BAD END後

なゆか

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胃潰瘍

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早退後

昼頃に狭間の野郎が午後の授業あるのに
うちに来た。

ギリギリ

狭間「あの状況で逃げるなんて、
信じられません。
あの後、立武さんがどんな思いをしたか」

親が勘違いして、家に上げてしまい
狭間は私の部屋で午後の授業をサボってまで、
私を苛立たせに来た。

狭間「俺は立武さんの事が好きなんて
一言も言ってないのに、
勝手な事言って…俺は
立武さんの手助けをしたいのであって、
好意を抱くなんて
そんな大それた事出来ませんね」

ギリギリ

今谷「…」

狭間「まぁ確かに、君坂君ではなく
俺なら立武さんを幸せに出来ますけど、
立武さんの気持ちが最優先ですし、
そもそも勇者と奴隷では身分が違くて…」

コイツ…立武さんしか頭にない…

まじでクソなんだけど…

狭間「聞いてます?」

ギリギリ

今谷「本当…お前…」

私は狭間に掴み掛かる。

なんで、この苛立ちが通じないんだよ…

今谷「クソ異常者ッ…面見せんな!」

狭間「先程も俺の事殴りましたよね?
そうやってすぐに手を出すなんて、
異常なのは今谷さんの方じゃないですか…
あっドラゴンだから
逆鱗に触れたって事ですね」

今谷「このッ」

ガチャンッ

「ちょっと、乃利⁉︎
何やってるの!」

私が声を上げたせいか
母が部屋に飛び込んで来て
狭間の胸ぐらを掴んでいる私は
怒られる羽目となった。



「誠に申し訳ございませんでした。
ほら、乃利も謝りなさい!」

ギリギリ

今谷「…ッ」

母に怒られ、
狭間の家に謝罪しに行く事になり、
私は無理矢理頭を下げらされた。

狭間の親は驚いた顔をしていたが、
謝りに来てくれたからと
謝罪の言葉なしでも
許してくれる事になった。

ギリギリ

こんなクソ野郎に謝るなんて反吐が出る。

「ちゃんと口に出して謝りなさい!」

しかし、事情を知らない母は
私の態度に腹を立て、
結果、狭間本人に謝る羽目となった。

ギリギリ

ギリギリ

ギリギリ



狭間の家から出ると、
再び母に頭ごなしに怒られた。

ギリギリ

今谷「…痛ッ」

ストレスが溜まり過ぎたせいで、
尋常じゃない程胃が痛くなり、
病院で診察を受けた結果、胃潰瘍…

この短期間に
あのクソのせいで胃に穴が空いた。



次の日

「乃利ッせめて部屋から顔出しなさいッ
狭間君がわざわざ迎えに来てくれてるのよ!」

朝から狭間のクソは、
私が胃潰瘍で学校を休むっていうのに
家に押しかけて来て、
母を取り込みやがった。

今谷「…クソ」

勿論、私は部屋の鍵を閉めっぱなしにし
部屋から出なかった。

ギリギリ

ギリギリ



次の日

ガチャン

「狭間君、乃利の部屋の鍵は開けたから
よろしくね」

狭間「分かりました」

狭間もクソだが、
そのクソに取り込まれた母もクソだ。

鍵開けるとか信じられない…

狭間「今谷さん部屋に篭ってる
場合じゃないですよね?
早く登校して来てください」

今谷「…クソ」

ギリギリギリギリ…



次の日

今谷「ゲホッ…」

ストレスで死にそうだ。

食べた物は吐いてしまい、
この短期間で何キロ痩せた?

なんで私があのクソのせいで、
こんな目に遭わないといけないんだ。

狭間「いつになったら
登校してくるんですか?」



次の日の放課後

香穂子「乃利…本当どうしちゃったの?」

今谷「…香穂子」

石田「何が遭ったんだ?」

今谷「…良伸君」

2人が見舞いに来た。

香穂子「乃利の力になるから、相談してよ」

今谷「…相談って」

2人は私の味方だろうが、
何も知らないで
イチャついてんだろと腹が立った。

今谷「話したら、解決してくれるわけ?」

香穂子「…え」

今谷「タクローが立武さんを
クラスの男子使って輪姦させててさ、
狭間がそれを私に止めされろって
しつこいんだよね」

石田「…ッ!」

香穂子「…え…輪姦って…」

その事実を言うと2人は驚いた後、
黙ってしまった。

今谷「立武さんもタクローの事が
好きだからって、輪姦受け入れるとか
まともな奴いねーのかよッ
ねぇ、どうする事も
できないって思ったでしょ?」

香穂子「…それは」

今谷「あと良伸君さ…タクローが
やってる事知ってたでしょ」

話した時の良伸君のリアクションで
勘付いた。

香穂子「…良伸?」

石田「香穂子…ごめん…
俺はその事知ってたんだ」

今谷「やっぱね」

香穂子「どうして黙ってたの?」

石田「…それは…」

今谷「立武さんが邪魔だから
放置してたんでしょ」

石田「その通りだ…
香穂子は立武を嫌っていたから…
俺は…見て見ぬ振りを選んだ」

香穂子「…私のせいにしないでよ」

香穂子はショック受けてる様だが、
私はそれを鼻で笑う。

今谷「面倒だから無視するのは当然でしょ…
私だって、そうしたいよ」

香穂子「…」

今谷「それなのに、あのクソ…狭間が
しつこくまとわりついてくんだよね…」

石田「今谷は狭間に何かされたのか?」

今谷「今の状況見りゃ分かんでしょ」

香穂子「まっまさか…」

香穂子は手で口を押さえた。

今谷「いや、襲われた訳じゃないけど
とにかく、立武さんを救えって過度に…
アイツは異常だよ」

私は2人に今までの話をした。



香穂子「…良伸、立武の事を放置したのは
この際いいわ、でも狭間を何とかして」

香穂子は相変わらずだなと思うが、
ここ最近の苛立ちを共有したからなのか
腹の痛みが少し和らいだ気がした。

石田「…何とかって」

香穂子「乃利の話聞いたでしょ?
狭間の行動は度が過ぎて気持ち悪いじゃない!
そのままじゃ、乃利が襲われかねない」

石田「そうだな…だが、
何を言っても無駄な狭間よりも
立武をどうにかした方がいいんじゃないか?」

香穂子「アイツを?」

石田「立武は、タクローを
振り向かせる為だからって
襲われてる事に関して抵抗してないんだよ」

良伸君が立武を説得する作戦は香穂子が
物凄く嫌そうな顔をしている。

香穂子「立武よりも、
そう言う事させてるタクローを」

今谷「タクローに何言っても、
もう手遅れでしょ。
襲わせてんだから」

石田「それなら、立武を襲ってるクラスメイトを
説得した方がいいんじゃないか?」

今谷「まぁ、確かにそうなんだけど
なんか写真やら撮られてるみたいなんだよね。
止めろって言ったら、
拡散とかされかねないでしょ。
そしたら、また狭間が出て来る」

香穂子「なら、どうしたらいいのよ!」

そう簡単にいかない問題だとは分かっていたが、
何も知らなかった2人に対しての苛つきは治った。

今谷「明日から登校するから」



次の日

ガラッ

君坂「こ…こんちゃん」

登校するなり、
クラスメイト達の視線が刺さり、
タクローはすぐに立ち上がった。

あのクソや立武さんは
まだ登校して来てないっぽい。

香穂子「乃利!」

石田「あまり、無理するなよ」

香穂子と良伸君はすぐに駆け寄って来て、
私は席に着いた。

君坂「…あ…あのさ、こんちゃん」

香穂子「タクロー、話して来ないでよ!
アンタがやった事全部聞いたんだからね」

君坂「…ッ」

石田「君坂、俺は話したからな」

君坂「…ずるいよね…それ…
今更こんちゃんの味方面しちゃって」

タクローは泣き出し、
クラスメイトの視線が面倒だなと
場所を移動した。



君坂「…ボクは…こんちゃんに
嫌われたくなかったのに…」

今谷「いや、裏で色々やってたの自分でしょ。
そういうお前が泣くって、何なわけ?」

君坂「…だって…あの女がしつこくて」

香穂子「諦めされる方法が気持ち悪いのよ!」

石田「相談してくれたら、良かったのに」

タクローは唇を血が出る程、噛み始めた。

君坂「相談?
何、相談したところで、
あの女をどうにか出来たの?
無理でしょ、ボクを振り向かせる為に
輪姦を受け入れる様な
頭のおかしい女だよ?」

タクローの言い分は、
私が狭間に腹を立ててる状況と
似ていて理解は出来る。

今谷「やり方は他にもあったでしょ」

君坂「…どんなに告白を断っても諦めないんだ。
ボクの悪行を知っても、
全て受け入れるとか言うんだ…
そんなアイツが耐えられなかったんだ…」

タクローは怒ってるのか震え出した。

君坂「かほちゃんと石ちゃんはいいよね~
幼馴染み同士?ずっと両想いで?
それが成就して真っ当な恋人同士に
なったんだもんな~…」

石田「…君坂」

君坂「ずるいよ…ボクは…
こんちゃんの事好きで、
2人みたいになりたかったのに…
もう無理じゃん」

タクローの告白に驚きはしなかった。

君坂「…あの女のせいで…無茶苦茶だよ…」

今谷「無茶苦茶にしたのはタクローでしょ」

君坂「…ッ…こんちゃん…」

タクローは不憫で愚かだと思う。

今谷「タクローも立武さんも本末転倒でしょ…」

立武さんを引き離す為に
外道な事をしたタクロー

タクローを好きで
身体を汚す事を受け入れる立武さん

今谷「自分がやった事に責任持てよ」

君坂「…こんちゃんが
そんな事言わないでよ…ッ…
アイツを受け入れるなんて無理ッ…」

責任=立武さんの好意を受け入れる事

そうタクローは思ったみたいだが、
この様子じゃ絶対に無理だと思う。

君坂「ボクの事…苦しめないでよ…」

タクローも苦しんでいて、
本当にどうすればいいか
分からなくなる。

ガラッ

狭間「こんなとこに居たんですね」

アイツが来た。

ギリギリ

狭間の顔を見ると胃が痛くなる。

香穂子「どのツラ下げて!」

香穂子は狭間に怒鳴るが、
それをガン無視して
私に近付いて来る。

石田「狭間!」

良伸君は私の前に立つ。

狭間「今谷さん、
早く立武さんを救ってください」

良伸君すら無視して…
今回は私しか見えてないのか
良伸君を避けて、私の腕を掴んだ。

狭間「来てください」

君坂「こんちゃんに触るな!」

狭間「邪魔ですよ、君坂君」

狭間はタクローの腹を蹴り、
タクローは倒れ込んだ。

君坂「ゔッ」

香穂子「ちょっと!」

狭間「君も邪魔です」

狭間は香穂子に拳を振り上げ、
すぐに良伸君が香穂子を引き寄せた。

石田「狭間ッ」

狭間「さあ、呆けてないで来てください」

良伸君は香穂子と距離を取り、
タクローは蹴られた腹を
抱えて咳き込んでいる。

狭間「立武さんは今谷さんにしか、
救えないんです」

狭間はそう言って
私の腕を強く握り、引き摺られた。



今谷「…まじで頭いかれてる…」

コイツは香穂子を殴ろうとした。

狭間に引き摺られ、着いた先は
屋上へのドアの前。

狭間「あの3人はお役御免なんですよ」

今谷「お役御免って…タクローは」

狭間「もう良いんです、彼は」

今谷「は?」

狭間の意味が分からない言動に胃を痛めながら、
屋上のドアが開かれた。

ぶわっと風を浴び、正面を見ると
フェンスの外に立武さんが立っている。

狭間「彼女は現状に耐え切れず、
今まさに終末を迎えようとしています」

今谷「自殺って事⁈」

狭間「彼女をそうさせたのは、貴方ですよ。
あの時、引っ掻き回した挙句に早退までして、
その後も学校をサボった結果が今です」

私のせいだと言っている狭間は
私の背中を思い切り押した。

狭間「さぁ、彼女を…穢れた勇者を救うのは
貴方ですよ」

また意味の分からない事を言われるが、
コイツに構ってる場合じゃない。

今まさに飛び降りようとしている
立武さんを無視出来るほど
私は腐っていない。

狭間「聖なるドラゴン」

今谷「うるさい」

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