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プロローグ
プロローグゴリラと俺
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「う~ん、お風呂って気持ちいいな~」
頬をほんのり赤く染めたゴリラが俺の顔を見て言った。
「呑気な顔しやがってな」
俺は口を尖らせゴリラを見る。
このゴリラは気持ち良さそうにトロリーンと目を細めお風呂に入っているのだ。
「ナオートも風呂に入ると良いぞ。ふふっ、湯加減も最高だ~」
ゴリラはお風呂タイムを満喫している。
「俺はゴリラと風呂になんか入らないよ」
「何故だ? ナオート。それに俺の名前はゴリラじゃない。ゴリーラだよ」
ゴリーラは不満げに頬を膨らませた。
「ゴリラでもゴリーラどっちでも同じだろう」
「そんなことないよ。俺の名前はゴリーラだ」
「はいはい、わかりました。ゴリーラ」
「おっ、ゴリーラと呼んでくれたね。嬉しいな~」
ゴリーラはそう言ったかと思うと風呂からザバーンと勢いよく立ち上がった。水しぶきがバッシャーンと飛ぶ。
「わっ!」と叫び俺が水しぶきを避けようとしたその時、ゴリーラが「ナオート」と言いながら俺にムギュッと抱きついてきた。
「おいおい、ゴリーラってば抱きついてくるなよ。暑苦しいぞ」
「どうしてだよ~ナオートはゴリラが好きだよな? 動物園の檻の中にいる俺のことを愛おしそうに見ていたではないか」
ゴリーラは俺をムギュッとしながらフガーッと鼻息を荒くした。
「だから違うって言っているじゃないか! 俺が好きなのは猫なんだよ。猫科の動物なんだってば!! 霊長目ヒト科ゴリラ族じゃないよ」
俺がそう叫ぶもゴリーラの奴は、俺をムギュッとする腕をさらに強め、「まあまあ、ナオート照れるなよ。霊長目ヒト科ゴリラ族ときちんと言えて素晴らしいぞ。可愛い奴め。ふふん! ゴリラが好きなくせにな」と言う始末なのだ。
勘弁してくれよ。
「俺は、猫ともふもふがしたいんだよ」
ゴリーラにムギュッと抱きしめられたままの状態で俺は叫んだ。
そんな俺の叫びはゴリーラには届かない。
「ナオートよ、ゴリラ好きになってくれてありがとう」
なんてゴリーラは言うのだった。
誰か助けてください。俺の欲しかった能力はゴリラに愛される能力なんかじゃありません。
頬をほんのり赤く染めたゴリラが俺の顔を見て言った。
「呑気な顔しやがってな」
俺は口を尖らせゴリラを見る。
このゴリラは気持ち良さそうにトロリーンと目を細めお風呂に入っているのだ。
「ナオートも風呂に入ると良いぞ。ふふっ、湯加減も最高だ~」
ゴリラはお風呂タイムを満喫している。
「俺はゴリラと風呂になんか入らないよ」
「何故だ? ナオート。それに俺の名前はゴリラじゃない。ゴリーラだよ」
ゴリーラは不満げに頬を膨らませた。
「ゴリラでもゴリーラどっちでも同じだろう」
「そんなことないよ。俺の名前はゴリーラだ」
「はいはい、わかりました。ゴリーラ」
「おっ、ゴリーラと呼んでくれたね。嬉しいな~」
ゴリーラはそう言ったかと思うと風呂からザバーンと勢いよく立ち上がった。水しぶきがバッシャーンと飛ぶ。
「わっ!」と叫び俺が水しぶきを避けようとしたその時、ゴリーラが「ナオート」と言いながら俺にムギュッと抱きついてきた。
「おいおい、ゴリーラってば抱きついてくるなよ。暑苦しいぞ」
「どうしてだよ~ナオートはゴリラが好きだよな? 動物園の檻の中にいる俺のことを愛おしそうに見ていたではないか」
ゴリーラは俺をムギュッとしながらフガーッと鼻息を荒くした。
「だから違うって言っているじゃないか! 俺が好きなのは猫なんだよ。猫科の動物なんだってば!! 霊長目ヒト科ゴリラ族じゃないよ」
俺がそう叫ぶもゴリーラの奴は、俺をムギュッとする腕をさらに強め、「まあまあ、ナオート照れるなよ。霊長目ヒト科ゴリラ族ときちんと言えて素晴らしいぞ。可愛い奴め。ふふん! ゴリラが好きなくせにな」と言う始末なのだ。
勘弁してくれよ。
「俺は、猫ともふもふがしたいんだよ」
ゴリーラにムギュッと抱きしめられたままの状態で俺は叫んだ。
そんな俺の叫びはゴリーラには届かない。
「ナオートよ、ゴリラ好きになってくれてありがとう」
なんてゴリーラは言うのだった。
誰か助けてください。俺の欲しかった能力はゴリラに愛される能力なんかじゃありません。
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