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君のものは、僕のもの♡ ①《3P》
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町外れの寂れた場所にある、とある古びた倉庫。
埃っぽい倉庫の中央には、そこにはそぐわない小綺麗なキングサイズのベッドがポツンと置かれていた。
「ねぇ、柊(しゅう)ちゃん、僕の言う通りにしてくれるぅ?」
ベッドに腰かける男は、ロープで後ろ手に縛った俺を背後から抱き竦め、脅すみたいに柊に問いかけた。
「はぁ?」
「だ・か・らぁ……3Pしてくれないなら、うちのチームと柊ちゃんのチームでぇ、『戦争』しちゃうよぉ……」
前髪をちょんまげに結った、赤髪のロン毛男。
腕の袖口からは、トライバル柄のタトゥーが少しだけ見え隠れする。
おびただしい数のピアスを耳に付け唇にもピアスをした男は、柊を挑発するようにベロを出しニヤッと笑った。
ベェッと出した長い舌にも、玉のような銀色のピアスが鈍く光っている。
「何言ってんの、暁(あき)?」
「柚希(ゆずき)ちゃん可愛くて、気に入っちゃた♡」
「ふざけんなよ」
「だってぇ、柊ちゃんのものは、僕のもの♡……でしょ~?」
「……テメェ、相当、頭イカれてんな」
「それくらい、柊ちゃんが大好きなんだよぉ♡だから、柊ちゃんのオンナは、僕のオンナ♡」
そう言うと暁は、身動きが出来ない俺の尻を、片手で鷲掴みにした。
「やっ……、触んなっ……!」
「小振りで可愛い、桃尻♡ますます、気に入っちゃった♡」
「暁、テメェ……マジで、殺すぞ」
「どーする?柊ちゃん?」
「3Pするしないで、抗争とかって……そんな事ぐらいで、戦争しねぇだろ、普通……」
「どーする、どーするぅ?」
「……言う通りにすれば、抗争はナシで、柚希は解放してくれんだろ?」
「もちろん、そのつもり」
「…………わかった」
「やーん♡うれしぃ♡柊ちゃんに、抱かれちゃうぅぅ♡」
「抱かねぇーよ、クソッ」
普段は冷静で、恐ろしいと思っていた柊。
その柊に余裕は感じられず、鳥肌を立てて男を嫌がっている。
暁という男は、見た目だけでなく、言動や思考もクレイジーだ。
柊と逢いたいからって俺を拉致し、柊が来るまでの間、自分の事、そして柊との間柄を熱の篭った口調で語っていた。
樋浦暁(ひうら あき)
県南の半グレ集団、AHGのリーダー。
柊と同い年で、従兄弟同士。
二人は幼稚園から小中高、大学まで一緒で、お互い何でも知っていて信頼しあえる、唯一無二の親友らしい。
柊の様子を見る限り、そう思ってるのは暁だけで、柊は毛嫌いしてるようにしか見えない。
「じゃあ、柊ちゃんもこっちにおいでよぉ♡」
満面の笑みで手招きをする暁。
柊は舌打ちをして、声の主を鋭く睨み付けると、足早にベッドへ近付き、暁から奪い取るようにして俺を抱き寄せた。
すぐさま固く結ばれたロープを、手早く解き外した。
漸く解放された俺の腕は、じんじんと痺れていて感覚がほとんどなかった。
「巻き込んで悪かったな……腕、痛くねぇか?」
心配そうな顔をしながら、赤く縄跡のついた腕を優しく擦ってくれた。
いつもは無表情で怖い柊だけど、機嫌の良い時や俺が言う事を聞いてる時、弱っている時はとても優しい。
「平気……」
「嫌なら、無理すんなよ」
「大丈夫だし……」
「ごめんな」
「柊……」
淡々と俺に謝る、柊の気持ちはわからない。
ただ嫉妬深い柊の心中は、多分穏やかじゃないっていうのは、今まで俺にしてきた行動を見てれば容易く想像できる。
たまたま俺の視線の先に男がいたり、
一人でいる時に声を掛けられたり……
そんな事ですら柊はぶちギレて、俺を殴り気を失うまで抱き潰す。
監禁されて、暴力を振るわれ、嫌がっても無理矢理に暴く男なのに……
冷たい顔立ちの中にどこか寂しげな雰囲気を感じてしまうと、気持ちが絆されてしまい……
「もう、いいって……」
腕を擦り続けてくれる手を取り、ギュッと握りしめた。
「イチャついてる所、悪ぃんだけどさー……僕ってそんなに、気が長い方じゃないんだよねぇ……待たされんのとか、無理なんだけど」
それまでの乙女なオネェ口調とは打って変わって、低くドスのきいた暁の声が倉庫内に響き渡る。
端正な顔から笑みは消え去り、真顔で睨み付ける。
その射抜くような視線に、怖じ気付いてしまい、金縛りにあったみたいに微動だに出来ない。
場の空気が、一瞬で緊迫したものへと変わった。
その威圧感と存在感。
暁は柊と対立する半グレのリーダーなんだって、改めて思い知らされる。
埃っぽい倉庫の中央には、そこにはそぐわない小綺麗なキングサイズのベッドがポツンと置かれていた。
「ねぇ、柊(しゅう)ちゃん、僕の言う通りにしてくれるぅ?」
ベッドに腰かける男は、ロープで後ろ手に縛った俺を背後から抱き竦め、脅すみたいに柊に問いかけた。
「はぁ?」
「だ・か・らぁ……3Pしてくれないなら、うちのチームと柊ちゃんのチームでぇ、『戦争』しちゃうよぉ……」
前髪をちょんまげに結った、赤髪のロン毛男。
腕の袖口からは、トライバル柄のタトゥーが少しだけ見え隠れする。
おびただしい数のピアスを耳に付け唇にもピアスをした男は、柊を挑発するようにベロを出しニヤッと笑った。
ベェッと出した長い舌にも、玉のような銀色のピアスが鈍く光っている。
「何言ってんの、暁(あき)?」
「柚希(ゆずき)ちゃん可愛くて、気に入っちゃた♡」
「ふざけんなよ」
「だってぇ、柊ちゃんのものは、僕のもの♡……でしょ~?」
「……テメェ、相当、頭イカれてんな」
「それくらい、柊ちゃんが大好きなんだよぉ♡だから、柊ちゃんのオンナは、僕のオンナ♡」
そう言うと暁は、身動きが出来ない俺の尻を、片手で鷲掴みにした。
「やっ……、触んなっ……!」
「小振りで可愛い、桃尻♡ますます、気に入っちゃった♡」
「暁、テメェ……マジで、殺すぞ」
「どーする?柊ちゃん?」
「3Pするしないで、抗争とかって……そんな事ぐらいで、戦争しねぇだろ、普通……」
「どーする、どーするぅ?」
「……言う通りにすれば、抗争はナシで、柚希は解放してくれんだろ?」
「もちろん、そのつもり」
「…………わかった」
「やーん♡うれしぃ♡柊ちゃんに、抱かれちゃうぅぅ♡」
「抱かねぇーよ、クソッ」
普段は冷静で、恐ろしいと思っていた柊。
その柊に余裕は感じられず、鳥肌を立てて男を嫌がっている。
暁という男は、見た目だけでなく、言動や思考もクレイジーだ。
柊と逢いたいからって俺を拉致し、柊が来るまでの間、自分の事、そして柊との間柄を熱の篭った口調で語っていた。
樋浦暁(ひうら あき)
県南の半グレ集団、AHGのリーダー。
柊と同い年で、従兄弟同士。
二人は幼稚園から小中高、大学まで一緒で、お互い何でも知っていて信頼しあえる、唯一無二の親友らしい。
柊の様子を見る限り、そう思ってるのは暁だけで、柊は毛嫌いしてるようにしか見えない。
「じゃあ、柊ちゃんもこっちにおいでよぉ♡」
満面の笑みで手招きをする暁。
柊は舌打ちをして、声の主を鋭く睨み付けると、足早にベッドへ近付き、暁から奪い取るようにして俺を抱き寄せた。
すぐさま固く結ばれたロープを、手早く解き外した。
漸く解放された俺の腕は、じんじんと痺れていて感覚がほとんどなかった。
「巻き込んで悪かったな……腕、痛くねぇか?」
心配そうな顔をしながら、赤く縄跡のついた腕を優しく擦ってくれた。
いつもは無表情で怖い柊だけど、機嫌の良い時や俺が言う事を聞いてる時、弱っている時はとても優しい。
「平気……」
「嫌なら、無理すんなよ」
「大丈夫だし……」
「ごめんな」
「柊……」
淡々と俺に謝る、柊の気持ちはわからない。
ただ嫉妬深い柊の心中は、多分穏やかじゃないっていうのは、今まで俺にしてきた行動を見てれば容易く想像できる。
たまたま俺の視線の先に男がいたり、
一人でいる時に声を掛けられたり……
そんな事ですら柊はぶちギレて、俺を殴り気を失うまで抱き潰す。
監禁されて、暴力を振るわれ、嫌がっても無理矢理に暴く男なのに……
冷たい顔立ちの中にどこか寂しげな雰囲気を感じてしまうと、気持ちが絆されてしまい……
「もう、いいって……」
腕を擦り続けてくれる手を取り、ギュッと握りしめた。
「イチャついてる所、悪ぃんだけどさー……僕ってそんなに、気が長い方じゃないんだよねぇ……待たされんのとか、無理なんだけど」
それまでの乙女なオネェ口調とは打って変わって、低くドスのきいた暁の声が倉庫内に響き渡る。
端正な顔から笑みは消え去り、真顔で睨み付ける。
その射抜くような視線に、怖じ気付いてしまい、金縛りにあったみたいに微動だに出来ない。
場の空気が、一瞬で緊迫したものへと変わった。
その威圧感と存在感。
暁は柊と対立する半グレのリーダーなんだって、改めて思い知らされる。
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