奥手の恋ほど、めんどくさいモノはない。

MOKO

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星稜サッカー部スタメンは寮で生活しているためほぼ同じ日常生活をしている。

平日の寮生の活動は、ほとんど同じで


6:00 起床  軽いストレッチとランニング

7:00 朝食

7:30グラウンド集合 朝練

8:30  朝練終了  

8:45  授業開始

15:30 授業終了

16:00 グラウンド集合

17:30 部活終了

18:00 夕食

20:00 自由時間

22:00 就寝

トレーニングルームもシャワー室も24時間使い放題なので

自主トレや居残り練習が必要な奴なんかは

自由時間も就寝時間も御構い無しに利用する。

スポーツ馬鹿にとって星稜は最高の施設だ。

体調管理も訓練の一環になるから、あまり無茶をする者は居ない。

学生の本分として学業の方も疎かにしてはいけないという事で

寮は成績上位者しか入れない様になっているからだ。

文武両道こそが星稜の目指す教育の基盤である以上

成績は落とす事が出来ないのだ。

故に寮生は星稜でもエリート中のエリートだ。

自分で言うのも何だが、制服に寮生バッチをつけているだけで

ハイスペックの証明となる。

南ヶ丘の女の子も寮生と仲良くなりたいと狙っているだろう。

各部のスタメンはほとんど寮生なので

そのつもりで紳士的対応する様に寮生にも直々に通達があった。






星稜と南ヶ丘の関係は理事長同士が同級生で親友な上

校長同士も仲良し、敷地も近いお隣さん

その分、恩とか義理とかのしがらみが交錯する。

今回グラウンドを借りる各部、それぞれに

南ヶ丘の生徒とは仲良くする様にとのお達しだ。

我がサッカー部でも一応はそう言う大人事情を立てている風を装いつつ

鬼島式訓練を提案した訳だが…。

この訓練正直、飯も食えねぇほどきつい。

生半可な気合いの入れ方じゃ、こなせない。

同好会ごときの鍛えてない体じゃ どうせ付いてこれないだろう。

試合なんかして本気になって

腹にボールとか当たって内臓破裂なんて…考えたくもない。


まぁ鬼島式訓練は夏休みの強化メニューで1週間続く

毎年2軍3軍の中で何人か脱落する奴もいるのだから

普通の女の子には無理だ。

最後までは追て来れない、途中で根をあげるのがオチだろう。

精々リタイア渋って無理して倒れなきゃ良いくらいか…。

どの道レベルが違いすぎて試合にならん。

こと試合に関しては、中途半端な気持ちで臨もうとは思わない

星稜が本気で勝ちに行くんだ。

怪我されたら、それこそ大変だ。

ただの同好会メンバーが鬼島式訓練についてこれないから

試合出来ない、ただそれだけの事だ。

一応、合同訓練をするわけだから

紳士的対応をした事には違わないだろう。


後の事は別にどうなろうと知ったこっちゃないっていうのが本音だ。
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