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2-1 隠蔽
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俺が羽黒の人形を落として、
それを山台のせいにし、
山台は大怪我をして、
救急車で運ばれて行った。
「…どうすんだよ」
「お前のせいだろ」
赤戸「…それは」
羽黒が、ヤバい奴なのは、
一年の時に身をもって知っていた。
~
俺は羽黒に対し、
人形を持ってる変な奴程度にしか
思っていなかった。
同じクラスでも、別に関わる事はないし
羽黒がクラスメイトから虐めまがいに
イジられているのを知っていたが、
見て見ぬ振りしていた。
入学して数ヶ月が経ち、
最近、注意力が散漫だと
部活中何度も監督や先輩に怒られ、
家でも成績が落ちただの、
いちいち親や兄から文句を言われるようになった。
そのストレスが蓄積し、
俺はクラスメイトに混ざり、
羽黒に暴言を吐いてしまった。
こんなんでストレスが晴れるわけが無い
明日、羽黒に謝るか…
しかし、次の日俺の祖父が死んだ為
学校を休む事になった。
すぐに登校出来ると思っていたが
祖父の遺品整理等手伝わされ、
結局3日も学校を休んだ。
3日ぶりに登校すると、
羽黒をイジっていたクラスメイトが
全員入院かつ、退学処分になっていた。
何が遭ったんだと追及すべく
見舞いに行く事にした。
「学校来なくて良かったなお前」
入院も退学も、全て羽黒に報復された結果だと
震えながら言われた。
赤戸「冗談だろ」
「お前も一緒になって、
暴言吐いたくせに逃げやがって」
「ずるいな」
「お前だけ退学じゃねーんだろ?」
「どの面下げて、見舞いなんかに来てんだよ」
俺は退学したクラスメイト達に責められ、
病室を後にした。
~
次の日
赤戸「おい、羽黒」
俺は登校するなり羽黒に話しかけると
スッと何か腕に線が入った。
羽黒「あと、お前だけだね」
線かと思ったが、そこから血が滲み
羽黒の手にはカッターが握られていた。
赤戸「ひッ」
何の躊躇もなく腕を切られた。
赤戸「あ…謝ろうと…」
羽黒「謝罪?」
俺は羽黒に頭を下げると、
カッターの刃をしまう音がし、
許して貰えたと顔を上げた瞬間、
目の前が真っ暗になった。
気が付いたら時には、
一生激しいスポーツが
出来ない身体にされていた。
親や部員達に、こんな大事な時期にと
失望され、誰一人羽黒を咎める事はなく、
俺はどこにも居場所が無くなった。
~
そんな事があり、俺は羽黒が恐い。
だから、咄嗟に自分を守る為
嘘をついた。
その結果、
俺以上に血を流す事になった山台。
赤戸「…はッ…ふぅ」
俺は覚悟を決めて、羽黒が居る廊下に出る。
赤戸「…ッ」
羽黒は廊下に残る割れたガラスと
山台の血をしゃがみ込んで見ている。
赤戸「…な…なあ」
羽黒「何」
赤戸「ご…ごめん…お…俺が、
羽黒の…人形…落として…それで…
そのっ…山台は悪くないんだ」
羽黒「…で?」
赤戸「え、俺が人形を落として、
それを山台のせいに」
羽黒「ルネは机の真ん中に
座らせていたよ。
ちょっとぶつかったくらいでは
落とさないよね」
赤戸「…ぇ…あ…それは」
言われればそうだ…
俺が人形を手に取らなければ
こんな事にはならなかった。
羽黒「まぁ実際、
手を捥いだのは彼女だから」
赤戸「山台は俺が落とした
人形を拾っただけでッ」
羽黒「違う、彼女はルネの腕を盗んだから」
赤戸「そのきっかけを作ったのは俺で
羽黒が大切にしてる人形を
傷付けたのは俺なんだよッ」
羽黒「…」
必死に訴えても無駄だった…
完全にターゲットを山台に定めている。
俺のせいでごめんな、山台…
~
次の日
山台は学校を休み、
担任から何日か療養すると伝えられた。
羽黒「…腕」
赤戸「山台は…あんな怪我して」
羽黒「そんなの関係無い、
あの子の家はどこ?」
昨日、羽黒は山台に対し、
暴力を振るって、悲惨な結果になったのに
誰も羽黒を咎めなかった。
俺は責められるのに、
なんなんだよ、コイツ…
羽黒「住所は?」
今も羽黒にカッターを向けられ、
山台の住所を放課後までに
調べないといけなくなった。
赤戸「…山台と仲良いのって」
「え?」
今のクラスには、山台と仲良い奴は居なく、
一年の時の話を聞き、俺は他クラスを訪れた。
「私、中学一緒だから住所なら知ってるけど」
赤戸「教えてくれないか、
お見舞いに行きたくて」
「あー昨日のか…
山台さんは本当凄いよね、あの羽黒君を
庇って大怪我とか…ヒーローじゃん」
赤戸「…え?」
何の話だ?
「どうしたの?」
赤戸「今なんて」
「ん?だから、山台さんは
老朽化して割れたガラスから
羽黒君を守ったんでしょ」
赤戸「それ誰から?」
「誰からって…みんな言ってるよ」
デジャヴだ、
一年の時も同じような事があった。
学校側は、羽黒をイジったクラスメイト達は、
他校の生徒と喧嘩したから退学という話に
すり替わっていた。
でも、退学していった元クラスメイト達から
羽黒に報復されたと聞いたし、
その時、同じクラスの奴には
羽黒が暴れたと聞いていた。
それに今でも腕に残っている
カッターの切り傷、
怪我のせいで
退部し暇になった放課後の時間…
また、真実がもみ消されのか…
赤戸「…ッ」
そんな羽黒に山台の住所を
教えてしまってもいいのか?
俺のせいで、また山台が…
羽黒「それ、早く寄越して」
悩んだ結果、
俺はカッターを向ける羽黒に
山台の住所を渡してしまった。
赤戸「山台は…何も悪く無い…だから、
これ以上酷い事はしないでくれ」
羽黒「…」
俺は頭を下げたが、羽黒は何も言わずに
去って行った。
~
次の日
山台も羽黒も学校を休んだ。
それを山台のせいにし、
山台は大怪我をして、
救急車で運ばれて行った。
「…どうすんだよ」
「お前のせいだろ」
赤戸「…それは」
羽黒が、ヤバい奴なのは、
一年の時に身をもって知っていた。
~
俺は羽黒に対し、
人形を持ってる変な奴程度にしか
思っていなかった。
同じクラスでも、別に関わる事はないし
羽黒がクラスメイトから虐めまがいに
イジられているのを知っていたが、
見て見ぬ振りしていた。
入学して数ヶ月が経ち、
最近、注意力が散漫だと
部活中何度も監督や先輩に怒られ、
家でも成績が落ちただの、
いちいち親や兄から文句を言われるようになった。
そのストレスが蓄積し、
俺はクラスメイトに混ざり、
羽黒に暴言を吐いてしまった。
こんなんでストレスが晴れるわけが無い
明日、羽黒に謝るか…
しかし、次の日俺の祖父が死んだ為
学校を休む事になった。
すぐに登校出来ると思っていたが
祖父の遺品整理等手伝わされ、
結局3日も学校を休んだ。
3日ぶりに登校すると、
羽黒をイジっていたクラスメイトが
全員入院かつ、退学処分になっていた。
何が遭ったんだと追及すべく
見舞いに行く事にした。
「学校来なくて良かったなお前」
入院も退学も、全て羽黒に報復された結果だと
震えながら言われた。
赤戸「冗談だろ」
「お前も一緒になって、
暴言吐いたくせに逃げやがって」
「ずるいな」
「お前だけ退学じゃねーんだろ?」
「どの面下げて、見舞いなんかに来てんだよ」
俺は退学したクラスメイト達に責められ、
病室を後にした。
~
次の日
赤戸「おい、羽黒」
俺は登校するなり羽黒に話しかけると
スッと何か腕に線が入った。
羽黒「あと、お前だけだね」
線かと思ったが、そこから血が滲み
羽黒の手にはカッターが握られていた。
赤戸「ひッ」
何の躊躇もなく腕を切られた。
赤戸「あ…謝ろうと…」
羽黒「謝罪?」
俺は羽黒に頭を下げると、
カッターの刃をしまう音がし、
許して貰えたと顔を上げた瞬間、
目の前が真っ暗になった。
気が付いたら時には、
一生激しいスポーツが
出来ない身体にされていた。
親や部員達に、こんな大事な時期にと
失望され、誰一人羽黒を咎める事はなく、
俺はどこにも居場所が無くなった。
~
そんな事があり、俺は羽黒が恐い。
だから、咄嗟に自分を守る為
嘘をついた。
その結果、
俺以上に血を流す事になった山台。
赤戸「…はッ…ふぅ」
俺は覚悟を決めて、羽黒が居る廊下に出る。
赤戸「…ッ」
羽黒は廊下に残る割れたガラスと
山台の血をしゃがみ込んで見ている。
赤戸「…な…なあ」
羽黒「何」
赤戸「ご…ごめん…お…俺が、
羽黒の…人形…落として…それで…
そのっ…山台は悪くないんだ」
羽黒「…で?」
赤戸「え、俺が人形を落として、
それを山台のせいに」
羽黒「ルネは机の真ん中に
座らせていたよ。
ちょっとぶつかったくらいでは
落とさないよね」
赤戸「…ぇ…あ…それは」
言われればそうだ…
俺が人形を手に取らなければ
こんな事にはならなかった。
羽黒「まぁ実際、
手を捥いだのは彼女だから」
赤戸「山台は俺が落とした
人形を拾っただけでッ」
羽黒「違う、彼女はルネの腕を盗んだから」
赤戸「そのきっかけを作ったのは俺で
羽黒が大切にしてる人形を
傷付けたのは俺なんだよッ」
羽黒「…」
必死に訴えても無駄だった…
完全にターゲットを山台に定めている。
俺のせいでごめんな、山台…
~
次の日
山台は学校を休み、
担任から何日か療養すると伝えられた。
羽黒「…腕」
赤戸「山台は…あんな怪我して」
羽黒「そんなの関係無い、
あの子の家はどこ?」
昨日、羽黒は山台に対し、
暴力を振るって、悲惨な結果になったのに
誰も羽黒を咎めなかった。
俺は責められるのに、
なんなんだよ、コイツ…
羽黒「住所は?」
今も羽黒にカッターを向けられ、
山台の住所を放課後までに
調べないといけなくなった。
赤戸「…山台と仲良いのって」
「え?」
今のクラスには、山台と仲良い奴は居なく、
一年の時の話を聞き、俺は他クラスを訪れた。
「私、中学一緒だから住所なら知ってるけど」
赤戸「教えてくれないか、
お見舞いに行きたくて」
「あー昨日のか…
山台さんは本当凄いよね、あの羽黒君を
庇って大怪我とか…ヒーローじゃん」
赤戸「…え?」
何の話だ?
「どうしたの?」
赤戸「今なんて」
「ん?だから、山台さんは
老朽化して割れたガラスから
羽黒君を守ったんでしょ」
赤戸「それ誰から?」
「誰からって…みんな言ってるよ」
デジャヴだ、
一年の時も同じような事があった。
学校側は、羽黒をイジったクラスメイト達は、
他校の生徒と喧嘩したから退学という話に
すり替わっていた。
でも、退学していった元クラスメイト達から
羽黒に報復されたと聞いたし、
その時、同じクラスの奴には
羽黒が暴れたと聞いていた。
それに今でも腕に残っている
カッターの切り傷、
怪我のせいで
退部し暇になった放課後の時間…
また、真実がもみ消されのか…
赤戸「…ッ」
そんな羽黒に山台の住所を
教えてしまってもいいのか?
俺のせいで、また山台が…
羽黒「それ、早く寄越して」
悩んだ結果、
俺はカッターを向ける羽黒に
山台の住所を渡してしまった。
赤戸「山台は…何も悪く無い…だから、
これ以上酷い事はしないでくれ」
羽黒「…」
俺は頭を下げたが、羽黒は何も言わずに
去って行った。
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次の日
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