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新たなる不安
信じられない
しおりを挟むわたしは固まってしまい言葉が出てこなかった。だって、そうでしょう。りりこちゃんとほとりちゃんがこの世界のわたしニャンリーを見ているんだよ。
もう二人のことは忘れようと思っていたのに。だけど、りりこちゃんとほとりちゃんの目に映るわたしは、猫のにゃーではないはずだ。
「初めましてりりこです」
「初めましてほとりです」
黙っているわたしに二人は挨拶をしてきた。この声は、この懐かしい声はりりこちゃんとほとりちゃんだ。
ずっと、ずっと聞きたかった声だ。会いたかったよと叫びたい。だけど、叫んでもわたしはニャンリーなのだ。それにわたしはこの二人に捨てられた猫なのだ。
「りりこちゃん、ほとりちゃん、わたしの新しくできた友達のニャンリーちゃんだよ」
ニッコリはにこっと笑って今度はわたしをりりこちゃんとほとりちゃんに紹介した。
「ニャンリーちゃん?」
ニッコリが黙っているわたしのことを首を横に傾げ不思議そうな表情を浮かべている。
「わ、わたしはニャンリーです」
初めましてと言った方がいいのか迷ったけれど、とりあえず名前だけ言った。
「ニャンリーちゃんって可愛らしい名前ですね」
りりこちゃんがそう言いほとりちゃんも「なんか猫みたいな名前で可愛らしいね」と言ったのだ。
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