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第六章 やっぱり梅子ばあちゃんのカフェが大好きだ
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しおりを挟むまったくもう、この二郎さんという人は、おばあちゃんと出逢わなかったら、どんな人生を送っていたのだろうか?
人は、出逢いや小さな選択の一つ一つで人生がころりと、変わるのかもしれない。
わたしも、おばあちゃんのカフェで働いていなければ、また全然違う生活をしていたんだろうなと、二郎さんのこの絵本を見て感じた。
就職をしていたら?
都心でアルバイトをしていたら?
今のこの生活がいいのか、他の道がいいのかは、まだまだ答えは出ないけど、とりあえずは、今出来ることを精一杯頑張ろうと思った。
ーーー
そんなこんなで、昨日は、楽しい楽しいお食事会だった。
はじめて食べる伊勢エビラーメンに、可愛らしいサンタクロースのケーキ。里奈のハーフアンドハーフのケーキに笑ったりいろいろ盛りだくさんの一日だった。
そして、極めつけは、二郎さんのあの絵本。どれだけ絵が上手なのとびっくりして、何よりもおばあちゃんのことをよく観察しているなと感心した。
あの天井まで届くような本棚にもびっくりした。
二郎さんは、帰り際にまたいつでも来てくださいねと笑って手を振った。
今度は、お客様として行ってみようかな。
伊勢エビラーメンを頼むことはもちろんできないけれどね。
そして、おばあちゃんのカフェの本棚には、二郎さんお手製の絵本が並べられている。
二郎さんが、是非、梅子さんに持っていてほしいとのことで、おばあちゃんが持って帰ってきたのだ。
このカフェは、わたしにとっても大切な場所。
きっと二郎さんのように『梅子ばあちゃんのゆったりカフェへようこそ』に訪れて心地よい空間だなと、思ってくれている人がいるはずだ。
わたしも、その心地よい空間をつくっていくことに少しでも役に立てているのならば、とても幸せなことだなと思う。
さあ、仕事だよ。
今日も一日頑張るぞ!
テーブルも綺麗に拭き、お掃除もすべて完了した。
カランコローン!
あれ?
まだ、お客様が来るには少し早いよね。壁掛け時計を確認すると、開店までやはり十分程あった。
視線を扉に向けると、店内に入ってきたのは、佐美さんだった。
「ヤッホー、るり子ちゃん~」
元気に挨拶をしてくる。こんな時の佐美さんはなんだか怪しい。何か企んでいるのかもしれないので、思わず構えてしまう。
「なあに? 佐美さん」
佐美さんは、ニタニタ笑っている。なんだか恐ろしい。
佐美さんは、わたしの問いに答えず、ニタニタ笑い続けている。
「だから、なんなの佐美さん?」
「じゃ~ん、商店街の福引きを引いたら当たりました~」と、佐美さんは得意げに胸を張り答えた。
福引きが当たったのならば、早く当たったといえばいいのに、変な佐美さんだ……。
「ちょっと~佐美さん何が当たったの?」
佐美さんは、小首をかしげたあと、
「これで~す」と言ってわたしに見せた。そう、佐美さんが見せたものは。
それは、『ご旅行券』だった。
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