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第六章 やっぱり梅子ばあちゃんのカフェが大好きだ
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しおりを挟む「もう、二郎さんってばどうして梅子なのよ?」
おばあちゃんはころころ笑っている。
「いや~もう、だって、梅子さんは僕にまっとうな道を歩かせてくれた恩人ですから。あやかって猫にも梅子と名前を付けてしまいました」
二郎さんは、白猫の『梅子』を抱っこし笑顔だ。
「そうなの。嬉しいわ」
「それから、この本棚も梅子さんのカフェを参考にしました。意地になって、梅子さんのカフェより凄いのを作るぞ! なんてやっていましたらこうなりました」
それを聞いたおばあちゃんは、苦笑いを浮かべている。
「でも、これ好評なんですよ。お客さんからは、二郎さんのお店寛げるわと言って頂いています」
二郎さんは、本棚を見上げて嬉しそうだ。
わたしのおばあちゃんは人に良い影響を与えるのだから、わたしまで嬉しくなる。
「お客様にそう言って頂けるのは嬉しいわよね。それにしてもたくさんの本が揃っているわね」
おばあちゃんは、本棚を見上げて感心した様子だ。
「そうなんですよ。僕の昔から集めていた本や、古本屋等に行って、様々な種類の本を集めて来ました。自慢の本棚です」
二郎さんが自慢の本棚ですというだけあり、絵本から漫画に小説など分野も様々で、一日居ても飽きないそんな本のお部屋になっている。
凄いなと思って、本棚にある本を眺めていると、『梅子のカフェ』と書かれた背表紙が目に入った。絵本のようだけど。
絵本の表紙は、パステルカラーでとても綺麗な色使いなのだ。そして、おばあちゃんのカフェと思われる可愛らしい絵と、そのお店の絵の前にふんわりと可愛らしい女性が立っている。
この女性は若いけれど、おばあちゃん、梅子ばあちゃんに似ている。
「二郎さん、この絵本なんですけど、二郎さんが描かれたのですか?」
とわたしが聞くと二郎さんは、「はい、僕が描きました」
だって!
やっぱり、二郎さんが描いた絵本だったのだ。
ふんわりとした絵で、女性が描くような可愛らしい絵本だった。
「僕が描きましたよ」の返事に、わっ、やっぱりと思う反面、本当に二郎さんが描いたんだと、びっくりする。イヤイヤもう驚いた。
パステルカラーの絵本と二郎さんを思わず見比べる。
やっぱり、なんだかイメージが……。
わたしが、絵本を見ていると、おばあちゃんと里奈も絵本を覗きこんできた。
「綺麗だね」
おばあちゃんが言った。
そうなのだ。ページをパラパラめくると、綺麗な色使いの世界が広がっている。
おばあちゃんのカフェがあたたかいイメージで描かれていた。
ふふっ。若い頃のおばあちゃんに出逢えたような気分になった。
おばあちゃんが、楽しそうに笑いながらお茶を出しているシーン。おばあちゃんがレジに立つシーン。
そして、これだ、これ。二郎さんが食い逃げをして、おばあちゃんが追いかけている姿まで、描かれている。おばあちゃんの二郎さんを叱る顔に二郎さんが謝っている姿は、笑えた。
「くひひっ」
里奈は、二郎さんが、おばあちゃんの怒り顔を見て怯えている場面を見て指差して笑った。
まったくもう!
おばあちゃんもクスクス笑っている。わたしも、なんだか楽しい気分になった。
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