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第一章『転生したらしい』生命の森編
今の状況確認は大事
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『はい。私は森に生きるものしか種族説明をできません。他の種族は、かろうじてステータスを見ることが出来ますが、詳しくは見ることが出来ません。特殊スキル【迷子の子供】のレベルを上げ、他の【ナビゲートピクシー】を使役する事を推奨致します』
淡々と説明をしていく【森の案内人】。取り敢えず、さっきのスキル説明の続きをしてもらった。相変わらず無機質な声での説明は、夢にしては設定が凝っているな、なんて思った。
夢ならば、冷たい風も、土の匂いも、体の痛みも感じないはずだが、全て錯覚と決めつけたオレは、現実から目を背けていた。
つまり、オレのその【迷子の子供】っていう大変不本意なスキルは、独立スキル【ナビゲートピクシー】一族を手に入れる為の特殊スキルで、レベルが上がれば他のピクシーも仲間に出来ると。そう言うことだよな?
『はい。その通りです。特殊スキル【迷子の子供】は、独立スキル【案内人】を会得するための必須条件で、レベルが上がるごとに使役できる【案内人】が増えます。また、私達はレベルが上がる事に姿形が出来るだけでなく、より詳しく相手のステータスを見ることが出来るようになります。是非レベルアップに励んでくださいね』
…とか言って実はキミ、ステータスとかよりも姿形が欲しいだけなんじゃ…?
『………………いいえ。そんなことはありません』
いや、今の間はなんだ!?絶対に今の図星だったよね!?別にいいけどさ!!
そう言えば、そのステータスとやらは自分のものも確認できるのだろうか?ピクシーに聞いてみれば、
『はい。自分のステータスは意識をすれば自分でも見ることが可能です。見てみることを推奨します』
とのお返事をもらった。ならば早速、と脳内でステータスと唱えてみる。
スッ、と音もなくパソコンのウィンドウのようなものが、目の前に現れた。それは水色の半透明で、しかし字はしっかりと読める。
手を伸ばせば突き抜けるので、実態はなく自分だけしか見れないものだと直感した。
そこに書かれている文字は全く見たことがないもので。しかし、見覚えがないというのに読めるのはどういうことだろう。
夢というのは記憶の整理だと聞いたことがある。どこかでこの文字を見たことがあったのか?と聞かれれば、オレは全力でNOと断言できる。
これは夢だ、なんて現実逃避も大分キツくなってきたが、一先ずそれを頭の隅に追いやり、オレは今の自分の状態の確認をすることにした。
──────────
名前:表示できません 性別:両性
種族:リトルキャットドラゴン
Lv :1/100
状態:無
HP :140/140
MP :162/162
物理スキル
【獣の爪.Lv1】【鱗の鎧.Lv1】【猫パンチ.Lv1】
魔法スキル
【癒しの手.Lv1】【恐怖の月光.Lv1】
特殊スキル
【精霊の加護】【迷子の子供】【戦場の舞姫】【心を覗く目.Lv1】【無限収納】
独立スキル
【森の案内人】
──────────
わー、すげ。特殊スキルって珍しい感じなのに、オレ五個も持ってるぅ。すげぇー……なんて、分かりやすく逃げても、半透明の画面は無慈悲に現実を突きつけていた。
スキルを一通り確認し終えたあと、オレはとうとう現実に向き合うことになった。
ステータスの一番上、種族と名前の欄をキチンと読み、分かっていたことだったがオレは自分の目を疑いたかった。
ピクシーの制止の声も聞かずに、すぐ目の前まで近づいていた目的地に走る。走る、というよりは、目の前すぎて駆け寄ったという感じだが。
【命の泉】の周りは木々が少なく、光が射し込んで水がキラキラと光を反射している。同じ森の中だとは思えない程神秘的なこの場所は、とても居心地が良かった。
泉の淵に膝をつき、風で揺らめく水面を覗き込む。
ほら、よく漫画とかであるじゃん。池とか水溜まりで自分の姿を確認するの。それにうってつけの場所を、オレは目覚めてすぐに聞いていた。
波紋がなくなった水面に写ったものは、大きな耳を持った、丸い目をした猫のような動物。
普通の状況なら、可愛いと頭を撫でたくなるような愛らしい外見。しかし、今の状況では到底無理だし、第一水面から此方を見上げているくりくりとした目は自分のものだ。
パッと見れば大きな猫のような見た目。ふさふさの尻尾も生えており、道端にいたら拾って飼いたくなるだろう。
ただ、なにやら黒い模様のようなものが見える。触ってみると、他の場所の毛と同じような感触だが、なんだか硬い。鱗のように見える黒い部分は身体中の所々にあり、先ほど見たステータスにあった、物理スキル【鱗の鎧】を思い出した。
やっぱり、人間じゃないんだな。水面に写る今の自分の姿をみて、一番始めにそう思った。
思ったより自分が冷静でいられることに驚きつつ、ステータス画面を思い出す。
確か、種族は【リトルキャットドラゴン】だったよな。ピクシーに聞けば分かるだろうか。
そして、その種族の上にあった欄。表示が出来ませんと記された横には名前と書かれていた。今真っ先に思い付く疑問。表示が出来ないとはどういうことだろうか?
だって、オレの名前は___
あれ?
オレの名前って
何だっけ…?
淡々と説明をしていく【森の案内人】。取り敢えず、さっきのスキル説明の続きをしてもらった。相変わらず無機質な声での説明は、夢にしては設定が凝っているな、なんて思った。
夢ならば、冷たい風も、土の匂いも、体の痛みも感じないはずだが、全て錯覚と決めつけたオレは、現実から目を背けていた。
つまり、オレのその【迷子の子供】っていう大変不本意なスキルは、独立スキル【ナビゲートピクシー】一族を手に入れる為の特殊スキルで、レベルが上がれば他のピクシーも仲間に出来ると。そう言うことだよな?
『はい。その通りです。特殊スキル【迷子の子供】は、独立スキル【案内人】を会得するための必須条件で、レベルが上がるごとに使役できる【案内人】が増えます。また、私達はレベルが上がる事に姿形が出来るだけでなく、より詳しく相手のステータスを見ることが出来るようになります。是非レベルアップに励んでくださいね』
…とか言って実はキミ、ステータスとかよりも姿形が欲しいだけなんじゃ…?
『………………いいえ。そんなことはありません』
いや、今の間はなんだ!?絶対に今の図星だったよね!?別にいいけどさ!!
そう言えば、そのステータスとやらは自分のものも確認できるのだろうか?ピクシーに聞いてみれば、
『はい。自分のステータスは意識をすれば自分でも見ることが可能です。見てみることを推奨します』
とのお返事をもらった。ならば早速、と脳内でステータスと唱えてみる。
スッ、と音もなくパソコンのウィンドウのようなものが、目の前に現れた。それは水色の半透明で、しかし字はしっかりと読める。
手を伸ばせば突き抜けるので、実態はなく自分だけしか見れないものだと直感した。
そこに書かれている文字は全く見たことがないもので。しかし、見覚えがないというのに読めるのはどういうことだろう。
夢というのは記憶の整理だと聞いたことがある。どこかでこの文字を見たことがあったのか?と聞かれれば、オレは全力でNOと断言できる。
これは夢だ、なんて現実逃避も大分キツくなってきたが、一先ずそれを頭の隅に追いやり、オレは今の自分の状態の確認をすることにした。
──────────
名前:表示できません 性別:両性
種族:リトルキャットドラゴン
Lv :1/100
状態:無
HP :140/140
MP :162/162
物理スキル
【獣の爪.Lv1】【鱗の鎧.Lv1】【猫パンチ.Lv1】
魔法スキル
【癒しの手.Lv1】【恐怖の月光.Lv1】
特殊スキル
【精霊の加護】【迷子の子供】【戦場の舞姫】【心を覗く目.Lv1】【無限収納】
独立スキル
【森の案内人】
──────────
わー、すげ。特殊スキルって珍しい感じなのに、オレ五個も持ってるぅ。すげぇー……なんて、分かりやすく逃げても、半透明の画面は無慈悲に現実を突きつけていた。
スキルを一通り確認し終えたあと、オレはとうとう現実に向き合うことになった。
ステータスの一番上、種族と名前の欄をキチンと読み、分かっていたことだったがオレは自分の目を疑いたかった。
ピクシーの制止の声も聞かずに、すぐ目の前まで近づいていた目的地に走る。走る、というよりは、目の前すぎて駆け寄ったという感じだが。
【命の泉】の周りは木々が少なく、光が射し込んで水がキラキラと光を反射している。同じ森の中だとは思えない程神秘的なこの場所は、とても居心地が良かった。
泉の淵に膝をつき、風で揺らめく水面を覗き込む。
ほら、よく漫画とかであるじゃん。池とか水溜まりで自分の姿を確認するの。それにうってつけの場所を、オレは目覚めてすぐに聞いていた。
波紋がなくなった水面に写ったものは、大きな耳を持った、丸い目をした猫のような動物。
普通の状況なら、可愛いと頭を撫でたくなるような愛らしい外見。しかし、今の状況では到底無理だし、第一水面から此方を見上げているくりくりとした目は自分のものだ。
パッと見れば大きな猫のような見た目。ふさふさの尻尾も生えており、道端にいたら拾って飼いたくなるだろう。
ただ、なにやら黒い模様のようなものが見える。触ってみると、他の場所の毛と同じような感触だが、なんだか硬い。鱗のように見える黒い部分は身体中の所々にあり、先ほど見たステータスにあった、物理スキル【鱗の鎧】を思い出した。
やっぱり、人間じゃないんだな。水面に写る今の自分の姿をみて、一番始めにそう思った。
思ったより自分が冷静でいられることに驚きつつ、ステータス画面を思い出す。
確か、種族は【リトルキャットドラゴン】だったよな。ピクシーに聞けば分かるだろうか。
そして、その種族の上にあった欄。表示が出来ませんと記された横には名前と書かれていた。今真っ先に思い付く疑問。表示が出来ないとはどういうことだろうか?
だって、オレの名前は___
あれ?
オレの名前って
何だっけ…?
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