黒猫ふぅの徒然日記

MOKO

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情が移るとはよく言ったもの。

天河も宵闇も元々情に脆い面がある。

話を聞くと黙っていられなかった。

「身体が癒えるまでは、ここにいて休んでいいぞ。

大地のその後は城へ帰るといい。」

天河達は玄太に 上野泉の守宛に届け物をする様に



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



深夜 どこから入ったのか音もなく

一羽の烏が寝所の奥へと舞い降りた。

城の奥にある寝所の中に突如現れた烏に

驚いたのはこの城の主人だった。

烏は銀色に光る羽を咥えていた

恭しくその羽を、主人の男に進呈する仕草を見せる。

男は奇怪に思いながらその羽を手にした。

すると羽は不思議な事に銀の光を放ち目の前に文字が浮かんだ。



「我、怒塚山の鬼なり

我らの山にて

貴殿のご子息 預かり候

詳細が知りたくば 今、1人

怒塚山千年大樹に来られたし。」


男の目にした内容はさらりと宙に解け

手にした羽根に吸い込まれる様に消えていった

後には美しく光る 銀色の鳥の羽根だけが残った。

烏は頷くと、ちょんちょんと歩き寝所の外へと促す。


怒塚山の鬼からの奇妙な申し出に戦慄を覚えるも


愛した女が殺され、たった1人の息子は行方不明。

知らせが届き早馬で駆け付け その現場の惨状を見て

背中から切られた女の骸を抱きしめ さめざめ泣いた。

その日から夜も眠れず憔悴しきっていた男にとっては

愛した女との子供が、生きてくれている事を知っただけでも

どれだけ救いになったか…。

しかし鬼とは…


いや…これも自分の蒔いた種だというのか


男は誘われるまま烏について行った。
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