何故か異世界で狙われながら大冒険!?~転生先が絶滅寸前の愛玩モンスターだった件~

蒼霧雪枷

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第一章『転生したらしい』生命の森編

目が覚めるとそこは…

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─誰かの、泣き声が聴こえる…知っている声な気がするのに、何か、自分は大事なことを…忘れては、いけないのに………やるべきことが…ある、はずなのに…───


──ぼんやりと、目が覚めた。とても体が痛い。とてつもなく体が痛い。床で寝落ちをしたときのように、体の節々が痛む。
 目覚めて最初の感想はそんな感じだった。次に感じたものは冷たい風と土の匂い。そこでやっとオレは飛び起きた。
 ベッドで寝ていたはずだというのに、目覚めた場所は自分の部屋ではなく薄暗い森の中だった。
 右を見ても、左を見ても、前後上下何処を見ても森、森、森……いや、下は地面で上は空だけども…
 しかし、そんなことを考えている場合ではない。これは非常事態である。部屋で寝ていたはずが森の中で目覚めましたなんて、誘拐や何か事件に巻き込まれたとしか思えない。
 そこまで考えて、ふと自分の手足が目に入り、そんなことはなかったと考え直した。

 だって、人間であるはずのオレの手足がもふもふな訳がない。

 きっとこれは夢なのだろうと決定付け、珍しくハッキリと意識のある夢だなぁと思いつつ立ち上がる。
 四肢は正常に動くし、二足歩行も問題ない。やはり夢だな。

 それにしたってここは何処なんだろうか。夢だとしても、森の中なんて絶対に迷う。自分がいる場所が何処かは確認したいが…森の中じゃあ無理か?
 
『はい。此処は【生命の森せいめいのもり】。【命の泉いのちのいずみ】がある中級ダンジョンです。【命の泉】は、主に回復薬ポーションの材料になり、旅人の憩いの場ともなっています。しかし、森のモンスター達も傷を癒すためによく集まるため要注意。この場所はその【命の泉】前です』

 突然聞こえた声に驚き、反射的に周りを見渡してみる。しかし、声の主は見つけられない。
 ダンジョンだの、ポーションだの、モンスターだの、まるでファンタジーゲームみたいだなと思いつつ、声の主に話しかけてみようと思ったが、うまく声が出せなかった。
 一瞬焦ったが、夢では声は出ないことが多い。そのタイプの夢は、考えれば大体伝わる気がする。
 試しに脳内で誰かと問いかけてみれば、思った通り返事が返ってきた。

『はい。私は独立スキル【森の案内人ナビゲートピクシー】です。一先ず、おはようございます、マスター』
 え、あぁ、うん。おはよう。
『はい。時刻は只今14時で、「こんにちは」の時間帯ですが』
 おそようじゃんか。なんで最初におはようなんて言ったの…あと、独立スキル?スキルってなに?あと何で姿が見えないの?
『はい。「スキル」とは、個々の生命体が持っているもので、主に攻撃、防御、魔法攻撃、魔法防御の四つとなります。極々僅かですが、特殊や独立と言った特別な条件で発生するスキルも存在します。独立スキルはその名の通り、スキルが個体から独立し、別個体が存在するスキルです。私は独立スキル【森の案内人】。姿が見えないのはまだLv1な為、形を持っていないのです』
 なるほどなー。レベルがあるって事は、まさかだけどバトルとかして上げないといけないわけ?
『はい。スキルによって上げかたは変わりますが、基本はバトルによるレベル上げとなります。しかし、私達独立スキルは「対話」によるレベル上げも可能となっております。「対話」をすることにより、スキルを使用した時と同様の状態になり、経験値が手に入ります』
 おー、なるほど。それは楽そうだし、暇にもならなさそうだ。まさに一石二鳥だな!

『スキル【森の案内人】がLv2になりました』

 言ったそばから!?あ、でもレベルが上がったから何か見えるんじゃ…
『はい。レベルアップしたため、姿ができました。おめでとうございます』
 え、うん。おめでとう。いやさ、おめでとうって、キミが言うことじゃないよね。普通、先にオレが言うよね。何で先に言っちゃったの…
『はい。いくら独立と言っても、スキルの持ち主は貴方です。私が先に言うことは間違いではありません。それより見てください。形を持つことができました。どうでしょうか?』
 へ~……あ、本当だ。よく見ればオレの周りを何か光の玉みたいなのが飛んでる。あれだ、ゼ○伝の妖精。あれそっくり。わぁー!何かこれだけでテンション上がってくるぅ!!主人公になった気分(※主人公)

 そう言えば、キミ名前は?森の案内人って何?何が出来るの?
『はい。私達、独立スキル【ナビゲートピクシー】は名前を持ちません。マスターが呼びやすい様に呼んでください。【森の案内人】はその名の通り、森の全てを知り、マスターへと伝える者です。モンスター、植物、森に関わる亜人族のステータスを見、説明してマスターへ教えることが【森の案内人】の役目で御座います』
 ほへぇ~…凄いんだな。じゃああれか?そこに生えてる、明らかに色が毒々しいキノコ。あれの説明とかもしてくれる、と。
『はい。【パラサイレッドキノコ】非常に危険な毒キノコ。味は美味しく、よく旅人が【マッシュレッドキノコ】と間違えて口にしてしまう。このキノコを食べてしまうと寄生され、苗床となってしまう』
 …よし、燃やそうぜ。





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