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自分は今どこにいるか一瞬わからなかった。
真っ白な柔らかい物に包まれている。
…暖かいな…
ここは天の国?
もしかしたらお母さんに会えるかも知れない…。
薄っすらと目を開ける。
暖かな布に包まれている様だ。
まだ力が入らなくて動くことが出来そうにない。
それでも首を伸ばして、布を持ち上げ外を見てみる。
…知らない所だ。
土間続きの六畳の畳の上に
布団が敷かれ、ふぅは暖かい布団に包まれていた。
一般的な日本家屋なのだが
生まれた時から野良に近い扱いだった
ふぅ にとっては
そこにある物全て、見た事のないものばかりだ。
土間では竃に火が入っていて、ほんわりと暖かく
辺りにはいい匂いが立ち込めていた。
自然にひくひくと鼻が動く
いい匂い…お腹すいた…。
小さい声で鳴いてみる。
「ど…どなたかいますか?…いっ!」
かすれて消え入りそうな小さな声しか出せなかった…。
力が出ない…。
凍傷になりかけた手足の感覚が戻ったせいか
激痛が走る。
「ううっ…!」
ドタドタと騒がしい足音が聞こえガタンと障子が開いた。
「おおっ!起きたか?チビ助!大丈夫か?」
音を立てて入って来たのは、大きな体躯の男。
あれ…人…かな…?
なんで私、この人の言ってる言葉がわかるんだろう…?
一瞬、戸惑っていると
銀色の髪を振り乱し、赤い目をした のっぽのその男は
布団から顔を出したふぅを覗き込んだ。
男は全身から淡い光を放ち、紅く光る目でふぅを見つめ笑った。
にかっと開いたその口には
鋭い犬歯が覗いていて、頭の上には尖った角が2本ある。
…こんな人、見たことないな…。
見上げて目が合う。すると男はさらに目尻を下げた。
「腹が減っただろう? すぐ用意してやる!ちょうど飯が出来たところだ。」
そう言うといきなりガシガシッと大きな手で頭をなでられた。
「ふぎゃっ!」
(ちょ…ちょっと痛いっっ! なんかゴツゴツしてる
大きな手…爪はなんだか自分とお揃いっぽい…。)
思わず首を引っ込めヒキガエルが潰れた様な声で鳴いたら
「おお!すまん、すまん、力が強過ぎたか?」
そう言うと今度はそっと包み込む様に撫でてくれた。
真っ白な柔らかい物に包まれている。
…暖かいな…
ここは天の国?
もしかしたらお母さんに会えるかも知れない…。
薄っすらと目を開ける。
暖かな布に包まれている様だ。
まだ力が入らなくて動くことが出来そうにない。
それでも首を伸ばして、布を持ち上げ外を見てみる。
…知らない所だ。
土間続きの六畳の畳の上に
布団が敷かれ、ふぅは暖かい布団に包まれていた。
一般的な日本家屋なのだが
生まれた時から野良に近い扱いだった
ふぅ にとっては
そこにある物全て、見た事のないものばかりだ。
土間では竃に火が入っていて、ほんわりと暖かく
辺りにはいい匂いが立ち込めていた。
自然にひくひくと鼻が動く
いい匂い…お腹すいた…。
小さい声で鳴いてみる。
「ど…どなたかいますか?…いっ!」
かすれて消え入りそうな小さな声しか出せなかった…。
力が出ない…。
凍傷になりかけた手足の感覚が戻ったせいか
激痛が走る。
「ううっ…!」
ドタドタと騒がしい足音が聞こえガタンと障子が開いた。
「おおっ!起きたか?チビ助!大丈夫か?」
音を立てて入って来たのは、大きな体躯の男。
あれ…人…かな…?
なんで私、この人の言ってる言葉がわかるんだろう…?
一瞬、戸惑っていると
銀色の髪を振り乱し、赤い目をした のっぽのその男は
布団から顔を出したふぅを覗き込んだ。
男は全身から淡い光を放ち、紅く光る目でふぅを見つめ笑った。
にかっと開いたその口には
鋭い犬歯が覗いていて、頭の上には尖った角が2本ある。
…こんな人、見たことないな…。
見上げて目が合う。すると男はさらに目尻を下げた。
「腹が減っただろう? すぐ用意してやる!ちょうど飯が出来たところだ。」
そう言うといきなりガシガシッと大きな手で頭をなでられた。
「ふぎゃっ!」
(ちょ…ちょっと痛いっっ! なんかゴツゴツしてる
大きな手…爪はなんだか自分とお揃いっぽい…。)
思わず首を引っ込めヒキガエルが潰れた様な声で鳴いたら
「おお!すまん、すまん、力が強過ぎたか?」
そう言うと今度はそっと包み込む様に撫でてくれた。
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