わたし沖縄で働くことにしました（沖縄の風や味が忘れられなくて）

ああげっそり真理子

亜利子ちゃん

　｢嬉しいよ～ありがとう～心配してくれて～｣と言ってわたしにまとわりついてくる暑苦しい真理子を引きはがして、今日の夜ご飯はどうする？　と尋ねる。

　真理子はわたしから離れて、｢やっぱり、あの食堂がいいな｣

　わたしも｢やっぱり、あそこだよね！｣と言った。

　そして二人で声を合わせて、

　｢最高にうまい食堂だよね！｣と言った。

　今日は寮の夕食はパスして『最高にうまい食堂』に行くことにした。

　それから、会社員時代の同僚でもある亜利子ありこちゃんも誘うことにした。

　実は、亜利子ちゃんも現在は沖縄で生活をしているのだった。

　以前わたし達が沖縄旅行に行った際亜利子ちゃんはわたし達の『沖縄そば定食』と『豆腐チャンプルー定食』を食い逃げした犯人でもあるのだ。懐かしいな。

　亜利子ちゃんに電話をすると、二コール目で出た。｢はい、美咲《みさき》です｣

　亜利子ちゃんの懐かしい声が電話越しに聞こえてきた。

　｢亜利子ちゃん、久しぶり～｣

　｢わぁ、みどりさん。久しぶりです～もう沖縄での仕事は始まっているんですか？｣

　沖縄で仕事を始めることはメールで伝えていた。電話で話すのは半年ぶりくらいかもしれない。

　｢うん。始まっていてもう色々大変！｣

　｢なんでも最初は大変ですよね｣

　｢そうそう。それに真理子なんて｣と話したところで、鋭い視線を感じた。真理子がわたしを睨んでいる。

　｢真理子さんが？｣

　｢あ、真理子の話は後でね。ねえ、亜利子ちゃん今からご飯に行かない？　空いてるかな？｣

　｢行きます！　大丈夫ですよ～｣

　亜利子ちゃんは弾む声で返事をした。

　ということで亜利子ちゃんも一緒に『最高にうまい食堂』に行くことが決定した。