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今回はちょっと良かったですね。
黒外套の男が笑った。
白外套の女の人がこくこく頷く。
うん、今回だいぶ頑張ったからね。
それにしてもさっき
もう少し早く助けてくれても良かったんじゃないですか?
いつもあの二人長いですよ。
男の人はケタケタと
女の人はくすくすと静かに
笑うだけ笑って
「まぁ良いじゃないですか
それも旅の醍醐味ですし、
それに、そろそろ橋です。
…お別れの時です。
私たちの案内はここまで ですしね。」
ここに来てやっと白外套の女の人が
初めて話しかけてくれた。
「またいつかお会いできると良いですね。」
「はい、そうですね。」
「それじゃあ また。」
「ええ、また。」
そう言うと名残惜しそうに
2人はファイルを僕に差し出した。
僕はそれぞれの
ファイルを受け取って
脇に挟むと
手をさし出した。
2人と順番に向き合い握手をした。
お別れの時だ。
彼らは多分僕が生まれた時からずっと
僕のそばにいて
ちゃんと最後まで見ていてくれた人達。
倶生神さんだ。
この川を渡れば
僕に残るのは
このファイルに残された
今回の人生と
魂の履歴のスタンプカードだけ
ここからの旅は1人かぁ
やっぱりちょっと寂しいなぁ。
1人で橋を渡る。何度か振り返る。
渡りきるまでは彼らは僕を
見ていてくれるんだ。
何度も振り返り手を振る。
笑ってる様子が丸わかりの黒外套の男
その横で小さく手を振る白外套の女の人。
橋の真ん中辺りまで来て
川の景色を眺める。
川上はものすごく急な流れで
波が泡立ってるのが見えた。
激流を泳いでる人もいるし
川下の浅瀬を歩いてる人もいる。
ゆっくりと周りを見渡す
この風景にも見慣れたもんだ。
橋を渡りきった。
しばらく河原の道を進んだ。
朱色の鳥居とその横に看板があった。
鳥居を潜る。
小さな受付
そこに初江王のおじいさんが待っていて
手を振ってくれた。
「やぁ大変だったでしょ?
前のお年寄り2人は
いつも話が長くてなかなか終わらないからね。
待ってる方はちょっと辛いんだけどね。」
「はははっ」
答え辛いので笑って
スタンプカードとファイルを渡す。
渡されたファイルを開き
ふむふむ頑張ったんですね。
おつかれ様でしたね。
ちょっと横のベンチに座って
待っていてくださいね。
ちょっとお時間ある時かかるので
そう言った後
受け取ったファイルの中の
バーコード読み取った
横の通信機器から声か聞こえた。
なんかチャットしているみたいだった。
まぁ今回も多分
有罪だろなぁ
初江王さんは
ふんふん頷きながら
まぁ結論有罪ですねー。
でも、マロンちゃんが
あなたの弁護すごく頑張ってくれて
それで
有罪、情状酌量
次回再提出ってところですよ。
まぁまた次頑張りましょう。
そう言うと
スタンプを押してくれた。
✱初江王
死後14日目に出会う
釈迦如来の化身
生前亡者と
関わりのあった生き物を呼び出し
証言を聞く
生前の罪を問われる。
✱倶生神
人が生まれる時両肩に宿り
1人は善い事のみ
もう1人は悪しき事のみを監視している。
黒外套の男が笑った。
白外套の女の人がこくこく頷く。
うん、今回だいぶ頑張ったからね。
それにしてもさっき
もう少し早く助けてくれても良かったんじゃないですか?
いつもあの二人長いですよ。
男の人はケタケタと
女の人はくすくすと静かに
笑うだけ笑って
「まぁ良いじゃないですか
それも旅の醍醐味ですし、
それに、そろそろ橋です。
…お別れの時です。
私たちの案内はここまで ですしね。」
ここに来てやっと白外套の女の人が
初めて話しかけてくれた。
「またいつかお会いできると良いですね。」
「はい、そうですね。」
「それじゃあ また。」
「ええ、また。」
そう言うと名残惜しそうに
2人はファイルを僕に差し出した。
僕はそれぞれの
ファイルを受け取って
脇に挟むと
手をさし出した。
2人と順番に向き合い握手をした。
お別れの時だ。
彼らは多分僕が生まれた時からずっと
僕のそばにいて
ちゃんと最後まで見ていてくれた人達。
倶生神さんだ。
この川を渡れば
僕に残るのは
このファイルに残された
今回の人生と
魂の履歴のスタンプカードだけ
ここからの旅は1人かぁ
やっぱりちょっと寂しいなぁ。
1人で橋を渡る。何度か振り返る。
渡りきるまでは彼らは僕を
見ていてくれるんだ。
何度も振り返り手を振る。
笑ってる様子が丸わかりの黒外套の男
その横で小さく手を振る白外套の女の人。
橋の真ん中辺りまで来て
川の景色を眺める。
川上はものすごく急な流れで
波が泡立ってるのが見えた。
激流を泳いでる人もいるし
川下の浅瀬を歩いてる人もいる。
ゆっくりと周りを見渡す
この風景にも見慣れたもんだ。
橋を渡りきった。
しばらく河原の道を進んだ。
朱色の鳥居とその横に看板があった。
鳥居を潜る。
小さな受付
そこに初江王のおじいさんが待っていて
手を振ってくれた。
「やぁ大変だったでしょ?
前のお年寄り2人は
いつも話が長くてなかなか終わらないからね。
待ってる方はちょっと辛いんだけどね。」
「はははっ」
答え辛いので笑って
スタンプカードとファイルを渡す。
渡されたファイルを開き
ふむふむ頑張ったんですね。
おつかれ様でしたね。
ちょっと横のベンチに座って
待っていてくださいね。
ちょっとお時間ある時かかるので
そう言った後
受け取ったファイルの中の
バーコード読み取った
横の通信機器から声か聞こえた。
なんかチャットしているみたいだった。
まぁ今回も多分
有罪だろなぁ
初江王さんは
ふんふん頷きながら
まぁ結論有罪ですねー。
でも、マロンちゃんが
あなたの弁護すごく頑張ってくれて
それで
有罪、情状酌量
次回再提出ってところですよ。
まぁまた次頑張りましょう。
そう言うと
スタンプを押してくれた。
✱初江王
死後14日目に出会う
釈迦如来の化身
生前亡者と
関わりのあった生き物を呼び出し
証言を聞く
生前の罪を問われる。
✱倶生神
人が生まれる時両肩に宿り
1人は善い事のみ
もう1人は悪しき事のみを監視している。
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