潔癖症

なゆか

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トラウマ

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ドサッ

私はリビングに戻っていた友成君に
汚れた制服を投げつけた。

友成「…なんのつもり」

間藤「こっちのセリフでしょ…」

やっぱ、無理だったんだ潔癖症とは…

友成「…」

間藤「ソレ、汚いから捨てて」

友成「…制服を?」

間藤「他になんかあんの?」

友成君は俯き、
どんな表情してるのか分からないが、
とにかく腹が立つ。

黙り込む友成君の後ろに
盛り付けられた3人分の食事が目に入る。

あの後、用意したって事?
私をあんな場所に閉じ込めておいて?

間藤「…無理だわ」

そう言い残し、私はもう二度と
来ることはない友成君の家を後にした。



家に着き、直ぐに服を脱ぎ捨て
風呂場に入る。

短時間、あの部屋に居ただけなのに
身体中にあの臭いがまとわりついている。

髪は3回洗い、身体は肌が赤くなるほど洗い続けた。

それでも臭いが消えない。

間藤「汚い…汚い汚い汚いッ」

再び風呂場に戻り、
身体を洗い、やっぱり臭いが落ちなくて
私は何度も風呂を出たり入ったりを繰り返した。

夜も寝れるわけがなく、
身体が痒く掻きむしり、一晩で身体中が
傷だらけになった。



次の日の朝

「その傷、どうしたのよ⁈
それに、制服は?」

母に聞かれたが、何も応えなかった。

まぁ、スカートは夏服履けばいいし
ブレザーも卒業した先輩にもらえばいいや…

私はまだ痒い身体を掻きながら、登校した。



「うわっ何どうしたのソレ⁉︎」

登校するなり友達に騒がれる。

間藤「あぁ…掻いた」

「引っ掻かれたじゃなくて?」

間藤「自分で掻いた」

「昨日、友成君の家に誘われたって
言ってなかったっけ?」

間藤「言った」

「その引っ掻き傷、もしかしてって」

間藤「違う、別れたから」

「えぇっあんな友成君の事
好きだったのに⁈」

間藤「声デカい」

そう言うと丁度友成君が
教室に入って来た。

「あっ来たじゃん、彼氏」

間藤「うるさいな」

「あんだけ好き好き言ってたのに、
勿体無いじゃん。
喧嘩なら仲取り持とうか?」

間藤「余計な事すんな、とにかく別れたから
はい、この話しは金輪際しないで」

そう言った途端に、机横に友成君が立った。

友成「別れたって、どう言う事」

間藤「は?」

「納得してないっぽいよー」

友成「部外者は黙ってて、
間藤…こっち来て」

友成君が私の手を掴んだ。

潔癖症のくせに…汚れた私を掴むなんて…

間藤「汚い」

友成「…え」

間藤「汚いッ…汚い汚い汚いッ!」

私は友成君の手を振り払い、
廊下の水道の前に急いだ。

洗わないと…早く…

蛇口を回し、石鹸で手を洗う。

間藤「…汚い」

友成「…何…してるの」

間藤「汚いから洗ってんだよ」

友成「…汚いって、俺が?」

間藤「違う」

ジャバジャバと水が飛び散り、
カーディガンが濡れていく。

友成「…違うって、どういう」

間藤「汚いのは私に決まってんでしょ」

あの部屋に閉じ込められたから、
私は汚くて臭くなった。

友成「なんで…」

間藤「うるさいッ友成君は潔癖症なんだから、
汚い私に近付かないで!」

私は蛇口を最大まで捻り、
頭から水を被った。

「ちょっと!何やってんの⁉︎」

私は濡れたまま、友達に保健室まで引き摺られた。



「まじ、何やってんの…
友成君が潔癖症だから、あんな事したの?」

間藤「汚いからね、私」

「あのさ、告白する前に潔癖症だって
知ってたじゃん…つか、有名でしょ。
それなのに告白して、OK貰った結果がこれ?
そもそも、別れたのに何やってんの」

友達にタオルを投げられる。

「とにかく、着替え持ってくるから」

私はまだ汚れて臭い身体をタオルで拭く。

間藤「あー汚い」

何度身体を洗っても、汚れは落ちなくて…
消臭スプレーを掛けても臭いが消えない…
綺麗にならないなら、いっそ…
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