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お姉ちゃんと俺
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「お姉ちゃんと姉弟というのは褒め言葉かな?」
「はぁ? それはこっちのセリフだけどね」
そう言うお姉ちゃんの顔をちらっと見るとギロッと睨まれた。ちょっと怖いのですが……。まあ、それでも猫だから可愛いけれど。
「二人ともケンカしないの~」
お母さんは困ったように眉間に皺を寄せた。
「そうだよね、お母さんはいい意味で言ってくれたんだもんね。ねっ、お姉ちゃん仲良くしようぜ」
「分かったよ。じゃあ、猫太のぶどう頂戴ね」
なんて言って俺のぶどうに手を伸ばして食べるのだから信じられない。と言うかさっきから同じことの繰り返しではないかと思うと可笑しくなる。
こんな平和な時間を過ごしていると、緑町で見てきたことが夢の中の世界に思えてくる。
だけど、確かに俺は猫歌さんと緑町で会った。そして、猫歌さんのノートを読んだ。そのノートには様々な猫歌さんの思いが書かれていた。
楽しいことも辛いこともノートの中にぎっしり詰まっていて読んでいて微笑ましかったり辛かったりと俺の気持ちも揺れ動く。
それと、前世での俺のことも書いてあった。
ああ、また、緑町の猫歌さんのことが気になってきた。お姉ちゃんとぶどうのことで言い合いをして忘れていたのに……。
俺が緑町の猫歌さんのことを考えていると、
「猫太ってばぶどうの汁が垂れているよ」
お姉ちゃんに言われて気がついた。俺はぼんやりぶどうを咥えていたようだ。
「はぁ? それはこっちのセリフだけどね」
そう言うお姉ちゃんの顔をちらっと見るとギロッと睨まれた。ちょっと怖いのですが……。まあ、それでも猫だから可愛いけれど。
「二人ともケンカしないの~」
お母さんは困ったように眉間に皺を寄せた。
「そうだよね、お母さんはいい意味で言ってくれたんだもんね。ねっ、お姉ちゃん仲良くしようぜ」
「分かったよ。じゃあ、猫太のぶどう頂戴ね」
なんて言って俺のぶどうに手を伸ばして食べるのだから信じられない。と言うかさっきから同じことの繰り返しではないかと思うと可笑しくなる。
こんな平和な時間を過ごしていると、緑町で見てきたことが夢の中の世界に思えてくる。
だけど、確かに俺は猫歌さんと緑町で会った。そして、猫歌さんのノートを読んだ。そのノートには様々な猫歌さんの思いが書かれていた。
楽しいことも辛いこともノートの中にぎっしり詰まっていて読んでいて微笑ましかったり辛かったりと俺の気持ちも揺れ動く。
それと、前世での俺のことも書いてあった。
ああ、また、緑町の猫歌さんのことが気になってきた。お姉ちゃんとぶどうのことで言い合いをして忘れていたのに……。
俺が緑町の猫歌さんのことを考えていると、
「猫太ってばぶどうの汁が垂れているよ」
お姉ちゃんに言われて気がついた。俺はぼんやりぶどうを咥えていたようだ。
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