奥手の恋ほど、めんどくさいモノはない。

MOKO

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「それで…何か?」

「私、南ヶ丘サッカー同好会のマネージャーの赤城 弥生あかぎ やよいと言います。
不躾なのは重々承知しているのだけど…

「ぷっ!ぷはは!マネージャーってなんだよ?

同好会にマネージャーいるってすげぇな?」


俺が笑う 周りもどっと笑う。


「~~~!」


「それで?そのマネージャーさんが俺たちに何か用?」


「わ…私達と…そのサッカーの試合をして下さい。

出来れば試合をしたいの!でもメンバーは足らないんだけど…。」


笑われた事に対してだろうか?

メンバーが足らない事に対してだろうか?

顔を真っ赤にして俯くものの 

羞恥に負けずに早口で会話を続けようと 言い切った。




「部長の魚住さんにうちの青山たちがお願いしようとしたらしいんですが

どうも変なアプローチの仕方でかなり誤解を招いたそうで

も…申し訳なかったと…。」




「…無理だよ?」


「え?」

「…つまり君は俺たちと星稜と試合したいってことでしょ?」

「ええ…まぁ…平たく言えば…。」

「合同練習ならしてもいい…。」



けど俺達の試合に参加して怪我でもされたら困る。

俺達一応男だし、例え練習試合でも俺達は本気で勝ちを取りに行く。

遊びじゃないんだ。

プロ目指して星稜に入った奴ゴロゴロいるんだ。

女の子が遊びでしてる同好会についてこれる筈が無いでしょうよ?

もし本気で望むなっていうんなら…。





「どうしても俺たちとの試合を希望するなら

俺達の練習に参加してついてこれたら考えてもいい。」

赤城とかいう女は勝気な瞳で

「いいのね?」

「着いてこれたらね。」

やりとりを聞いていた周りが騒ついた。

「おい!和樹 勝手に決めて大丈夫か?淳也に聞いた方がいいんじゃないか?」


腹の中に黒い物が溜まって行くのを感じる。

侮蔑を含んだ目で彼女を見る。


「言ったろ?彼女達が俺らの練習について来れたらって。」



ついて来られる訳がないだろ!

男子と女子、部活と同好会、どう考えても基礎体力と練習時間の量が違う。

不穏な空気に気がついて何か言いたそうにこちらを向いている淳也だが

女子の近くには来れないし対応もできないはずだが

一応部長だ

淳也に向けて手を振った。


「淳也ぁ~!後半戦ちょっとタイムそんでちょっと集合!」

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