梅子ばあちゃんのゆったりカフェヘようこそ!(東京都下の高尾の片隅で)

なかじまあゆこ

文字の大きさ
9 / 124
第二章 お仕事開始

3

しおりを挟む

 それにしても、朝のモーニングの時間帯はあまりにも忙しすぎる。一組目のお客様の対応を終えてほっと一息ついたのも束の間で、そのあと、カランコロン、カランコロンとドアベルが鳴りひっきりなしにお客様が来店する。

 注文を取りお会計もしたり、食べ終えた食器を片付けたり、もう、初めてのことなので目が回る。頭もパンクしそうだ。

 誰か助けて。

 それからモーニングセットの種類まで多数用意するおばあちゃんには呆れてしまう。

 だって、モーニングセットは……。


 洋食と和食両方ある。

 洋食は定番のトーストセットからピザトーストセット、ホットドッグセット、ワッフルセットなどがある。例えばトーストセットだけでも何種類もあって、ゆで玉子つき、アイスクリームつき、チョコレートつきなど選べるようになっている。

 和食も、焼き魚定食、納豆定食、梅子ばあちゃんのオススメ定食などがある。そして、ごはん大盛、普通盛り、少なめなどごはんの量も選べる。

 朝から会社に出勤前のサラリーマンやOLなどで賑わう。皆、お家で食べずにここ、『梅子ばあちゃんのゆったりカフェへようこそ!』で朝ごはんを食べているんだね。わたしも、おばあちゃんのように朝の幸せな一時を提供できたらいいな。




 忙しい、モーニングの七時から十一時の時間帯が終わると、お昼のランチタイムまでの一時間はわたしは洗い場に入ってお皿などの洗い物をする。大量の洗い物にてんてこ舞いだ。おばあちゃんは、お昼の仕込みに入る。

 やっと洗い物が終わったーとばんざーいしたのも束の間で、おばあちゃんの容赦ない「るり子ちゃん、さあさあ、ランチタイムの開始だよ~」に愕然とする。

 ランチタイムには、さゆりさんが手伝いにやって来た。まさか、わたし一人で注文受けをするのかなとドキドキしていたので、さゆりさんの顔を見た時には、さゆりさんがまるで天使のように見えた。

「るり子ちゃん、頑張ろうね」

「はい、頑張りましょう」

 さゆりさんと二人で気合いを入れる。

 またまた、忙しいランチタイムのゴングがカーンと鳴った。


 おばあちゃんとさゆりさんとわたしの三人で力を合わせてランチタイムを乗りきった。

 わたしは初めてのこともあり、もう目が回りそうで本当に大変だったし、疲れた。何回かミスもしたが、おばあちゃんとさゆりさんが助けてくれた。

 そして、忙しかったランチタイムも終わり、客足も落ち着いてきたのでお昼の休憩になった。お昼ごはんはおばあちゃんの賄いだ。

 アボカドサンドイッチにトマトの豆入りスープが今日の賄いだ。おばあちゃんが作ってくれた賄いはとても美味しい。

 まろやかなアボカドサンドイッチに舌鼓を打ちながら疑問に思っていたことをおばあちゃんに尋ねた。


「ねえ、おばあちゃん、このカフェにはわたしとさゆりさんしか従業員はいないの?」

「るり子ちゃんが来る少し前まではいたのよ……。でも辞めてしまってね」

 だよね。こんなにも忙しいのに二人だけなんてことはあり得ないよね。それにしてもおばあちゃんの今の話し方は歯切れが悪い。何故かな?

「お義母さんそうなんですよね。るり子ちゃん聞いて、前に働いてた子、学生さんなんだけど、メニューが多すぎてついていけません~って言っていきなり辞めたのよ。ね、お義母さん」

「そうだったわね……」

 おばあちゃんは苦虫を噛み潰したような表情で答えた。

 その学生さんの気持ちもなんとなく分かるよ。おばあちゃん。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件

さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ! 食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。 侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。 「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」 気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。 いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。 料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!

田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした

月神世一
ファンタジー
​「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」 ​ ​ブラック企業で過労死した日本人、カイト。 彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。 ​女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。 ​孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった! ​しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。 ​ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!? ​ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!? ​世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる! ​「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。 これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

あまりさんののっぴきならない事情

菱沼あゆ
キャラ文芸
 強引に見合い結婚させられそうになって家出し、憧れのカフェでバイトを始めた、あまり。  充実した日々を送っていた彼女の前に、驚くような美形の客、犬塚海里《いぬづか かいり》が現れた。 「何故、こんなところに居る? 南条あまり」 「……嫌な人と結婚させられそうになって、家を出たからです」 「それ、俺だろ」  そーですね……。  カフェ店員となったお嬢様、あまりと常連客となった元見合い相手、海里の日常。

リストラされた42歳、確率の向こう側へ。~なぜか俺の選択肢がすべて正解になる件~

RIU
ファンタジー
「君には今月いっぱいで席を空けてもらいたい」 42歳、独身、社畜。会社のために尽くしてきた柏木誠は、理不尽な理由でリストラされた。 絶望の中、雨の神社で野良猫を助けた彼は、不思議な光と共に【確率固定】という異能――「無意識に正解を選び続ける豪運」を手に入れる。 試しに買った宝くじは10億円当選。 復讐心に燃える元上司を袖にし、元天才投資家の美女をパートナーに迎えた柏木は、その豪運で現代社会を無双していく。 「俺の選択に間違いはない。なぜなら、確率の方が俺に合わせるからだ」 枯れたおじさんが資産と余裕を手に入れ、美女たちに頼られながら、第2の人生を謳歌する痛快サクセスストーリー!

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...