しゃがんで私と目線を合わせた。
台東「あのね、僕は誘拐されて
あの部屋に閉じ込められて
お姉さんが突然出て来て、
消えると今みたいな高校生になってるんだ」
西井「意味分かんないな、
もう一回言って」
台東「僕も意味分からないよ」
台東少年は、ため息を吐いた。
台東「仮説いや…多分そうだとは思ってるんだけど、
お姉さんがタイムリープしてるって事は、
あの部屋でお姉さん自身が言ってたのと、
同い年のはずなのに、あの部屋に居たお姉さんは
今の高校生の姿だから分かったんだと思う」
滅茶苦茶SFの話だなと、
私は正座をして台東少年の話を聞き入る。
台東「僕の記憶は、正直混濁してるんだ。
だけど、タイムリープで繰り返されてたとしても、
覚えてるのはあの部屋でお姉さんが
ヒーローって呼んでもらいたがってた事と、
そこからお姉さんが消えて、気がつくと
高校生になってるって事…」
西井「…んん…おぉ???」
台東「…はぁ、とにかく
僕はあの部屋から、今の高校生までの
記憶が一切無いんだよ。
それは、多分お姉さんのせいだよ」
私のタイムリープのせいで困らせてるって事は
分かったけど、私は意図的に困らせてやろうとは
思っていなかった為、まだ頭が追いついていない。
南澤「紅音、こんなとこに居たのね」
廊下を走って来たのか南澤さんは、
肩で息をして、台東少年の肩を掴んだ。
台東「探してたの?」
南澤「そうだけど…紅音は…
西井さんと話してたの?」
南澤さんは、私に目を細めている。
台東「話があったんだ」
南澤「何の?」
台東「秘密」
南澤「秘密?なんで?
幼馴染なんだから、他人となんて
秘密作らないでよ」
南澤さん激おこじゃんと、
幼馴染奪られると思ってんのか
滅茶苦茶睨んでくる。
南澤「西井さん、
紅音は私の幼馴染なんだからね。
話し掛けられたからって、
変な勘違いしないでね」
南澤さんは勝手にラブコメの主役だと思っていたが
蓋を開けたら束縛凄いヤバめな女子なんだなと
この様子から伝わって来る。
南澤「早く行くよ」
そう言って、南澤さんは
台東少年を引っ張って行った。
西井「あーまだ話あんのに…」
私のタイムリープで、台東少年の身に
何かが起きている。
それを解決する鍵は、私のタイムリープ。
西井「SFの主役じゃね、私」
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