妄想女子、イケメン男子に揶揄われる

なゆか

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地獄の通学路

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次の日の朝

伊野君といい、赤沢君といい…
本当後々思い返すとクッソ萌えるなと思いながら、
電車に乗り込むと赤沢君が居た。

赤沢「あ」

嘘だろと後退りしようとしたが、
後ろからの乗客に押され、
赤沢君の前まで来てしまった。

関尾「あー山田さんじゃん、おはよ」

それに、同じクラスの関尾君もいる。

赤沢「何、せっきー知り合いなの?」

関尾「クラス同じ」

イケメンダブルパンチに汗が噴き出る。

赤沢「こいつ変態なんだよね」

関尾「え、突然だな」

電車内で、昨日の今日で、
しかも同じクラスの関尾君に
サラッとバラした赤沢君。

赤沢「まじで怖いから」

関尾「ははは、良にバレたのか」

山田「……ぇ」

関尾君の意味深な言葉で、
更に汗が尋常じゃない程流れる。

赤沢「え、せっきー知ってたの?」

関尾「クラス同じだしな」

山田「え…なぜ」

関尾「そりゃ教室内で萌え袖がどうだとか
絶対領域の割合とか、よだれがなんとかとか…
色々含めてやばい話してるし、
それみんなに普通に聞こえてんし」

山田「…う、嘘だろ」

関尾「山田さん、教室で目立ちまくってんだもん」

赤沢「痛いわー」

関尾「それでこの前、ネズミ~キャラの
モノマネしてて、全く似てなさ過ぎて
くっそ笑ったわ」

赤沢「なんだ、そういう系か」

山田「…そ…そういう系とは…」

関尾「いじられ系って事でしょ」

それから、関尾君は私のこっぱずかしい行動など、
見てた範囲で赤沢君に話し出した。

電車がついた頃には、私のメンタルは
ボロボロになった。

山田「…じゃあ、私はここで」

関尾「一緒の学校行くんに、
なんでここから別行動?」

山田「いや、煌びやかな人達と一緒にいたら
女子から妬まれて、虐められる可能性が」

赤沢「なんの心配してんの?
お前レベルが妬まれるわけないでしょ」

関尾「良、言い過ぎ」

赤沢「だって、そうでしょ。
2人で歩いてたとしても何も思われないでしょ。
ホテル街だったら、金目当てレベル」

関尾「良、まじ失礼」

赤沢君は私の事を煙たく思っている。

山田「…」

関尾「今まさに良が山田さん虐めてんじゃん」

赤沢「虐めてない、むしろ喜んでるでしょ」

山田「いや、メンタルダメージが」

赤沢「それを結局後でオカズにすんでしょ。
ダメージになってないじゃん、
糧になってるし」

山田「確かに後で糧にはなりますが、
今は死ぬほど逃げ出したいです」

赤沢「せっきー、まじコイツ
すぐ墓穴掘ってキモいでしょ?
こんなボロクソ言ってんのに、効果なし」

関尾「いいんじゃね、それでこそ山田さんって
感じだし、変態特攻隊長じゃん」

変態特攻隊長って、なんだよと
他のクラスメイト達にもそんな風に
言われてんのかなと絶望した。

赤沢「だってさ、変態」

山田「あんま変態変態言わないでくださいよ」

関尾「確かに公共の面前で変態は可哀想だな」

赤沢「本当の事なんだからいいでしょ?」

関尾「だとしても、最近変な奴多いし
山田さん女子だし虐めるのも
大概にしてあげな」

関尾君は結構常識あるなと神に見えた。

赤沢「はいはい、分かったよ。
人の多いとこ以外にするから」

山田「…罵倒はやめる気ないんかい」

赤沢「は? お前のスマホの中身
せっきーと弘樹に言うよ?」

山田「…す…すみません」

関尾「スマホの中身って?」

赤沢「昨日、どんなデータ入ってるのか
スマホチェックして」

山田「謝ったじゃないですか!
流石に本当それだけは勘弁してください」

昨日の帰りの電車で赤沢君にスマホを取られ
データを見られた。

赤沢「今後、俺に大口叩いたら言うからね」

関尾「良は、サドだなー」

完璧弱み握られてるなと落胆した。



結局、3人で登校し教室に入るなり
昨日赤沢君にフラれてたギャルのクラスメイトに
声を掛けられた。

「なんで、良と登校してるの?」

山田「え…あ」

関尾「電車一緒だったんだよな」

すぐに関尾君にフォローされ、事なきを得たが
赤沢君の言い分間違ってるじゃんと、
女子からの妬み怖いと思いながら
今後はコソコソ生きていこうと
注意することにした。

そして、関尾君はやっぱり神だった。

~~

ガラッ

赤沢「おはよ、弘樹、かっしー」

伊野「ん? おーおはよ」

柏木「赤沢か、おはよう」

「おはよう赤沢君!」

せっきーと変態と分かれ、教室に入るなり
弘樹とかっしー、それに他のクラスメイトに
挨拶して席に着いた。

柏木「昨日女フッたんだって?
女なんて、そもそもが面倒だから
付き合わなきゃいいのに」

赤沢「出たよ、女嫌い」

かっしーは、中学の時女子関連で
面倒事に巻き込まれた以降女嫌いになっていた。
そのせいか、彼女関連の話には嫌悪感を抱くようだ。

伊野「良さ、結局昨日
山田さんと仲良く帰った?」

赤沢「仲良くないし」

柏木「誰、山田って」

伊野「あー真那人は共同授業被った事ないかー、
山田さんは3組の面白い女子」

柏木「もう次のに手出してんのかよ」

赤沢「は? アレに手出すとか
天地がひっくり返ってもあり得ない」

伊野「朝も登校してたから、
仲良くなったのかなって思ってたけど、
そーでもないのか」

赤沢「なんか、3組の中で
アレが変態だって、みんな知ってるっぽいよ」

伊野「そうだったのか!」

柏木「山田って奴、変態なのか?
でも、女子なんだよな?」

赤沢「ど変態」

柏木「同級生にど変態って言われてる時点で
やばい奴だな」

赤沢「スマホの中身もやばかったし」

伊野「えっ山田さんのスマホの中身見たの?」

赤沢「見た見た、なんか漫画かなんかの
エロ画像とか入ってて、まじでキモかったわ」

伊野「うっわ、ゲスい事するな良」

柏木「そいつに同情するわ」

珍しくかっしーが女子に同情した。

赤沢「見られて困る画像入れてるのが悪いし」 

伊野「あんま、虐めないであげな」

赤沢「それせっきーにも言われたわ」

伊野「良は、やり過ぎる節あるからな」

柏木「確かに、だから変なメンヘラとかに
好かれんだよ」

赤沢「それ関係なくない?」

俺が責められるとは思わなかった。

なんで、俺があの変態のせいで責められないと
いけないんだと、後で文句言いにいってやる。

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