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ムササビカフェ食堂で今日も
頑張りました
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「美味しそうだにゃん」
「ねっ、美味しそうでしょう。ってちょっとミケちゃんどうしてお皿に顔を近づけているのよ」
「うにゃん?」
「うにゃんじゃないよ。これはおばあちゃんのご飯なんだからね」
気がつくとミケが厨房にいてしかもお皿に顔を近づけているのだった。
「そっか、美味しそうなのににゃん」
ミケは残念そうに呟く。
「おっと、真歌さん。『豚肉としめじの炊き込みご飯とたけのこの炊き込みご飯のハーフアンドハーフ』完成したんですね」
高尾さんがそう言ってお皿を覗き込む。
「はい、完成しましたよ」
わたしはにっこりと笑い、心の中でガッツポーズする。
「素晴らしい出来栄えですね」
「えへへ、ありがとうございます」
「真歌さん顔がニヤけていますね」
「へ? そ、そっかな」
「めちゃくちゃニヤけていますよ。でも、本当に素晴らしい出来栄えですよ。真昼さんに引けを取らないほどに」
高島さんは人差し指と親指で丸を作りニコッと笑った。
「わ~い! それはとても嬉しいです。実は、真昼ひいおばあちゃんに手伝ってもらったんですよ」
わたしは真昼ひいおばあちゃんのあたたかい手の温もりを思い出しながら言った。
「え? 真昼さんに手伝ってもらったってどういうことですか!? まさか真昼さんが戻ってきたなんてことはないですよね?」
高男さんは目を大きく見開いている。
「真昼ひいおばあちゃんの手の温もりを感じたんですよ」
そう、あのあたたかい手の温もりは真昼ひいおばあちゃんに間違いない。
「そうでしたか。真昼さんは真歌さんを見守ってくれているんですね」
高男さんの目は真昼ひいおばあちゃんを見ているようで穏やかだった。
「はい、きっと」
「真昼さんが手伝ってくれたから素晴らしい出来栄えなんですね~」
高男さんは悪戯っぽく笑う。
「あ、そうだけど、わたしも頑張ったんですからね」
「はいはい、わかっていますよ。真歌さんはいつでも一生懸命ですもんね」
高男さんはクスクスと笑い「さあ、真朝さんに食べてもらいましょうね」と言った。
「はい、おばあちゃん喜んでくれるかな?」
わたしは、お盆に『豚肉としめじの炊き込みご飯とたけのこの炊き込みご飯のハーフアンドハーフ』と高男さんが淹れてくれた紅茶を載せおばあちゃんの元へ運んだ。
「あら、美味しそう。綺麗に盛り付けられているわね」
おばあちゃんは目の前に置かれた『豚肉としめじの炊き込みご飯とたけのこの炊き込みご飯のハーフアンドハーフ』に視線を落としうふふと笑った。
「わたし頑張って盛り付けたんだよ。それとね、真昼ひいおばあちゃんに助けてもらったんだ」
「え? お母さんに?」
おばあちゃんは不思議そうにわたしを見る。
「うん、真昼ひいおばあちゃんのね優しい手の温もりを感じたんだよ。真歌ちゃんなら大丈夫だよって言われた気がしたんだ」
わたしは左手で自身の右手にそっと触れた。あの時じわりと伝わってきた温もりにありがとうと感謝をする。
「お母さんが応援してくれたのよね。きっと、そうだわ」
「うん、だからね。今は真昼ひいおばあちゃんに会えなくても寂しくないかな」
「そうね。では、お母さんが真歌ちゃんを応援してくれた料理を食べるわね」
「はい、どうぞ」
おばあちゃんはお箸を手に取り炊き込みご飯を口に運ぶ。
しばらく味わっている様子を見せそれから、
「うん、とても美味しいわ」と微笑みを浮かべた。
「ねっ、美味しそうでしょう。ってちょっとミケちゃんどうしてお皿に顔を近づけているのよ」
「うにゃん?」
「うにゃんじゃないよ。これはおばあちゃんのご飯なんだからね」
気がつくとミケが厨房にいてしかもお皿に顔を近づけているのだった。
「そっか、美味しそうなのににゃん」
ミケは残念そうに呟く。
「おっと、真歌さん。『豚肉としめじの炊き込みご飯とたけのこの炊き込みご飯のハーフアンドハーフ』完成したんですね」
高尾さんがそう言ってお皿を覗き込む。
「はい、完成しましたよ」
わたしはにっこりと笑い、心の中でガッツポーズする。
「素晴らしい出来栄えですね」
「えへへ、ありがとうございます」
「真歌さん顔がニヤけていますね」
「へ? そ、そっかな」
「めちゃくちゃニヤけていますよ。でも、本当に素晴らしい出来栄えですよ。真昼さんに引けを取らないほどに」
高島さんは人差し指と親指で丸を作りニコッと笑った。
「わ~い! それはとても嬉しいです。実は、真昼ひいおばあちゃんに手伝ってもらったんですよ」
わたしは真昼ひいおばあちゃんのあたたかい手の温もりを思い出しながら言った。
「え? 真昼さんに手伝ってもらったってどういうことですか!? まさか真昼さんが戻ってきたなんてことはないですよね?」
高男さんは目を大きく見開いている。
「真昼ひいおばあちゃんの手の温もりを感じたんですよ」
そう、あのあたたかい手の温もりは真昼ひいおばあちゃんに間違いない。
「そうでしたか。真昼さんは真歌さんを見守ってくれているんですね」
高男さんの目は真昼ひいおばあちゃんを見ているようで穏やかだった。
「はい、きっと」
「真昼さんが手伝ってくれたから素晴らしい出来栄えなんですね~」
高男さんは悪戯っぽく笑う。
「あ、そうだけど、わたしも頑張ったんですからね」
「はいはい、わかっていますよ。真歌さんはいつでも一生懸命ですもんね」
高男さんはクスクスと笑い「さあ、真朝さんに食べてもらいましょうね」と言った。
「はい、おばあちゃん喜んでくれるかな?」
わたしは、お盆に『豚肉としめじの炊き込みご飯とたけのこの炊き込みご飯のハーフアンドハーフ』と高男さんが淹れてくれた紅茶を載せおばあちゃんの元へ運んだ。
「あら、美味しそう。綺麗に盛り付けられているわね」
おばあちゃんは目の前に置かれた『豚肉としめじの炊き込みご飯とたけのこの炊き込みご飯のハーフアンドハーフ』に視線を落としうふふと笑った。
「わたし頑張って盛り付けたんだよ。それとね、真昼ひいおばあちゃんに助けてもらったんだ」
「え? お母さんに?」
おばあちゃんは不思議そうにわたしを見る。
「うん、真昼ひいおばあちゃんのね優しい手の温もりを感じたんだよ。真歌ちゃんなら大丈夫だよって言われた気がしたんだ」
わたしは左手で自身の右手にそっと触れた。あの時じわりと伝わってきた温もりにありがとうと感謝をする。
「お母さんが応援してくれたのよね。きっと、そうだわ」
「うん、だからね。今は真昼ひいおばあちゃんに会えなくても寂しくないかな」
「そうね。では、お母さんが真歌ちゃんを応援してくれた料理を食べるわね」
「はい、どうぞ」
おばあちゃんはお箸を手に取り炊き込みご飯を口に運ぶ。
しばらく味わっている様子を見せそれから、
「うん、とても美味しいわ」と微笑みを浮かべた。
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