潔癖症

なゆか

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不潔な弟

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私の目の前で、私の下着を握っている
友成君の弟の智近君は
この異常な状況なのに挨拶して来た。

間藤「…は?」

智近「えへ…へへ…僕の名前はね…へへ
智近って言うんだ…はじめまして間藤さん…」

ニヤニヤと不敵に笑い、
口元は茶色く、酸っぱい臭いが鼻を掠めた。

間藤「…本当に、友成君の弟…?」

知孝君に聞くと空返事をされた。

知孝「智近、友成が来ないうちに部屋戻れよ」

智近「…うぅ…たか君邪魔しないでよ…
せっかく間藤さんと、お話ししてたのに…うぅ」

知孝君は面倒くさそうにしている。

智近君は私の下着を持ったまま
横をすれ違ったがさっき鼻を掠めた臭いの
根源はやっぱり智近君だった。

間藤「どういう事…」

私は困惑していた。

今の何だったんだ…

知孝「はぁ、友成が潔癖症で智近は不潔症? 
まぁ何つうか兄弟で感性が真逆なんだよ」

間藤「…」

知孝「兄2人があんなんとか最悪だわ」

末っ子大変だなと思うが、
そうじゃないだろとも思う。

間藤「下着が盗られた」

知孝「あんな嗅がれたやつ、
もう履けないだろ」

間藤「いや、そうではあるけど
盗られた事実が…それに制服が」

知孝「あー制服か」

知孝君は首元をかきながら、
ダラダラと脱衣所を出た。

知孝「智近の部屋、くせーから
行きたくないんだよな」

どうやら、取り返してくれるらしい。

間藤「兄弟でそんな価値観違うんだね」

知孝「まじで友成と智近が顔合わせたら最悪だわ」

間藤「同じ家に住んでて、
今までどうやって…」

知孝「見りゃ分かる」

廊下を曲がり、長い廊下を歩き
突き当たりの部屋の前まで来た。

明らかにこの部屋だけ隔離というか
遠ざけられている。

間藤「…ゔ」

ドアは閉まっているが、
既に悪臭が部屋から漏れ出ている。

コンコン

知孝「智近ー、流石に制服は返せよ」

知孝君がそういうとすぐにドアが少し開き、
それだけで悪臭が廊下に広がり、顔を背ける。

智近「ぁ…返さない…」

知孝「返さないじゃないだろ、普通に窃盗」

智近「…ごめんね…間藤さん…
僕…返したくなくて」

知孝「はぁ」

知孝君はドアを力任せに開け、
全開になった瞬間、
ぶわっと顔に悪臭がかかり
噎せて咳き込んだ。

間藤「…ゔっ」

知孝「…ッ…まじでくせーな」

智近「たか君やめてよっ…」

知孝「あーあったあった」

なんなんだ、この悪臭は…

口元を抑えながら、
部屋を覗くとテレビで観た事がある
ゴミ屋敷のようだった。

知孝君はゴミを踏みながら、
ドレッサーに掛かっていた私の制服をとった。

智近「あぁっ僕のなのに」

知孝「ちげーだろ」

なんなんだこの人は…
僕のって…私の制服じゃん…

私は唖然とする事しか出来ない。

智近「酷いよッ!!!
なり君が汚いって思ったモノは、
僕のじゃないかっ! 」

知孝「うるせー、暴れるな」

智近君は半狂乱で怒って暴れ出し、
埃や悪臭が更に広がる。

間藤「…ゔわ」

知孝「ほらっ…」

知孝君は私の制服を投げ渡してくれた。

知孝「あんたはさっさとリビング戻れよ。
臭いが付く」

智近「あー!僕のなのにッ」

知孝「うるせーッ」

知孝君は智近君を抑えてくれて、
私はリビングに戻る事にした。

友成「ねぇ、何してるの」

間藤「…え」
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