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なゆか

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五話後

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僕の事を助けてくれた
ヒーローだと言ったお姉さんは、
おじさんに刺されて、死んじゃった。

警察の人がお姉さんの事をたくさん調べても、
名前や身元が分からなくて、
僕のパパとママがあげてくれた
お姉さんのお葬式には誰も来なかった。

台東「…僕の事…助けて死んじゃった」

凄く悲しくても、誰も分かってくれない。

出会ったのがあの一瞬のはずなのに、
何でか分からないけど、何回も会ってる気がする。

台東「お姉さん…お姉さん…」

僕は流れ星に願い事をした。

台東「また、お姉さんに会いたいよ」

叶うわけがない…でも、もう一度会いたい。

それから、僕は何してもつまらなくなった。

幼馴染の心愛ちゃんとお出かけしても
何も面白くない。

無理に笑顔を作っても、全然楽しくない。

こんなつまらないなら、覚えてなくて良いや。

日だけが流れて、
僕の生きてる時間だけが消化されていく。

高校一日目、入学式後に
クラスで一人ずつ自己紹介の時間が設けられた。

誰一人興味無いから、それも覚えてなくて良いや…

西井「西井架乃です。
よろしくお願いします」

…え

南澤「紅音、どうしたの?」

「はい、次の人」

南澤「…紅音?」

お姉さんだ…お姉さんが居る。

何で?

死んじゃったんじゃないの?

いや、違うよ…嬉しい…

嬉しい、嬉しい、嬉しい!

お姉さんが居る!

願いが叶ったんだ!

お姉さん!お姉さん!

台東「お姉さん!」

西井「うわッ」

台東「僕の事覚えてるよね!」

西井「え…と…」

あぁっあの時、僕は小学3年生だから
高校生になった僕が分からないんだね。

台東「僕はお姉さんに助けて貰ったんだよ」

西井「…え…初対面だよね?
助けたって…誰かと勘違いじゃ」

大丈夫、大丈夫…お姉さんは思い出す。

台東「僕はね、流れ星にお姉さんと会いたいって
お願いしたんだよ!
それが叶って、また会えたね」

西井「…えと」

お姉さんの顔は引き攣ってるけど、大丈夫。

台東「僕ね、お姉さんが居なくて
今までずっと、つまらなかったんだ。
だけど、もう安心だよ。
僕ね、お姉さんの事、好きだよ。
だから、これから一緒に思い出たくさん作ろうね」

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北丘「…ココも駄目そうだな」

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